ビタミンAの多い食べ物でまず思いつくのは、にんじんなどの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなどですね。
でもビタミンAが多いと言われている食べ物も「100gあたり」ではなく「1食分あたり」で見てみると、ビタミンAが多いとは限りません。
そこで身近な食べ物の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」にビタミンAの多い食べ物を30位までランキングで紹介します。
料理不要でビタミンAがかんたんに摂れる食べ物や、たった一口でもビタミンAがたっぷり含まれている食べ物もたくさん!
どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なビタミンAの何%を摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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ビタミンAの効果とは?
ビタミンAの多い食べ物を紹介する前に……
ビタミンAの効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンAの5つの効果
ビタミンAの効果は感染症の予防やアンチエイジング、美肌・美髪など。具体的にはこちらの5つです。
- 風邪などの感染症の予防:
粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高める - さまざまな病気や老化の予防:
高い抗酸化作用が病気や老化の原因となる活性酸素を除去する - 美肌・美髪:
新陳代謝を促進して肌・爪・髪を健康に保つ - 夜盲症の予防:
暗い場所でも見えるように視力を守る - 子供の成長を促進:
細胞の増殖をサポートして成長を促進する
粘膜を整え、免疫を高め、目の健康を守るといった効果を発揮する栄養素がビタミンAです。
※参考サイト:e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足するとどうなるかというと……
- 免疫力が低下する
- 風邪をひきやすくなる
- さまざまな病気の予防効果が低下する
- 肌や髪や爪が弱くなる(いたむ)
- 視力が低下する
- 暗い所での視力が弱くなる
- 子供の成長が妨げられる
ビタミンAを摂りすぎると?
ビタミンAは摂りすぎるのも良くありません。摂りすぎると……
- 頭痛、めまい
- 腹痛、吐き気、嘔吐
- 脱毛
- 肌が乾燥する、肌がはげ落ちる
- 骨折のリスクが高まる可能性がある
- 妊娠初期の場合、胎児の発育に悪影響を及ぼす(器官形成異常など)
不足するのも、摂りすぎるのも良くないビタミンA。
ただ、サプリメントを飲んでいる人は摂りすぎに注意が必要ですが、一般的な食生活であれば摂りすぎの心配はまずありません。
※ビタミンAの1日の上限は男女ともに2,700μgRAEです
ではビタミンAは1日にどのくらい必要なのでしょうか?
ビタミンAの必要量と摂取量
1日に必要なビタミンAはどのくらいでしょうか?
そして、私たちの摂取量はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要なビタミンAは?
1日に必要なビタミンAの量(=推奨量)は年齢によって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」で次のように定められています。
1日に必要なビタミンA
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
※ビタミンAの含有量は「レチノール活性当量(単位:μgRAE)」であらわされます。
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
ところで私たちはビタミンAをちゃんと摂れているのでしょうか?
私たちの普段の摂取量は?
私たちの普段のビタミンAの摂取量(摂れている量)はこちらです。
実際に摂れているビタミンA
30~64歳では……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
178μgRAE(25%)不足
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
349μgRAE(39%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
ビタミンAの摂取量はまったく足りていません。特に男性は必要な量の60%ほどしか摂れていないのです。
これでは免疫力が低下してウイルスに負けてしまってもなにも不思議ではありません。感染症を予防するためにもしっかり摂りましょう。
ちなみにビタミンAが足りない傾向にある人は……
ビタミンAが不足しやすい人は?
ビタミンAの摂取量が足りていない人はこちら。
- 緑黄色野菜をあまり食べない
- たまごをあまり食べない
- 魚(ししゃも、わかさぎ、しらすなど)をあまり食べない
あてはまるような方は慢性的にビタミンAが不足している傾向があります。風邪をひきやすかったり、肌がかさつくことはありませんか?
