ブリの旬は冬。お刺身はもちろん、照り焼きにブリ大根に鍋料理にといろんな楽しみ方ができる青魚です。
そんなブリにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ブリに多い栄養は?
- 照り焼きなど1切れ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- ブリの健康効果は?
- どんな人こそ食べるべき?
といったことが手に取るようにわかります。ブリにたっぷり詰まった栄養を取り入れて健康な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】かつおの栄養がすごい!鰹のたたき6切れの栄養価と8つの効果とは?
【関連記事】さば水煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
ブリの照り焼き1切れの栄養価
私たちに不足していてブリに多く含まれる栄養は、ビタミンB1、B2、B6、D、E、鉄分、亜鉛、EPA、DHAなど。
ブリの効果として、骨を丈夫にする、貧血の予防、疲労回復、感染症の予防、感情の安定、集中力アップなどが期待できます。
そんなブリ。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは「生のブリ100gあたりの栄養価」ではなく、
- ブリの照り焼きを1切れ食べると、
1日の栄養の何%が摂れる? - ブリに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
ブリの照り焼き1切れ:80gほど
1切れは約100gで焼くと80gほどになります。生のブリではなく「焼いたブリの栄養価」を紹介します。
ブリに多いビタミン
まずはビタミンから。
ブリの照り焼きを1切れ食べると、女性が1日に必要なビタミンの何%を摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ブリに多く含まれているビタミンは次の6つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンB12 | 130% |
ナイアシン | 103% |
ビタミンD | 52% |
ビタミンE | 29% |
ビタミンB6 | 28% |
ビタミンB2 | 27% |
ブリにはビタミンB群(B2、B6、B12、ナイアシン)がたっぷり。不足しがちなビタミンDもしっかり摂れます。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ブリに多いミネラル
ブリの照り焼きで、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ブリに豊富なミネラルは次の4つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
鉄分 | 29% |
カリウム | 18% |
リン | 17% |
銅 | 12% |
ビタミンに比べるとミネラルややや少なめですが、鉄分や銅など貧血を予防して骨を強くするミネラルが豊富です。
では、ブリに含まれる食物繊維をお伝えしてから、ブリの8つの効果効能を紹介します。
ブリに多い食物繊維
ブリには食物繊維は含まれていません。食物繊維は炭水化物の一部。ブリだけでなく魚介類全般には含まれていないのです。
では、
私たちに不足しがちな栄養のなかで、
ブリに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
についてお伝えします。
ブリで不足分を補える栄養とその効果
ブリに多い栄養は、ビタミンB12、B2、B6、ナイアシン、ビタミンD、E、鉄分など。ですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
ブリが体にいいのは、
私たちに足りない栄養が豊富だから。
ブリで私たちの不足分をしっかり補える栄養は、ビタミンB6、B2、B1、ビタミンD、E、鉄分の6つ。
ではこれらの栄養素は……
私たちは普段どのくらい摂れている?
ブリでどのくらい補える?
どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンD
ブリで不足分が補える栄養。1つめはビタミンD。感染症から守ったり強い骨をつくるはたらきのある栄養です。
ブリのビタミンDの量
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
ブリ1切れには4.4μg。
1日の必要量の52%です。
私たちは普段からビタミンDをどのくらい摂れていて、ブリの照り焼きを食べるとどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、75%
ブリには、52%
合計で、127%
男性が摂れている量は、87%
ブリには、52%
合計で、139%
ビタミンDの効果
おもなはたらきはこの3つ。
- 強い骨をつくる
(カルシウムの吸収を促進) - 筋肉をスムーズに動かす
- 免疫力を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」、「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
カルシウムだけで骨は作れません。不足しがちなビタミンDやマグネシウムも意識して摂ることが大切です。
ブリなら1切れで1日に必要なビタミンDの半分も摂ることができます。そのほか青魚全般やたまごにも豊富に含まれています。
鉄分
2つめの栄養は鉄分。貧血を改善したり、感染症から守るなどのはたらきがあります。
ブリの鉄分
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ブリ1切れには1.9mg。
では普段からどのくらい摂れていて、ブリでどう増えるかというと……
女性が摂れている鉄分は、112%
ブリには、29%
合計で、141%
男性が摂れている鉄分は、107%
ブリには、25%
合計で、132%
鉄分の効果
鉄分のはたらきはおもにこの5つ。
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
ビタミンE
ブリで不足分が補える3つめの栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養です。
