紅鮭は秋に旬をむかえる紅色の鮭。日本近海では獲れないため、ロシア産やアラスカ産がほとんどです。
アスタキサンチンも豊富な紅鮭は高い抗酸化作用で生活習慣病予防にも効果を発揮!その他にどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 紅鮭はどの栄養が多い?
- 塩焼きを1切れ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 紅鮭の健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。栄養がぎっしり詰まった紅鮭で元気な毎日を過ごしましょう。
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紅鮭1切れの栄養価
私たちに不足しがちな栄養のなかで紅鮭に多く含まれるのは、ビタミンB1、B2、B6、D、E、マグネシウムなど。
サラサラ成分が多く、食べ物を代謝したり骨をつくる栄養も豊富。特にビタミンはひとつひとつがしっかりと含まれています。
紅鮭の効果として、疲労回復、感染症の予防、骨を丈夫にする、動脈硬化や心筋梗塞の予防、糖尿病・メタボ・高血圧の予防、美肌・美髪、口内炎の予防・改善などが期待できます。
そんな紅鮭。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのでしょうか。
ここでは生の紅鮭100gあたりの栄養価ではなく、
- 紅鮭の塩焼きを1切れ食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 紅鮭に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでくわしくお伝えします。
紅鮭の塩焼き1切れ(80g)。
生の紅鮭は1切れが100gで焼くと約80gに。生ではなく「焼いた紅鮭の栄養価」を紹介します。
紅鮭に多いビタミン
紅鮭の塩焼きを1切れ食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
紅鮭に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンD | 349% |
ビタミンB12 | 123% |
ナイアシン | 78% |
ビタミンB6 | 28% |
ビタミンE | 23% |
紅鮭に多いのはビタミンB群(ビタミンB12やナイアシンなど)、ビタミンD、ビタミンEです。
次は紅鮭にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
紅鮭に多いミネラル
紅鮭の塩焼き1切れで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
紅鮭に豊富なミネラルは次の4つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
リン | 33% |
カリウム | 19% |
マグネシウム | 11% |
銅 | 9% |
紅鮭には私たちに不足しているマグネシウムも多く含まれています。
では、紅鮭に含まれる食物繊維をお伝えしてから、紅鮭の9つの効果効能を紹介します。
紅鮭に多い食物繊維
紅鮭にはどのくらい食物繊維が含まれているのでしょうか?
紅鮭には食物繊維は含まれていません。
食物繊維は炭水化物に含まれているもの(炭水化物=糖質+食物繊維)。魚や貝類にはほとんど含まれていないのです。
では、
不足しがちな栄養のなかで、
紅鮭に多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
紅鮭で不足分を補える栄養とその効果
紅鮭に多い栄養は、ビタミンB12、ナイアシン、リン、ビタミンB6、ビタミンE、パントテン酸などですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
リン:
ほとんどの食べ物に含まれていて不足することはまずありません。
紅鮭がなぜ体にいいのか、というと、
私たちに足りない栄養が豊富だから。
紅鮭で私たちの不足分をしっかり補える栄養は、ビタミンD、B1、B2、B6、E、マグネシウムの6つです。
ではこれらの栄養素は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 紅鮭でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンD
紅鮭で不足分が補える栄養。1つめはビタミンD。感染症を予防したり強い骨をつくるはたらきがあります。
紅鮭のビタミンDの量は?
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
紅鮭1切れには30μg。
1日の必要量の3.5倍もの多さです。
では私たちは普段からどのくらい摂れていて、紅鮭でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、75%
紅鮭1切れには、349%
合計で、424%
男性が摂れている量は、87%
紅鮭1切れには、349%
合計で、436%
紅鮭にはビタミンDがぎっしり!1切れ食べるだけで十分すぎるほど補うことができます。
ビタミンDの効果は?
