ビタミンB12の多い食べ物にはどんなものがあるか、ご存じですか?
ビタミンB12は肉類や魚類に多く含まれている栄養。貧血予防、疲労回復、寝つきや深い眠りなどの効果を発揮します。
この記事では、身近な食べ物の中から「100gあたり」ではなく「1食分あたり」でビタミンB12が多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なビタミンB12の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかりますよ!
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ビタミンB12の効果とは?
ビタミンB12の多い食べ物を紹介する前に、
- ビタミンB12はどんな効果がある?
- 不足すると?
- 摂りすぎると?
についてお伝えします。
ビタミンB12の効果
ビタミンB12の効果は、貧血予防、神経伝達を守る、眠りの改善など。具体的にはこちらの4つです。
- 貧血(巨赤芽球性貧血)を予防する:
葉酸と一緒に赤血球をつくることで、赤血球の中のヘモグロビンが酸素を全身に行き渡らせて、貧血によるめまい・立ちくらみ・疲労感・倦怠感・息切れ・集中力の低下を予防する - 神経のはたらきを守る:
脳の中枢神経や手足の末梢神経の情報伝達のはたらきを守って、神経痛・肩こり・腰痛をやわらげる - 眼精疲労の予防と改善:
目の奥にある視神経をスムーズに修復することで、目の疲れを予防・改善する - 睡眠の質を高める:
光の刺激に対する感受性を高めて体内時計を整えることで、寝つきや睡眠の質を高める
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB12解説」
ビタミンB12が不足すると?
ビタミンB12が不足すると、赤血球を十分に作れずに貧血になるなど、体や神経の面で次のような不調をきたすことがあります。
- 巨赤芽球性貧血によるめまい、立ちくらみ、疲労感、倦怠感、息切れ、集中力の低下といった症状
- 肩こり、腰痛、神経痛
- 眼精疲労
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
ビタミンB12を摂りすぎると?
ビタミンB12は水溶性のビタミン。摂りすぎても尿として排出されるので、一般的な食生活であれば摂りすぎによる悪影響は心配いらないでしょう。
サプリメントでビタミンB12を摂る場合は、摂りすぎないように気をつけてください。
不足しないようにしっかりと摂りたいビタミンB12。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB12の必要量と摂取量
1日に摂るべきビタミンB12はどのくらいでしょうか?
そして私たちの普段の摂取量(摂れている量)はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB12は?
私たちに必要なビタミンB12(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なビタミンB12
12歳以上なら、
男女ともに2.4μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちが普段から摂れているビタミンB12はというと……
私たちの普段の摂取量は?
私たちの普段のビタミンB12の摂取量はこちらです。
必要量と摂取量(摂れている量)
12歳以上では……
女性の必要量:2.4μg
摂取量の平均:5.84μg
2.4倍も摂れています
男性の必要量:2.4μg
摂取量の平均:7.12μg
3倍も摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女とも摂取量は十分です。ビタミンB12は肉類や魚類に多い栄養なので、一般的な食生活であれば不足しにくいでしょう。
ビタミンB12が不足しやすい人は?
ただし、次のような方はビタミンB12の摂取量が不足しやすい傾向にあります。
- 小食な人
- 菜食主義
(ビタミンB12は野菜や果物にはほとんど含まれていない) - 肉や魚をあまり食べない
- 胃の切除をしたことがある
(ビタミンB12がうまく吸収されない) - 胃や小腸に不調がある
(ビタミンB12がうまく吸収されない) - 50歳を超えている
(胃のはたらきが衰える)
肉や魚をあまり食べない人や胃腸に不調がある人はビタミンB12の多い食べ物を意識して食べたいですね。
では身近な食べ物の中から「100gあたり」ではなく1食分あたりでビタミンB12が多い食べ物を30位までランキングにて紹介します。
ビタミンB12の多い食べ物ランキング
ビタミンB12の多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは30位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンB12の多い食べ物のなかではレバーやあさりがダントツ。貝類、青魚、鮭・ぶり・まぐろなど、魚類全般に多いですね。
海苔やチーズは手軽なうえに少し食べるだけでもビタミンB12が摂れるおすすめの食べ物です。
そして……
1~21位までの食べ物なら「1食分」で1日に必要なビタミンB12をまるまる摂ることができます。
では、この30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるビタミンB12」をお伝えしていきます。
1~10位の食べ物
ビタミンB12、12歳以上なら……
女性の必要量:2.40μg
摂取量の平均:5.84μg
男性の必要量:2.40μg
摂取量の平均:7.12μg
女性は必要量の2.4倍も、男性は3倍も摂れています。
さらに1~10位までの食べ物なら、1食分で1日分のビタミンB12の4倍~22倍も摂ることができます。
1位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
53μg
1日に必要なビタミンB12の22倍。わずか10g食べるだけで1日分のビタミンB12を摂ることができます。
2位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
44μg
3位:あさり(酒蒸し)
あさりの酒蒸し12個(48g)に
25μg
あさりはビタミンB12が1日分の10倍以上!抗酸化作用のセレン、鉄分、マグネシウム、ビオチンも豊富!貧血予防、強い骨をつくる、感染症から守る、不整脈・心筋梗塞・糖尿病・高血圧を予防する効果が期待できます。
あさりに多い栄養素はコレ!1食分の栄養価と7つの効果を紹介!
