干し柿には食物繊維がぎっしり!そのほかの栄養もたっぷり含まれた健康食材です。
特に40代を過ぎた世代にうれしい健康効果が満載なこと、ご存じでしたか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 干し柿はどの栄養が多い?
- 2個食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 干し柿の健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。干し柿に詰まった栄養で元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】柿には栄養が凝縮!柿1個の栄養価と6つの効果とは?
干し柿2個の栄養価
干し柿に多い栄養は、β-カロテン、葉酸、パントテン酸、カリウム、マンガン、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維など。
なかでも特筆すべきは不溶性食物繊維の多さ!私たちに足りない栄養ですが干し柿にぎっしりと詰まっています。
効果としては、便秘解消、有害物質のデトックス、血圧を下げる、コレステロールや中性脂肪を減らす、疲労回復、ダイエットなどが期待できます。
では、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりではなく、1日に食べる量として……
- 干し柿を2つ食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 干し柿に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
1日に食べる量:干し柿2個(50g)
干し柿の平均的な重さは1個が28gほど。種とへたを除くと可食部は25g。干し柿を2個(50g)食べたときの栄養価を紹介します。
干し柿に多いビタミン
まずはビタミン。
干し柿を2個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
干し柿2個に多く含まれているビタミンは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンA | 9% |
パントテン酸 | 9% |
葉酸 | 7% |
ビタミンB6 | 6% |
干し柿2個というわずかな量に含まれている栄養価なので、グラフで見ると少なそうに見えますね。
干し柿は、ビタミンAやB群(パントテン酸、葉酸、B6など)をしっかり摂ることができる食べ物と言えそうです。
次は干し柿にはどんなミネラルが豊富なのかお伝えします。
干し柿に多いミネラル
干し柿を2個食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?
干し柿2個に多く含まれるミネラルは……
マンガン | 21% |
カリウム | 17% |
マンガンには食べ物をエネルギーに変えたり、糖尿病・血糖値の上昇・高血圧を予防するはたらきがあります。
カリウムは、血圧を下げる、体をスムーズに動かす、心臓の動きを守るといったはたらきを発揮します。
では、干し柿2個あたりの食物繊維をお伝えしてから、干し柿の7つの効果効能を紹介します。
干し柿に多い食物繊維
干し柿を2個食べると1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 53% |
水溶性食物繊維 | 11% |
干し柿の一番のメリットは不溶性食物繊維がぎっしり詰まっていること。わずか2個の干し柿で1日の必要量の半分以上も摂ることができます。
では、
干し柿に豊富な栄養は
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
干し柿に多い栄養素とその効果
干し柿2個50gに含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
不溶性食物繊維 | 53% |
マンガン | 21% |
カリウム | 17% |
水溶性食物繊維 | 11% |
ビタミンA | 9% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 干し柿でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
不溶性食物繊維
干し柿にもっとも多く含まれる栄養です。野菜やきのこ類や玄米などに豊富で、便秘を解消したり有害物質をデトックスするはたらきがあります。
干し柿の不溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
干し柿2個に6.4g。
さて私たちは普段からどのくらい摂れていて、干し柿を2個食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、93%
干し柿2個に、53%
合計で、146%
男性が摂れている量は、84%
干し柿2個に、45%
合計で、129%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、 NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の運動を活発に)
- 有害物質を排出する(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(満腹感が得やすい、腸内環境も整える)
不溶性食物繊維は便秘のなかでも便の量や便の回数が少ないタイプに効果的。
腸の中で水分を吸って大きくふくらんで腸を刺激することで、蠕動(ぜんどう)運動が活発になってお通じがスムーズになります。
なお「便が固い」「イキまないと出ない」という便秘なら、のちほど紹介する水溶性食物繊維を摂りましょう。
マンガン
2番目の栄養はマンガン。代謝アップ、糖尿量の予防、高血圧や血糖値上昇の予防などが期待できます。
干し柿のマンガンは?
1日に必要なマンガンは
女性が3.5mg、男性が4mg。
干し柿2個に0.7mg。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
マンガンは植物性の食品を中心にいろんな食べ物に含まれています。一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもまずないでしょう。
【関連記事】マンガンの多い食べ物ランキング30-摂取量や効果も紹介!
