なすは和食、洋食、中華といろんな料理にあう優秀野菜。水分が90%以上とはいえ、実は栄養の宝庫だってこと、ご存じでしたか?
これからお伝えする内容を読むと、
- なすにはどの栄養が多い?
- 2本食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- なすの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。なすの豊富な栄養をしっかり摂って健康な毎日を過ごしましょう。
なす2本の栄養価
なすに多い栄養は、ビタミンE、葉酸、水溶性と不溶性の食物繊維、カリウム、銅、マグネシウムなど。
ビタミンEや食物繊維もぎっしりですが、野菜のなかではミネラルがバランスよく豊富なことも特徴のひとつ。
なすの効果として、動脈硬化や心筋梗塞の予防、血圧を下げる、中性脂肪や血糖値をおさえる、便秘解消、貧血の改善などが期待できます。
では、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは「生のなす100gあたりの栄養」ではなく……
- なす2本分の油炒めを食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - なすに多い栄養は何?
- どんなはたらきが期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
一度に食べる量:なす2本(110g)
1本が80gでへたを除いて油で炒めると55gに。この2本分の110gを一度に食べる量としました。生のなすではなく、麻婆茄子など「油で炒めたなす2本分の栄養価」を紹介します。
なすに多いビタミン
まずはビタミンから。
なすの油炒めを2本食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
なす2本に多く含まれているビタミンは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンE | 26% |
葉酸 | 17% |
ナイアシン | 9% |
パントテン酸 | 9% |
流れをサラサラにするビタミンEがダントツで26%。ビタミンEは油と相性がいいので油炒めならしっかり吸収されます。
葉酸、ナイアシン、パントテン酸といったビタミンB群も多く含まれていますね。
次はなすにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
なすに多いミネラル
なす2本分の油炒めで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
野菜のなかには「ビタミン類は多いけどミネラルは少なめ」というものも多いですが、なすはミネラルもバランスよく含まれています。
カリウム | 16% |
銅 | 11% |
マグネシウム | 8% |
鉄 | 7% |
体のなかの余分な塩分を排出するカリウムが豊富。血圧が気になる方には大切なミネラルです。
では、なす2本あたりの食物繊維をお伝えしてから、なすの7つの効果効能を紹介します。
なすに多い食物繊維
なす2本分の油炒めを食べると1日に必要な量に対してどのくらい摂れるでしょうか?
水溶性食物繊維 | 17% |
不溶性食物繊維 | 17% |
なすには水溶性も不溶性も2種類ともたっぷり。特に水溶性食物繊維は1日に必要な量の半分程度しか摂れていませんが、なす2本で17%も補うことができます。
とはいえまだまだ不足。生活習慣病の予防に大きく期待されている栄養ですので、意識して摂りましょう↓
では、
なすに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
なすに多い栄養とその効果
なす2本分の油炒めに含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンE | 26% |
水溶性食物繊維 | 17% |
不溶性食物繊維 | 17% |
葉酸 | 17% |
カリウム | 16% |
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- なすの油炒めを2本食べるとどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンE
なすにもっとも多いビタミンE。サラサラにしてくれて抗酸化作用も高い栄養です。
なすのビタミンEの量は?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
なす2本に1.5mg。
さて私たちは、普段からビタミンEをどのくらい摂れていて、なすを2本食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、108%
なす2本に、26%
合計で、134%
男性が摂れている量は、100%
なす2本に、22%
合計で、122%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンEの効果は?
次の7つが主なはたらきです。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管の掃除役としてつまりを取ってキレイにして、サラサラにしてくれます。
40代からの生活習慣病が気になる世代には必須の栄養ですね。
なすのほか、アーモンド、豚肉、青魚などビタミンEの豊富な食べ物はこちらで紹介しています↓
水溶性食物繊維
海藻や果物に多い栄養で、生活習慣病を予防するはたらきの高さが注目されています。
なすの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
なす2本に1.0g。
では、普段からどのくらい摂れていて、なす2本でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、58%
なす2本に、17%
合計で、75%
男性が摂れている量は、51%
なす2本に、14%
合計で、65%
私たちにかなり足りない栄養ですが、なすにはたっぷりと含まれています。
※1日に必要な量は水溶性と不溶性の合計で女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、必要量を女性6g、男性12gとしています。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
水溶性食物繊維の効果は?