4位:豚レバー
豚レバー100g
(レバニラ炒め1皿分)に
25μg
1日分のビタミンB12の10倍です。レバーなら牛でも豚でも鶏でも、わずか10g食べれば1日の必要量を上回ることができます。
5位:いわし
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
14μg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
6位:牡蠣(生ガキ)
生ガキ3個(60g)に
14μg
7位:しじみ(味噌汁)
しじみの味噌汁1杯
(しじみ15粒:18g)に
12μg
しじみはビタミンB12が1日分の5倍!鉄分、マンガン、銅、カルシウムも豊富。貧血予防、骨を強くする、疲労回復、アンチエイジング、肝機能アップが期待できます。
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8位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
12μg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
こちらも生のさんまではなく焼いたさんまに含まれるビタミンB12です。
9位:さば(水煮缶詰)
さば水煮缶詰1/2缶(95g)に
11μg
さば水煮缶にはビタミンB群のほか、D、E、カルシウム、マグネシウムも豊富。骨を強くする、心臓を守る、動脈硬化や高血圧の予防効果を発揮します。
さば水煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
10位:さば(みそ煮缶詰)
さば味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
9μg
1日に必要なビタミンB12の3.8倍も含まれています。
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ビタミンB12の多い食べ物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
ビタミンB12の多い食べ物。
続いて11~20位です。
11~20位の食べ物に含まれているのは1日分のビタミンB12の1.3倍~3.5倍もの量。
20位までの食べ物もすべて、1食で1日分のビタミンB12を摂ることができます。
ビタミンB12の必要量
12歳以上なら、
男女ともに2.4μg
女性は必要量の2.4倍も、男性は3倍も摂れています。
11位:かつお(たたき)
鰹のたたき6切れ(100g)に
8.4μg
12位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯に
8.1μg
生イカは1杯が300gほど。ワタや軟骨を取り除いて焼くと150gほどになります。
12位タイ:ししゃも(生干しを焼いたもの)
からふとししゃも5尾(81g)に
8.1μg
ししゃも1尾20gを焼くと16gほど。一般的に出回っているししゃもは「からふとししゃも」です。
骨もまるごと食べられるししゃもにはカルシウムが凝縮!亜鉛、鉄分、ビタミンEも豊富で、骨を強くする、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、生活習慣病の予防、美肌効果が期待できます。
ししゃもの栄養がすごい!1食分5尾の栄養価と7つの効果とは?
14位:あじ(あじフライ)
アジフライ2枚(100g)に
7.5μg
生のアジではなくアジフライ2枚に含まれる栄養価を紹介しています。
アジはビタミンD、E、カリウム、カルシウム、亜鉛、鉄分、マグネシウムもたっぷり!心筋梗塞や脳梗塞の予防、心臓を守る、高血圧や糖尿病を予防する効果が期待できます。
アジの栄養がすごい!アジフライ2枚の栄養価と7つの効果とは?
