疲れが取れない、疲れやすい、と悩んでいませんか?
長時間の通勤、遅くまで仕事、毎日の育児・家事、週末は子供のサッカークラブ……。毎日忙しく動きまわっていることでしょう。
「確かに毎日忙しい。やることも多い。でも、
こんなに疲れが取れないのもおかしい気がする。」
「〇〇さんなんて、子供3人かかえて毎日仕事もしてるのに、
なんだかいつも元気なのよ。私と何が違うのかしら?」
そう思っていませんか?
疲れが取れないと悩んでいるあなた。その原因は自律神経の乱れかもしれません。
そこで、疲れが取れない原因と、どうしたら疲れが取れない体から解放されるのか、についてお伝えします。
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疲れが取れない原因は何?
疲れが取れない原因は何なのでしょうか?
会社での人間関係、仕事の責任やプレッシャー、家庭での心配事、夫婦間や子供との関係、経済的な不安……
ストレスの原因を挙げるとキリがありません。
ストレスは交感神経に&筋肉を固くする
疲れが取れないことと自律神経やストレスとは深い関係があります。
ストレスを受けると自律神経のなかの「交感神経」が優位になります。交感神経は私たちが活動しやすい状態にしてくれるので、そのこと自体は悪くないですが……
問題はストレスが多い生活。
ストレスが多いと交感神経ばかりがはたらいてしまい、体を回復する副交感神経が十分にはたらけなくなる。
回復が追いつかなくなるので、疲れが取れないだけでなく、肩こりがひどい、ぐっすり眠れない、などさまざまな不調を感じるようになるのです。
さらに、交感神経は筋肉をかたく緊張させてしまうのですが……
筋肉が固い=重たい荷物を背負っている状態
重たいかばんをグイッと持ったとき、筋肉はどうなっています? そう、固くなっていますよね? チカラを入れているのだから当然のこと。
逆に言えば「筋肉が固くなっている」=「重たい荷物を持っている」ということ。
実際に重たいものを持っていなくても、ストレスで筋肉が固くなっている状態ならば、重たい荷物を持っているのと同じことなのです。
こんな経験、ありませんか?
お買い物など、お店をぐるぐるまわってリュックの中身がどんどん重たくなってきて、家に帰ってその重たいリュックを降ろした瞬間、
「はぁ~、軽くなった~!」
筋肉にぎゅーっとチカラを入れて背負っていた重たいリュックをおろしたから、チカラを入れていた筋肉がストンとゆるんで「軽くなった~!」と感じるのですね。
この「軽くなった~」と同じ状態が……
マッサージしてもらって「はぁ~、軽くなった~」
重たいリュックをおろした瞬間の「軽くなった~」は、マッサージしてもらって筋肉がほぐれた時の、
「はぁ~、軽くなった~!」
の状態なんです。
・筋肉が固い
=チカラが入っている
=重たいものを持っている状態
・筋肉がやわらかい
=チカラが入っていない
=重たいものを持っていない状態
マッサージで体が軽くなるのは、固くなっていた筋肉がほぐれてやわらかくなったから。
逆に、ストレスが多い人はいつも重たいリュックを背負っているのと同じ。疲れがたまるのも疲れが取れないのも当たり前です。
デスクワークなのに、疲れるようなことをしていないのに、どうして疲れが取れないんだろう?
それは、ストレスの多い生活で交感神経ばかりが優位になって、筋肉が固くなっている時間が多くなっていることが原因なのです。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレス」、「自律神経失調症」
そこで次に、疲れが取れない体を解消する8つの方法についてわかりやすくお伝えします。
疲れが取れない体を解消する8つの方法
(1)ストレスが多いと、
↓
(2)交感神経ばかりがはたらいて、
↓
(3)筋肉がいつも固くなって
↓
(4)疲れやすい、疲れが取れない、という状態に
なので、疲れが取れない体を解消するには(1)、(2)、(3)への対策をすればよいのです。
ストレスを受けない・ためないこと、副交感神経をしっかりはたらかせること、固くなった筋肉をほぐすこと、ですね。
では、疲れが取れない体の解消法を8つご紹介します。
- ストレスを受けない、ためない、発散する
- 朝起きたらまず日光を浴びる
- 副交感神経を活性化する食べ物・飲み物
- 軽いリズム運動
- お風呂でゆったり筋肉をほぐす
- かんたん呼吸法
- 静的ストレッチ
- 体をもみほぐす
ストレスを受けない、ためない、発散する
疲れが取れないおおもとの原因がストレス。なるべくストレスを受けないようにすることが一番です。とはいえ、すぐに人間関係をやめるわけにも、仕事を変えるわけにもいきません。
ストレスを少しでもためないように発散するのが現実的。友達とお酒を飲む、お喋りする、好きなことをする、運動する、カラオケで熱唱、絶叫マシンで絶叫、アロマオイルでリラックス……
ストレスをこまめに発散してリラックスできる時間を増やして、疲れが取れない体を解消しましょう。
朝起きたらまず日光を浴びる
疲れが取れない原因は副交感神経が十分にはたらいていないから。
