枝豆は大豆になる前の未熟な豆。分類上は野菜になります。
アルコールの分解を助けてくれる枝豆にはたくさんの栄養や効果が凝縮しています。
では枝豆にはどんな栄養や効果がぎっしり詰まっているのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- 枝豆に多い栄養は?
- 枝豆を一皿食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな効果がある?
- どんな人が食べるといい?
などが手に取るようにわかります。
冷凍の枝豆を自然解凍するだけであらゆる栄養も効果も摂ることができます。今日から枝豆を食べずにはいられなくなりますよ!
【関連記事】大豆の栄養がすごい!煮豆一皿の栄養価と8つの効果効能とは?
枝豆一皿の栄養価
枝豆に多い栄養は、不溶性食物繊維、モリブデン、鉄分、銅、カリウム、マグネシウム、マンガン、ビタミンC、葉酸、ナイアシンなど。
冷凍枝豆を自然解凍するだけで、さまざまな栄養素をたっぷり摂ることができます。
枝豆の効果として、貧血予防、疲労回復、デトックス、便秘の解消、お腹の赤ちゃんの成長促進、感染症から守る、強い骨をつくる、などが期待できます。
そんな枝豆。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養のはたらきは何か、
ご存じですか?
ここでは一度に食べる量の目安として……
- 枝豆を一皿65g食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 枝豆に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
枝豆一皿=65g
冷凍の枝豆を自然解凍した場合の栄養価をお伝えします。
一般的な冷凍の枝豆は1袋が400g。一皿はその1/3袋(=130g)。さやを取ると豆の部分は65gになります。
枝豆に多いビタミン
まずはビタミン。
枝豆を一皿65g食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
枝豆一皿に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
葉酸 | 84% |
ナイアシン | 24% |
ビタミンC | 18% |
ビタミンB1 | 17% |
ビタミンE | 13% |
葉酸がダントツ。枝豆一皿でほぼ1日分の葉酸を摂ることができます。
そのほか、ビタミンB群(B1、ナイアシン、ビオチン)、ビタミンC、E、Kなどビタミン類が実にたっぷりなんです。
次は枝豆にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
枝豆に多いミネラル
枝豆を一皿65g食べると、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
枝豆に豊富なミネラルは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
モリブデン | 618% |
銅 | 39% |
鉄 | 25% |
カリウム | 21% |
マンガン | 21% |
モリブデンは1日に必要な量の4~6倍も。食べ物から摂る分には摂りすぎによる悪影響は心配ありません。
ミネラルでは銅や鉄、ビタミンでは葉酸と、どれも貧血を防ぐはたらきの高い栄養が枝豆には多く含まれています。
では枝豆一皿に含まれる食物繊維をお伝えしてから、枝豆の7つの効果効能を紹介します。
枝豆に多い食物繊維
さて、枝豆一皿65gにはどのくらい食物繊維が含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 32% |
水溶性食物繊維 | 15% |
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類。私たちにはどちらも不足していますが、枝豆なら2種類ともしっかりと摂ることができます。
では、
枝豆に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
枝豆に多い栄養とその効果
枝豆一皿の栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して特に多いのはこちら。
モリブデン | 618% |
葉酸 | 84% |
銅 | 39% |
不溶性食物繊維 | 32% |
鉄 | 25% |
そのほか、ナイアシン、カリウム、マンガン、ビタミンC、マグネシウム、ビタミンB1、水溶性食物繊維など。
枝豆はあらゆる栄養がたっぷりの超優秀な食べ物なのです。
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 枝豆一皿でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
モリブデン
枝豆にもっとも多い栄養はモリブデン。「血のミネラル」とも呼ばれ、貧血予防やデトックスのはたらきがあります。
枝豆のモリブデンの量は?
1日に必要なモリブデンは
女性が25μg、男性が30μg。
枝豆一皿に124μg。
女性:1日に必要な量の約5倍
男性:1日に必要な量の約4倍
枝豆にたっぷり含まれているモリブデン。私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査はないですが、一般的には不足しにくく、また摂りすぎても排出されるので悪影響の心配もありません。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果は?
モリブデンのおもなはたらきは次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を体から出す
葉酸
2番目に多い栄養は葉酸。胎児や子供の成長を支える、貧血を防ぐなどのはたらきがあります。
枝豆の葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
枝豆一皿には202μg。
1日の必要量の84%です。
では、普段からどのくらい摂れていて、枝豆でどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
枝豆には、84%
合計で、202%
男性が摂れている葉酸は、123%
枝豆には、84%
合計で、207%
枝豆一皿で1日分の葉酸をほぼ摂れるほどぎっしり!枝豆は葉酸の量がトップクラス。野菜のなかでもっとも多く含まれています↓
葉酸の効果は?
