パントテン酸はビタミンB群のひとつ。水溶性のビタミンで、さまざまな食べ物に含まれている栄養素です。
エネルギーを作ったりストレスから守ったりと、頼もしいはたらき発揮します。
そんなパントテン酸、特にどんな食べ物に多く含まれているのかご存じですか?
この記事では、身近な食べ物の中から100gあたりではなく1食分あたりでパントテン酸の多い食べ物を30位までランキングしました。
どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なパントテン酸の何%を摂れるのか、手に取るようにわかります!
パントテン酸をしっかり摂って、いつも元気で若々しい毎日を過ごしましょう!
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パントテン酸の効果とは?
パントテン酸の多い食べ物を紹介する前に……
パントテン酸の効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
パントテン酸の4つの効果
パントテン酸の効果は、疲労回復、ダイエット、ストレスから守る、美肌など。具体的にはこちらの5つです。
- 疲労回復:
脂質・糖質・たんぱく質の代謝を助けてエネルギーを作る - ダイエット:
糖質や脂質の代謝を促進して体にためないようにする - ストレスへの抵抗力を高める:
ストレスに対抗するために必要な「副腎皮質ホルモン」の分泌を促進する - 美肌、美髪:
コラーゲンを作って肌荒れやいたんだ髪を美しく整える - 動脈硬化の予防:
善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果を発揮して動脈硬化を予防する
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸が不足すると?
パントテン酸は不足しにくい栄養素。いろいろな食べ物に含まれていますし、腸内細菌によって体の中でも作られています。
もしパントテン酸が不足した場合は、次のような不調をきたすことがあります。
- 疲れやすい、疲れがとれない
- 食欲がない
- 不眠
- 太りやすい
- ストレスに弱くなる、イライラ、不安感
- 肌荒れ、皮膚炎、髪のパサつき
パントテン酸を摂りすぎると?
パントテン酸は一般的な食生活なら摂りすぎによる悪影響はまずありません。
サプリメントで摂取する場合は、飲む量によっては不調を感じることもありますので摂りすぎないように注意しましょう。
では、パントテン酸は1日にどのくらいの量を摂るのがよいのでしょうか?
パントテン酸の必要量と摂取量
パントテン酸は1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
年齢別で1日に必要な量は?
パントテン酸の1日に必要な量(=目安量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」にて定められています。
1日に必要なパントテン酸
18~49歳なら、
女性も男性も5mg
では実際にどのくらい摂れているのかというと……
パントテン酸は十分に摂れている?
私たちが普段から摂れているパントテン酸の量はこちら。
実際に摂れているパントテン酸
18~49歳では……
女性の必要量:5.0mg
摂れている量:4.9mg
0.1mg(2%)不足
男性の必要量:5.0mg
摂れている量:5.8mg
0.8mg(16%)多く摂れています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともに1日に必要な量をほぼ摂れています。
パントテン酸が不足しやすい人は?
パントテン酸は不足しにくい栄養素ですが、次のような人はやや不足しやすい傾向があります。
- コーヒーなどをよく飲む人
(パントテン酸の吸収が妨げられる) - お酒をよく飲む人
(パントテン酸の吸収が妨げられる) - 強いストレスを感じている人
(ストレスから守るためにパントテン酸がたくさん消費される) - 抗生物質を飲んでいる人
(腸内細菌のはたらきが弱くなって体内でパントテン酸を作り出せない)
あてはまるようでしたら、パントテン酸の多い食べ物を意識して摂るようにしましょう。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりでパントテン酸の多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
パントテン酸の多い食べ物ランキング
パントテン酸の多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは30位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
パントテン酸は肉・魚・野菜・など多くの食べ物に含まれています。
なかでも含有量がダントツに多い食べ物がレバー。次いで、納豆、エリンギ、鮭、豚ヒレ、えのきたけ、さつまいも、そば、たまご、などですね。
では、この30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるパントテン酸」をお伝えします。
1~10位の食べ物
まずは1~10位までの食べ物です。
パントテン酸、18~49歳なら……
女性の必要量:5.0mg
摂れている量:4.9mg
男性の必要量:5.0mg
摂れている量:5.8mg
男性は十分に摂れています。女性は0.1mgだけ不足ということを頭に置きながら読み進めてください。
1~10位の食べ物には1.2~10.0mg。1日分のパントテン酸の23~200%を摂ることができます。
1位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
10.0mg
1日に必要なパントテン酸の2倍もの量を摂ることができます。
鶏レバーにはビタミンA、鉄分、モリブデン、セレンなども豊富。貧血予防、疲労回復、ダイエット、動脈硬化や心筋梗塞の予防、口内炎の予防などの効果が期待できます。
鶏レバーは栄養の宝庫!焼き鳥3本分の栄養価と7つの効果を紹介!