ふだんの生活の中で副交感神経をはたらかせる方法としてまずおすすめなのは、朝の日光を浴びること。
目が覚めたらなるべく早く日光を浴びましょう。窓越しの光ではなく、ベランダや庭に出て直接浴びるのがおすすめ。この大きな目的は次の3つです。
- 体内時計を整えるため
- 日中のストレスに打ち勝つため
- 夜の寝つきと眠りを良くして疲れを取るため
体内時計を整えると、日中しっかりと活動できて、夜はぐっすりと眠ることができます。目が覚めたら日光を浴びて、体に朝が来たことを知らせましょう。
「8時30分に家を出るときに太陽に当たるから大丈夫よ」はNG!遅いです。
元気な人ならまだしも、疲れが取れないのなら朝7時など早い時間に日光を浴びましょう。それが深い眠りと疲労回復をサポートします。
また日光を浴びると体内で幸せホルモン「セロトニン」の分泌がスタート。このセロトニンが日中のストレスへの抵抗力を高めてくれて、精神的に安定させてくれます。
そしてセロトニンの分泌がスタートして14~16時間後、セロトニンが眠りのホルモン「メラトニン」に変化。寝つきやすくして、眠りを深くして、疲れが取れない体の解消をサポートします。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」
副交感神経を活性化する食べ物・飲み物
食べ物や飲み物にも副交感神経を活性化するものがあります。疲れが取れない人は積極的に摂りたいですね。
- 水溶性食物繊維の多いもの
- 不溶性食物繊維の多いもの
- トリプトファンの多いもの
- 発酵食品
- 酸っぱいもの、からいもの
水溶性や不溶性の食物繊維は、腸で善玉菌のエサになったり便のかさを増やしたりして腸を刺激して動きを活発にします。腸が活発に動くと副交感神経のはたらきも活発になるのです。
トリプトファンは幸せホルモン「セロトニン」の材料となる必須アミノ酸。
自律神経を整えるはたらきがありますし、夜には眠りのホルモン「メラトニン」に変化して眠りを深くします。疲れが取れない体にはぜひ欲しい栄養素ですね。
発酵食品も腸内環境を整えることで副交感神経を活発に。酸っぱいものやからいものは体にとって「イヤなもの」なので、早く排出しようと腸の動きを活発にするのです。
どんな食べ物があるかというと、
- 海藻類:わかめ、もずく、昆布、ひじき
- 野菜類:切干大根、ごぼう、大根の葉、かぼちゃ、さつまいも
- 果物:キウイ、バナナ、りんご、柑橘類
- きのこ:まいたけ、エリンギ、えのき、しめじ
- 大豆:大豆、納豆、枝豆、とうふ、高野豆腐、厚揚げ、豆乳
- 穀物:雑穀、押麦、発芽玄米、オーツ麦、アマランサス
- 発酵食品:味噌、ぬか漬け、納豆、漬け物、甘酒、塩こうじ
自律神経を整える食べ物や飲み物については別の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
★食べ物 → 自律神経を整える10の食べ物とは?この食事でしっかり改善!
★飲み物 → 自律神経を整える9つの飲み物!緊張がほぐれて心も体も軽やかに
軽いリズム運動
疲れが取れない人にとって、効果的に副交感神経をはたらかせる方法の3つ目は「軽いリズム運動」です。
リズム運動とは、てくてく、タッタッ、スイスイ~、など同じリズムをくりかえす運動のこと。
好きな時間に自分のペースでできて、セロトニンの分泌も活発になるのでとても効果的です。
散歩やウォーキングなどがおすすめ。忙しい人は「移動の時間」を「リズム運動の時間」に変えてはいかがでしょうか?
- 駅までのバスや自転車を歩きにする
- スーパーまでの自転車を歩きにする
- 1駅手前で降りて家まで歩く
- ちょっと遠くのショッピングセンターへ歩いて行ってみる
特にデスクワークの人など、疲れが取れない原因が「体を動かしていないこと」というケースも多いのです。
エコノミー症候群の対策がふくらはぎをもみほぐしたり機内を歩くことであるように、体を動かして血流を良くすることは、疲れが取れないのを解消する大切なポイントですね。
自律神経を整える運動はこちらでくわしく紹介しています。
自律神経を整える運動とは?効果的なタイミングやNGな運動
湯船にゆったりつかって筋肉をほぐす
「疲れが取れない」と言いながらシャワーだけで済ませていませんか?
シャワーだけで済ますのも疲れが取れない原因。自宅のお医者さんともいえる湯船にゆったりとつかれば疲れもしっかりと消えていきます。
- お風呂の15分前にコップ1杯の水を飲む
- お湯の温度は41度が目安
- 湯船に15分ほどつかる(前半は全身浴、後半は半身浴)
- お風呂あがりに水を飲んでストレッチ
- お風呂から出て1時間ほどでお布団へ
お風呂の前の水分補給で入浴中の脱水症状を防げるので湯船にゆったりつかることができます。
また、42℃以上の熱いお風呂は交感神経を高めてしまうので逆効果。41℃以下のややぬるめのお湯がおすすめです。
疲れが取れない人はシャワーだけで済まさずに、しっかりと湯船につかるようにしてください。
自律神経を整えるお風呂の入り方はこちらでくわしく紹介しています。
自律神経を整えるお風呂の入り方とは?お湯の温度は?いつ入る?
