ビタミンDといえば骨を強くしたり糖尿病の予防効果が期待されている栄養素。
骨粗しょう症を防ぎたい、骨密度が低い、といった心配はありませんか?
ビタミンDが多い食べ物は魚!私たちに不足しがちなミネラルも動物性たんぱくも豊富で強い体を作ってくれます!
そこで、身近な魚の中から1食分あたりでビタミンDの多い魚を10位までランキングしました。
このページを読むと、どの魚を食べると1日に必要なビタミンDの何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
魚をしっかり食べて強く元気な体を作りましょう!
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ビタミンDの多い魚ランキング
ビタミンDが多い魚は、鮭、うなぎ、さば、さんま、いわし、あじ、まぐろ、ブリ、かつお、しらすなど。
1食分あたりの含有量で20位までランキングしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
魚にはビタミンDがぎっしり!1日の食生活のなかで少しでも魚を食べればビタミンDの不足分を十分に補うことができます。
ビタミンDの効果としては、骨を強くする、感染症を予防する、糖尿病の予防、感情の安定などが期待できます。
ところで、私たちはビタミンDを普段から十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なビタミンDと私たちが普段から摂れている量を比べたグラフがこちらです。
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足と、かなり足りていません。意識して摂ることが大切ですね。
ではこの10位までの魚の「1食分に含まれるビタミンD」をくわしくお伝えしていきます。
1~10位の魚
まずは1~10位の魚です。
ビタミンD:18歳以上なら……
女性の必要量=8.5μg
平均の摂取量=5.7μg
男性の必要量=8.5μg
平均の摂取量=6.8μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
1~10位の魚には5~30μg。1日に必要なビタミンDの58%~349%を摂ることができます。
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)に
30μg
1日に必要なビタミンDの3.5倍も摂ることができます。
紅鮭1切れは約100gで塩焼きにすると78gほどに。生ではなく「焼いた紅鮭の栄養価」を紹介しています。
紅鮭はビタミンB群、E、カリウムも豊富な魚。動脈硬化や心筋梗塞の予防、メタボ・高血圧の予防、美肌効果が期待できます。
紅鮭の栄養がすごい!1切れの栄養価と9つの効果とは?
2位:白鮭(しろさけ)
白鮭の塩焼き1切れ(74g)に
29μg
1切れ100gで焼くと74gに。こちらも生ではなく「焼いた白鮭の栄養価」です。
白鮭とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色をしています。秋に海から遡上してくる「秋鮭」も、5月から7月ごろに少し早く遡上してくる「時鮭(ときしらず)」も白鮭です。
3位:うなぎ
うな重1人前(うなぎ100g)に
19μg
1日分のビタミンDの2.2倍も含まれています。
うなぎはビタミンAも1日に必要な量の2倍以上!ビタミンB群、E、セレン、ヨウ素、カルシウムなどいろんな栄養が豊富な魚です。
4位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
16μg
銀鮭はビタミンB群、E、抗酸化のセレンもたっぷり!疲労回復、ダイエット、心筋梗塞や脳血栓の予防、貧血の予防に効果を発揮します。
5位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
10μg
さば水煮缶はビタミンD以外にも、B群、E、カルシウムがぎっしり!鉄分、亜鉛、マグネシウムも多く、骨を強くする、心臓を守る、動脈硬化の予防、高血圧や貧血の予防に効果的です。
さば水煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
6位:さんま
さんまの塩焼き1匹(76g)に
9.9μg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
7位:いわし
焼いたいわし2尾(64g)に
9.0μg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく「焼いたいわし」の栄養価です。
1日分のビタミンDの105%。7位のいわしまでの魚なら1食分で1日分のビタミンDをまるまる摂ることができます。
いわしは鉄分、銅、亜鉛、ビタミンB群、Eも豊富な魚。貧血予防、免疫力アップ、骨を強くする、ダイエット、美肌が期待できます。
イワシには栄養がぎっしり!その栄養価と6つの効果とは?
8位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
7.2μg
1日に必要なビタミンDの85%。女性の不足分は2.8μgなので余裕で補うことができますね。
9位:あじ(アジフライ)
アジフライ2枚(100g)に
7.0μg
アジはカルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、カリウム、ビタミンEも豊富な魚。強い骨をつくる、心筋梗塞や高血圧の予防、心臓のはたらきを守る、糖尿病の予防に効果を発揮します。
アジの栄養がすごい!アジフライ2枚の栄養価と7つの効果とは?
