古代米のひとつである黒米(くろまい、くろごめ)。雑穀米にブレンドされていたりと、食べたことがある方も多いのではないでしょうか。
栄養価の高い黒米ですが、どんな栄養が多いのかご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 黒米にはどの栄養が多い?
- 黒米ごはんをお茶碗1杯食べると1日の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べるべき?
といったことが手に取るようにわかります。黒米に詰まった栄養をしっかり取り入れて健康な毎日を過ごしましょう。
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黒米ごはんお茶碗1杯分の栄養価
私たちに不足しがちな栄養で黒米に多く含まれているのは、ビタミンB1、パントテン酸、マグネシウム、亜鉛、不溶性食物繊維など。
全般的にビタミンよりもミネラルのほうが豊富。免疫力を高める栄養などが多く含まれています。
黒米の効果として、感染症の予防、生活習慣病の予防、疲労回復、便秘解消、ダイエット、勉強や仕事の能率アップ、美肌などが期待できます。
では黒米の栄養を紹介したいのですが……
黒米だけを炊いて食べることはあまりないので、ここでは「黒米100gあたりの栄養価」ではなく、
- 一般的な方法で作った黒米ごはんの
お茶碗1杯で1日分の栄養の何%が摂れる? - どの栄養がどのくらい含まれている?
- 黒米ごはんに多い栄養には
どんなはたらきがある?
についてわかりやすくお伝えします。
- 白米を1合(150g)
- 黒米を大さじ1杯(15g)
一般的な黒米ごはんの食べ方として、この割合で混ぜて炊くとお茶碗2杯ほどの黒米ごはんができあがります。このうちのお茶碗1杯分の栄養価を紹介します。
黒米に多いビタミン
黒米ごはんをお茶碗1杯食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
黒米ごはんに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 13% |
パントテン酸 | 8% |
ビタミンB6 | 5% |
ビタミンB1 | 4% |
葉酸 | 3% |
黒米ごはんに多く含まれるこの5つのビタミンはすべてビタミンB群。食べ物をエネルギーに変えたり、脳や感情を整える栄養です。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
黒米に多いミネラル
黒米ごはんお茶碗1杯で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
黒米ごはんに豊富なミネラルは次の5つ。女性に必要なミネラルの何%を摂れるのかというと……
モリブデン | 227% |
銅 | 22% |
マンガン | 21% |
亜鉛 | 12% |
リン | 8% |
黒米ごはんに最も多い栄養が「血のミネラル」と呼ばれるモリブデン。貧血予防や疲労回復に効果を発揮します。
では、黒米ごはんの食物繊維の量はどうなのでしょうか?
黒米に多い食物繊維
黒米ごはんお茶碗1杯の食物繊維の量はこちら。
不溶性食物繊維 | 9% |
水溶性食物繊維 | 3% |
食物繊維は炭水化物の一部(炭水化物=糖質+食物繊維)。黒米も白米も、水溶性より不溶性の食物繊維が多く含まれています。
では……
不足しがちな栄養のなかで、
黒米ごはんに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
黒米で不足分を補える栄養とその効果
黒米に多い栄養は、モリブデン、銅、マンガン、ナイアシン、亜鉛、不溶性食物繊維など。ですが……
モリブデン、マンガン:
一般的な食生活ではまず不足しません。
銅、ナイアシン:
ふだんから必要な量の1.5倍以上も摂れています。
黒米がなぜ体にいいのか、というと、
私たちに足りない栄養を補えるから。
黒米で私たちの不足分をしっかり補える栄養は、亜鉛、不溶性食物繊維、パントテン酸、マグネシウム、ビタミンB1。
ではこれらの栄養素は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 黒米ごはんでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
亜鉛
黒米で不足分が補える栄養。1つめは亜鉛。感染症から守るはたらきが大きい栄養素です。
黒米の亜鉛の量
1日に必要な亜鉛は
女性が8mg、男性が11mg。
黒米ごはん1杯には0.94mg。
さて私たちは、普段から亜鉛をどのくらい摂れていて、黒米ごはん1杯でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている亜鉛は、96%
黒米ごはんには、12%
合計で、108%
男性が摂れている亜鉛は、84%
黒米ごはんには、9%
合計で、93%
男性はまだ必要量には届きません。朝晩とお茶碗1杯ずつ食べることで不足分を補うことができます。
亜鉛の効果
- 感染症から守る
- 味覚を正常に保つ
- 糖尿病など生活習慣病の予防
- 有害物質を排出する
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛を防ぐ
- 生殖機能を高める
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「亜鉛」、国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
免疫力を高めて感染症から守ることも亜鉛の大きなはたらきのひとつです。
不溶性食物繊維
2つめの栄養は不溶性食物繊維。デトックスや便秘解消の効果があります。
黒米の不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
黒米ごはん1杯には1.1g。
では普段からどのくらい摂れていて、黒米ごはんでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
黒米ごはんには、9%
合計で、102%
男性が摂れている量は、84%
黒米ごはんには、8%
合計で、92%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
お茶碗1杯のなかの黒米はわずか7g。それでも朝晩と1杯ずつ食べることで、不足分をしっかりと補うことができます。
不溶性食物繊維の効果
おもに3つのはたらきがあります。
- 便秘の解消(便のカサを増やして腸の運動を活発にする)
