葉酸といえばおなかの赤ちゃんを守る栄養素。子供の成長を支えたり貧血予防の効果も期待できます。
野菜に多く含まれていますが、果物からも摂ることができれば手軽に補うことができますね。
そこで果物の中から100gあたりではなく「一度に食べる量」に換算して葉酸が多い果物を20位までランキングでお伝えします。
この記事を読むと、どの果物をどのくらい食べると1日に必要な葉酸の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
手軽な果物で葉酸をしっかり摂っていきいきとした毎日を過ごしましょう!
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葉酸の効果
葉酸の多い果物を紹介する前に……
葉酸の効果は?
足りなくなると?
摂りすぎると?
についてお伝えします。
葉酸の4つの効果とは?
葉酸の効果は、胎児の発育を守って先天性の障害を防ぐ、子供の順調な成長、貧血予防など。妊活中の方や妊婦さんだけでなく、小さなお子さんにもぜひ摂ってほしい栄養です。
- 妊娠中のおなかの赤ちゃんの発育を守る:
おなかの赤ちゃんの細胞分裂をさかんにして順調に発育させて、神経管閉鎖障害を防ぐ - 子供の成長を促進する:
たんぱく質や核酸を合成するはたらきが正常に進むように支えることで、遺伝子情報を正しくコピーしながら細胞分裂ができて、子供の順調な成長が促進される - 貧血を予防する:
赤血球を作ってヘモグロビンが酸素を全身に送り届ける - 肌荒れや口内炎から守る:
たんぱく質をしっかり作って肌や粘膜を強くして、肌トラブルや炎症を防ぐ
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸が足りなくなると?
足りなくなると細胞分裂が十分に進まなかったり赤血球が作られないといった影響から、次のような不調があらわれることがあります。
- 妊娠中のおなかの赤ちゃんの発育が十分に進まない:
細胞分裂が不十分なためにおなかの赤ちゃんの成長が正しく進まず、先天性の神経管閉鎖障害を起こすケースが出てくる - 肌荒れや口内炎になりやすい:
たんぱく質の合成が進まなくなって、健康的な肌や粘膜を維持できなくなる - 貧血による動悸や疲れやすさ:
全身に酸素を運ぶ赤血球が減ってしまって貧血症状が起きる - 子供(乳幼児)の発育が妨げられる:
細胞をつくるはたらきが弱くなって発育が遅れる
葉酸を摂りすぎると?
葉酸は摂りすぎた分は尿として排出されます。一般的な食生活なら摂りすぎによる悪影響はないでしょう。
サプリメントで摂りすぎると、吐き気、下痢、じんましん、発熱が起こることもあります。上限量(30~64歳で1,000μg)に気をつけましょう。
不足しないように食べ物からしっかり摂りたい葉酸。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
葉酸の1日の必要量
1日に必要な葉酸はどのくらいでしょうか?
私たちの普段の摂取量はどうなのでしょうか?
1日に摂るべき葉酸の量
1日に摂るべき葉酸はこちら。
1日に必要な葉酸
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
妊活中から産後の授乳期までは葉酸を多めに摂りましょう。
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
※妊活中から妊娠3ヶ月の640μgはすべてを食べ物から摂るのは難しいので健康補助食品の活用が推奨されています
※1μg(マイクログラム)は1mgの1000分の1。1gの100万分の1です。
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは葉酸を十分に摂れているのでしょうか?