マンガンの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- エネルギーを作る:
脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化 - 骨を強くする
- 美肌:
ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける - インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
カリウム
干し柿に3番目に豊富な栄養はカリウム。血圧を下げたり心臓の動きを守るはたらきがあります。
干し柿のカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
干し柿2個に335mg。
干し柿を食べると……
女性が摂れている量は、111%
干し柿に、17%
合計で、128%
男性が摂れている量は、96%
干し柿に、13%
合計で、109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
ちなみにカリウム不足になりやすい人はこちら。
- 下痢や嘔吐することが多い
- 下剤や利尿剤をよく飲む
- かたよった食生活をしている
- 降圧剤を長く使用している
- 汗をよくかく
- ストレスをいつも抱えている
- 足がよくつる
あてはまるようなら、干し柿、里芋やじゃがいもなどの芋類、枝豆、トマトジュース、豚肉などカリウムの多い食べ物を意識しましょう。
水溶性食物繊維
4番目の栄養は水溶性食物繊維。生活習慣病の予防効果の大きさに注目が集まっています。
干し柿の水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
干し柿2個に0.65g。
女性が摂れている量は、58%
干し柿に、11%
合計で、69%
男性が摂れている量は、51%
干し柿に、9%
合計で、60%
干し柿なら2個という少ない量でもしっかり補えますが、それでもまだかなり不足。
干し柿のほか、ひじき、寒天、さといも、豆腐、納豆、枝豆などにも豊富に含まれています。くわしくはこちら↓
水溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 便秘を解消して腸内環境を整える
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病の予防、便秘解消、ダイエットですね。
便秘の解消については、水溶性食物繊維が効果的なのは、便が固い、イキまないと出ない、というタイプの便秘。
腸のなかで固くなった便に水分をあたえて柔らかくして、お通じをスムーズにしてくれます。
便秘のタイプによってどちらを摂ればいいのか、こちらでお伝えしています ↓
ビタミンA
干し柿に5番目に豊富な栄養はビタミンA。粘膜を健康にする、免疫を高める、そして目の健康にも大切なビタミンです。
干し柿のビタミンAは?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
干し柿2個に60μgRAE。
女性が摂れている量は、74%
干し柿に、9%
合計で、83%
男性が摂れている量は、61%
干し柿に、7%
合計で、68%
感染症を防ぐはたらきの高いビタミンAですが、私たちにはかなり不足しています。
干し柿のほかに、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、サニーレタス、たまご、すいかなど、ビタミンAが豊富な食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンAの効果は?
- 風邪などの感染症から守る
- 若々しく元気な体を維持する
- 肌や髪を美しくする
- 夜盲症を予防する
- 子供の成長を促進する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
粘膜を健康的に保つことでウイルスをブロックして感染症から守ったり、抗酸化作用でいろんな病気や老化から守る栄養です。
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干し柿に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
干し柿を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
干し柿の7つの効果効能
干し柿には2種類の食物繊維やミネラルなどいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、干し柿に期待される健康効果をまとめてみました。
- 便秘の解消
便のカサを増やして腸の動きを活発にし、固い便に水分を与えてやわらかくして、お通じをスムーズにする - 有害物質の排出
豊富な不溶性食物繊維が重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質の排出を促進する - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が余分な塩分を排出する - コレステロールを下げる
コレステロールを排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪をキャッチして便として排出する - 疲労回復
マンガンが脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進してエネルギーに変える - ダイエット
体内でふくらむので満腹感を得やすく、腸内環境も整えてくれる
そこで、干し柿をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ干し柿を食べて!
干し柿をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 便秘ぎみ
- 食品添加物をあまり気にしていなかった
- シャンプー・ハミガキ・洗剤などの成分をあまり気にしていなかった
- 血圧が高い
- お腹まわりが気になる
- 血糖値が気になる
- むくみを解消したい
まずは便秘ぎみの人。なかでも「便の回数が少ない」「便の量が少ない」便秘の人ですね。
そして40代を過ぎた世代。生活習慣病の予防に干し柿の栄養がしっかりと役立つでしょう。
干し柿に多い栄養素:まとめ
干し柿に多く含まれる栄養と効果効能を紹介しました。
干し柿に多い栄養素:1日に必要な量に対して多い栄養は、不溶性と水溶性の食物繊維、マンガン、カリウム、ビタミンA、パントテン酸、葉酸、ビタミンB6、銅など
干し柿の効果:便秘の解消、有害物質のデトックス、血圧を下げる、コレステロールや中性脂肪を減らす、疲労回復、ダイエット
こんな人に食べてほしい:便秘ぎみ、食品添加物・シャンプー・ハミガキ・洗剤類の成分をあまり気にしていなかった、お腹まわりが気になる、血圧や血糖値が気になる、むくみを解消したい
干し柿2個50gのカロリーは138kcal。白いごはんのお茶碗1杯が240kcalなので、干し柿2個でカロリー摂りすぎとはなりません。
それよりも栄養が凝縮されていて健康効果の高い干し柿。毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。