- 有害物質のデトックス(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(満腹感が得やすい)
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維は腸のなかで水分を吸って大きく膨らんで腸を刺激します。ですので便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘解消に効果的です。
ちなみに、便がかたい、いきまないと出ない、というタイプの便秘には水溶性食物繊維がおすすめ。海藻・果物・さといもなどに多く含まれています。
パントテン酸
黒米で不足分が補える3つめの栄養はパントテン酸。シャンプーの成分として耳にする通り髪を美しくするはたらきがあります。
黒米のパントテン酸
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
黒米ごはんには0.4mg。
女性が摂れている量は、106%
黒米ごはんには、8%
合計で、114%
男性が摂れている量は、121%
黒米ごはんには、8%
合計で、129%
不足しにくいパントテン酸ですが、疲れやすい、食欲がない、肌荒れしやすい、髪の毛が痛みやすい、という場合はパントテン酸不足かもしれません。
また、ストレスが多い、コーヒーをよく飲む、お酒をよく飲む、といった人も不足しやすい傾向があります。
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パントテン酸の効果
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
マグネシウム
4つめの栄養はマグネシウム。骨を強くしたり糖尿病を防ぐはたらきも期待されています。
黒米のマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
黒米ごはんには17mg。
女性が摂れている量は、81%
黒米ごはんには、6%
合計で、87%
男性が摂れている量は、71%
黒米ごはんには、5%
合計で、76%
私たちはかなりのマグネシウム不足。黒米のほか、豆腐、厚揚げ、豆乳、枝豆、そば、アーモンドなどにも豊富に含まれています↓
マグネシウムの効果
- 丈夫な骨をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかに整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」、「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
マグネシウム不足では、糖尿病、メタボ、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなどのリスクが高まると言われています。意識して摂りましょう。
ビタミンB1
黒米で私たちの不足分を補える5つめの栄養はビタミンB1。疲労回復だけでなく仕事や勉強の能率を高める栄養素です。
黒米のビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
黒米ごはんには0.05mg。
女性が摂れている量は、79%
黒米ごはんには、4%
合計で、83%
男性が摂れている量は、74%
黒米ごはんには、3%
合計で、77%
ビタミンB1も全然足りていません。
特に、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、白米や白いパンを食べる(玄米や全粒粉のパンを食べない)といった人ほど不足がち。
黒米のほか、豚肉、サバ缶、鮭、ぶり、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど、ビタミンB1の多い食べ物を摂るようにしましょう。
ビタミンB1の効果
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
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黒米ごはんで不足分を補える栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
黒米ごはんを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
黒米の7つの効果効能
黒米にはビタミンB群、ミネラル、不溶性食物繊維などが豊富。
これらの栄養のはたらきから、黒米に期待できる効果をまとめてみました。
- 感染症を予防する
免疫力を高めて風邪やインフルエンザなどを予防する - 生活習慣病を予防する
糖質や脂質の代謝を促進したり、サラサラ効果や抗酸化作用によって、糖尿病、メタボ、高血圧、心筋梗塞などを予防する - 疲労を回復する
糖質・脂質・たんぱく質を代謝してエネルギーを作る - 便秘を解消する
便のカサを増やして腸の動きを活発にする - ダイエット
脂肪を燃焼して脂肪肝も予防する - 勉強や仕事の能率を高める
脳のはたらきや感情を安定させて集中力を持続させる - 美肌・美髪
肌や粘膜を整えて、肌荒れや髪のパサつきや口内炎から守る
そこで、黒米ごはんをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ黒米ごはんを食べて!
黒米ごはんをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 風邪をひきやすい
- 毎日忙しい、疲れやすい
- 口内炎になりやすい
- 白米・パン・麺類が好き
- 味の濃いものや脂っこいものが好き
- 野菜・豆・きのこ類をあまり食べない
- 受験生、仕事の成果を高めたい
- 肌や髪を美しくしたい
40歳を過ぎた世代はもちろん、勉強や仕事をがんばる人をサポートしてくれるのが黒米なのです。
黒米に多い栄養:まとめ
黒米で不足分を補える栄養や健康効果についてお伝えしました。
黒米で不足を補える栄養:ビタミンB1、パントテン酸、マグネシウム、亜鉛、不溶性食物繊維
黒米の効果:感染症予防、生活習慣病の予防、疲労回復、便秘解消、ダイエット、勉強や仕事の能率アップ、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、毎日忙しい、口内炎になりやすい、炭水化物が好き、味の濃いものが好き、野菜・豆・きのこ類をあまり食べない、受験生、仕事の成果を高めたい、肌や髪を美しくしたい
ビタミン・ミネラルだけでなくアントシアニンも豊富で目もいたわってくれる黒米。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。