マグネシウムはカルシウムと一緒に骨や歯を強くするだけでなく、糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果を発揮する栄養素。
そんなマグネシウムが多い食べ物は豆腐。製造過程で「にがり(塩化マグネシウム)」を使うからですね。
ではマグネシウムが多い野菜にはどんなものがあるのでしょう?
そこで身近な野菜の中から、100gあたりではなく1食分あたりの含有量に換算して、マグネシウムの多い野菜を20位までランキングしました。
このページを読むと、どの野菜をどのくらい食べると1日分のマグネシウムの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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マグネシウムの必要量と摂取量
マグネシウムの多い野菜をお伝えする前に、1日に必要な量はどのくらいなのでしょうか?
そして私たちは……
マグネシウムはちゃんと摂れているのでしょうか?
1日に必要なマグネシウムは?
マグネシウムの1日に必要な量(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
マグネシウムの1日に必要な量
30~64歳なら、
女性:290mg
男性:370mg
そして私たちは実際に、マグネシウムをどのくらい摂れているのかというと……
私たちが摂れているマグネシウムは?
私たちが実際に摂れているマグネシウムの量はこちらです!
摂れているマグネシウムの量
女性:235mg
※ 55mg不足(20%不足)
男性:261mg
※ 109mg不足(30%不足)
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
1日に必要なマグネシウムに対して、女性は80%しか、男性は70%しか摂れていないんです。
マグネシウムが不足すると?
マグネシウムがかなり不足しがちな私たち。マグネシウム不足はこのような影響があります。
- 糖尿病など生活習慣病のリスクが高まる
- 不整脈、動悸
- 尿路結石
- アトピー性皮膚炎
- 疲れ、不眠
- 食欲不振、便秘
- 気分が落ち込む
体だけでなく心の面にも影響が。マグネシウムの多い食べ物を積極的に摂ることが大切です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」
では身近な野菜の中から100gあたりではなく1食分あたりの含有量に換算して、マグネシウムの多い野菜を20位までお伝えします。
マグネシウムの多い野菜ランキング
マグネシウムの多い野菜にはどんなものがあるのでしょうか?
野菜に限らず食べ物全般のなかでマグネシウムの多い食べ物についてはこちら↓
マグネシウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
1~10位の野菜
1~10位の野菜を紹介する前に、マグネシウムの多い順に20位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
マグネシウムがもっとも多い野菜は枝豆。冷凍の枝豆を自然解凍するだけで手軽に摂ることができますね。
ではこれらの野菜それぞれの「1食分に含まれるマグネシウムの量」をお伝えします。
まずは1~10位まで 。
1日に必要なマグネシウムの量
30~64歳なら
女性:290mg(53mg不足)
男性:370mg(105mg不足)
1位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
49mg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
1日に必要なマグネシウムのうち女性なら17%、男性なら13%を摂ることができます。
女性の不足分は53mgなのでほぼ補うことができます。男性にとっては不足分の約半分を補えますね。
枝豆はビタミンB群、C、鉄分、銅、カリウム、食物繊維などの栄養も豊富。貧血予防、疲労回復、便秘解消などの効果が期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
※さやも豆も緑色な枝豆は分類上「豆」ではなく「野菜」となります。
2位:里芋(煮っころがし:冷凍ものを使用)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
42mg
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、銅、食物繊維ほかあらゆる栄養が凝縮した野菜。血圧・中性脂肪・コレステロールをおさえる、便秘解消、疲労回復、美肌などが期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
3位:ほうれん草(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿
(1/4袋分:45g)に
31mg
同じ量のほうれんそうでおひたしを作った場合は、マグネシウムは13.2mg。サラダの半分以下の量になります。
4位:じゃがいも
じゃがバター1個(140g)に
28mg
女性の不足分(55mg)の半分を、男性の不足分(109mg)の1/4を補える量です。
生のじゃがいもではなく、皮ごとレンジで調理してから皮をむいて食べた場合の栄養価を紹介しています。
5位:オクラ
オクラ5本(43g)に
22mg
1日に必要なマグネシウムのうち女性なら8%、男性なら6%にあたる量。1位の枝豆が49mgなので、その半分弱の量になります。
オクラには、葉酸、ビタミンK、E、食物繊維もたっぷり!心筋梗塞や動脈硬化の予防、高血圧の予防、血糖値をおさえる、貧血予防などの効果を発揮します。
オクラの栄養がすごい!5本あたりの栄養価と7つの効果とは?