2位:豚レバー
豚レバー100g
(レバニラ炒め1皿分)に
7.2mg
1日に必要なパントテン酸の1.4倍も含まれています。
第3位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
6.4mg
4位:納豆(挽きわり)
ひきわり納豆1パック(40g)に
1.7mg
1日に必要なパントテン酸の34%を摂ることができます。
ひきわり納豆にはビタミンKがぎっしりで骨粗しょう症予防に効果大とも!食物繊維、鉄分、銅、セレンも多く、貧血予防、血圧・血糖値・中性脂肪などの改善、便秘解消も期待できます。
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5位:納豆(粒)
粒納豆1パック(40g)に
1.4mg
納豆はひきわりでも粒でも、1パックで1日に必要なパントテン酸の約30%を補うことができます。
6位:エリンギ(バター炒め)
エリンギのバター炒め(1パック分)に
1.4mg
エリンギ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると84gほどになります。生ではなく油で炒めたエリンギの栄養価です。
エリンギはビタミンB群のほか、ビタミンD、カリウム、食物繊維もたっぷり!骨を強くする、感染症の予防、便秘の解消、血圧を下げる、ストレスから守る、デトックスなどが期待できます!
エリンギの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
7位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
1.3mg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーなどの蒲焼は1尾150gほどが多いようです。
8位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
1.3mg
銀鮭は1切れ100gで焼くと78gほどに。生ではなく焼いた銀鮭の栄養価です。
銀鮭はビタミンD、E、セレンがたっぷり!疲労回復、ダイエット、心筋梗塞や脳血栓の予防、貧血の予防、骨を強くする、美肌、アンチエイジングなどに効果を発揮します。
銀鮭は栄養がぎっしり!1切れの栄養価と7つの効果とは?
9位:しろさけ(塩焼き)
しろさけ(白鮭)の
塩焼き1切れに
1.2mg
1日に必要なパントテン酸の25%ですね。
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色。
秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
10位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れに
1.2mg
銀鮭(チリ産など)も、白鮭(日本産)も、紅鮭(ロシアやアラスカ産)も、1切れで1日に必要なパントテン酸の約20%を補うことができます。
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パントテン酸の多い食べ物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
パントテン酸の多い食べ物。
続いて11~20位です。
パントテン酸の必要量
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
男性は十分に摂れています。女性は0.1mgだけ不足しています。
11~20位の食べ物には1.0~1.2mg。1日分のパントテン酸の19~23%を摂ることができます。
11位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
1.2mg
1日分のパントテン酸の23%を摂ることができます。
12位:牛乳
200ml入り1パックに
1.1mg
13位:えのきたけ(炒め物)
えのきたけの炒め物
(えのきたけ1パック分)に
1.1mg
えのきたけは1パックが約100g。いしづきを除いて油で炒めると77gほどに。油で炒めたえのきたけの栄養価を紹介しています。
えのきたけはビタミンB群、カリウム、鉄分、銅、不溶性食物繊維が豊富。疲労回復、ストレスへの抵抗力アップ、便秘解消、貧血予防、高血圧予防などに効果的です。
えのきたけの栄養がすごい!1パックの栄養価と9つの効果とは?
14位:ぶりの照り焼き
ぶりの照り焼き1切れ(82g)に
1.1mg
15位:さつまいも
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
1.0mg
16位:玄米ごはん
お茶碗1杯の玄米ごはんに
1.0mg
お茶碗1杯に1日に必要なパントテン酸の20%。朝と夜とでお茶碗1杯ずつ食べれば1日に必要な量の40%が摂れます。
ちなみに、精白米のごはんのお茶碗1杯分にはパントテン酸は0.25mg。玄米ごはんの1/4しか含まれていません。
16位タイ:鶏すなぎも
すなぎもの焼き鳥2串(80g)に
1.0mg
18位:さといも(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
1.0mg
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、銅、食物繊維ほかあらゆる栄養が凝縮!血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、便秘解消、むくみの解消、美肌などの効果が期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
19位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
1.0mg
アボカドはビタミンEを筆頭にビタミンB群、カリウム、銅、食物繊維が豊富。動脈硬化や心筋梗塞の予防、血圧・中性脂肪・コレステロールの改善、貧血予防、便秘解消などが期待できます。
アボカドの栄養がすごい!その栄養価と7つの効果は?