では身近な食べ物の中から100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンAの多い食べ物をランキングで30位まで紹介します。
ビタミンAの多い食べ物ランキング
ビタミンAの多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは30位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンAがダントツに多い食べ物はレバーやうなぎ。にんじんにもたっぷりと含まれています。
チーズ、焼きのり、しらすも、1食分はわずかな量なのにビタミンAがしっかり補給できますね。
ではこの30位までの食べ物の「1食分に含まれるビタミンA」をお伝えします。
1~10位の食べ物
ビタミンAの必要量と摂取量
30~64歳なら……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足、
ということを頭に置きながら読み進めてください。
1~10位の食べ物には158~14,000μgRAE。女性の1日分のビタミンAの23~2,000%が含まれています。
1位:鶏レバー
鶏レバーの甘辛煮1皿
(鶏レバー100g使用)に
14,000μgRAE
鶏レバー1食分には1日に必要なビタミンAの20倍以上も含まれています。わずか10gの鶏レバーでも2倍以上摂れますね。
2位:豚レバー
レバニラ炒め1皿
(豚レバー100g使用)に
13,000μgRAE
1日の推奨量の14倍~20倍のビタミンAを摂ることができます。
3位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
1,500μgRAE
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが目安です。
4位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
1,100μgRAE
鶏・豚・牛のレバーやうなぎなら、1食分で1日に必要なビタミンAを超える量を摂ることができます。
5位:にんじん
にんじん1/2本分の炒め物に
576μgRAE
にんじん1/2本で、1日に必要なビタミンAの82%(男性なら64%)を摂ることができます。
ビタミンAの摂取量の不足分を補える食べ物は5位のにんじんまでです。
にんじんはビタミンAのほか、B群、E、K、カリウム、食物繊維が豊富な食べ物。感染症予防、血圧・中性脂肪・血糖値などの改善といった効果が期待できます。
にんじんの栄養がすごい!1/2本あたりの栄養価と8つの効果とは?
6位:春菊
春菊のおひたし一皿(64g)に
352μgRAE
春菊1袋160gを茹でると128gに。その半分を1食分としました。茹でた春菊の栄養価です。
7位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
259μgRAE
すいかはβ-カロテンのほか、ビタミンC、B6、カリウムも豊富。感染症予防、アンチエイジング、中性脂肪や血圧の改善が期待できます。
すいかの栄養価がすごい!どんな栄養素が多い?7つの効果とは?
8位:西洋かぼちゃ
かぼちゃの煮物2切れ(77g)に
254μgRAE
煮物サイズにカットしたかぼちゃ2切れに含まれるビタミンAです。1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量ですね。
1日に必要なビタミンAの36%(男性なら28%)を摂ることができます。
9位:大根の葉(炒め物)
大根の葉っぱの炒め物の
小皿1皿(大根の葉50g)に
165μgRAE
大根の葉はビタミンA、C、E、K、カルシウム、鉄分が多い立派な緑黄色野菜!強い骨をつくる、免疫力を高める、心筋梗塞や動脈硬化や高血圧の予防効果が期待できます。
大根の葉の栄養がすごい!炒め物1皿分の栄養価と7つの効果とは?
10位:ほうれん草(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿
(ほうれん草1/4袋:45g)に
156μgRAE
1日に必要なビタミンAの22%(男性なら17%)。ほうれん草のおひたしでもほぼ同じ量のビタミンAを摂ることができます。
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ビタミンAの多い食べ物を1~10位まで紹介しました。次は11~20位の食べ物です。
11~20位の食べ物
ビタミンAの多い食べ物、11~20位です。
ビタミンAの必要量
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足です。
11~20位の食べ物には96~132μgRAE。女性の1日分のビタミンAの14~19%を摂ることができます。
11位:チェダーチーズ
チェダーチーズ40gに
132μgRAE
目安として6Pチーズ1個の大きさが20gほどです。
チーズは手軽にビタミンAが摂れる食べ物ですね。40g食べると1日に必要なビタミンAの19%ほどを補えます。
12位:小松菜(おひたし)
小松菜のおひたし小鉢一皿(1/4袋分)に
130μgRAE
生ではなく茹でた小松菜に含まれるビタミンAです。
小松菜はビタミンKが抜群!ビタミンC、E、カルシウム、鉄分も豊富な食べ物です。感染症予防、アンチエイジング、貧血や高血圧予防、美肌に効果的です。
小松菜の栄養がすごい!おひたし1皿の栄養価と7つの効果とは?
13位:生たまご(全卵)
Lサイズの生たまご1個(60g)に
126μgRAE
1日に必要なビタミンAの18%(男性なら14%)が含まれています。
14位:ミニトマト(サラダ)
ミニトマト10個(150g)に
120μgRAE
ミニトマトは抜群に多いビタミンCをはじめ、ビタミンE、カリウム、食物繊維もたっぷり!風邪を早く治す、動脈硬化や高血圧や貧血の予防、疲労回復におすすめです。
ミニトマトの栄養がすごい!10個あたりの栄養価と9つの効果とは?
15位:サニーレタス(サラダ)
サニーレタス1/4玉分のサラダに
119μgRAE
女性の1日分のビタミンAの17%。摂取量の不足分(178μgRAE)の2/3を補うことができます。
サニーレタスにはビタミンK、C、E、葉酸、鉄分も多く、アンチエイジング、動脈硬化や心筋梗塞や高血圧の予防、貧血予防が期待できます。
サニーレタスは栄養の宝庫!サラダ1皿の栄養価と8つの効果は?