10位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
4.9μg
1日に必要なビタミンDの58%。女性の不足分が2.8μgですので十分補えますね。
*-*-*-*-*
ビタミンDの多い魚を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の魚です。
11~20位の魚
ビタミンDの多い魚、11~20位です。
ビタミンDの必要量
18歳以上なら、
女性も男性も8.5μg
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足です。
11~20位の魚には0.06~4.8μg。1日分のビタミンDの1%~56%が含まれています。
11位:さば(味噌煮缶詰)
さばの味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
4.8μg
1日に必要なビタミンDの56%も含まれています。
12位:ブリ
ブリの照り焼き1切れ(82g)に
4.4μg
ブリは1切れが約100gで焼くと82gほどに。生ではなく「焼いたブリの栄養価」です。
ブリには鉄分、カリウム、EPA、DHA、ビタミンB群、ビタミンEが豊富。貧血予防、サラサラ効果、イライラをおさえる、集中力アップ、肌荒れや口内炎の予防が期待できます。
ブリの栄養がすごい!照焼き1切れの栄養価と8つの効果とは?
13位:きはだまぐろ
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
4.2μg
きはだまぐろは抗酸化力の高いセレン、鉄分、EPA、DHA、タウリンが豊富。サラサラ効果、肝機能アップ、集中力アップ、口内炎や貧血予防のはたらきがあります。
14位:かつお
かつおのたたき6切れ(100g)に
4.0μg
15位:しらす干し
しらす丼1杯分(しらす30g)に
3.6μg
しらす30gは大さじで5~6杯分。1日分のビタミンDの42%も摂ることができます。
15位のしらす干しまでなら、1食分で女性の不足分(=2.8μg)をまるまる補えますね。
しらすはビタミンB12、セレン、カルシウム、マグネシウムが豊富な魚。動脈硬化の予防、骨を丈夫にする、更年期障害や生理不順をやわらげる、不整脈や狭心症の予防が期待できます。
しらすの栄養と効果がすごい!1食分30gの栄養価と7つの効能とは
16位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
2.5μg
1日分のビタミンDの30%です。
17位:ツナ缶(ライト)
ツナ缶1缶(ツナ50g)に
1.5μg
私たちに必要なビタミンDの18%。女性の不足分の約半分を補うことができます。
18位:わかさぎ
わかさぎのフライ7尾(70g)に
1.4μg
わかさぎはあらゆる食べ物のなかでカルシウムの量がトップクラス!セレン、銅、亜鉛も多く、骨を強くする、心臓のはたらきを守る、高血圧を予防するはたらきがあります。
19位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
0.4μg
ビタミンDは1日に必要な量の5%と少なめですが、わかさぎと同じように骨ごと食べられるのでカルシウムをしっかり摂ることができます。
手軽に食べられるうえに、亜鉛、鉄分、ビタミンB群、Eなどあらゆる栄養が凝縮!骨を強くする、不整脈や心筋梗塞を防ぐ、生活習慣病の予防に効果的です。
ししゃもの栄養がすごい!1食分5尾の栄養価と7つの効果とは?
20位:牡蠣(生ガキ)
生ガキ3個(60g)に
0.06μg
*-*-*-*-*
ビタミンDの豊富な魚をランキングで20位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
魚さえ食べておけばビタミンD不足の心配はない、といってもいいくらいにたっぷりと含まれています。
さて、ビタミンDには具体的にどんな効果があるのか、足りないとどんな影響があるのでしょうか?
そこで、
- ビタミンDの5つの効果
- 足りないとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に必要なビタミンD
- 私たちの普段の摂取量
- ビタミンDが足りない人
についてお伝えします。
ビタミンDの効果とは?
ビタミンDの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてです。
ビタミンDの5つの効果
ビタミンDの効果は、骨を強くする、感染症を予防する、感情の安定など。くわしくはこちらです。
- 骨を強くする
カルシウムの吸収を助けて骨を強くして、骨粗しょう症を予防する - 筋肉の動きをスムーズにする
血液中のカルシウム濃度を調整する - 免疫力を高める
ウイルスへの抵抗力を高めて風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する - 糖尿病の予防
インスリンの分泌を促進させる - 感情を安定させる
幸せホルモンと呼ばれるセロトニン作りを促進して、感情を安定させたり仕事や勉強の能率を高める
ビタミンDが足りないとどうなる?