ブリのビタミンE
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
ブリ1切れには1.7mg。
ブリを食べると……
女性が摂れている量は、108%
ブリには、29%
合計で、137%
男性が摂れている量は、100%
ブリには、25%
合計で、125%
ビタミンEの効果
- 動脈硬化を防ぐ
- 心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ
- 貧血の予防・改善
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
高血圧、甘いものが好き、揚げ物が好き、お酒が好き、という人はビタミンEを十分に摂る必要があります。
ブリならしっかり補うことができますし、アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、サバ缶、ゴールドキウイにも豊富です。
ビタミンB6
4つめの栄養はビタミンB6。脂肪肝や口内炎の予防、月経前のつらさをやわらげるはたらきもあります。
ブリのビタミンB6
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ブリ1切れには0.3mg。
女性が摂れている量は、99%
ブリには、28%
合計で、127%
男性が摂れている量は、90%
ブリには、22%
合計で、112%
ビタミンB6は体内でも作られるので不足しにくいものの、次のような人は不足しがちな傾向もあります。
- プロテインを多く摂っている
- 妊娠している
- ピルを飲んでいる
- 抗生物質を長い期間飲んでいる
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB2
5つめの栄養はビタミンB2。疲労回復、生活習慣病の予防、便秘解消などのはたらきがあります。
ブリのビタミンB2
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ブリ1切れには0.3mg。
女性が摂れている量は、93%
ブリには、27%
合計で、120%
男性が摂れている量は、76%
ブリには、20%
合計で、96%
男性はかなりのビタミンB2不足ですが、ブリで不足分をほぼ補うことができます。
ビタミンB2の効果
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB1
6つめの栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を安定させる効果があります。
ブリのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ブリ1切れには0.2mg。
女性が摂れている量は、79%
ブリには、18%
合計で、97%
男性が摂れている量は、74%
ブリには、14%
合計で、88%
ビタミンB1が不足しやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、白米や白いパンを食べている、といった人。
ブリのほか、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど、ビタミンB1の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンB1の効果
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
*-*-*-*-*
ブリで不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
ブリを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ブリの8つの効果効能
ブリにはビタミンB群、D、E、鉄分、カリウム、銅、EPA、DHAなどの栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、ブリに期待される効果をまとめてみました。
- 骨を丈夫にする
ビタミンDがカルシウムの吸収を助けて、たんぱく質と鉄分が骨のもう1つの主成分であるコラーゲンを作る - 貧血の予防・改善
鉄分が血液をつくり、ビタミンEが血流を良くして全身に酸素を届ける - 疲労回復
豊富なビタミンB群が糖質・脂質・たんぱく質を代謝してエネルギーを作る - 免疫を高めて感染症を予防する
鉄分がウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを高め、ビタミンEが免疫細胞を増やして活性化してウイルスをブロックする - 心筋梗塞や動脈硬化の予防
ビタミンEの抗酸化作用が悪玉コレステロールをおさえてサラサラ効果を発揮 - 精神を安定させる
- 集中力・記憶力・持続力を高める
- 肌荒れや口内炎から守る
そこで、ブリをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそブリを食べて!
ブリをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 骨粗しょう症を予防したい
- 立ちくらみや頭痛がよく起きる
- 毎日忙しい、疲れがとれない
- 風邪をひきやすい
- 味の濃い物や脂っこいものが好き
- お酒が好き、甘いものが好き
- イライラしやすい
- ストレスが多い
ブリに多い栄養:まとめ
ブリで不足分を補える栄養と期待される効果についてお伝えしました。
ブリで不足を補える栄養:ビタミンB1、B2、B6、D、E、鉄分、亜鉛、EPA、DHAなど
ブリの効果:骨を丈夫にする、貧血の予防・改善、疲労回復、感染症の予防、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防、精神を安定させる、集中力・記憶力を高める、肌荒れや口内炎から守る
こんな人こそ食べてほしい:骨粗しょう症を予防したい、立ちくらみや頭痛がよく起きる、疲れがとれない、風邪をひきやすい、味の濃い物が好き、お酒や甘いものが好き、ストレスが多い
疲労回復や貧血予防だけでなく生活習慣病の予防にも効果を発揮するブリ。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。