ピーマンはツヤのある緑色がきれいな夏野菜。
その苦味がちょっと苦手な方もいるかもしれませんが、実は意外な栄養がぎっしり詰まっている健康野菜なのです。
これからお伝えする内容を読むと、
- ピーマンに多い栄養は?
- 2つ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- ピーマンの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。ピーマンの栄養をしっかりとりいれて健康な毎日を過ごしましょう。
ピーマン2個の栄養価
ピーマンに多い栄養は、ビタミンC、E、B6、葉酸、モリブデン、鉄、カリウム、不溶性食物繊維など。
ピーマンは意外にもビタミンCがたっぷりと含まれています。
ピーマンの効果として、風邪を早く治す、アンチエイジング、心筋梗塞や動脈硬化の予防、ストレスから守る、疲労回復、デトックス、貧血の予防・改善などが期待できます。
そんなピーマン。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養はどんなはたらきをするのか、
ご存じですか?
ここでは一度に食べるピーマンの量を「2個」として、
- ピーマンを2個食べると、
1日の栄養の何%が摂れる? - ピーマンに多い栄養は何?
- どんな効能が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
一度に食べる量
=ピーマン2個60g
(炒め物など小皿一皿分)
ピーマン2つで70gで、ヘタと種を取り除くと可食部は60gです。
生のピーマンではなく、油で炒めたピーマン2個分の栄養価を紹介します。
ピーマンに多いビタミン
まずはビタミン。
ピーマンを2つ食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ピーマン2個に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンC | 47% |
ビタミンB6 | 11% |
ビタミンE | 9% |
ビタミンK | 8% |
葉酸 | 7% |
意外にもピーマンにはビタミンCがぎっしり!たったの2個で1日に必要な量の半分も摂れてしまいます。
次はピーマンにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ピーマンに多いミネラル
ピーマン2つ(60g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ビタミンと比べるとミネラルはやや少なめで、次の5つが比較的豊富。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
モリブデン | 12% |
鉄分 | 7% |
カリウム | 6% |
銅 | 5% |
マグネシウム | 2% |
次いで、リン、マンガン、亜鉛、カルシウムなど。ピーマンに多いミネラルのはたらきものちほど紹介します。
では、ピーマン2個あたりの食物繊維をお伝えしてから、ピーマンの7つの効果効能をお伝えします。
ピーマンに多い食物繊維
ピーマン2つで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
わずか2個のピーマンの含有量としては悪くないですね。水溶性と不溶性が1:2の割合というのもベストバランスです。
ただ私たち日本人はかなりの不足。特に水溶性食物繊維は目標の55%ほどしか摂れていません。
血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールなど、生活習慣病を予防するはたらきがとても高い水溶性食物繊維。多く含む食べ物はこちらで紹介しています↓
では、
ピーマンに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
ピーマンに多い栄養とその効果
ピーマン2個あたりの栄養の中で、女性の1日分の栄養に対して多い順に、
ビタミンC | 47% |
モリブデン | 12% |
ビタミンB6 | 11% |
ビタミンE | 9% |
不溶性食物繊維 | 9% |
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- ピーマンでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
生のピーマンの栄養価ではなく、油で炒めたピーマン2個60gの栄養価をお伝えしています。
ビタミンC
ピーマンの栄養のなかでダントツに多いのがビタミンC。
最近では「家庭料理での加熱ぐらいならほとんど壊れない」とも言われています。
ピーマンのビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
ピーマン2個には47mg。
1日の必要量の47%です。
さて私たちは普段からビタミンCをどのくらい摂れていて、ピーマンを2個食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、96%
ピーマン2個に、47%
合計で、143%
男性が摂れている量は、91%
ピーマン2個に、47%
合計で、138%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンCの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高めて感染症から守る
- 老化やさまざまな病気を防ぐ
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ビタミンCは水に流れ出やすい栄養。水で洗いすぎないよう、水にさらしすぎないよう、気をつけましょう。
また、体内にためておけず数時間で排出されてしまうので、こまめに摂ることが大切。果物も上手に活用しましょう↓
野菜ではミニトマト、ブロッコリー、キャベツなどにも豊富です↓
モリブデン
2番目の栄養はモリブデン。疲労回復や貧血を予防するはたらきがあります。
ピーマンのモリブデンは?
