クセのない美味しさとシャキシャキした食感が楽しめるえのきたけ。手頃な値段でいろんな料理に合うすぐれもの食材です。
そんなえのきたけには栄養もぎっしりと詰まっていること、ご存じですか?
これから紹介する内容を読むと、
- えのきたけはどの栄養が多い?
- 1パック分の油炒めで
1日分の栄養の何%が摂れる? - えのきたけの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
などが手に取るようにわかります。
えのきたけの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】なめたけに多い栄養はコレ!1食分の栄養価と5つの効果とは?
【関連記事】しめじの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
えのきたけ1パックの栄養価
えのきたけに多い栄養は、ビタミンB1、B2、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、カリウム、鉄分、不溶性食物繊維など。
エネルギーをつくるビタミンB群をはじめ、血液をつくる栄養や体をキレイにする食物繊維が豊富に含まれています。
えのきたけの効果としては、疲労回復、ストレスに強くする、便秘解消、貧血予防、血圧を下げる、骨を強くする、美肌、胎児の発育促進、集中力アップなどが期待できます。
では、
- えのきたけ1パック分の油炒めで、
1日分の栄養の何%が摂れる? - どの栄養がどのくらい含まれている?
- その栄養にどんなはたらきがある?
についてお伝えします。
えのきたけ1パック分の油炒め
=77g
1パックは約100g。いしづきを取り除いて油で炒めると77gほどになります。生のえのきたけではなく「油で炒めたえのきたけ1パック分の栄養価」を紹介します。
えのきたけに多いビタミン
まずはビタミンから。
えのきたけ1パック分の油炒めで、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
えのきたけに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 50% |
パントテン酸 | 23% |
ビタミンB1 | 18% |
葉酸 | 15% |
ビタミンB2 | 12% |
この5つの栄養はすべてビタミンB群。疲労を回復する代謝のビタミンで、脳や感情の安定も支えています。
次はえのきたけにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
えのきたけに多いミネラル
えのきたけ1パック分の油炒めで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
えのきたけに豊富なミネラルは次の4つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カリウム | 15% |
鉄 | 14% |
銅 | 12% |
リン | 12% |
えのきたけはミネラルも豊富。余分な塩分を出してくれるカリウム、貧血予防と免疫アップの鉄分など、女性にうれしいミネラルがつまっています。
では、えのきたけ1パックに含まれる食物繊維をお伝えしてから、えのきたけの9つの効果効能を紹介します。
えのきたけに多い食物繊維
えのきたけ1パック分の油炒めで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 27% |
水溶性食物繊維 | 5% |
えのきたけには私たちに足りない不溶性食物繊維が豊富。不足分を十分補うことができます。
ただ、生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす水溶性食物繊維がまったく足りません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
では、
えのきたけに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
えのきたけに多い栄養とその効果
えのきたけ1パックの栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して多く含まれるのはこの5つ。
ナイアシン | 50% |
不溶性食物繊維 | 27% |
パントテン酸 | 23% |
ビタミンB1 | 18% |
葉酸 | 15% |
ではそれぞれの栄養について、
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- えのきたけ1パックでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ナイアシン
えのきたけにもっとも多い栄養はナイアシン。魚や肉に多く含まれていて、シミ・ソバカスを改善するなどのはたらきがあります。
えのきたけのナイアシンの量
1日に必要なナイアシンは
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
えのきたけ1パックに6mgNE。
私たちは普段からナイアシンをどのくらい摂れていて、えのきたけ1パックでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、233%
えのきたけには、50%
合計で、283%
男性が摂れている量は、224%
えのきたけには、40%
合計で、264%
ナイアシンは食べ物に含まれるトリプトファンからも作られるので、不足しにくい栄養。また余った分は尿として排出されるので摂りすぎの心配もありません。
【関連記事】ナイアシンが多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も!
