カリウムは血圧だけでなく、心臓のはたらきを守ったり、体をスムーズに動かすはたらきもある栄養素。
動悸や不整脈が気になる、足がつる、チカラが入らない、疲れやすい、といったお悩みはありませんか?
海藻にはカリウムはもちろん、私たちに足りないカルシウムや水溶性食物繊維がたっぷり!
このページでは、どの海藻を食べると1日に必要なカリウムの何%を摂れるのか、ランキングで紹介します。
海藻には生活習慣病の予防など40代を過ぎた世代にうれしい健康効果が満載。
わずかな量にも栄養が詰まった海藻でいつまでも動ける体を保ちましょう!
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カリウムの多い海藻ランキング
カリウムが多い海藻は、とろろ昆布、塩昆布、ひじき、昆布の佃煮、焼きのりなど。
1食分あたりの含有量で12位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
一度に食べる海藻の量はわずかですが、それでもとろろ昆布や塩昆布にはしっかりとカリウムが含まれています。
カリウムの効果は、心臓の正しい動きを守る、足がつったり痙攣するのを防ぐ、高血圧予防など。
ちなみに、私たちは普段からカリウムを十分に摂れているのかというと……
男性ややや不足していますが、それでも必要な量の93%まで摂れています。
ではこの12位までの海藻についてくわしくお伝えしていきます。
1~6位の海藻
まずは1~6位の海藻です。
カリウム:18歳以上なら……
女性の必要量=2,000mg
平均の摂取量=2,164mg
男性の必要量=2,500mg
平均の摂取量=2,324mg
1~10位の海藻には36~240mg。女性に必要なカリウムの2%~12%を摂ることができます。
女性は十分摂れていますが男性は176mg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:とろろ昆布
お吸い物1杯分(とろろ昆布5g)に
240mg
女性が1日に必要なカリウムの12%を摂ることができます。
とろろ昆布は水溶性食物繊維、カルシウム、マグネシウムなど私たちに足りない栄養が凝縮された海藻!中性脂肪や血圧や血糖値など生活習慣病の予防、強い骨をつくる、便秘解消が期待できます。
とろろ昆布は栄養の宝庫!ひとつまみ5gの栄養価と7つの効果とは
2位:塩昆布
塩昆布小皿一皿(10g)に
180mg
塩昆布は大さじ1杯が5gほど。女性の1日分のカリウムの9%を摂ることができます。
1位のとろろ昆布と2位の塩昆布なら、1食分はわずかな量ですが男性に足りないカリウムをまるまる補うことができます。
塩昆布には水溶性食物繊維、マグネシウム、鉄分も豊富。中性脂肪や血糖値をおさえる、便秘の解消に効果を発揮します。
塩昆布の栄養がすごい!小皿1皿10gの栄養価と5つの効果とは?
3位:ひじき
ひじきの煮物小鉢一皿(40g)に
80mg
ひじきも私たちにまったく足りない水溶性食物繊維やカルシウムやマグネシウムが豊富!生活習慣病や骨粗しょう症の予防にしっかり摂りたい海藻です。
4位:昆布(佃煮)
昆布の佃煮小皿一皿(10g)に
77mg
昆布の佃煮は大さじ1杯弱が10gほどです。
塩昆布には同じ10gに180mgと昆布の佃煮の2.3倍も。ただ塩昆布にはナトリウム(塩分)が多いので食べ過ぎには注意しましょう。
また昆布は海藻のなかでもヨウ素が豊富。ヨウ素は摂りすぎに注意が必要な栄養なので昆布も食べ過ぎないようにしましょう。
5位:焼きのり
おにぎりサイズの焼きのり3枚
(3切×3枚で3g)に
72mg
女性の1日分のカリウムの4%です。
6位:味付けのり
味付けのり1パック
(12切×5枚入り:1.3g)に
36mg
女性の1日分のカリウムの2%を摂ることができます。
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カリウムの多い海藻を1~6位までお伝えしました。次は7~12位の海藻です。
7~12位の海藻
カリウムの多い海藻、7~12位です。
カリウムの必要量
18歳以上なら、
女性:2,000mg
男性:2,500mg
女性は必要量を摂れていますが男性は176mg不足しています。
6~12位の海藻には2~32mg。1日分のカリウムの0.1%~2%とかなり少なくなります。
7位:あおさ
あおさ小さじ1杯(1g)に
32mg
女性の1日分のカリウムの1.6%を摂ることができます。
ちなみに、あおさはアオサ目アオサ科アオサ属の海藻。青のりはアオサ目アオサ科アオノリ属の海藻。
青のりのほうが高級品とされていて、お好み焼き屋さんなどでよく使われているのは「あおさ」が多いようです。
8位:あおのり
青のり小さじ1杯(1g)に
25mg
9位:わかめ(乾燥のカットわかめ)
味噌汁1杯分
(乾燥カットわかめ1.5g)に
6mg
わかめはヨウ素、ビタミンK、水溶性食物繊維が豊富な海藻。基礎代謝を高める、中性脂肪や血糖値をおさえる、便秘解消、ダイエットが期待できます。
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10位:ところてん
ところてん1パック(150g)に
3mg
ところてんには私たちがまったく摂れていない水溶性食物繊維がぎっしり!コレステロールや血圧など生活習慣病の予防にぜひ取り入れましょう。
11位:もずく(もずくの三杯酢)
もずくの三杯酢1パックに
2mg
もずくに豊富な栄養はヨウ素、水溶性食物繊維、ビタミンK。美肌、子どもの成長促進、中性脂肪・血圧・血糖値をおさえるはたらきがあります。
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12位:かんてん
かんてん150gに
2mg
乾燥した棒寒天や糸寒天ではなく、食べられる状態に作られた寒天150gの栄養価を紹介しています。
女性の1日分のカリウムの0.1%しか含まれていませんが、水溶性食物繊維、ヨウ素、クロム、鉄分がぎっしり!生活習慣病の予防、便秘解消、ダイエットに期待ができます。
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カリウムの豊富な海藻をランキングで12位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
さて、カリウムには具体的にどんなはたらきがあるのか、不足するとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- カリウムの4つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に摂るべきカリウムの量
- 私たちが実際に摂れている量
- カリウムが不足しやすい人
についてお伝えします。
カリウムの効果とは?
