小松菜は1年を通して手に入りやすい野菜。ほうれん草の2倍の鉄分を摂ることができたりと、栄養たっぷりの優秀な野菜です。
そんな小松菜。鉄分のほかにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 小松菜に多い栄養は?
- おひたしを一皿食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 小松菜の効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。小松菜に詰まった栄養で元気な毎日を過ごしましょう。
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小松菜のおひたし一皿の栄養価
小松菜に多い栄養素は、ビタミンK、C、E、β-カロテン、葉酸、鉄分、カルシウムなど。
栄養価はほうれん草と似ていますが、ビタミンKや鉄分は小松菜のほうが豊富に含まれています。
小松菜の効果としては、感染症から守る、アンチエイジング、貧血予防、肌や粘膜を整える、強い骨をつくる、ストレスから守る、高血圧の予防などが期待できます。
そんな小松菜。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- 小松菜のおひたし一皿食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 小松菜に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
について、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
小松菜のおひたし一皿=50g
小松菜1袋は250gほどで、茹でて株元をとりのぞくと可食部は200g。これを4人分として1人分を50gとしました。
小松菜に多いビタミン
まずはビタミン。
小松菜のおひたしを一皿食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
小松菜に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性が1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンK | 107% |
ビタミンA | 19% |
葉酸 | 18% |
ビタミンE | 13% |
ビタミンC | 11% |
骨を強くするビタミンKは小松菜一皿で1日に必要な分をまるまる摂ることができます。
免疫アップのビタミンAや貧血予防の葉酸は必要な量の18%前後も。ビタミンC、Eもしっかり含まれています。
ビタミンのエース(A・C・E)が多い小松菜は、免疫力アップにも抗酸化にも効果を発揮してくれます。
次は小松菜にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
小松菜に多いミネラル
小松菜のおひたし一皿で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
小松菜に豊富なミネラルは次の2つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
鉄分 | 16% |
カルシウム | 12% |
小松菜は鉄分が豊富。同じ量のほうれん草のおひたしと比べると、2倍以上の鉄分が含まれています。
カルシウムも豊富。私たちは1日に必要な量の70%ほどしか摂れていませんが、小松菜一皿で10%補うことができます。
とはいえまだカルシウム不足。大根の葉、春菊、水菜などカルシウムの多い野菜を取り入れましょう。
カルシウムの多い野菜ランキング20【1食分】で比較!
では、小松菜のおひたし一皿あたりの食物繊維をお伝えしてから、小松菜の7つの効果効能を紹介します。
小松菜に多い食物繊維
小松菜のおひたし一皿で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 8% |
水溶性食物繊維 | 5% |
私たちは不溶性食物繊維がやや不足ぎみ。その不足分を小松菜で補うことができます。
なお水溶性食物繊維は1日に必要な量の半分ほどしか摂れていません。ひじき、寒天、とろろ昆布、納豆、豆腐、枝豆など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
では、
小松菜に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
小松菜に多い栄養とその効果効能
小松菜のおひたし一皿50gに含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 107% |
ビタミンA | 19% |
葉酸 | 18% |
鉄分 | 16% |
ビタミンE | 13% |
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 小松菜でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンK
小松菜にもっとも多い栄養はビタミンK。丈夫な骨をつくり、出血を止めるはたらきがあります。
小松菜のビタミンKの量は?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
小松菜のおひたし一皿には160μg。
さて私たちは、普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、小松菜を食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
小松菜一皿に、107%
合計で、264%
男性が摂れている量は、164%
小松菜一皿に、107%
合計で、271%
小松菜ならわずか50gにビタミンKがぎっしり!1日に必要な量をまるまる摂ることができます。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもなはたらきは次の2つ。
- 丈夫な骨をつくる
- 切り傷など出血した血を固めて止血する
ビタミンKにはいろんな種類に分かれています。食べ物に含まれているのはその中の3種類。
そして、特に骨粗しょう症を防ぐはたらきに注目が高まっているビタミンKが含まれているのは「納豆だけ」と言われています。
ひきわり納豆には粒納豆をはるかに超えるビタミンK、そしてビタミンB群、鉄分、銅、食物繊維などが豊富。その栄養価はこちらをご覧ください↓
納豆が強い骨をつくる理由はこちらでくわしく紹介しています↓
ビタミンA
2番目の栄養はビタミンA。粘膜を健康にし、免疫を高め、目の健康を守るはたらきがあります。
小松菜のビタミンAは?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
小松菜のおひたし一皿に130μgRAE。
では、普段からどのくらい摂れていて、小松菜のおひたし一皿でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、74%
小松菜に、19%
合計で、93%
男性が摂れている量は、61%
小松菜に、14%
合計で、75%
