ナイアシンは食べ物の糖質や脂質をエネルギーに変えたり、肌のシミ・シワ・乾燥を防ぐ栄養素。
レバーや豚肉、きのこ類や玄米にも豊富ですが、なにより魚にたっぷりと含まれているのです。
そこで、身近な魚や貝類の中から1食分あたりでナイアシンの多い魚をランキングで20位までお伝えします。
栄養豊富な魚でナイアシンもしっかり摂って、元気で美しい毎日を過ごしましょう!
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ナイアシンの効果
ナイアシンの多い魚を紹介する前に、
ナイアシンの効果は?
不足するとどうなる?
摂りすぎるとどうなる?
についてお伝えします。
ナイアシンの6つの効果とは?
ナイアシンの効果は、シミやそばかすの予防、二日酔いの予防、血行を良くする、感情を穏やかに整えるなど。くわしくはこちらの6つです。
- シミやソバカスを予防する
紫外線によって作られる活性酸素から守ってシミやシワを防ぐ - 二日酔いを予防する
アルコールをすばやく分解して、二日酔いになるのを防ぐ - 肥満を防止する
食べ物の糖質や脂質が体にたまらないように代謝を促進させる - 血行を良くする
毛細血管を広げることで血行がよくなって、肩こり、首こり、冷え、頭痛を改善する - 感情を整えて意欲を高める
食べ物に含まれるトリプトファンからセロトニンを作ることができるので、感情を整えて、やる気を高め、仕事や勉強の能率があがる - 疲労回復を促進する
体内の酵素と一緒に糖質や脂質をエネルギーに変える
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ナイアシン解説」
ナイアシンが不足するとどうなる?
ナイアシンが不足すると、ストレスに対抗できなかったり糖質や脂質の代謝が進まないことから、次のような影響があらわれることがあります。
- シミ、そばかす、肌の乾燥、口内炎、口角炎
- 太りやすい
- 肩や首のコリ、冷え性、むくみ
- 感情の起伏が激しい、むしゃくしゃしやすい、落ち込みやすい
- 疲れやすい、疲れがとれない、だるい
- 食欲不振、吐き気、下痢
- ペラグラ(顔や手に赤い発疹、下痢、めまい、うつ)
ナイアシンを摂りすぎるとどうなる?
ナイアシンは一般的な食生活なら摂りすぎによる悪影響はまずありません。余分なナイアシンは尿として排出されます。
しっかりと摂りたいナイアシン。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ナイアシンの必要量と摂取量
私たちはどのくらいナイアシンを摂ればよいのでしょうか?
また私たちの普段の摂取量は十分なのでしょうか?
1日に必要なナイアシン
私たちに必要なナイアシンは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なナイアシン
30~49歳なら、
女性:12mgNE
男性:15mgNE
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
さて私たちは普段からどのくらい摂れているのかというと……
私たちの普段の摂取量
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ナイアシンの必要量と普段の摂取量
30~49歳では……
女性の必要量:12.0mgNE
摂取量の平均:27.8mgNE
15.8mgNE(132%)も多く摂れています
男性の必要量:15.0mgNE
摂取量の平均:34.5mgNE
19.5mgNE(130%)も多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
肉や魚に豊富な栄養素なので、普段から十分に摂れていますね。
不足しにくいナイアシンですが、なかには摂取量が足りない人もいます。それは……
ナイアシンが不足しがちな人
ナイアシンの摂取量が不足しがちな人はこちら。
- 毎日のようにお酒をたくさん飲んでいる
- 食べる物が偏っている
- ファストフード、コンビニ弁当が多い
- 肉や魚があまり好きではない
- かなり野菜中心の食生活を送っている
あてはまる人はナイアシンの多い食べ物をしっかり食べましょう。
では身近な魚の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でナイアシンの多い魚をランキングで20位までお伝えします。
ナイアシンの多い魚ランキング
ナイアシンの多い魚には何があるのか、まずは20位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
かつお、まぐろ、いか、ブリは女性の1日分のナイアシンをまるまる摂れてしまうほどに豊富。
魚は全般的にナイアシンが多いので、普段から食べている人は十分に摂れているでしょう。
ではこの20位までの魚の「1食分に含まれるナイアシン」をお伝えします。
1~10位の魚
まずは1~10位の魚です。
ナイアシン:30~49歳なら……
女性の必要量=12.0mgNE
摂取量の平均=27.8mgNE
男性の必要量=15.0mgNE
摂取量の平均=34.5mgNE
男女とも普段から必要な量の2.3倍ほど摂れています。
1~10位の魚には9.9~24mgNE。女性にとって1日に必要なナイアシンの83~200%を摂ることができます。
1位:かつお(たたき)
かつおのたたき6切れ(100g)に
24mgNE
女性が1日に必要なナイアシンの2倍も摂ることができます。
かつおはビタミンD、セレン、鉄分、カリウム、マグネシウムも豊富な魚。疲労回復、脂肪肝を防ぐ、強い骨を作る、高血圧の予防が期待できます。
かつおの栄養がすごい!鰹のたたき6切れの栄養価と8つの効果とは?
2位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
18.2mgNE
女性が1日に必要なナイアシンの1.5倍も含まれています。
びんながまぐろは抗酸化力が抜群のセレン、ビタミンB群、ビタミンDが豊富な魚!動脈硬化や心筋梗塞の予防、肝機能を高める、集中力アップ、口内炎の予防に効果的です。
びんながまぐろの栄養がすごい!刺身5切れの栄養価と7つの効果とは?
