食物繊維の多い豆って、なにかご存じですか?
食物繊維の多い豆ってなんだろう?と調べてみると……
- ひよこ豆には食物繊維がたっぷり!
- 食物繊維を摂るならレンズ豆やライマメ!
でも、ひよこ豆、レンズ豆、……。日常的に食べますか?
そこでふだんの食生活に取り入れやすい身近な「豆や大豆加工品」の中から、100gあたりではなく1食分あたりで食物繊維が多い豆を15位までランキングしました。
【関連記事】納豆は食物繊維が豊富!食べるタイミングは?ダメな3つの食べ方は?
豆類に多いのは不溶性食物繊維
食物繊維不足の私たち日本人。
食物繊維の1日の摂取量の目標は、男性21グラム、女性18グラム。でも実際に摂れている量は目標の約70%。6グラムも不足しています。
食物繊維には水溶性と不溶性がある
食物繊維には不溶性と水溶性があります。
不溶性食物繊維は「繊維」イメージどおり繊維質のもので、ポソポソ・ザラザラした食感のもの。玄米、ごぼう、レンコン、きのこなどですね。
水溶性食物繊維は「繊維」のイメージとはちょっと違って、ネバネバ・サラサラした食感のもの。海藻、果物に多い。がごめ昆布のトロ~ッとした部分やオクラのネバネバした部分がまさに水溶性食物繊維。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版):炭水化物」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
豆に多いのは不溶性食物繊維
豆に多いのは不溶性の食物繊維。
- 体内の有害物質を排出する
- 便秘を解消したり(便のカサを増やします)
- ダイエットを促進する
といった効果を発揮してくれるのが、豆に多い不溶性食物繊維です。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、「食物繊維」
食物繊維の多い豆:100gあたり
食物繊維の多い豆や大豆加工品。まずは「毎日の生活に取り入れやすいかどうか」に関係なくただ単に100gあたりでのランキングを紹介します。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
※大豆やさやいんげんなど、茹でて食べる豆はすべて「茹でた状態での食物繊維の量」で比較しています。
1~10位:
おからパウダー、きなこ、いんげん豆、たけあずき、ひよこ豆、おから、落花生(炒り)、らいまめ、ささげ、レンズ豆
11~20位:
あずき、大豆(国産)、えんどう豆、花豆、枝豆(冷凍ものを解凍)、納豆(粒)、納豆(挽きわり)、緑豆、さやいんげん、木綿豆腐
21、22位:
絹ごし豆腐、高野豆腐の煮物
おからパウダーやきなこはたくさん食べられるものではありません。でも、料理にサッと加えたり、食べる時にサッとふりかけるだけ。しかもその量がスゴすぎる。
1位のおからパウダーは100g中に食物繊維が43.6g!なんと半分が食物繊維なのです!
100g中の食物繊維の量をちょっと見てみると……
順位 | 食品名 | 食物繊維の量 |
1位 | おからパウダー | 43.6 |
2位 | きなこ | 18.1 |
3位 | いんげん豆 | 13.6 |
6位 | おから | 11.5 |
7位 | 落花生(炒り) | 11.3 |
12位 | 大豆 | 8.6 |
15位 | 枝豆(冷凍を解凍) | 7.3 |
16位 | 納豆(粒) | 6.7 |
20位 | 木綿豆腐 | 1.0 |
食物繊維の多さではおからパウダーがダントツ。また、お酒のおつまみも落花生や枝豆にすれば食物繊維をしっかり摂ることができますね。
次は毎日の生活に取り入れやすい豆や大豆加工品の中から1食分あたりで食物繊維が多いランキングで15位までお伝えします!