16位:ゴーダチーズ
ゴーダチーズ40gに
108μgRAE
17位:プロセスチーズ
プロセスチーズ40gに
104μgRAE
18位:ゆでたまご(全卵)
Lサイズ1個のゆでたまご(60g)に
102μgRAE
1日に必要なビタミンAの15%(男性なら11%)を摂ることができます。
19位:クリームチーズ
クリームチーズ40gに
100μgRAE
20位:カマンベールチーズ
カマンベールチーズ40gに
96μgRAE
女性の1日分のビタミンAの14%。摂取量の不足分の1/2を補える量が含まれています。
スーパーで市販のカマンベールチーズは1箱100g入りが一般的です。
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ビタミンAの多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後は21~30位の食べ物です。
21~30位の食べ物
ビタミンAの多い食べ物、最後は21~30位です。
ビタミンAの必要量
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足。
21~30位の食べ物には60~94μgRAE。女性の1日分のビタミンAの9~13%が含まれています。
21位:トマト水煮缶詰(ホール:食塩無添加)
トマトの水煮150gに
71μgRAE
22位:ニラ
1/4束分のニラ
(レバニラ炒め1皿分)に
91μgRAE
ニラはビタミンA、E、K、葉酸、カリウム、水溶性食物繊維が豊富。動脈硬化や心筋梗塞や高血圧の予防、感染症を防ぐ、貧血の改善に効果を発揮します。
ニラの栄養がすごい!レバニラ1皿分の栄養価と7つの効果とは?
23位:牛乳
200ml入り1パックに
78μgRAE
24位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
73μgRAE
「ししゃも」と「からふとししゃも」とありますが、一般的に流通しているのは「からふとししゃも」です。
女性の1日分のビタミンAの10%。摂取量の不足分(178μgRAE)の41%を補うことができます。
ししゃもはカルシウム、亜鉛、鉄分、ビタミンB群、Eも豊富。強い骨をつくる、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、生活習慣病の予防、感染症を防ぐ、美肌に効果的です。
ししゃもの栄養がすごい!1食分5尾の栄養価と7つの効果とは?
25位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
69μgRAE
26位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚
(3切×3枚で3g)に
69μgRAE
1日に必要なビタミンAの10%(男性なら8%)が含まれています。
27位:トマト(サラダ)
中サイズ1個(150g)に
68gRAE
ミニトマトなら同じ150g(10個)に120μgRAE。トマトのほぼ2倍です。
28位:みかん
Mサイズ1個(80g)に
67μgRAE
みかんはビタミンAのほか、B1、C、葉酸、カリウムが豊富。風邪を早く治す、中性脂肪や血圧の改善、ストレスから守る効果が期待できます。
みかんは栄養素の宝庫!みかん1個の栄養価と10の効果とは?
29位:柿
柿1個(184g)に
64μgRAE
柿はダントツに多いビタミンCをはじめ、B群、カリウム、食物繊維が豊富。風邪予防、アンチエイジング、血糖値を下げる、便秘を解消する効果が期待できます。
柿には栄養が凝縮!柿1個の栄養価と6つの効果とは?
30位:干し柿
干し柿2個(50g)に
60μgRAE
1日に必要なビタミンAの9%(男性なら7%)を摂ることができます。
女性の1日分のビタミンAの9%。摂取量の不足分の1/3を補うことができます。
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ビタミンAの豊富な食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフで見てみましょう。
いかがでしたでしょうか。身近な食べ物のなかに、意外とビタミンAが多い食べ物もあったのではないでしょうか?
ビタミンAの多い食べ物:まとめ
ビタミンAの効果、必要な量と私たちの摂取量、多く含まれる食べ物についてお伝えしました。
ビタミンAの多い食べ物:レバー、うなぎ、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、小松菜、チーズ、たまご(生・ゆで)、トマト
ビタミンAの効果:感染症の予防、いろんな病気や老化の予防、美肌・美髪、夜盲症の予防、子供の成長を促進
不足すると?:風邪などの感染症にかかりやすい、肌・髪・爪が弱くなる、視力が低下、子供の成長への影響
摂りすぎると?:頭痛、めまい、腹痛、吐き気、脱毛、肌のかさつき、妊娠初期では胎児の発育への悪影響
1日の必要量と摂取量:30~64歳の場合、女性は700μgRAE、男性は900μgRAE。女性は178μgRAE不足、男性は349μgRAE不足です。
油と一緒に摂ることで吸収率が高まるビタミンA。免疫を高めるためにもビタミンAの多い食べ物を積極的に摂るように心がけましょう。