亜鉛は感染症予防や男性不妊の改善などいろいろなはたらきがある栄養素。生活習慣病や貧血の予防にも期待が集まっています。
血糖値が気になる、よく頭痛やめまいがする、疲れやすい、と感じることはありませんか?
いろんな栄養素の吸収率を高めるたんぱく質が豊富な豆。亜鉛もしっかりと含まれています。
そこで身近な豆や大豆加工品の中から1食分あたりで亜鉛が多い豆を14位までランキングしました。
この記事を読めば、何を食べると1日分の亜鉛の何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
手間をかけずに食べられる豆や大豆加工品にも亜鉛はたっぷり!手軽に取り入れて元気な毎日を送りましょう!
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亜鉛の多い豆ランキング
亜鉛が多い豆・大豆加工品は、高野豆腐、大豆、豆腐、豆乳、厚揚げ、納豆、花豆。
1食分あたりで亜鉛の多い順に14位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
豆腐、豆乳、納豆など手軽に食べられるものにも亜鉛はたっぷりと含まれています。
亜鉛の効果としては、生活習慣病の予防、貧血予防、感染症から守る、味覚を正常に維持する、美肌があります。
ではこの14位までの豆や大豆加工品について詳しくお伝えする前に……
私たちは普段から亜鉛が足りているのでしょうか?
1日に必要な亜鉛と私たちが摂れている量を比べたグラフがこちら。
女性はほぼ摂れていますが男性は不足ぎみ。亜鉛の多い食べ物を積極的に食べましょう。
ではこの14位までの豆や大豆加工品の「1食分に含まれる亜鉛」をくわしくお伝えしていきます。
1~5位の豆・大豆加工品
まずは1~5位です。
亜鉛の必要量と摂取量
18~74歳なら……
女性の必要量=8.0mg
平均の摂取量=7.7mg
男性の必要量=11.0mg
平均の摂取量=9.3mg
1~5位の豆には0.8~1.2mg。女性に必要な亜鉛の10%~15%を摂ることができます。
女性は0.3mg不足、男性は1.7mg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:高野豆腐(含め煮)
高野豆腐の煮物一皿(100g)に
1.2mg
乾燥の高野豆腐の大きめ1枚16gを含め煮すると、できあがりは100gほど。乾燥状態ではなく「煮た高野豆腐の栄養価」です。
女性が1日に必要な亜鉛の15%を摂ることができます。
高野豆腐には亜鉛のほか、鉄分、カルシウム、マンガン、セレン、ナイアシンも豊富。骨を強くする、不整脈・狭心症の予防、感情を安定させる、高血圧予防が期待できます。
高野豆腐はミネラルの宝庫!1皿分の栄養価と7つの効果とは?
2位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
1.0mg
女性に必要な亜鉛の12%を摂ることができます。
3位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
0.9mg
ちなみに絹ごし豆腐には亜鉛は0.8mgとほぼ同じです。
4位:豆乳(調整豆乳)
調整豆乳200mlに
0.8mg
豆乳には貧血予防のモリブデンのほか、鉄分、銅、葉酸、カリウム、マグネシウムもたっぷり。糖尿病や高血圧といった生活習慣病予防、骨を強くする、疲労回復、ダイエットに効果的です。
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5位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
0.8mg
正方形の厚揚げが2枚入っているものがあります。その厚揚げ1枚の半分(75g)あたりの栄養価です。
女性の1日分の亜鉛の10%が含まれています。
厚揚げには鉄分、カルシウム、銅、マグネシウム、ビタミンK、Eが豊富。強い骨をつくる、高血圧や糖尿病の予防、免疫力アップのはたらきがあります。
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亜鉛の多い豆を1~5位までお伝えしました。次は6~10位の豆です。
6~10位の豆・大豆加工品
亜鉛の多い豆・大豆加工品、6~10位です。
亜鉛の必要量
18~74歳なら、
女性:8mg
男性:11mg
女性は0.3mg不足、男性は1.7mg不足です。
6~10位の豆には0.4~0.8mg。女性の1日分の亜鉛の5%~10%で、女性の不足分をまるまる補うことができます。
6位:粒納豆
粒納豆1パック(40g)に
0.76mg
女性に必要な亜鉛の10%。ちなみに、ひきわり納豆には0.52mg。粒納豆の2/3になります。
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7位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
0.8mg
絹ごし豆腐にはマグネシウム、カルシウム、モリブデン、鉄分、銅、食物繊維も豊富。骨を強くする、イライラをおさえる、血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防が期待できます。
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8位:豆乳(無調整)
無調整の豆乳200mlに
0.6mg
9位:ひきわり納豆
ひきわり納豆1パック(40g)に
0.5mg
ひきわり納豆は粒納豆よりもビタミンKやナットウキナーゼがぎっしり!骨粗しょう症を防ぐ、腸内環境を整える、生活習慣病の予防に期待が集まっています。
10位:花豆(煮豆)
花豆の煮豆の小鉢一皿
(11粒:50g)に
0.4mg
女性の1日分の亜鉛の5%を摂ることができます。
花豆には不溶性食物繊維、鉄分、銅、カリウム、モリブデンが豊富。デトックス、貧血予防、丈夫な骨をつくる、便秘解消、疲労回復、免疫力を高める効果が期待できます。
花豆には栄養が凝縮!10粒あたりの栄養価と7つの効果とは?