※さやいんげんや枝豆などは分類上「野菜」ですが、一般的に「豆」という感覚のものなので、含めてご紹介します。
食物繊維の多い豆:1食分あたり
食物繊維が多い豆・大豆加工品の中から身近なものを対象に「1食分」に換算してランキングにて紹介します。
「1日の摂取量の目標より6グラム足りていない」ということを頭に置いて読んでくださいね。
茹でて食べるものについては、茹でた状態での重さや食物繊維の量の目安を記載しています。
1~5位の豆
1位:枝豆(冷凍ものを解凍)
食物繊維の多い豆の第1位は「枝豆」。冷凍ものを解凍した枝豆です。分類上は「野菜」ですが「豆」の感覚で食べているので、このランキングに含めています。
解凍した冷凍の枝豆を
小皿一盛り(65g)に
食物繊維4.75g
※水溶性0.91+不溶性3.84
冷凍の枝豆は1袋400g。1食分の小皿一盛りをその1/3袋の約130gとしました。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどになります。
冷凍の枝豆なら1/3袋分(65g)で1日の不足分(女性0.8g、男性1.8g)を十分に補うことができます。
豆や豆製品だけでなくいろんな食べ物の1食分で比べても、枝豆の食物繊維の量はトップランク。
さらに、良質なたんぱく質、ビタミンB1、B2、葉酸、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分など、ビタミンもミネラルも豊富。
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枝豆の栄養がすごい!おつまみ1皿分の栄養価と7つの効果とは?
2位:おから
2位は「おから」。昔からある素朴でやさしい味わいの食べ物ですね。
小鉢一皿(40g)に
食物繊維4.60g
※水溶性0.16+不溶性4.44
小鉢一皿分を40g(カップ半分ほど)として算出。
おからとは……
大豆を茹でる
↓
すりつぶす
↓
搾る
↓
「豆乳」と「おから」に分かれる。
おからも小皿1皿で食物繊維の不足分を十分に補えます。そのほか、たんぱく質、食物繊維、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB2なども豊富!
常備菜として毎日の食事にプラスしてみてはいかがでしょうか。
3位:大豆(国産)
3位の豆は「大豆(国産)」。
小鉢一皿(50g)に
食物繊維4.30g
※水溶性1.10g+不溶性3.20
大豆の煮豆の小鉢一皿を50g(約60粒)としました。
小鉢一皿で食物繊維の総量は4.30g。こちらも1日の不足分をまるまる補うことができます。
大豆といえばたんぱく質。お肉のたんぱく質と違って低カロリー。さらにアミノ酸スコアも最高の100!コレステロールはゼロ!
ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、カルシウムなどビタミンもミネラルも豊富なうえに、大豆イソフラボン、大豆レシチン、大豆サポニン、オリゴ糖といった成分も凝縮されています。
大豆の栄養価と効果はこちら↓
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4位:花豆
4位の豆は「花豆」。白花豆と紫花豆とがあります。
小鉢一皿(50g)に
食物繊維3.80g
※水溶性0.35+不溶性3.45
小鉢に1皿は花豆11粒(50g)としました。
花豆も食物繊維が豊富。不足分をしっかりと補ってくれます。そのほかたんぱく質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分をはじめ、紫花豆にはアントシアニンも豊富です。
5位:落花生(炒ったもの)
5位は「落花生(炒ったもの)」。
小皿1皿(30g)に
食物繊維3.39g
※水溶性0.45+不溶性2.94
落花生は1日30粒がよいとされています。1食分をこの30粒(=30g)として算出しました。
食物繊維だけでなく、赤茶色っぽい「薄皮」は 最強ポリフェノールの宝庫!ポリフェノールは抗酸化作用が高く、活性酸素を除去して生活習慣病の予防に効果を発揮します。
そのポリフェノールのなかでも「最強」といわれる「オリゴメリックプロアントシアニジン」が落花生の薄皮にたっぷり含まれているんです!
落花生の薄皮、むかずにそのまま食べてくださいね。
そのほかビタミンE、ナイアシン、ビオチン、マグネシウムなども豊富な落花生。その栄養価と効果はこちら↓
落花生には栄養が凝縮!1日分30粒の栄養価と7つの効果とは?
6~10位の豆
6位:納豆(粒)
6位は「納豆」。ひきわり納豆ではなく、粒の納豆です。
1パック(40g)に
食物繊維2.68g
※水溶性0.92+不溶性1.76
納豆は「水溶性:不溶性が1:2」と、豆類のなかでは食物繊維のバランスがもっとも優れています。
食べるタイミングは「夜」。血栓が起きやすい夜中にナットウキナーゼが血液をサラサラにして、守ってくれます。
冷蔵庫から出したばかりの納豆ではなく、冷蔵庫から出して20分ほど常温においた納豆を食べるのが栄養をムダにしないためのポイントです。
さらに、熱々のごはんにのせるのも、生卵と一緒に食べるのも、せっかくの栄養をムダにする食べ方なのでご注意ください。
納豆を食べるタイミングやNGな食べ方はこちらでくわしく紹介しています。
納豆を食べるなら朝と夜のどっち?その理由とダメな4つの食べ方
7位:おからパウダー
7位は「おからパウダー」。
大さじ一杯(6g)に
食物繊維2.62g
※水溶性0.09+不溶性2.53
1食分として、大さじ1杯(6g)のおからパウダーをお味噌汁やおかずにふりかけて食べると仮定して算出しました。
おからパウダーはおからを乾燥させたもの。
一度にたくさん食べられるものではないことを承知のうえで言いますが……
おからパウダー、最強です!