3位:きはだまぐろ
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
15.4mgNE
4位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
14mgNE
5位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯(150g)に
13.7mgNE
するめいかはビタミンE、セレン、亜鉛、マグネシウムもたっぷり!高血圧の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、糖尿病の予防、アンチエイジング、肝臓を元気にする効果が期待できます。
イカの栄養がすごい!イカ1杯の栄養価と8つの効果とは?
6位:ブリ
ブリの照り焼き1切れ(82g)に
12.3mgNE
女性の1日分のナイアシンの103%を摂ることができます。生ではなく焼いたブリの栄養価です。
7位:さば:水煮缶
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
11.4mgNE
さば水煮缶にはビタミンB群、D、E、カルシウム、マグネシウム、鉄分がぎっしり!骨を強くする、心臓を守る、動脈硬化の予防、高血圧や貧血の予防が期待できます。
さば水煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
8位:さんま
さんまの塩焼き1匹(76g)に
10.6mgNE
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。女性の1日分のナイアシンの89%を摂ることができます。
9位:白鮭(しろさけ)
白鮭の塩焼き1切れ(74g)に
10.4mgNE
1切れ100gで焼くと74gに。生ではなく焼いた白鮭の栄養価です。
白鮭は一般的な日本産の鮭。秋に海から遡上してくる白鮭を「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
10位:鮭:水煮缶
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
9.9mgNE
女性の1日分のナイアシンの83%が含まれています。
鮭の水煮缶はビタミンB群、D、E、カルシウム、マグネシウムも豊富。骨を強くする、高血圧や糖尿病の予防、疲労回復、イライラをおさえる効果があります。
鮭の水煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
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ナイアシンの多い魚を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の魚です。
11~20位の魚
ナイアシンの多い魚、11~20位です。
ナイアシンの必要量
30~49歳なら、
女性:12mgNE
男性:15mgNE
男女ともに必要量の2.3倍も摂れています。
11~20位の魚には2.8~9.4mgNE。女性の1日分のナイアシンの23~78%を摂ることができます。
11位:紅鮭
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)に
9.4mgNE
紅鮭はビタミンDが1日分の3倍以上!ビタミンB群、E、カリウムも多く、疲労回復、感染症予防、骨を丈夫にする、糖尿病・メタボ・高血圧の予防が期待できます。
紅鮭の栄養がすごい!1切れの栄養価と9つの効果とは?
11位タイ:銀鮭
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
9.4mgNE
銀鮭も1切れが約100gで塩焼きにすると78gほどに。焼いた銀鮭のナイアシンの栄養価です。
白鮭には10.4mgNE。紅鮭にも銀鮭にも9.4mgNE。どれも女性の1日分のナイアシンの80%前後が含まれています。
13位:いわし
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
9.0mgNE
いわしはビタミンB群、D、E、鉄分、銅、亜鉛が豊富な魚。貧血予防、免疫力アップ、ダイエット、美肌に効果的です。
イワシには栄養がぎっしり!その栄養価と6つの効果とは?
14位:さば:味噌煮缶
さばの味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
8.6mgNE
15位:アジ
アジフライ2枚(100g)に
8.2mgNE
生ではなくフライにしたアジ2枚あたりの栄養価です。女性の1日分のナイアシンの68%ほどです。
16位:うなぎ
うな重1人前(うなぎ100g)に
7.1mgNE
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどですね。
うなぎはビタミンAとDが1日分の2倍以上!ビタミンB群、E、セレン、ヨウ素、カルシウムも豊富で、疲労回復、感染症から守る、高血圧・動脈硬化・心筋梗塞の予防が期待できます。
うなぎの栄養がすごい!蒲焼き1人前の栄養価と8つの効果とは?
17位:ツナ缶(ライト)
ツナ缶1缶(ツナ50g)に
6.5mgNE
18位:ホタテ
ホタテの貝柱の刺身5個(100g)に
4.1mgNE
女性の1日分のナイアシンの34%を摂ることができます。
19位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
3.7mgNE
からふとししゃもは一般的に出回っているししゃものこと。
骨もまるごと食べられるししゃもはカルシウムの含有量がトップクラス!亜鉛、鉄分、ビタミンEも多く、骨を強くする、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、生活習慣病を予防するなど効果満載です。
ししゃもの栄養がすごい!1食分5尾の栄養価と7つの効果とは?
20位:わかさぎ
わかさぎのフライ7尾(70g)に
2.8mgNE
女性が1日に必要なナイアシンの23%を摂ることができます。
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ナイアシンの豊富な魚をランキングで20位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
魚ならどれを食べてもナイアシンを効率的に摂ることができそうですね。
ナイアシンの多い魚:まとめ
ナイアシンが豊富な魚のランキング、効果、必要量や摂取量をお伝えしました。
ナイアシンの多い魚:かつお、まぐろ、いか、ぶり、さば、さんま、鮭、いわし、アジ
ナイアシンの効果:シミやソバカスの予防、二日酔いの予防、肥満防止、血行を良くする、感情を整える、意欲を高める、疲労回復を促進する
不足すると?:シミ、肌の乾燥、口内炎、太りやすい、コリ、冷え性、感情の起伏が激しい、疲れがとれない、食欲不振、吐き気、下痢、ペラグラ
摂りすぎると?:一般的な食生活なら摂りすぎによる悪影響はまずありません。
必要な量と摂取量:30~49歳の場合、必要量は女性は12mgNE、男性は15mgNE。摂取量は女性が27.8mgNE、男性は34.5mgNE。
不足しやすい人は?:毎日のようにお酒を飲んでいる、食べる物が偏っている、ファストフードやコンビニ弁当が多い、肉や魚があまり好きではない、野菜中心の食生活
魚にはナイアシンだけでなく私たちに足りないカルシウムやマグネシウムなどのミネラルもたっぷり。毎日の食生活に積極的に取り入れましょう!