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亜鉛の多い豆を6~10位までお伝えしました。最後は11~14位の豆です。
11~14位の豆・大豆加工品
亜鉛の多い豆・大豆加工品、11~14位です。
亜鉛の必要量
18~74歳なら、
女性:8mg
男性:11mg
女性は0.3mg不足、男性は1.7mg不足です。
11~14位の豆には0.14~0.29mg。1日分の亜鉛の2%~4%とかなり少なめになります。
11位:きなこ
きなこ大さじ1杯(7g)に
0.3mg
きなこはわずかな量にも貧血予防のモリブデン、不溶性食物繊維、銅、鉄分、マグネシウムが豊富。感染症から守る、デトックス、便秘解消、美肌におすすめです。
きなこは栄養たっぷり!大さじ1杯の栄養価と6つの効果とは?
12位:あずき(ゆであずき)
ゆであずき30gに
0.3mg
目安としてあんぱん1個に入っているあずきが30gほどです。
13位:おから(煮物)
おからの煮物一皿(40g)に
0.2mg
1/2カップ=40gのおからで作ったおからの煮物(卯の花)の栄養価です。
おからには不溶性食物繊維やモリブデンがたっぷり。鉄分やマグネシウムも多く、ダイエット、デトックス、便秘解消、貧血予防に効果的です。
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
14位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
0.1mg
女性の1日分の亜鉛の1.7%が含まれています。
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亜鉛の豊富な豆をランキングで14位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
さて、亜鉛には具体的にどんな効果があるのか、足りないとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- 亜鉛の8つの効果とは?
- 足りないとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に必要な亜鉛の量
- 私たちが普段から摂れている量
- 亜鉛が足りない人
についてお伝えします。
亜鉛の効果
亜鉛の効果、足りない時や摂りすぎた時の影響についてです。
亜鉛の8つの効果とは?
亜鉛の効果は、生活習慣病の予防、貧血予防、感染症から守る、味覚を正常に維持するなど。くわしくはこちらです。
- 生活習慣病の予防
ビタミンAの持つ抗酸化作用を活性化することで、さまざまな生活習慣病の原因となる過酸化脂質が作られるのを防ぐ - 糖尿病の予防
インスリンの材料となってインスリンが作られるのを助けるだけでなく、分泌量も調整して血糖値を下げる - 貧血の予防
赤血球を作って全身に酸素をはこぶ - 感染症から守る
ウイルスに対抗する免疫細胞や白血球やビタミンAのはたらきを活性化させて、インフルエンザなどの感染症を防ぐ - 美肌
たんぱく質の代謝を助けてコラーゲンを作って、シミ・シワ・乾燥を防いでハリのある肌をつくる - しなやかでハリとツヤのある髪をつくる
髪の成長を助けて太くしっかりした髪をつくり、抜け毛も防ぐ - 味覚を正常な状態に守る
舌の表面の「味蕾(みらい)」のはたらきを守って、味覚を正しく維持する - 生殖機能を高める
女性ホルモンのはたらきを高めて排卵を整えたり、男性の精子の量を増やして精子の運動を促進する
亜鉛が足りないと?