葉酸のおもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「葉酸解説」
葉酸といえば妊娠・出産というイメージかもしれませんが、葉酸不足は貧血の原因のひとつ。枝豆など葉酸の多い食べ物をしっかり食べましょう。
銅
枝豆に3番目に多い栄養は銅。貧血を予防したり強い骨をつくるはたらきのあるミネラルです。
枝豆の銅は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
枝豆一皿には0.27mg。
枝豆を食べると……
女性が摂れている銅は、149%
枝豆には、39%
合計で、188%
男性が摂れている銅は、133%
枝豆には、30%
合計で、163%
銅の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 免疫細胞のはたらきを高めて感染症から守る
- 鉄分と一緒に血液を作り、貧血を防ぐ
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- 高い抗酸化作用で若々しく元気な体をたもつ
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅が不足すると「銅欠乏性貧血」という貧血になることがあります。
不足しにくい栄養ですが、ストレスの多い人、亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は、銅不足に注意が必要。
立ちくらみや頭痛が多い、風邪をひきやすい、といった方は枝豆など銅の多い食べ物を意識してみましょう↓
不溶性食物繊維
4番目の栄養は不溶性食物繊維。野菜・豆類・きのこ類に豊富で、デトックスや便秘解消のはたらきがあります。
枝豆の不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
枝豆一皿には3.8g。
女性が摂れている量は、93%
枝豆には、32%
合計で、125%
男性が摂れている量は、84%
枝豆には、27%
合計で、111%
枝豆ならわずか一皿で不足分を十分に補うことができます。
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の動きを活発にする)
- 有害物質を排出する(重金属や食品添加物など)
- ダイエット(お腹のなかで大きくふくらんで満腹感が持続する)
体の中の有害物質を出してくれるのが不溶性食物繊維。
有害物質のほとんどは「便」から排出されます。便秘を解消する効果と相まって体のなかをキレイにしてくれるでしょう。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」
鉄分
5番目に多い栄養は鉄分。骨を強くしたり感染症から守るはたらきを発揮するミネラルです。
枝豆の鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
枝豆一皿には1.6mg。
女性が摂れている鉄分は、112%
枝豆には、25%
合計で、137%
男性が摂れている鉄分は、107%
枝豆には、22%
合計で、129%
鉄分の効果は?
鉄分のおもなはたらきは次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくる
- コラーゲンをつくる
- 骨をつくる
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
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枝豆に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にまとめて、
- 枝豆を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
枝豆の7つの効果効能
枝豆はビタミン、ミネラル、食物繊維などあらゆる栄養がギュッと詰まっている超優秀食材。
これらの栄養のはたらきから、枝豆に期待される効果をまとめてみました。
- 貧血を予防する
モリブデンや銅が鉄分のはたらきを高めて血液(ヘモグロビン)をつくり、葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作る - 疲労回復・ダイエット
モリブデンが食べ物の消化を促進して、ビタミンB群が糖質や脂質をエネルギーに変える - 有害物質を出す
不溶性食物繊維やモリブデンが体に有害な重金属・食品添加物・ダイオキシンなどを排出する - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して大きくふくらんで、腸を活発に動かす - お腹の赤ちゃんの成長を促進する
葉酸が胎児の先天性異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らす - 強い骨をつくる
銅や鉄分が骨のもう1つの主成分であるコラーゲンを作って強い骨をつくる - 感染症から守る
銅がT細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを高め、鉄分はウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを支える
そこで、枝豆をぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそ枝豆を食べて!
枝豆をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 頭痛や立ちくらみがよく起きる
- 野菜・豆・きのこ類をあまり食べない
- 風邪をひきやすい、インフルになりやすい
- 疲れがとれない、毎日忙しい
- 妊活中の女性~授乳中のママ
- 洗剤・ハミガキ粉・シャンプーなどの化学物質をあまり気にしていなかった
- お酒が好き
あてはまるようでしたら、ぜひ枝豆を食べてみてはいかがでしょうか?
枝豆に多い栄養:まとめ
枝豆に多い栄養と期待できる効果についてお伝えしました。
枝豆に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、モリブデン、葉酸、銅、不溶性食物繊維、鉄分、ナイアシン、カリウム、マンガン、ビタミンC、マグネシウムなど
枝豆の効果:貧血予防、疲労回復、ダイエット、デトックス、便秘解消、胎児の成長を守る、骨を強くする、感染症の予防
こんな人こそ食べてほしい:野菜・豆・きのこ類をあまり食べない、洗剤などの化学物質を気にしてこなかった、頭痛や立ちくらみが多い、風邪をひきやすい、疲れがとれない、忙しい、妊活中の女性~授乳中のママ、お酒が好き
枝豆はとにかく栄養が豊富な食べ物。ビタミン、ミネラル、食物繊維はもちろん、大豆たんぱく質も豊富。
お酒のおつまみに一皿食べたり、料理に使ったりと、ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。