※参考サイト:NHKきょうの健康「冬の血圧管理術-安全入浴法」
かんたん呼吸法
朝から今まで、意識して深呼吸しましたか?
疲れが取れない人は呼吸も浅くなっていますし、意識して深く呼吸することもほとんどありません。
しかし呼吸はすばやく副交感神経を活性化できる貴重で素晴らしい方法。呼吸は時間もお金もかからないのに、おろそかにしている人がなんと多いことでしょう。
息を吸うと交感神経を活性化し、息を吐くと副交感神経を活性化します。なのでポイントは吸う時の2倍ほどの時間をかけてゆっくりと息を吐くこと。
【1】イスに深く座って背すじを伸ばし、まっすぐ前を向いて目を閉じる。
【2】まず口からゆっくりと息を吐く。少し離れたローソクの火を消すイメージで「ふぅーっ」と細く長く息を吐く。お腹をへこませながらお腹のなかの空気をすべて吐き出そう。
【3】次に鼻からゆっくりと息を吸う。お腹がふくらませながら息を吸おう。
【4】8秒かけて口から息を吐き、4秒かけて鼻から息を吸う。これを目安にして数回くりかえそう。
この方法のとおりにおこなうのが理想。でも電車での移動中や仕事の合い間など「鼻から吸って口からゆっくり吐く」というのをおこなうだけでも効果はあります。
疲れが取れない人はぜひこの呼吸法をこまめにおこなってみてください。
疲れが取れない体を解消するために副交感神経をはたらかせる方法として、「朝の日光」「食べ物・飲み物」「リズム運動」「湯船につかる」「呼吸法」の5つの方法をお伝えしました。
ここからは、ストレスの多い毎日でいつも固くなっている筋肉をほぐして疲れが取れない体を解消する2つの方法をお伝えします。
静的ストレッチ
疲れが取れない体を解消するためには、固くなった筋肉をほぐすことがとても大切。
ストレスをためないことも、副交感神経を活性化することも大切ですが、固い筋肉をほぐすことは疲れを取ることに直結。即効性も高い方法です。
筋肉をほぐす方法としてストレッチは非常に効果的。デスクワークなど体を動かすことが少ない人は、ストレッチで筋肉をグーッと伸ばすのはとても気持ちがいいものですね。
ご存じですか?
ストレッチにはおもに2種類あって、その効果は正反対なんです。
1つは「動的ストレッチ」。動的ストレッチはラジオ体操のように体を動かしながらほぐすもので、交感神経を活性化します。こちらは1日のはじまりである朝や運動する前がおすすめ。
もう1つは「静的ストレッチ」。ストレッチを言われてイメージするのがこちらですね。静的ストレッチはゆっくりと体を伸ばしていってその姿勢をキープするもので、副交感神経を活性化します。緊張している時やお風呂あがりや夜寝る前がおすすめ。
疲れが取れない人には静的ストレッチが効果的。お風呂あがりがいいですね。
お風呂でほぐれた筋肉を静的ストレッチでさらにほぐす。副交感神経がますます活性化されて眠りが深くなるので、疲れが取れない人はお風呂あがりに静的ストレッチをおこないましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチング」、「ストレッチングの効果」
体をもみほぐす
固くなった筋肉をほぐすと言えばマッサージ。定期的に整体やマッサージを受けるのはもちろん効果的ですが、そうこまめに行くわけにもいきません。
そこで自分で自分の体をもみほぐしましょう。
疲れが取れない人はみな体が固くなっています。自分でもみほぐすだけでも十分に効果があります。
腕をもむ、ふくらはぎをもむ、太ももをもむ。どれもすぐできる方法です。疲れが取れない、マッサージしてもらいたい、なんて思っていながら、自分でもみほぐすことは意外としていないもの。以前の私もそうでした。
実際にやってみるととても気持ちがいいもの。肩、腕、太もも、ふくらはぎなど、自分でもみほぐすだけでも血行が良くなって疲れも取れていきます。
筋肉が固いままでは副交感神経に切りかわりにくく、寝つきも悪くなってぐっすり眠ることもできません。これでは疲れが取れないのも無理ありません。
仕事や家事の合い間はもちろんのこと、湯船の中でもじっくりと揉みほぐしてあげましょう。
疲れが取れない原因は自律神経の乱れ:まとめ
疲れが取れない原因と解消するための8つの方法をお伝えしました。
- 疲れが取れない原因の1つは自律神経の乱れ
- ストレスが交感神経を優位にして筋肉が固くなる
- ストレスをためないように発散しよう
- 日光・食べ物・運動・お風呂・呼吸法で副交感神経に
- ストレッチとセルフマッサージで筋肉をほぐそう
毎日の生活を振り返って、あてはまるものから改善してみてはいかがでしょうか。