ナイアシンの効果
ナイアシンにはおもに次の4つのはたらきがあります。
- 糖質と脂質をエネルギーに変える
- 肌を整えてシミやソバカスを改善する
- 二日酔いや悪酔いを防ぐ
- 精神を安定させる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ナイアシン解説」
不溶性食物繊維
2番目の栄養は不溶性食物繊維。ごぼう、きのこ、玄米など繊維質の食べ物に多く含まれています。
えのきたけの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
えのきたけ1パックに3.2g。
では普段からどのくらい摂れていて、えのきたけ1パックでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
えのきたけには、27%
合計で、120%
男性が摂れている量は、84%
えのきたけには、23%
合計で、107%
※食物繊維の必要量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日の必要量を女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果
おもなはたらきはこの3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
体のなかの有害物質は、便として75%、尿として20%、のこりは爪・髪・汗などで排出。スムーズなお通じは有害物質のデトックスの最大のポイントです。
不溶性食物繊維は腸のなかで水分を吸って数倍にも数十倍にもふくらんで、便のカサを増やします。これが腸の動きを刺激して便秘の解消をサポート。
特に、便の量が少ない、便の回数が少ないといった便秘の方は不溶性食物繊維をしっかり摂りましょう。
ちなみに便秘のタイプによって摂るべき食物繊維が違います。くわしくはこちらでお伝えしています↓
次は、3番目に多く含まれるパントテン酸についてお伝えします。
パントテン酸
えのきたけに3番目に多く含まれるパントテン酸。ビタミンB群のひとつで、疲労回復、ストレスから守る、美肌・美髪などのはたらきの栄養です。
えのきたけのパントテン酸
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
えのきたけには1.1mg。
えのきたけを1パック食べると……
女性が摂れている量は、106%
えのきたけには、23%
合計で、129%
男性が摂れている量は、121%
えのきたけには、23%
合計で、144%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸の効果
パントテン酸のおもな5つのはたらきはこちら。
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
パントテン酸はいろんな食べ物に含まれていて不足しにくい栄養。ただ、疲れやすい、食欲がない、肌荒れしやすい、髪の毛が痛みやすい、という場合は不足がちかもしれません。
パントテン酸の多い食べ物は、レバー、納豆、エリンギ、鮭、ぶり、豚肉、玄米、里芋、さつまいも、ゆでたまごなど。意識して食べるようにしましょう。
ビタミンB1
4番目の栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、感情を安定させるはたらきがあります。
えのきたけのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
えのきたけに0.2mg。
女性が摂れている量は、79%
えのきたけには、18%
合計で、97%
男性が摂れている量は、74%
えのきたけには、14%
合計で、88%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
えのきたけの他には、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなどがビタミンB1の多い食べ物。意識して食べるようにしましょう。
ビタミンB1の効果
おもに次の6つのはたらきがあります。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
葉酸
えのきたけに5番目に多く含まれる葉酸。お腹の赤ちゃんの発育を守るほか、貧血を予防するはたらきもある栄養です。
えのきたけの葉酸
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
えのきたけには36μg。
女性が摂れている葉酸は、118%
えのきたけには、15%
合計で、133%
男性が摂れている葉酸は、123%
えのきたけには、15%
合計で、138%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果
おもなはたらきは次の4つです。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸不足は貧血の原因のひとつにもなります。葉酸やビタミンB12が不足して起こる巨赤芽球性貧血です。
貧血ぎみの方は、鉄分や銅だけでなく、葉酸も不足しないように気をつけてください。
*-*-*-*-*
えのきたけに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
えのきたけを食べると
どんな効果が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
えのきたけの9つの効果効能
えのきたけはビタミンB群、不溶性食物繊維、カリウム、鉄分、銅などが豊富。
これらの栄養のはたらきから、期待される効果を次の9つにまとめてみました。
- 疲労回復
食べたものを分解してエネルギーをつくる - ストレスに強くなる
ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」の分泌を促進する - 便秘の解消
便の回数が少ない、便の量が少ないタイプの便秘の解消 - 貧血予防
葉酸、鉄分、銅などが血液を作る
- 血圧を下げる
塩分の排出、善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果 - 骨粗しょう症を予防する(骨を丈夫に)
- 肌や髪を美しくする
- お腹の赤ちゃんの成長促進
- 集中力を高める
ということで、えのきたけをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそえのきたけを食べて!
えのきたけをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 疲れやすい、疲れがとれない
- ストレスが多い
- 便秘ぎみ(便の量や回数が少ない)
- 貧血ぎみ
- 血圧が高い
- 集中力が続かない
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- 口内炎になることが多い
- 魚や海藻をあまり食べていない
- 妊活中~産後の授乳期のママ
脳にいいビタミンB群が豊富なえのきたけ。体調がいまひとつという方だけでなく、集中力を高めたい方にも食べてもらいたいのがえのきたけです。
えのきたけに多い栄養:まとめ
えのきたけに多い栄養と効果効能を紹介しました。
えのきたけに多い栄養:ナイアシン、不溶性食物繊維、パントテン酸、ビタミンB1、葉酸、カリウム、鉄、銅、ビタミンB2など
えのきたけの効果:疲労回復、ストレスに負けない、便秘解消、貧血改善、血圧を下げる、骨を強くする、美肌・美髪、胎児の成長促進、集中力を高める
こんな人に食べてほしい:疲れやすい、ストレスが多い、貧血ぎみ、血圧が高い、集中力が続かない、肌荒れが気になる、口内炎になることが多い、野菜やきのこをあまり食べない、魚や海藻をあまり食べない、妊活中~産後の授乳期のママ
えのきたけの細い1本1本には栄養も効果もぎっしりと凝縮しています。ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。