ビタミンB1の多い果物にはなにがあるか、ご存じですか?
ビタミンB1は体と脳のエネルギーに不可欠な栄養素。豚肉、うなぎ、レバー、玄米に豊富ですが、果物ならどんな果物にビタミンB1が多いのでしょうか。
この記事では身近な果物の中から、100gあたりではなく一度に食べる量でビタミンB1の多い果物を20位までランキングで紹介します。
どの果物をどのくらい食べると1日分のビタミンB1の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。手軽に食べられる果物でしっかり栄養を補給しましょう!
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ビタミンB1の効果とは?
ビタミンB1が多く含まれる果物を紹介する前に……
ビタミンB1の効果は何?
不足したらどんな影響がある?
摂りすぎたらどんな影響がある?
についてお伝えします。
ビタミンB1の7つの効果
ビタミンB1のおもなはたらきは、糖質をエネルギーに変えることと、神経のはたらきを正常に維持すること。具体的には次の7つの効果があります。
- 疲労を回復する
- いつも元気な体を維持する
- 肩こり・腰痛・神経痛などを予防改善する
- 感情をおだやかに整えてイライラしにくくする
- 意欲や集中力や記憶力を高める
- 筋力や持久力を高める
- 肥満を予防する
糖質をエネルギーに変えるのがビタミンB1のはたらき。ごはん、パン、麺類といった炭水化物が好きな人はしっかり摂らなければならない栄養です。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1が不足すると?
ビタミンB1が足りないと糖質のエネルギー変換や神経伝達を守るはたらきが不十分に。次のような不調をきたすことがあります。
- 疲れやすい、疲れがとれない
- 腰痛、肩こり、目の疲れ、手足のしびれ、神経痛、筋肉痛
- 食欲がなくなる
- イライラしやすい、怒りっぽい
- やる気や集中力がなくなる
- 筋力や運動能力が低下する
- むくみ、太りやすい
ビタミンB1を摂りすぎると?
ビタミンB1は摂りすぎた分は尿として排出されます。一般的な食生活なら摂りすぎによる悪影響はまずありません。
いつも元気でいるためにしっかりと摂りたいビタミンB1。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB1の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB1はどのくらいでしょうか?
私たちの普段の摂取量は十分なのでしょうか?不足しているのでしょうか?
1日に必要なビタミンB1は?
私たちに必要なビタミンB1は次のように定められています。
1日に必要なビタミンB1
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
では普段私たちはビタミンB1をどのくらい摂れているのかというと……
私たちの普段の摂取量は?
私たちの普段のビタミンB1の摂取量はこちらです。
実際に摂れているビタミンB1
18~49歳では……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
0.24mg(22%)不足
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
0.32mg(23%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
ビタミンB1は体に吸収されにくい栄養素でもあり、男女ともに20%以上も足りません。特に足りない傾向にある人は……
ビタミンB1が不足しやすい人は?
次のような人はビタミンB1の摂取量が足りない傾向にあります。
- お菓子をよく食べる人
- お酒をよく飲む人
- 運動をよくする人
- 白米や白いパンを食べる人(玄米や全粒粉パンを食べない人)
お菓子をよく食べる、お酒をよく飲む、インスタント食品をよく食べる、といった人は糖質を分解するためにビタミンB1が大量に使われてしまうので、足りなくなるのです。
あてはまるようでしたら、ビタミンB1の豊富な食べ物を意識して食べるよう心がけましょう。
では身近な果物の中から100gあたりではなく一度に食べる量でビタミンB1の多い果物をランキングで20位まで紹介します。
ビタミンB1の多い果物ランキング
果物のなかでビタミンB1が豊富なものには何があるのでしょうか?
1~10位の果物
1~10位の果物を紹介する前に、ビタミンB1の多い果物をまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
果物のなかでビタミンB1がもっとも多いのはパイナップル。2位がすいかで、かんきつ系の果物と続きます。
グレープフルーツやバナナやキウイなど1年を通して手に入りやすい果物にも多く含まれていますね。
ではこの20位までの果物ビタミンB1の量をお伝えします。
まずは1~10位まで。
ビタミンB1の必要量と摂取量
18~49歳なら……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足、ということを頭に置きながら、それぞれの食べ物の含有量をチェックしてみてください。
1位:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
0.18mg
女性が1日に必要なビタミンB1の16%。摂取量の不足分の3/4も補えるほどにたっぷりと含まれています。
パイナップルはビタミンCも抜群に豊富!ミネラルや食物繊維も多い果物です。疲労回復、ストレス緩和、感染症や貧血の予防、骨を強くする効果があります。
パイナップルの栄養がすごい!その栄養価と9つの効果とは?
2位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
0.11mg
すいかはビタミンB1のほか、ビタミンA(1日に必要な量の37%)、カリウム(1日に必要な量の23%)も豊富。ほとんどが水分のようなイメージですが、実は栄養がたっぷり詰まった果物なのです。
※すいかは分類上は果物ではなく「野菜」。ただ果物の感覚で食べているのでこのランキングに加えました
3位:みかん
Mサイズのみかん1個(80g)に
0.08mg
ビタミンB1は1位のパイナップルの半分ほどですが、2個3個と食べることでしっかりと摂ることができますね。
みかんにはビタミンA、C、葉酸、食物繊維もたっぷり!風邪予防、アンチエイジング、中性脂肪や血圧を下げる、ストレスから守る、便秘を解消する効果があります。
みかんは栄養素の宝庫!みかん1個の栄養価と10の効果とは?