ビタミンAはふだんからかなりの不足。小松菜で十分補えるものの、まだ足りません。
にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉っぱなど、ビタミンAの多い野菜をしっかり食べましょう↓
ビタミンAの効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAといえばやはり免疫力を高める栄養。粘膜を守ってウイルスが侵入するのを防いでくれます。
活性酸素から体を守る抗酸化力も高いですし、視力を守るはたらきも期待されています。
葉酸
小松菜に3番目に多く含まれる葉酸。胎児の発育を守ったり貧血を予防するはたらきがあります。
小松菜の葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
小松菜のおひたしには43μg。
小松菜を食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
小松菜に、18%
合計で、136%
男性が摂れている葉酸は、123%
小松菜に、18%
合計で、141%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
妊婦さんや授乳期のママさんは葉酸を多めにとることが推奨されています。その量、通常の必要量の1.5倍~2倍ほど。
小松菜のおひたし一皿プラスしても136%なので、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、サニーレタスなど、葉酸の多い食べ物を取り入れてくださいね。
鉄分
4番目の栄養は鉄分。貧血予防、強い骨をつくる、感染症を防ぐなどのはたらきがあります。
小松菜の鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
小松菜のおひたしに1.1mg。
小松菜を食べると……
女性が摂れている鉄分は、112%
小松菜に、16%
合計で、128%
男性が摂れている鉄分は、107%
小松菜に、14%
合計で、121%
小松菜とほうれん草。同じ量のおひたしで比べると、小松菜はほうれん草の2.3倍の鉄分!小松菜のほうが鉄分が豊富なんです。
鉄分の効果は?
鉄分のおもなはたらきは次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくる
- コラーゲンをつくる
- 骨をつくる
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
貧血を予防する葉酸や鉄分がたっぷり含まれた小松菜。 野菜に含まれる鉄分(非ヘム鉄)の吸収率を高めるビタミンCもたっぷり。
貧血ぎみな人はぜひ取り入れてみてください。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
ビタミンE
小松菜に5番目に豊富な栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用で血管を若々しくするはたらきがあります。
小松菜のビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
小松菜一皿に0.8mg。
小松菜を食べると……
女性が摂れている量は、108%
小松菜に、13%
合計で、121%
男性が摂れている量は、100%
小松菜に、11%
合計で、111%
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
血圧が高い人、揚げ物や味の濃い食べ物が好きな人、お酒をよく飲む人は十分に摂るべき栄養。小松菜にもしっかりと含まれています。
そのほか、アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、アジ、サバ缶、ゴールドキウイなどがビタミンEの多い食べ物。意識して食べましょう。
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小松菜に多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
- 小松菜を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
小松菜の7つの効果効能
小松菜はビタミンK、E、β-カロテン、葉酸、鉄分、カルシウムなど、さまざまな栄養が多い野菜。
これらの栄養のはたらきから、小松菜に期待される効果効能をまとめてみました。
- 免疫力を高めて感染症を予防する
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高め、鉄分やビタミンCがウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを高める - アンチエイジング
抗酸化力の高いビタミンAとCがさまざまな病気や老化の原因となる活性酸素を除去する - 貧血を予防する
ビタミンCが鉄分の吸収を助けて、鉄分や葉酸が血液(ヘモグロビン・赤血球)を作って全身に酸素を届ける - 高血圧を予防する
カルシウムが血液中のカルシウム濃度を安定させ、ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえてサラサラ効果を発揮して、血流を良くする - 骨や歯を強くする
カルシウムは骨や歯の主成分となり、鉄分はもう1つの主成分となるコラーゲンを作り、ビタミンKはカルシウムを骨に取り込むのを助けるとともにカルシウムが骨から溶け出すのも防ぐ - 肌を美しくし、粘膜を整える
鉄分がコラーゲンを生成し、ビタミンA、E、葉酸が肌の新陳代謝を高めてハリとうるおいを与える - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する
ということで、小松菜をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ小松菜を食べて!
小松菜をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 貧血ぎみ
- 血圧が気になる
- 骨や歯を丈夫にしたい
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- ストレスが多い
- いつまでも若々しくいたい人
- 妊婦さん
- 授乳中のママさん
小松菜に多い栄養:まとめ
小松菜に多い栄養と効果効能をお伝えしました。
小松菜に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンKがダントツの107%。以下、ビタミンA、葉酸、鉄分、ビタミンE、カルシウム、ビタミンCなど
小松菜の効果:感染症の予防、アンチエイジング、貧血予防、高血圧予防、骨や歯を強くする、美肌、ストレスから守る
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、貧血ぎみ、高血圧、骨や歯を丈夫にしたい、肌荒れ、髪がパサつく、ストレスが多い、妊婦さん、授乳中のママさん
ビタミンだけでなく、鉄分やカルシウムも豊富な小松菜。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。