私たちの普段の摂取量
私たちの普段の葉酸の摂取量はこちらです。
必要量と摂取量(摂れている量)
12歳以上では……
女性の必要量:240μg
平均の摂取量:274μg
34μg(14%)多く摂れています
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
49μg(20%)多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
必要な量以上に摂れています。妊活中の方や妊婦さんはよりしっかりと摂るように意識したいですね。
さて、葉酸は体の中でも作られているので一般的には不足しにくいのですが、なかには不足しがちな人もいます。
それは……
葉酸が足りない人
葉酸の摂取量が足りていない人はこちら。
- 野菜が好きではない、野菜をあまり食べない
- アスピリンやピルを飲んでいる
- アルコールが好き
(葉酸の吸収を邪魔してしまう) - 胃や腸の手術を受けた経験がある
(栄養素を十分に吸収できなくなっている傾向がある) - 高齢者
(消化吸収能力が低下しがち)
あてはまるようでしたら、葉酸の多い食べ物を意識して食べるよう心がけましょう。
では身近な果物の中から、100gあたりではなく「一度に食べる量」で葉酸の多い果物をランキングで20位までお伝えします。
葉酸の多い果物ランキング
葉酸の多い果物には何があるのか、まずは20位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
葉酸は果物のなかではいちごがダントツ。そのほか普段から手軽に食べられる果物ならキウイ、パイナップル、バナナ、グレープフルーツですね。
ではこの20位までの果物の「一度に食べる量に含まれる葉酸の量」をお伝えします。
1~10位の果物
まずは1~10位の果物です。
葉酸の必要量と摂取量
12歳以上なら……
女性の必要量:240μg
・妊活~妊娠3ヶ月:640μg
・妊娠4ヶ月~出産:480μg
・授乳期:340μg
平均の摂取量:274μg
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
1~10位の果物には32~180μg。1日に必要な葉酸の13~75%を摂ることができます。
1位:いちご
いちご10粒(200g)に
180μg
1日に必要な葉酸の75%も摂ることができます。
いちごにはビタミンCがぎっしり!ビタミンB群、E、モリブデン、カリウム、食物繊維も豊富。感染症の予防、中性脂肪や高血圧など生活習慣病の予防、貧血の改善、便秘解消、ストレスケアが期待できます。
いちごの栄養がすごい!10粒あたりの栄養価と8つの効果とは?
※いちごは分類上「野菜」ですが果物の感覚で食べているのでこの果物ランキングに入れました
2位:マンゴー
マンゴー1/2個(91g)に
76μg
1日に必要な葉酸の32%を摂ることができます。
3位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
50μg
4位:アメリカンチェリー
アメリカンチェリー10粒(91g)に
38μg
アメリカンチェリーは葉酸のほか、カリウム、銅、水溶性食物繊維、ビタミンC、Eが豊富な果物。骨粗鬆症の予防、感染症の予防、高血圧の改善、中性脂肪を下げる効果も期待できます。
アメリカンチェリーの栄養がすごい!10粒の栄養価と7つの効果とは?
5位:さくらんぼ
さくらんぼ15粒(81g)に
38μg
1日に必要な葉酸の16%を摂ることができます。
6位:グリーンキウイ
グリーンキウイ1つ(100g)に
36μg
7位:ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジ1個(104g)に
35μg
1日分の葉酸の15%を摂ることができます。
ネーブルオレンジはビタミンC、カリウム、銅、水溶性食物繊維も豊富な果物。免疫力を高める、高血圧や動脈硬化の予防、中性脂肪をおさえる、美白が期待できます。
ネーブルオレンジの栄養がすごい!その栄養価と9つの効果とは?
8位:いちじく
いちじく2個(153g)に
34μg
9位:柿
柿1個に
33μg
柿1個は200gほど。種なし柿の皮だけを除くと可食部は184gほどです。
10位:ゴールドキウイ
ゴールドキウイ1つ(100g)に
32μg
1日に必要な葉酸の13%を摂ることができます。
ゴールドキウイのビタミンCは食べ物の中でもトップ!ビタミンE、B6、カリウム、水溶性食物繊維も多く、感染症を防ぐ、ストレスから守る、アンチエイジング、中性脂肪をおさえる、サラサラ効果を発揮します。
ゴールドキウイの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果
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葉酸の多い果物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の果物です。
11~20位の果物
葉酸の多い果物、11~20位です。
11~20位の果物には1日分の葉酸の5~10%が含まれています。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
※必要量について補足
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く、摂れています。
11~20位の果物には11~24μg。1日分の葉酸の5~10%が含まれています。
11位:夏みかん
夏みかん1/2個(96g)に
24μg
1日分の葉酸の10%を摂ることができます。
夏みかんはビタミンC、E、カリウム、2種類の食物繊維がたっぷり詰まった果物!免疫力を高める、血圧を下げる、疲労回復、ストレスから守る、骨や血管を強くする、アンチエイジングの効果を発揮します。
夏みかんの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と7つの効果とは?