3位タイ:なつみかん
なつみかん1/2個(96g)に
0.08mg
5位:グレープフルーツ(ホワイト)
グレープフルーツ1/2個に
0.07mg
グレープフルーツは、ホワイトもルビーもビタミンB1は同じ。女性の1日分のビタミンB1の7%。不足分の1/3を補える量が含まれています。
グレープフルーツはビタミンC、葉酸、カリウム、銅も豊富な果物。疲労回復、貧血予防、コレステロールをおさえる、イライラをおさえる効果が期待できます。
グレープフルーツの栄養がすごい!その栄養価と10の効果とは?
5位タイ:ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジ1個(104g)に
0.07mg
5位タイ:きんかん
きんかん4つ(68g)に
0.07mg
8位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
0.06mg
8位タイ:いちご
いちご10粒に
0.06mg
いちごにはビタミンCもぎっしり。ビタミンCの食べ物ランキングでは第3位で、1日の必要量の1.2倍も摂ることができます。
ほかにもビタミンB群、E、モリブデン、食物繊維がたっぷり。生活習慣病や貧血の予防、便秘解消、アンチエイジングが期待できます。
いちごの栄養がすごい!10粒あたりの栄養価と8つの効果とは?
※いちごも分類上は果物ではなく「野菜」ですが果物の感覚で食べているのでこのランキングに加えました
8位タイ:はっさく
はっさく1/2個(97g)に
0.06mg
女性の1日分のビタミンB1の5%。摂取量の不足分の1/4を補うことができます。
*-*-*-*-*
ビタミンB1の多い果物を1~10位まで紹介しました。次は11~20位の果物です。
11~20位の果物
ビタミンB1の多い果物、11~20位です。
ビタミンB1の必要量
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足。
11~20位の果物には0.02~0.06mg。1日分のビタミンB1の2~5%と少なめになります。
11位:柿
柿1つ(185g)に
0.06mg
女性の1日分のビタミンB1の5%。不足分の23%です。
柿は果物のなかでもビタミンCがトップクラス!マンガン、カリウム、クロム、食物繊維も豊富な果物です。風邪を早く治す、アンチエイジング、ストレスから守る、血糖値を下げるはたらきがあります。
柿には栄養が凝縮!柿1個の栄養価と6つの効果とは?
12位:いちじく
いちじく2個(153g)に
0.05mg
いちじくは旬の短い果物ですが、食物繊維もたっぷり!旬の季節にはぜひ食べてみてください。
12位タイ:バナナ
バナナ1本(90g)に
0.05mg
バナナはカリウムや食物繊維も豊富。さらに、幸せホルモン「セロトニン」の材料となるトリプトファンもたっぷり。朝に最適な果物ですね。
ちなみにバナナは食べるタイミングによって効果が変わります。くわしくはこちら↓
バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
14位:干しいちじく
干しいちじく2個(40g)に
0.04mg
トルコ産の干しいちじくならサイズが大きめなので2つで40gほど。イラン産は小さめなので6つで40gほどになります。
15位:マンゴー
マンゴー1/2個(91g)に
0.04mg
女性の1日分のビタミンB1の3%。不足分の15%を補うことができます。
16位:さくらんぼ(国産)
さくらんぼ15粒(81g)に
0.03mg
16位タイ:アメリカンチェリー
アメリカンチェリー10粒(91g)に
0.03mg
アメリカンチェリーは葉酸、カリウム、水溶性食物繊維、ビタミンC、Eが豊富な果物。胎児の成長を守る、血圧や中性脂肪を下げる、貧血や骨粗鬆症の予防が期待できます。
アメリカンチェリーの栄養がすごい!10粒の栄養価と7つの効果とは?
16位タイ:りんご
りんご1/2個(128g)に
0.03mg
16位タイ:梨
梨1/2個(128g)に
0.03mg
20位:洋梨
洋梨1/2個(106g)に
0.02mg
女性の1日分のビタミンB1の2%。不足分の9%を補える量です。
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ビタミンB1の豊富な果物を20位までお伝えしました。もう一度グラフで見てみましょう。
ビタミンB1がもっとも多い果物のパイナップルには0.18mg。対して、豚ヒレカツ1人前(100g)には1.09mg。豚肉の1/6の量にすぎません。
とはいえ果物には食物繊維や酵素もたっぷり。特に酵素は果物と発酵食品にしか含まれていない貴重な栄養です。
いろいろな食べ物をバランスよく食べることが大切ですね。
ビタミンB1の多い果物:まとめ
ビタミンB1の効果、1日の必要量と私たちの摂取量、多く含まれる果物を紹介しました。
ビタミンB1の多い果物:パイナップル、すいか、みかんなど柑橘系の果物、アボカド、いちご、柿、いちじく、バナナ、りんご、キウイ
ビタミンB1の効果:疲労回復、肩こり・腰痛・神経痛などの予防改善、イライラをおさえる、意欲や集中力を高める、筋力や持久力を高める、肥満の予防
不足すると?:疲れやすい、腰痛、肩こり、目の疲れ、手足のしびれ、神経痛、食欲がなくなる、イライラ、集中力が続かない、筋力や運動能力の低下、むくみ、太りやすい
摂りすぎると?:特に悪影響はありません。摂りすぎた分は尿として排出されます。
1日の必要量と摂取量:18~49歳の場合、必要量は女性が1.1mg、男性が1.4mg。摂取量は女性が0.86mg、男性が1.08mg。
不足しやすい人は?:多忙な人、はげしい運動をする人、お菓子や甘い物をよく食べる人、お酒をよく飲む人。
玄米ではなく白いごはんを食べている人に不足しがちなビタミンB1。
果物をはじめ、ビタミンB1の多い食べ物を意識して摂ってみてはいかがでしょうか。