20位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
1.0mg
1日に必要なパントテン酸の19%が含まれています。
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パントテン酸の多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後は21~30位です。
21~30位の食べ物
パントテン酸の多い食べ物。
最後は21~30位です。
パントテン酸の必要量
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
男性は十分に摂れています。女性は0.1mgだけ不足しています。
21~30位の食べ物には0.7~1.0mg。1日分のパントテン酸の14~19%を摂ることができます。
21位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
1.0mg
1日分のパントテン酸の19%が含まれています。
豚ヒレカツ3切れ(100g)には1.16mg。ヒレ肉のほうがすこし多いですね。
22位:全粒粉パン
6枚切り全粒粉食パン2枚(130g)に
0.9mg
23位:いわし(蒲焼きなど)
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
0.9mg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレなどを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
いわし2尾で1日分のパントテン酸の約17%を摂ることができます。
24位:スパゲティ(ゆでたもの)
スパゲティ1人前(300g)に
0.8mg
120gの乾麺を茹でると重さは2.5倍の300gに。乾麺ではなく茹でたスパゲティの栄養価です。
25位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
0.8mg
すいかはβ-カロテン、ビタミンC、B6、カリウム、マグネシウム、銅などが豊富。免疫力アップ、アンチエイジング、疲労回復、中性脂肪・血圧など生活習慣病の予防、ストレスから守るなどの効果が期待できます。
すいかの栄養価がすごい!どんな栄養素が多い?7つの効果とは?
26位:とうもろこし
とうもろこし1本に
0.8mg
生ではなく、茹でたとうもろこしの栄養価です。
27位:そば(ゆでたもの)
そば1人前(230g)に
0.8mg
1人前120gの生そばを茹でると230gに。乾麺ではなく茹でたそばの栄養価です。
28位:れんこん(きんぴら)
れんこんのきんぴら
小鉢一皿(80g)に
0.7mg
一般的なサイズのれんこんは1節が200gほど。その半分弱の量に含まれるパントテン酸を紹介しています。
れんこんはビタミンC、B1、B6、カリウム、銅、不溶性食物繊維もたっぷり。デトックス、アンチエイジング、ストレスから守る、疲労回復、強い骨をつくる、高血圧の予防などが期待できます。
れんこんの栄養がすごい!1皿あたりの栄養価と7つの効果とは?
29位:ゆでたまご(全卵)
Lサイズのゆでたまご1個(60g)に
0.7mg
30位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹に
0.7mg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。塩焼きにして頭や骨を取り除くと可食部は76gほどです。
1日に必要なパントテン酸の14%を摂ることができます。
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パントテン酸の豊富な食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
納豆、鮭、豚肉、たまごなど、身近な食べ物のなかにもパントテン酸を多く含む物がいろいろありますね。
パントテン酸の多い食べ物:まとめ
パントテン酸の豊富な食べ物のランキングやその効果をお伝えしました。
パントテン酸の多い食べ物:レバー、納豆、エリンギ、鮭、豚肉、えのき、ぶり、玄米、さつまいも、里芋、いわし、そば、たまご、落花生など
パントテン酸の効果:疲労回復、ダイエット、ストレスへの抵抗力を高める、美肌・美髪、動脈硬化の予防
不足すると?:疲れやすい、食欲がない、不眠、太りやすい、ストレスに弱くなる、肌荒れ、髪のパサつき
摂りすぎると?:サプリメントの飲みすぎでない限り、通常の食生活で摂りすぎによる悪影響が出ることはまずありません。
1日の必要量:18~49歳の場合、女性は5.0mg(0.1mg不足)、男性は5.0mg(0.8mg多く摂れています)
パントテン酸は不足しにくい栄養素であるものの、コーヒーやお酒をよく飲む人やストレスの多い人には不足しがちな傾向もあります。
ぜひパントテン酸の多い食べ物を意識して摂りましょう。