なぜなら……
- おからパウダーの半分が食物繊維だから
- ただふりかけるだけで一切手間がかからないから
- 常温保存OK!小ボトルで持ち歩けていつでも使えるから
100g中に43.6gの食物繊維。不溶性は42.1g。水溶性は1.5g。おからパウダーの約半分は食物繊維!なんです。
水を加えるとカサは4倍~5倍に。つまり「おからパウダー10g」=「おから50g」。料理に加れば、カサが増えて繊維も栄養もとれて低カロリー。
おからパウダーは、大さじ1杯が約6gで、食物繊維は約2.6g。食物繊維の1日の不足分を食物繊維の1日の不足分をおからパウダー大さじ1杯で補えます。最強ですよね?
たんぱく質、ビタミンE、カルシウム、マグネシウムと栄養素も豊富。常温保存できるので、小さいボトルにいれて持ち歩くのも便利。
料理に加えたり、お味噌汁・サラダ・スープなどにサッとふりかけたり。ランチのコーヒーにサッと加えるだけでも、かんたんに栄養を補給できるすぐれものです。
おからパウダーの栄養価と効果はこちら↓
おからパウダーは栄養が凝縮!大さじ1杯の栄養価と7つの効果とは?
8位:あずき
8位の豆は「あずき」。あんこ、おしるこなど和菓子の定番。お赤飯でも親しまれています。
ゆであずき小皿1皿(30g)に
食物繊維2.61g
※水溶性0.75+不溶性1.86
一般的なあんぱんの中のあんこが約30g。この量を1食分として算出しました。ちなみに、10gの乾燥あずきを一晩水につけてから煮ると30gになります。
あずきは豆のなかでもポリフェノールが豊富!
さらに、大豆の2/3ものたんぱく質、ビタミンB1、B2、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛など、いろんな栄養素がぎっしり詰まっています。
9位:納豆(ひきわり)
9位はひきわり納豆。こちらは粒ではなく、ひきわり納豆です。
1パック(40g)に
食物繊維2.36g
※水溶性0.80+不溶性1.56
ひきわり納豆は、粒の納豆を細かく切ったものではありません。
ひきわり納豆は、最初に大豆の皮をむき、細かく砕いて、それから納豆づくりの工程に入ります。なので、食感や風味だけでなく、栄養価も粒納豆と違います。
粒納豆とくらべてひきわり納豆に多い栄養素は、ビタミンK、B1、E、カリウムなど。反対に少ないのは、ビタミンB2、カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などです。
ひきわり納豆には粒納豆をはるかに超えるビタミンKがぎっしり。その栄養価と効果はこちら↓
ひきわり納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果
10位:えんどう豆
10位の豆は「えんどう豆」。
小鉢1皿(25g)に
食物繊維1.93g
※水溶性0.13+不溶性1.80
1粒が1g。1食分を25粒(=25g)として算出。
さやえんどう → グリーンピース → えんどう豆、と成長するにつれて出世魚のように名前が変わっていく豆です。
さやごと食べられる「さやえんどう」。少し大きくなったら「グリーンピース」。さらに成熟すると「えんどう豆」になります。
11~15位の豆
11位:さやいんげん
11位はさやいんげん。分類上は豆ではなく「野菜」。さやごと食べられるため、食物繊維を多く摂ることができます。
小皿1皿(70g)に
食物繊維1.82g
※水溶性0.42+不溶性1.40
さやいんげんは1本が7g。1食分をさやいんげん10本(70g)として栄養価を紹介します。
さやいんげんは温野菜としても炒めものとしても、量を食べやすいのではないでしょうか。
ベータカロテンが特に豊富なので、温野菜ならオイルのドレッシングをかけたり、油炒めにしたりと、油と一緒に食べるのがおすすめです。
たんぱく質のほかにビタミンB1が多いのが特徴。水に溶け出るので、茹でて食べるよりは豆ごはんにしたり、スープにして汁ごといただくのがおすすめです。
12位:木綿豆腐
12位は「木綿豆腐」。
一丁の半分(150g)に
食物繊維1.65g
※水溶性0.41+不溶性1.24
絹ごし豆腐は木綿豆腐よりも、ビタミンB群やカリウムが豊富。半面、たんぱく質、カルシウム、鉄分などは木綿豆腐のほうが多く含まれています。
木綿豆腐は絹ごし豆腐よりもたんぱく質、カルシウム、鉄分などが豊富。逆に絹ごし豆腐のほうに多いのはビタミンB群やカリウムです。
カルシウム、マグネシウム、鉄分、モリブデン、銅などが豊富な木綿豆腐の栄養価と効果はこちら↓
木綿豆腐の栄養がすごい!1丁の栄養価と8つの効果とは?