11位タイ:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
24μg
夏みかんと同じで、1日分の葉酸の10%が含まれています。
13位:バナナ
バナナ1本(90g)に
23μg
14位:ラズベリー
ラズベリー20粒(60g)に
23μg
生のラズベリーを摂るのはちょっと大変ですが、冷凍のラズベリーなら手軽に取り入れられますね。
ラズベリーは不溶性食物繊維、ビタミンC、E、銅、葉酸が豊富な果物。ダイエット、便秘解消、感染症予防、心筋梗塞や動脈硬化の予防も期待できます。
ラズベリーの栄養がすごい!その栄養価と8つの効果とは?
15位:みかん
Mサイズのみかん1個(80g)に
18μg
16位:干し柿
干し柿2個(50g)に
18μg
17位:グレープフルーツ
グレープフルーツ1/2個(105g)に
16μg
グレープフルーツはホワイトもルビーも含有量は同じ。1日分の葉酸の7%が含まれています。
18位:はっさく
はっさく1/2個(97g)に
16μg
はっさくはビタミンCがぎっしり!ビタミンB群全般、カリウム、銅、食物繊維も多く、風邪の治りを早くする、アンチエイジング、ストレスから守る、便秘解消、デトックスが期待できます。
はっさくの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
19位:きんかん
きんかん4個(68g)に
14μg
20位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
11μg
1日に必要な葉酸の5%が含まれています。
すいかはほとんどが水分のように見えて実は栄養豊富!β-カロテン、ビタミンC、カリウム、マグネシウムが多く、感染症の予防、アンチエイジング、中性脂肪・血圧など生活習慣病の予防、ストレスから守る効果を発揮します。
すいかの栄養価がすごい!どんな栄養素が多い?7つの効果とは?
※すいかもいちごと同じく分類上「野菜」。果物の感覚で食べているのでこの果物ランキングに入れました
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葉酸の豊富な果物を20位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
いちご(厳密には野菜)を除くと、果物に含まれる葉酸は1日に必要な量の10%前後。葉酸をしっかり摂るためには野菜を中心にしながら果物を活用するのがいいですね。
葉酸の多い果物:まとめ
果物の葉酸の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
葉酸の多い果物:いちご、マンゴー、アボカド、アメリカンチェリー、キウイ、ネーブル、パイナップル、バナナ、ラズベリー、グレープフルーツ
葉酸の効果:おなかの赤ちゃんの発育を守る、子供の成長を促進する、貧血予防、肌荒れや口内炎の予防
不足すると?:おなかの赤ちゃんの発育が十分に進まない、乳幼児の発育が妨げられる、肌荒れや口内炎になりやすい、動悸、疲れやすさ、
摂りすぎると?:普段の食生活では摂りすぎにより悪影響はまずありません。サプリメントの場合は用量を守りましょう。
1日の必要量と摂取量:12歳以上の場合、必要量は女性も男性も240μg。摂取量は女性が274μg、男性は289μg。
不足しやすい人:野菜嫌い、野菜をあまり食べない、アスピリンやピルを飲んでいる、アルコールが好き、胃や腸の手術を受けた経験がある
葉酸がぎっしり詰まった果物、というのは少ないものの、生命活動すべてに関わる酵素、あらゆるはたらきのあるビタミンC、さまざまなミネラルが豊富。
毎日の食生活にぜひ果物を取り入れてみてはいかがでしょうか?