ビタミンDが足りないと骨が弱くなったり免疫力が低下したりと、次のような影響があらわれることがあります。
- くる病
乳幼児の骨の変形や発育不全によって、骨が曲がったり折れやすくなる - 骨折しやすくなる、骨粗しょう症
骨が弱くなって骨粗しょう症になったり骨が折れやすくなる - 筋肉が弱くなる
食べ物に含まれるミネラルを十分に吸収できなくなって、筋肉の生成も十分にできなくなる - 免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる
- 感情が不安定になる
ビタミンDを摂りすぎると?
ビタミンDは体に蓄積されるので摂りすぎるのもよくありません。
- 食欲がなくなる
- 嘔吐や吐き気をもよおす
- 力が入らない感覚
- 神経が興奮しやすい
- 腎機能障害、腎不全
- 筋力が低下する
- 血圧が高くなる
ビタミンDの摂取量の上限は大人で100μg。
鮭の塩焼きを毎日3切れ、サバの水煮缶を毎日5缶、といったことでもしなければ摂れない量です。
通常の食生活ならビタミンDを摂りすぎることはまずありません。サプリメントを飲む場合は気をつけましょう。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」
では1日に摂るべきビタミンDはどのくらいでしょうか?
ビタミンDの必要量と摂取量
あらためて、1日に摂るべきビタミンDはどのくらいなのか、私たちは普段から十分に摂れているのか、お伝えします。
1日に必要なビタミンD
1日に摂るべきビタミンDは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
ビタミンDの必要量
18歳以上なら、
女性も男性も8.5μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
そして、私たちは普段からビタミンDをどのくらい摂れているのかというと……
私たちの普段の摂取量
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンDの普段の摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:8.5μg
平均の摂取量:5.7μg
2.8μg(32%)不足
男性の必要量:8.5μg
平均の摂取量:6.8μg
1.7μg(20%)不足
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともにビタミンDはかなり足りていません。特に足りない傾向にある人は……
ビタミンDが足りない人
ビタミンDの摂取量が足りない傾向にある人はこちら。
- 魚をあまり食べない人
ビタミンDが多い食べ物は魚。肉類・野菜・果物・海藻・豆にはほとんど含まれていません - あまり外出しない人
直接日光を浴びると体内でビタミンDが作られますが、窓越しに入ってくる光では紫外線が弱いため作られるビタミンDは少なくなります - 更年期を過ぎた女性
更年期を過ぎると骨の形成を促進する女性ホルモン(エストロゲン)が減って骨粗しょう症になりやすくなります。ビタミンDが不足しやすいというよりは、積極的に摂ってほしいということですね。 - 肥満ぎみの人
脂溶性のビタミンDが体の脂肪に溶け入ってしまい体内で使われない、といった仮説があって、肥満ぎみな人はビタミンDが足りない傾向にあるようです
あてはまる人はビタミンDの多い食べ物をしっかり食べましょう。
ビタミンDの多い魚:まとめ
ビタミンDが豊富な魚のランキング、効果、必要量や私たちの摂取量をお伝えしました。
ビタミンDの多い魚:鮭、うなぎ、さば、さんま、いわし、あじ、まぐろ、ブリ、かつお、しらす
ビタミンDの効果:骨を強くする、筋肉の動きをスムーズにする、免疫力を高める、糖尿病の予防、感情を安定させる
足りないと?:くる病、骨折しやすい、骨粗しょう症、筋肉が弱くなる、感染症にかかりやすい、感情が不安定
摂りすぎると?:食欲不振、嘔吐、吐き気、脱力感、神経が興奮しやすい、腎臓の機能低下、筋力の低下、高血圧。ただ、通常の食生活ではビタミンDを摂りすぎることはまずありません。
1日の必要量:18歳以上なら女性も男性も8.5μg。女性は2.8μg(32%)不足、男性は1.7μg(20%)不足です。
不足しやすい人:魚をあまり食べない、あまり外出しない、更年期を過ぎた女性、肥満ぎみの人
魚にはビタミンDだけでなく私たちに不足しがちなカルシウムやマグネシウムといったミネラルもたっぷり。毎日の食生活に積極的に取り入れましょう!