6位:ミニトマト(サラダ)
ミニトマト10個(150g)に
20mg
普通のトマト1個の重さ(約150g)に合わせるとミニトマトなら10個。この栄養価を紹介しています。
6位タイ:トマトの水煮缶詰
トマトの水煮150gに
20mg
ミニトマトもトマトの水煮缶も、150g中のマグネシウムの量は同じ。普通のトマトは150g中に14mgとやや少なめ。
ミニトマトのほうが完熟してから収穫しているからか、普通のトマトよりもいろんな栄養素の量が多くなる傾向があります。
8位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿(1/2袋分:64g)に
19mg
9位:ごぼう(きんぴら)
きんぴらごぼう小鉢一皿
(1/4本分:35g)に
19mg
10位:かぼちゃ(煮物)
かぼちゃの煮物の
小鉢一皿(2切れ)に
19mg
煮物サイズにカットしたかぼちゃ2切れの栄養価です。1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量ですね。
1日に必要なマグネシウムのうち女性なら6%、男性なら5%にあたる量です。
かぼちゃはビタミンA、C、E、カリウム、銅、食物繊維も豊富な野菜。動脈硬化や心筋梗塞の予防、免疫力アップ、アンチエイジング、貧血予防、美肌などの効果があります。
かぼちゃには栄養が凝縮!その高い栄養価と7つの効果とは?
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マグネシウムの多い野菜を10位までお伝えしました。次は11~20位の野菜です。
11~20位の野菜
マグネシウムの多い野菜。
続いて11~20位です。
11~20位の野菜に含まれているのは、1日に必要なマグネシウムの4~6%。やや少なめになります。
1日に必要なマグネシウムの量
30~64歳なら
女性:290mg(53mg不足)
男性:370mg(105mg不足)
11位:さつまいも(焼き芋)
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
18mg
12位:なす(麻婆茄子)
麻婆茄子1皿(なす1本半)に
17mg
なすは1本が約80gでヘタをとって油で炒めると55gほどに。1本半なら約83gです。
13位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
17mg
14位:切り干し大根(煮物)
切り干し大根の煮物の
小鉢一皿(33g)に
16mg
乾燥の切り干し大根10gを水で戻すと、3.3倍の重さの33gになります。
切り干し大根には、食物繊維、カルシウム、カリウム、葉酸、食物繊維もたっぷり!生活習慣病の予防、貧血予防、疲労回復、デトックスなどが期待できます。
切り干し大根の栄養がすごい!1皿分の栄養価と12の効果とは?
15位:きゅうり(サラダ)
きゅうり1本(98g)に
15mg
16位:キャベツ(炒め物)
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
14mg
キャベツはビタミンKが抜群に多く、ビタミンC、B6、葉酸、カリウム、食物繊維も豊富な野菜。強い骨をつくる、風邪を早く治す、デトックス、ストレスから守る、便秘解消などが期待できます。
キャベツの栄養がすごい!多い栄養素と8つの効果とは?
17位:トマト(サラダ)
中サイズ1個(150g)に
14mg
18位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
13mg
19位:大根(煮物)
大根の煮物1皿(130g)に
13mg
大根を3センチ幅で輪切りにすると150g。これを茹でると130gほどになります。
20位:れんこん(きんぴら)
れんこんのきんぴらの
小鉢一皿(80g)に
13mg
れんこんはビタミンC、B1、B6、パントテン酸、カリウム、銅、食物繊維なども豊富。感染症予防、ストレスから守る、疲労回復、血圧を下げる、デトックスなどの効果が期待できます。
れんこんの栄養がすごい!1皿あたりの栄養価と7つの効果とは?
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マグネシウムの多い野菜を20位までランキングで紹介しました。もう一度グラフで見てみましょう。
野菜にかぎらず食べ物全体で見てみると、マグネシウムの多い食べ物はトップが木綿豆腐。1/2丁に114mgも含まれていて、男性も女性も不足分をまるまる補えます。
玄米ごはんもお茶碗1杯に78mg。そば1杯に62mg。豆乳200mlに52mg。
これと比べると、野菜は1食分でグンと補うわけにはいきませんが、いろんな野菜をバランスよく摂ることで、マグネシウムだけでなくさまざまな栄養素を摂ることができます。
では最後にマグネシウムの効果について簡単にお伝えします。
マグネシウムの6つの効果
マグネシウムのおもな6つの効果はこちら。
- カルシウムと一緒に骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を調整する
- 体の中のさまざまな酵素のはたらきを助ける
- 神経伝達を正常にする
- ホルモンのはたらきを活性化させる
マグネシウムの多い野菜:まとめ
マグネシウムの多い野菜を1食分あたりに換算して、20位まで紹介しました。
マグネシウムの多い野菜:枝豆、里芋、ほうれんそう、じゃがいも、オクラ、ミニトマト、春菊、ごぼう、かぼちゃなど
1日の推奨量:女性で260~290mg、男性で320~370mg
マグネシウムは足りている?:不足しています。女性で55mg不足、男性は109mg不足。女性で2割、男性で3割不足しています。
不足すると?:生活習慣病、不整脈、動悸、尿路結石、アトピー、疲労、不眠、食欲不振、気分が落ち込む、など
マグネシウムの効果:骨や歯をつくる、筋肉をスムーズに動かす、血圧の調整、酵素のサポート、神経伝達、ホルモンの活性化
カルシウムと一緒に骨や歯を作るマグネシウム。日本人にはどちらとも30%ほど不足しています。
早いうちから骨粗しょう症を予防するためにも、マグネシウムの多い食べ物を積極的に取り入れていきましょう。