15位:銀鮭(塩焼き)
塩焼き1切れに
5.9μg
1切れ100gで焼くと78gに。焼いた銀鮭の栄養価です。銀鮭はチリ産の養殖ものが一般的ですね。
16位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
5.5μg
わかさぎはカルシウムの含有量がトップランク!ビタミンD、セレン、銅、亜鉛も豊富。骨を強くする、心臓を守る、高血圧の予防、感情をおだやかにする効果が期待できます。
わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
17位:鮭(水煮缶詰)
鮭の缶詰1/2缶(90g)に
5.4μg
18位:しろさけ(塩焼き)
塩焼き1切れ(74g)に
4.4μg
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色をしています。秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
19位:きはだまぐろ(刺身)
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
4.1μg
20位:ブリの照り焼き
ブリの照り焼き1切れに
3.1μg
ぶりは1切れが約100gで焼くと82gほどに。生ではなく焼いたブリの栄養価です。1日分のビタミンB12の1.3倍も摂ることができます。
*-*-*-*-*
ビタミンB12の多い食べ物を11~20位まで紹介しました。最後に21~30位です。
21~30位の食べ物
ビタミンB12の多い食べ物。
最後は21~30位です。
21~30位の食べ物では1日分のビタミンB12の28~125%を摂ることができます。
ビタミンB12の必要量
12歳以上なら、
男女ともに2.4μg
女性の摂取量は必要量の2.4倍。男性は3倍も摂れています。
21位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れに
3.0μg
鮭を1切れあたりで比べると、銀鮭、白鮭、紅鮭の順に、5.9 → 4.4 → 3.0(μg)となります。
紅鮭はビタミンDが1日分の3倍以上!ビタミンEやカリウムも多く、疲労回復、感染症予防、動脈硬化・糖尿病・高血圧の予防、美肌に効果的です。
紅鮭の栄養がすごい!1切れの栄養価と9つの効果とは?
22位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
2.2μg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが目安です。
23位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
2.0μg
24位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚(3切×3枚で3g)に
1.7μg
1日分のビタミンB12の70%です。
25位:ほたてがい(貝柱の刺身)
ホタテの貝柱の刺身5個(100g)に
1.7μg
26位:鶏のすなぎも
すなぎもの焼き鳥2串(80g)に
1.4μg
砂肝はビタミンB群のほか、ビタミンK、鉄分、亜鉛も豊富。貧血予防、ダイエット、生活習慣病の予防、美肌が期待できます。
砂肝の栄養がすごい!焼き鳥2本分の栄養価と5つの効果とは?
27位:プロセスチーズ
プロセスチーズ40gに
1.3μg
目安として、6Pチーズ1個もスライスチーズ1枚も18gほどです。
28位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
1.0μg
29位:しらす干し
しらす丼1杯分(しらす30g)に
0.96μg
しらす30gは大さじで5~6杯分です。
しらすにはビタミンD、セレン、カルシウム、マグネシウムもたっぷり!動脈硬化や高血圧の予防、免疫力アップ、アンチエイジング、更年期障害や生理不順をやわらげる効果があります。
しらすの栄養と効果がすごい!1食分30gの栄養価と7つの効能とは
30位:味付けのり
1パック
(12切×5枚入り:1.3g)に
0.8μg
*-*-*-*-*
ビタミンB12の豊富な食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
ビタミンB12は魚介類や肉類など、わずかな量にもたっぷり含まれていて不足しにくいことがわかりますね。
ビタミンB12の多い食べ物:まとめ
ビタミンB12の多い食べ物、1日に必要なビタミンB12、私たちの摂取量、健康効果をお伝えしました。
ビタミンB12の多い食べ物:レバー、貝類、青魚ほか魚介類全般、のり、しらす、チーズ、生たまご
ビタミンB12の効果:赤血球を作って巨赤芽球性貧血によるめまい・疲労感・息切れなどを予防する、神経のはたらきを守って肩こり・腰痛・神経痛をやわらげる、眼精疲労の予防、睡眠の質を高める
不足すると?:めまい・疲労感・倦怠感・息切れなどの貧血症状、肩こり、腰痛、目の疲れ、手足のしびれ、寝つきが悪い、眠りが浅い、集中力や記憶力の低下
摂りすぎると?:摂りすぎによる悪影響は心配ありません。摂りすぎた分は尿と一緒に排出されます。
1日の必要量と摂取量:12歳以上の場合、必要量は女性も男性も2.4μg。摂取量は女性が5.84μg、男性が7.12μg。
不足しやすい人:菜食主義者、小食な人、肉・魚をあまり食べない人、胃の切除をした、胃や小腸に不調がある、50歳以上の人
鉄分をしっかり摂っているのに貧血気味、という人はビタミンB12不足が原因かもしれません。
栄養や酸素を全身に届ける血液をしっかり作るためにも、ビタミンB12の多い食べ物を積極的に摂りましょう。