カルシウムが多いものといえば「牛乳」というイメージでしょうか。
では、カルシウムの多い野菜には何があるか、ご存じですか?
骨や歯を作るだけでなく、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防にも大切な栄養素、カルシウム。
そこで身近な野菜の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりでカルシウムの多い野菜を20位までランキングしました。
このページを読むと、どの野菜をどのくらい食べると1日分のカルシウムの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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カルシウムは不足している?
カルシウムの多い野菜をご紹介する前に、1日に必要な量はどのくらいなのでしょうか?
そして……
私たちはカルシウムはちゃんと摂れているの?不足しているの?
1日に必要なカルシウムは?
カルシウムの1日に必要な量(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」で次のように定められています。
カルシウムの1日の推奨量
女性:650mg
男性:750~800mg
30~74歳なら、
女性:650mg
男性:750mg
でも、650mgや750mgがどのくらいの量なのか、どんなものを食べていれば足りる量なのか、わかりませんよね?
そこで、私たちは実際にどのくらいのカルシウムを摂れているのかというと……
私たちが摂れているカルシウムは?
私たちが実際に摂れているカルシウムの量はこちら!
カルシウムの実際の摂取量
30~74歳なら……
女性:477mg
173mg(27%)不足
男性:475mg
275mg(37%)不足
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
1日に必要なカルシウムの70%程度しか摂れていません。30%も不足しているんですね。
カルシウムが不足するとどうなるの?
カルシウム不足になると、骨や歯が弱くなる、だけじゃないんです。
どんな影響があるかというと……
- 骨粗しょう症
- 高血圧
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 尿路結石、腎臓結石
- 肥満
カルシウム不足はあらゆる生活習慣病のリスクも高めてしまいます。
このほか、くる病(乳幼児や成長期の子供)、認知障害、免疫異常、軟骨の変性、変形性関節症などのリスクも高まります。
※参考サイト:厚生労働省 、e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
カルシウムは吸収しにくい栄養素。なおさらカルシウムの多い食べ物を意識して摂ることが大切ですね。
では身近な野菜の中から100gあたりの含有量ではなく1食分あたりにカルシウムの多い野菜をランキングで20位までお伝えします。
カルシウムの多い野菜ランキング
カルシウムの多い野菜をランキングにて紹介します。
1~10位の野菜
まずはカルシウムの多い野菜を20位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
野菜のなかでもっともカルシウムが多いのは「大根の葉」。そのほか上位は緑の野菜が多いですね。
では、この20位までの野菜それぞれの「1食分に含まれるカルシウムの量」をお伝えします。
まずは1~10位まで 。
カルシウムの1日の推奨量
30~74歳なら、
女性:650mg(173mg不足)
男性:750mg(275mg不足)
1位:大根の葉(炒め物)
大根の葉っぱの炒め物の
小皿1皿(大根の葉50g)に
130mg
1日に必要なカルシウムのうち女性なら20%、男性なら17%を摂ることができます。女性の不足分の3/4を補えますね。
大根の葉はビタミンA、C、E、K、葉酸、鉄分なども豊富。貧血予防、免疫力を高める、心筋梗塞や動脈硬化や高血圧を防ぐ、アンチエイジングなども期待できます。
大根の葉の栄養がすごい!炒め物1皿分の栄養価と7つの効果とは?
2位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿(1/2袋分:64g)に
96mg
春菊はビタミンKの含有量がトップクラス。大根の葉の約3倍で、1日に必要なビタミンKの約2.5倍も含まれています。
そのほかビタミンAや葉酸も豊富な野菜です。
3位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
90mg
1日に必要なカルシウムのうち女性なら14%、男性なら12%を摂ることができます。
水菜はビタミンK、C、E、葉酸、鉄分、カリウムも豊富な野菜。貧血予防、感染症から守る、美肌、疲労回復、胎児の発育を守る効果が期待できます。
水菜は栄養の宝庫!サラダ1皿の栄養価と7つの効果とは?
4位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉分)に
81mg
5位:小松菜(おひたし)
小松菜のおひたし一皿
(1/4袋分:50g)に
75mg
女性の1日分のカルシウムの12%。不足分の半分弱を補うことができます。
6位:切り干し大根(煮物)
切り干し大根の煮物の
小鉢1皿(33g)に
50mg
乾燥の切り干し大根10gを水で戻すと、3.3倍の重さの33gになります。
6位の切り干し大根から10位の里芋までの野菜には、カルシウムが42~50mg程度。女性に足りないカルシウムの3割ほどを補える量です。
切り干し大根には食物繊維、マグネシウム、カリウム、葉酸、食物繊維もたっぷり!生活習慣病の予防、貧血予防、疲労回復、デトックス、便秘解消などが期待できます。
切り干し大根の栄養がすごい!1皿分の栄養価と12の効果とは?
7位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
49mg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
枝豆は「さやが緑色で実が未成熟」なので、分類上は野菜になります。
ちなみに枝豆がさらに成長して大豆になると、分類上は穀物になります。
8位:サニーレタス(サラダ)
サニーレタス1/4玉(70g)のサラダに
46mg
1日に必要なカルシウムのうち女性なら7%、男性なら6%の量ですね。
普通のレタスより栄養豊富なサニーレタス。ビタミンKが抜群に多く、β-カロテン、ビタミンC、E、鉄分、カリウム、食物繊維などもたっぷり!感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、貧血予防などの効果を発揮します。
サニーレタスは栄養の宝庫!サラダ1皿の栄養価と8つの効果は?