おもに次の3つのはたらきがあります。
- 免疫を高めて感染症から守る
- 強い骨をつくる(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉をしなやかに動かす
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
また閉経後は女性ホルモンの分泌量が減って骨粗しょう症のリスクが高まります。太陽の光を浴びたりビタミンDの多い食べ物を意識して摂りましょう。
ビタミンB6
2つめの栄養はビタミンB6。脂肪肝や口内炎を防ぐはたらきがあります。
紅鮭のビタミンB6は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
紅鮭1切れには0.3mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、紅鮭でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、99%
紅鮭には、28%
合計で、127%
男性が摂れている量は、90%
紅鮭には、22%
合計で、112%
ビタミンB6は次のような人に不足しやすい栄養。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
鮭にはビタミンB6がたっぷり。ぜひ積極的に食べましょう。
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
ビタミンE
紅鮭が不足分を補ってくれる栄養。3つめはビタミンE。サラサラにしたり高い抗酸化作用を持つ栄養です。
紅鮭のビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
紅鮭1切れには1.4mg。
紅鮭を食べるとビタミンEは……
女性が摂れている量は、108%
紅鮭には、23%
合計で、131%
男性が摂れている量は、100%
紅鮭には、20%
合計で、120%
ビタミンE不足に注意が必要なのは、血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人。
紅鮭にも豊富ですし、ナッツ類、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、サバ缶、ゴールドキウイなどにも多く含まれています。
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
ビタミンB1
4つめの栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、気持ちを安定させるはたらきがあります。
紅鮭のビタミンB1は?
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
紅鮭1切れには0.2mg。
女性が摂れている量は、79%
紅鮭には、19%
合計で、98%
男性が摂れている量は、74%
紅鮭には、15%
合計で、89%
日本人はビタミンB1が不足しがち。なかでも、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、玄米や全粒粉のパンではなく白いご飯や白いパンを食べている人は注意が必要。
紅鮭のほか、ぶり、サバ缶、レバー、玄米、とうもろこし、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなどビタミンB1の多い食べ物を食べましょう。
ビタミンB1の効果は?
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
ビタミンB2
5つめはビタミンB2。脂肪を分解し、疲労を回復するはたらきがあります。
紅鮭のビタミンB2は?
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
紅鮭1切れには0.17mg。
女性が摂れている量は、93%
紅鮭には、14%
合計で、107%
男性が摂れている量は、76%
紅鮭には、11%
合計で、87%
男性はふだんからかなりの不足。
ビタミンB2は魚、豚肉、納豆、たまごなどに豊富。ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
マグネシウム
紅鮭で不足分が補える6つめの栄養はマグネシウム。骨を強くしたり、糖尿病を防ぐはたらきも期待されているミネラルです。
紅鮭のマグネシウムは?
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
紅鮭1切れには30mg。
女性が摂れている量は、81%
紅鮭には、11%
合計で、92%
男性が摂れている量は、71%
紅鮭には、8%
合計で、79%
マグネシウムの効果は?
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、動脈硬化、尿路結石、アトピーなど。マグネシウムを意識して摂ることが大切です。
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紅鮭で不足分を補える栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
紅鮭を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
紅鮭の9つの効果効能
紅鮭には、ビタミンB群、D、E、マグネシウム、そしてアスタキサンチン、DHA、EPAなどの栄養も豊富。
これらの栄養のはたらきから、紅鮭に期待される効果をまとめてみました。
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - 免疫を高める
風邪などの感染症から守る - 丈夫な骨や歯をつくる
カルシウムの吸収を促進 - 気持ちを安定させる
イライラを解消して感情をおだやかに整える
- サラサラ効果で動脈硬化を予防
- 心筋梗塞・脳梗塞を予防
悪玉コレステロールをおさえる - 糖尿病・メタボリックシンドロームを防ぐ
- 高血圧の予防・改善
- 美肌・美髪、口内炎の予防・改善
ということで、紅鮭をぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそ紅鮭を食べて!
紅鮭をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 40代を過ぎている
- 妊娠している
- よく運動する
- お酒が好き
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい
- ぽっちゃりが気になる
骨を強くしたり美肌・美髪効果だけでなく、生活習慣病を防いでくれるのが紅鮭なのです。
紅鮭に多い栄養:まとめ
紅鮭で不足分を補える栄養や期待される効果についてお伝えしました。
紅鮭で不足を補える栄養:ビタミンB1、B2、B6、D、E、マグネシウム
紅鮭の効果:疲労回復、感染症予防(免疫力を高める)、丈夫な骨をつくる、気持ちを安定させる、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防、糖尿病・メタボ・高血圧の予防、美肌・美髪、口内炎の改善
こんな人こそ食べてほしい:40代を過ぎている、妊婦さん、よく運動する、よくお酒を飲む、風邪をひきやすい、疲れやすい、ぽっちゃりが気になる
栄養も健康効果もぎっしり詰まった紅鮭。食生活にぜひ取り入れてみてください。