亜鉛が足りないと、めまい・倦怠感・頭痛の貧血症状、感染症にかかりやすい、味覚障害など、次のようなリスクが高まります。
- めまい、息切れ、倦怠感、頭痛
赤血球が十分に作られないので酸素が全身に行きわたらなくなって、貧血症状が起こる - インフルエンザや風邪にかかりやすくなる
免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる - 肌荒れなどの肌トラブル
新陳代謝が低下して肌のうるおいがなくなり、シミやシワができやすくなる - 髪トラブル
髪にハリ・ツヤがなくなり抜け毛が増える - 爪がもろくなる
爪が弱くなり割れやすくなる - 味覚障害
味を感じる味蕾のはたらきが低下して、味を感じない、口の中が渋いと感じる - 男性不妊
精子が十分に作られな、精子の動きが弱くなる - 胎児や子供の成長が遅くなる
成長ホルモンが足りなくなって胎児や子供の成長に影響が出る
亜鉛を摂りすぎると?
一般的な食生活なら亜鉛の摂りすぎによって悪影響が出ることはまずありません。
ただサプリメントで摂りすぎてしまうと、めまい、吐き気、胃腸の調子が悪い、神経障害を引き起こすこともあります。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
毎日の食生活で十分に摂りたい亜鉛。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
亜鉛の必要量と摂取量
あらためて、亜鉛は1日にどのくらい必要なのか、私たちは普段からどのくらい摂れているのか、お伝えします。
1日に必要な亜鉛
私たちに必要な亜鉛は次のように定められています。
亜鉛の必要量
18~74歳なら、
女性:8mg
男性:11mg
ところで、私たちは普段からどのくらい亜鉛を摂れているのかというと……
私たちの平均摂取量
普段の私たちの平均摂取量はこちら。
亜鉛の必要量と普段の摂取量
18~74歳では……
女性の必要量:8.0mg
平均の摂取量:7.7mg
0.3mg(4%)足りません
男性の必要量:11.0mg
平均の摂取量:9.3mg
1.7mg(15%)足りません
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性はほぼ摂れていますが男性は不足ぎみ。特に足りない傾向にある人の共通点とは……
亜鉛が足りない傾向にある人
次のような方は亜鉛が足りない傾向があるので気をつけましょう。
- お酒をよく飲む
- ハム・ソーセージ・かまぼこ・プロセスチーズなどの加工食品をよく食べる
- よく運動する、サウナに行く
- 肉や魚をあまり食べない
- 小食、ダイエットしている
- 妊婦さん、授乳期のママ
お酒や加工食品は体内の亜鉛を排出したり、亜鉛の吸収を邪魔します。
亜鉛は汗と一緒に排出されるので、運動やサウナで大量に汗をかくと不足しやすくなります。
ダイエットで食事を減らしたり、亜鉛の豊富な肉や魚を減らすと、摂取量が足りなくなります。
このような人は亜鉛の多い食べ物を意識して食べるように心がけましょう。
亜鉛の多い豆:まとめ
亜鉛の多い豆や大豆加工品のランキング、亜鉛の効果、1日に必要な量や私たちが摂れている量をお伝えしました。
亜鉛の多い豆:高野豆腐、大豆、豆腐、豆乳、厚揚げ、納豆、花豆
亜鉛の効果:生活習慣病の予防、貧血予防、感染症から守る、美肌、美髪、味覚を正常に維持する、生殖機能を高める
不足すると?:めまい・倦怠感・頭痛といった貧血症状、感染症にかかりやすい、肌・髪・爪のトラブル、味覚障害、男性不妊、胎児や子供の成長の遅れ
摂りすぎると?:一般的な食生活なら亜鉛の摂りすぎの心配はありません。サプリメントで摂る場合は摂りすぎに注意しましょう。
1日の必要量:18~74歳の場合、女性は8mg、男性は11mg。女性は0.3mg不足、男性は1.7mg不足です。
不足しやすい人は?:お酒が好き、ハムやプロセスチーズなど加工食品をよく食べる、よく運動する、サウナに行く、肉や魚をあまり食べない、小食、ダイエット中、妊婦さん、授乳期の女性
豆腐や納豆のように手軽に食べられるものにも亜鉛は豊富。さらに不足しがちなマグネシウムやカルシウムも一緒に摂ることができます。
毎日の食生活に豆や大豆加工品を取り入れてみてはいかがでしょうか?