カリウムの4つの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてです。
カリウムの4つの効果
カリウムの効果は、心臓の規則的な動きを守る、筋肉が痙攣したり足がつるのを防ぐなど。おもに次の4つです。
- 心臓の正しい動きを守る
心臓の動きを規則的に維持して、動悸や不整脈を予防する - 足がつったり痙攣するのを防ぐ
筋肉にぎゅっと力をいれたりふわりとゆるめたり、という動きをスムーズにする - 血圧を下げる
体の中の余分な塩分を排出することで、塩分濃度を調整して血圧を整える - むくみを解消する
むくみの原因となる余分な塩分を排出してむくみを軽減する
カリウムが不足すると?
カリウムが不足すると高血圧のリスクが高まる、むくみ、食欲不振など、次のような影響があらわれることがあります。
- 高血圧
- 不整脈のリスクが高まる
- 手や足がむくむ
- 食欲不振
- 足がつる、けいれんする、体にチカラが入らない
- 疲れやすい、疲れがとれない
カリウムを摂りすぎると?
一般的な食生活ならカリウム摂りすぎの心配はありません。
カリウム制限されている方は注意が必要なので医師の指示に従ってください。
※参考サイト:
厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
では1日に摂るべきカリウムはどのくらいでしょうか?
カリウムの必要量と摂取量
あらためて、カリウムはどのくらい必要で、私たちは実際にどのくらい摂れているのか、お伝えします。
1日に必要なカリウム
1日に必要なカリウムは次のように定められています。
カリウムの必要量
18歳以上なら、
女性:2,000mg
男性:2,500mg
そして、私たちは実際にどのくらいカリウムを摂れているのかというと……
私たちが実際に摂れている量
私たちが摂れているカリウムの量はこちらです。
カリウムの実際の摂取量
18歳では……
女性の必要量:2,000mg
平均の摂取量:2,164mg
164mg(8%)多く摂れています
男性の必要量:2,500mg
平均の摂取量:2,324mg
176mg(7%)不足しています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男性は176mg(必要量の7%)不足。意識して摂らないといけませんね。
カリウムが不足しやすい人
次のような人は特にカリウムが不足する傾向にあります。
- よく下痢をする
- 下剤や利尿剤を飲むことが多い
- 偏食、好き嫌いが激しい
- 降圧剤を長く使用している
- 運動が好き、サウナが好き
- ストレスを抱えている
- 足がつりやすい
カリウムは汗からも排出されるので、たくさん汗をかく人は不足しやすくなります。
カリウムを多く含む食べ物を意識して食べるようにしましょう。
カリウムの多い海藻:まとめ
カリウムの多い海藻、効果、必要な量と私たちの摂取量についてお伝えしました。
カリウムの多い海藻:とろろ昆布、塩昆布、ひじき、昆布の佃煮、焼きのりなど
カリウムの効果:心臓の規則正しい動きを守る、足がつったり痙攣するのを防ぐ、血圧を下げる、むくみを解消する
不足すると?:高血圧、不整脈のリスクが高まる、手や足がむくむ、食欲不振、足がつる、脱力感、疲労感
摂りすぎると?:一般的な食生活ならカリウム摂りすぎの心配はありません。
1日の必要量:18歳以上の場合、女性は2,000mg、男性は2,500mg。女性は164mg多く摂れていますが、男性は176mg不足です。
不足しやすい人は?:よく下痢をする、下剤や利尿剤を飲むことが多い、好き嫌いが激しい、降圧剤を長く使用している、運動が好き、サウナが好き、ストレスを抱えている、足がつりやすい
海藻は一度に食べる量は少ないですが、その中には私たちに不足しがちなミネラルや食物繊維もたっぷり!
ぜひ意識して食べてみてはいかがでしょうか?