9位:キャベツ(炒め物)
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
43mg
10位:さといも(煮っころがし:冷凍ものを使用)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
42mg
1日に必要なカルシウムのうちの 6%ほどを摂ることができます。
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、銅、食物繊維などあらゆる栄養が凝縮!血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、便秘解消、疲労回復などが期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
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カルシウムの多い野菜を10位まで紹介しました。次は11~20位の野菜を紹介します。
11~20位の野菜
カルシウムの多い野菜。
続いて11~20位です。
11~20位の野菜には1日に必要なカルシウムの3~6%が含まれています。
カルシウムの1日の推奨量
30~74歳なら、
女性:650mg(173mg不足)
男性:750mg(275mg不足)
11位:オクラ(ごまあえ)
オクラ5本(43g)に
40mg
1日に必要なカルシウムの6%ほどの量。11位以降の野菜は「カルシウムを摂るぞ」というにはちょっと少ないですね。
ただオクラには葉酸、ビタミンK、E、食物繊維などがたっぷり!心筋梗塞や動脈硬化の予防、血圧や血糖値をおさえる、便秘解消、貧血予防、疲労回復などの効果が期待できます。
オクラの栄養がすごい!5本あたりの栄養価と7つの効果とは?
12位:大根(煮物)
大根の煮物1皿(130g)に
33mg
13位:ブロッコリー(温野菜)
ブロッコリー1/3株分の温野菜に
30mg
ブロッコリーはビタミンC、E、K、葉酸、食物繊維がぎっしりな野菜!血圧・中性脂肪・血糖値などの改善、風邪を早く治す、便秘解消、ストレスから守る、美肌、アンチエイジングなどの効果があります。
ブロッコリーの栄養がすごい!1食分の栄養価と11の効果とは?
14位:さつまいも(焼き芋)
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
27mg
15位:きゅうり(サラダ)
きゅうり1本(98g)に
25.5mg
16位:セロリ(サラダ)
セロリ1本(65g)に
25.4mg
セロリはカリウム、葉酸、ビタミンB6、モリブデン、不溶性食物繊維などの栄養が豊富。高血圧や貧血の予防、デトックス、口内炎の予防・改善などが期待できます。
セロリに多い栄養素とは?1本あたりの栄養価と6つの効果を紹介!
17位:ほうれん草(おひたし)
ほうれん草のおひたし一皿
(1/4袋分:33g)に
22.8mg
18位:にんじん
にんじん1/2本分の炒め物に
22.4mg
19位:なす
なす2本分の炒め物に
18.0mg
なすはビタミンE、2種類の食物繊維、葉酸、カリウムなどが豊富な野菜。動脈硬化や心筋梗塞の予防、生活習慣病の予防、便秘解消、貧血予防などが期待できます。
なすの栄養がすごい!1食分あたりの栄養価と7つの効果とは?
20位:ミニトマト
ミニトマト10個(150g)に
18.0mg
普通のトマト1個の重さ(約150g)に合わせるとミニトマトなら10個。この栄養価を紹介しています。
女性の1日分のカルシウムの3%弱ですね。
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カルシウムの多い野菜を20位までランキングで紹介しました。ではもう一度グラフで見てみましょう。
なお、野菜に限らずカルシウムの多い食べ物についてはこちらで具体的に紹介しています。
カルシウムの多い食べ物ランキング35【1食分】で比較!
ちなみに1位がわかさぎフライ(315mg)、2位がチェダーチーズ2切れ(296mg)、3位がさばの水煮缶詰の1/2缶(247mg)。
すべてカルシウムの不足分をまるまる補える量が含まれています。
では最後にカルシウムの効果について簡単にお伝えします。
カルシウムの5つの効果
カルシウムが持つおもな5つの効果はこちら。
- 骨や歯を強くする
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓の正しいはたらきを維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
カルシウムは骨や歯を強くするだけでなく、心臓の動き、血液の流れ、筋肉の動きなども支えているのです。
カルシウムの多い野菜:まとめ
カルシウムの多い野菜を20位まで紹介しました。
カルシウムの多い野菜:大根の葉、春菊、水菜、白菜、小松菜、切り干し大根、枝豆、サニーレタス、キャベツ、里芋など
1日の必要量:女性で650mg、男性で750~800mg
カルシウムは足りている?:不足しています!女性で156mg(24%)不足。男性では233mg(31%)も不足しています。
不足すると?:骨粗しょう症、高血圧、動脈硬化、糖尿病、結石、肥満、くる病、変形性関節症、といったリスクが高まる
カルシウムの効果:骨・歯を強くする、筋肉をスムーズに動かす、高血圧の予防、心臓や血液の状態を正常に維持する
カルシウムがかなり不足している私たち。
カルシウムの多い野菜だけでなく、海藻、魚、豆腐、豆乳なども意識して摂るように心がけましょう。