バナナといえば「カリウムの多い食べ物」というイメージではありませんか?
塩分とりすぎの私たち日本人。特に血圧が気になる人にはカリウムは意識して摂りたい栄養素ですね。
でも、バナナは本当にカリウムが多いのでしょうか?
このページを読むと、
- バナナ1本のカリウムの量は?
- バナナ1本で1日に必要なカリウムの何%が摂れる?
- ほかの食べ物と比べるとどうなの?
などが手に取るようにわかります。カリウムを上手に摂って健康な毎日を送りましょう。
ちなみにバナナといえば食物繊維。でもホントに多いの?についてはこちら。
バナナは食物繊維が少ない?【1食分】でほかの果物と比較!
カリウムの必要量と私たちの摂取量
カリウムは1日にどのくらい必要なのでしょうか?
そして私たちは十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なカリウムの量
カリウムの1日の目安量、つまり「1日にこのくらいの量のカリウムを摂りましょう」という量はこちら。
カリウムの1日の摂取目標量は、大人なら、
- 女性:2,000mg
- 男性:2,500mg
私たちはこの必要な量をちゃんと摂れているのかというと……
実際に摂れているカリウムの量
私たちが実際に摂れているカリウムの量はこちら!
実際に摂れているカリウムの量
女性:2,220mg
220mg多く摂れています
男性:2,387mg
113mg不足しています
わかりやすく棒グラフにしてみると……
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
カリウムは、一般的な食生活ならまず不足することはない栄養素。
なぜなら、肉・魚・野菜・果物などいろんな食べ物にカリウムが含まれているからです。
実際に、女性は1日の必要量を超えるカリウムを摂れていますし、男性もほぼ摂れています。
とはいえ……
カリウムは必要量で本当に十分?
カリウムは1日の必要量をほぼ摂れているとはいえ、本当にそれで十分なのでしょうか?
いろんな食べ物に広く含まれているのに、男性は必要な量にも達していない。
さらに、塩分の多い食事。加工食品やスナック菓子を食べる。マヨネーズ・ケチャップ・しょうゆをよく使う。血圧が高い……。
ナトリウム(塩分)を多く摂っている人はカリウムの消費量も多くなります。
日本人はナトリウム(塩分)を摂りすぎる傾向があります。塩分は1日に約7g以下におさえたいところ、実際には3gも多く摂っているのです。
ですので、意識してカリウムの多い食べ物を食べることがとても大切。
ちなみにナトリウム(塩分)の多い食べ物をこちらで紹介しています。塩分を摂りすぎていないかチェックしてみてください。
しっかり摂りたいカリウム。そこで今回のテーマ「バナナはカリウムが少ない!?」。
カリウムが多いイメージのバナナですが、バナナ1本に含まれるカリウムの量はどのくらいなのでしょうか?
バナナとその他の食べ物のカリウム
バナナ1本のカリウムの量
普通サイズのバナナは、1本が約150g。皮をむいた可食部は約90g。
このバナナ1本に含まれているカリウムは324mgです。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
バナナ1本に含まれているカリウムは、
- 女性の1日の必要量の16%
- 男性の1日の必要量の13%
男性の1日の不足分が113mgですので、バナナ1本で十分補えますね。
朝食にバナナを1本追加すれば、カリウムをしっかり摂ることができますし、バナナに多く含まれているトリプトファンや抗酸化成分が、日中のストレスから守ってやる気や集中力も高めてくれます。
ちなみに「あなたがバナナでどんな効果を得たいか」によって効果的なタイミングが変わります。くわしくはこちらをご覧ください。
バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
さて、カリウムの多い食べ物といえばバナナ、というイメージですが、バナナはダントツにカリウムが多い食べ物なのでしょうか?
バナナと他の食べ物とのカリウム量の比較
では、バナナとほかの食べ物とでカリウムの量を比べてみました。
身近な食べ物を対象に、1食分あたりでカリウムの多い順番に30位までランキングにしたグラフがこちら。
1食分あたりのカリウムの含有量では、里芋がダントツ。
生の里芋から作った「煮っころがし一皿(里芋5個で210g)」に1,344mg。1日に必要なカリウムの約半分も含まれています。
バナナ1本では324mgで28位ですが、バナナ2本なら3位で648mg。カリウムの1日の必要量に対して、女性なら32%、男性なら26%を補うことができます。
このほか手軽な食べ物で見てみると、トマトジュース、ミニトマト、枝豆(冷凍ものを解凍)、豆乳、天津甘栗 などが、バナナ1本よりもカリウムが多いですね。
このランキングはすべて【1食分】に含まれるカリウムの量で比較しています。
例えば……
▼1食分の量の目安
- じゃがいも:
じゃがバター1個(140g)にカリウム602mg - トマトジュース:
食塩無添加のトマトジュース200mlにカリウム520mg - 玉露:
玉露を湯のみ1杯(140ml)にカリウム476mg - ミニトマト:
ミニトマト10個(150g)にカリウム435mg
- 枝豆:
冷凍の枝豆1/3袋(135g:さやを除くと可食部65g)にカリウム423mg - 豆乳:
200ml入り1パックにカリウム399mg - 紅鮭:
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)にカリウム382mg - アジ:
アジフライ2枚(100g)にカリウム330mg
★ご参考に → カリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
バナナはカリウムの量が抜群に多いわけでもありませんが、なにより手軽。皮をむくだけで食べることができますし、カバンに入れて持ち歩くのも簡単です。
さらに……
バナナのメリットは手軽さだけじゃない
バナナにはビタミンB群が豊富。糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変えるので、日中の活動を支え、疲労を回復し、集中力も高めてくれます。
また、幸せホルモン「セロトニン」のおもな材料であるトリプトファン・ビタミンB6・炭水化物がすべて含まれています。
感情をおだやかに安定させ、ストレスから守り、やる気と集中力を高めてくれるセロトニンについてくわしくはこちらをご覧ください。
セロトニンを増やす食べ物、増やす5つの方法とは?
そして、抗酸化作用の高いポリフェノールもたっぷり。活性酸素を取り除いて、生活習慣病の予防や免疫力アップへの効果が期待できます。
料理しなくても、時間がなくても、いつでもどこでもすぐに食べられるバナナ。1年じゅう手頃な値段で手に入るとても身近なカリウムの供給源です。
バナナはカリウムが少ない? まとめ
バナナは本当にカリウムが多いの?についてお伝えしました。
カリウムの1日の必要量:女性で2,000mg、男性で2,500mg。
日本人が実際に摂れている量:女性で2,220mg、男性2,387mg。
バナナ1本のカリウム:324mg(1日の必要量に対して、女性なら16%、男性なら13%)
芋類(里芋、じゃがいも、さつまいも)、トマト類(トマトジュース、ミニトマト)、豚肉(ヒレ、ロース)、枝豆、魚類(かつお、鮭、ぶり、アジ)などカリウムの多い食べ物はほかにもたくさん。
でもバナナなら1年をとおして手頃に買うことができ、ナイフもスプーンも使わず手軽に食べることができ、持ち歩くこともできる果物です。
朝ごはんにバナナを食べたり、おやつ代わりにバナナを食べたり。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。