13位:絹ごし豆腐
13位は絹ごし豆腐。
一丁の半分(150g)に
食物繊維1.35g
※水溶性0.34+不溶性1.01
14位:きなこ
14位は「きなこ」。きなこも栄養満載で健康と美容のスーパーフードです。
大さじ1杯(7g)に
食物繊維1.27g
※水溶性0.19+不溶性1.08
1食分として、大さじ1杯(7g)のきなこをお味噌汁やスープやコーヒーにふりかて食べると仮定して算出しました。
きなこもおからパウダーのように、サッとふりかけるだけですぐに食べることができます。もちろん常温保存なので持ち歩きにも便利。
大さじ1杯の食物繊維の量で比べると、おからパウダーは2.62g。きなこは1.27g。
食物繊維の多さや低カロリーの点ではおからパウダーに負けますが、きなこは大豆丸ごと焙煎したものを粉にしたものなので 大豆そのものの栄養が凝縮。
良質のたんぱく質、イソフラボン、大豆ペプチド、レシチン、大豆オリゴ糖、カルシウムなどが豊富に含まれています。
朝のきなこは血糖値の上昇をおさえてくれます。その効果は朝食だけでなく昼食にまで。
料理にはもちろん、バナナと牛乳とココアでミキサーにかけたり、スープ・コーヒー・ココアに混ぜたり。大豆の栄養を丸ごと簡単に摂れるきなこも手軽に取り入れましょう。
15位:高野豆腐(凍り豆腐)
15位は「高野豆腐(凍り豆腐)」。
小鉢1皿(100g)に
食物繊維0.60g
※水溶性0.20+不溶性0.40
乾燥の高野豆腐1枚16gを含め煮するとできあがりの重量は約100g。これを1食分として算出。
乾燥した状態の高野豆腐100g中に食物繊維が2.4g。含め煮すると重さは6倍になるので、実際に食べる時の高野豆腐100gには食物繊維は0.6g となります。
ただ高野豆腐には、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしてくれる不飽和脂肪酸がぎっしり。糖質も低くて満腹感が得られるので、生活習慣病の予防にもダイエットにも効果的です。
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食物繊維の多い豆・大豆加工品を「1食分あたり」に換算して15位までランキングしました。
あらためて1~20位までの食物繊維の量を一覧表にまとめてみましょう。
1食分あたりの食物繊維の量:一覧
食物繊維の多い豆や大豆加工品を一覧表にまとめました。
1日に必要な量と比べて、女性は0.8g不足、男性は1.8g不足です。
いかがでしょうか?
- おからパウダーを常備&持ち歩いておかずにコーヒーにサッとひとふり
- きなこも料理や飲み物にひとふり(特に朝がおすすめ)
- さやいんげんは炒め物や野菜スープに
- 大豆の水煮や蒸し大豆を料理にプラス
- 夕食には納豆を
- おつまみには枝豆や落花生を
便秘の解消やダイエットもうれしいですが、不溶性食物繊維の大きなメリットは体内の有害物質を排出してくれること。
この作業を体内酵素にやってもらうと、大量の酵素を浪費してしまうことになって、その分、疲れがとれない、不調が消えない、元気が出ない、お肌の調子が……ということに。
不溶性食物繊維の多い食べ物を積極的にとって、体の中をキレイにして元気な毎日をお過ごしください。