1日に必要なモリブデン
女性が20μg、男性が30μg。
ピーマン2個に2.4μg。
女性:1日の必要量の12%
男性:1日の必要量の8%
「私たちはふだんモリブデンをどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、普通の食生活なら不足することも摂りすぎることもないようです。
モリブデンの効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質や脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を出す
食べ物の栄養をエネルギーに変え、デトックスし、血液をつくるのがモリブデンのはたらきです。
ビタミンB6
ピーマンに3番目に豊富なビタミンB6。脂肪肝や肌荒れ・口内炎を予防する栄養です。
ピーマンのビタミンB6は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ピーマン2個に0.12mg。
では普段からどのくらい摂れていて、ピーマン2個でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、99%
ピーマンに、11%
合計で、110%
男性が摂れている量は、90%
ピーマンに、9%
合計で、99%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪を作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 感情を安定させる
ビタミンB6も代謝のビタミン。肌荒れや口内炎を改善するはたらきもご存じでしょう。女性特有の不調もやわらげてくれます。
野菜よりも肉や魚に豊富ですが私たちにやや不足な栄養。多く含まれている食べ物をこちらで紹介しています↓
ビタミンE
4番目はビタミンE。血管の掃除役で流れを良くしてくれる栄養です。
ピーマンのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
ピーマン2個に0.54mg。
ピーマンを食べると……
女性が摂れている量は、108%
ピーマンに、9%
合計で、117%
男性が摂れている量は、100%
ピーマンに、8%
合計で、108%
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管をきれいにして、抗酸化作用でアンチエイジングにも効果を発揮するのがビタミンE。植物オイル、アーモンド、豚肉、緑黄色野菜にも多く含まれています。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
不溶性食物繊維
ピーマンに5番目に豊富な不溶性食物繊維。野菜やきのこ類に多く、便秘の解消やデトックスなどのはたらきがあります。
ピーマンの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
ピーマン2個に1.1g。
女性が摂れている量は、93%
ピーマンに、9%
合計で、102%
男性が摂れている量は、84%
ピーマンに、8%
合計で、92%
私たちにはやや不足しがちな栄養。わずか2個のピーマンでその不足分をほぼ補うことができます。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する
(便のカサを増やして腸を刺激) - ダイエット
【関連記事】不溶性食物繊維のすごい3つの効果と多い食べ物とは?
不溶性食物繊維は便秘解消のはたらきはあるものの、便秘のタイプによっては摂りすぎでかえって便秘がひどくなるケースがあります。くわしくはこちら↓
ピーマンに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
- ピーマンを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ピーマンの7つの効果効能
ピーマンにはぎっしり詰まったビタミンCをはじめ、ミネラルや食物繊維も豊富。
これらの栄養のはたらきから、ピーマンに期待される健康効果をまとめてみました。
- 風邪を早く治す
ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - アンチエイジング・さまざまな病気の予防
ビタミンCやEの高い抗酸化作用が老化や病気の原因となる活性酸素を除去する - 心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防
ビタミンEがコレステロールや脂肪の酸化を防いで血管を健康にしなやかに保つ - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 疲労回復
モリブデンやビタミンB6が食べ物に含まれる糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進し、消化酵素のはたらきを高めてエネルギーをつくる - 有害物質をデトックス
モリブデンが体に有毒な物を分解し、不溶性食物繊維が重金属や食品添加物などの有害物質を排出する - 貧血の予防・改善
ビタミンCとモリブデンが鉄分のはたらきを高めて血液をつくる
そこで、ピーマンをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそピーマンを食べて!
ピーマンをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 風邪をひきやすい
- 体調をくずしやすい
- 血圧が高い
- コレステロールが気になる
- 疲れやすい、疲れがとれない
- ストレスが多い
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- 口内炎になりやすい
生活習慣病を予防したい年代、ウイルスなど感染症を予防したい、毎日忙しい、ストレスが多い、といった方にぜひ食べてもらいたいのがピーマンなのです。
ピーマンに多い栄養:まとめ
ピーマンに多い栄養と効果についてお伝えしました。
ピーマンに多い栄養:1日に必要な量に対して多い栄養は、ビタミンC、B6、E、葉酸、ビタミンK、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維、モリブデン、鉄、カリウム
ピーマンの効果:風邪を早く治す、アンチエイジング、心筋梗塞や動脈硬化の予防、ストレスから守る、疲労回復、デトックス、貧血の予防・改善
こんな人に食べてほしい:風邪や体調をくずしやすい、血圧が高い、コレステロールが気になる、疲れやすい、ストレスが多い、肌荒れが気になる、口内炎になりやすい
とにかくビタミンCが凝縮されているのがピーマンの栄養の最大の特徴。免疫アップ・抗酸化・ストレスケアに効果を発揮してくれます。
価格も手ごろなのに栄養がぎっしりつまったピーマン。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。