おもに次の6つがあります。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 便秘の解消(腸内環境を整える)
- 血圧を下げる
- ダイエット
40代からの生活習慣病が気になる世代にとってうれしい栄養ですね。
なすのように水溶性食物繊維の多いものを食事の最初に食べると、血糖値の上昇をおさえられます。
【関連記事】水溶性食物繊維のすごい6つの効果と多い食べ物とは?
不溶性食物繊維
なすに3番目に多い栄養できのこ類や野菜に豊富。デトックスや便秘を解消するはたらきのある栄養です。
なすの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
なす2本に2.0g。
なすを食べると……
女性が摂れている量は、93%
なすに、17%
合計で、110%
男性が摂れている量は、84%
なすに、14%
合計で、98%
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
食物繊維は水溶性のものにも不溶性のものにも、便秘を解消するはたらきがあります。ただし便秘のタイプによってどちらを摂るべきなのかが違います。くわしくはこちら↓
葉酸
4番目の栄養は葉酸。ほうれん草など葉物野菜にも豊富なビタミンです。
なすの葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
なす2本には40μg。
なすを食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
なすに、17%
合計で、135%
男性が摂れている葉酸は、123%
なすに、17%
合計で、140%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸はもともと必要な量を摂れています。子供を授かりたい方、妊婦さん、授乳中のママさんは、この必要量の1.5倍~2倍ほど摂るようにしましょう。
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- お腹の赤ちゃんの成長をサポート
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
カリウム
なすに5番目に豊富なカリウム。高血圧やむくみを解消するはたらきのある栄養です。
なすのカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
なす2本に319mg。
なすを食べると……
女性が摂れている量は、111%
なす2本に、16%
合計で、127%
男性が摂れている量は、96%
なすに、13%
合計で、109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
カリウムには心臓の動きを守ったり体をしなやかに動かすはたらきもあるのです。
*-*-*-*-*
なすに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
なすを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
なすの7つの効果効能
なすには、ビタミンE、葉酸ほかビタミンB群、食物繊維、カリウム、銅などいろんな栄養がしっかりと含まれています。
これらの栄養のはたらきから、なすに期待される効果効能はこちら!
- 動脈硬化を予防する
ビタミンEの高い抗酸化作用がコレステロールや脂肪の酸化を防いで血管をしなやかに保つ - 心筋梗塞や脳梗塞を予防する
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえて、水溶性食物繊維がコレステロールを排出する - 血圧を下げる
水溶性食物繊維とカリウムが余分なナトリウム(塩分)を排出する - 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪を水溶性食物繊維がキャッチして排出する - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで、消化スピードをおさえる - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が、体内で水分を吸収して大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、固くなった便に水分をあたえて柔らかくして、お通じをスムーズにする - 貧血を予防・改善する
葉酸はビタミンB12と一緒に血液(赤血球)をつくり、銅は鉄と一緒になって血液(ヘモグロビン)をつくり、ビタミンEのサラサラ効果で酸素を全身に運ぶ
やはり、ふだん不足しがちな栄養をしっかり補える、ということで食物繊維による効果が一番ではないでしょうか。
そして、なすをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそなすを食べて!
なすをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 脂っこいもの、味の濃いものが好きな人
高血圧に注意が必要です - 野菜・きのこ・玄米・海藻をあまり食べない
食物繊維が2種類とも不足しています - お酒をよく飲む人
コレステロールや中性脂肪がたまりがちです - 白いごはん、白いパン、麺類が好き
血糖値は上がりやすくなり、食物繊維は不足しやすくなります - 肩こり・首こり・冷え性
サラサラ効果で血流を良くしましょう - 貧血ぎみ
- 便秘がち
ビタミンEも食物繊維も、体の中にたまった悪いものを出すことが得意。
40代からの生活習慣病が気になる世代にはぜひ食べてもらいたいのがなすなのです。
なすに多い栄養素:まとめ
なすに多い栄養と効果効能を紹介しました。
なすに多い栄養素:1日の必要量に対して多い順番に、ビタミンE、不溶性と水溶性の食物繊維、葉酸、カリウム
なすの効果:動脈硬化の予防、心筋梗塞・脳梗塞の予防、血圧を下げる、中性脂肪を減らす、血糖値の上昇をおさえる、便秘の解消、貧血の改善
こんな人に食べてほしい:味の濃いものが好き、野菜・きのこ・玄米・海藻をあまり食べない、お酒が好き、白いごはんやパンや麺類が好き、肩こり、冷え性、貧血ぎみ、便秘がち
なすには栄養も健康効果もたっぷり。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。