りんごは体にいい果物の代表。風邪ぎみな時、お腹の調子がよくない時。まず食べておきたい食べ物もりんごではないでしょうか。
栄養豊富なイメージですが、どんな栄養が多いのかご存じですか?
このページを読むと、
- りんごに多い栄養は?
- 1個食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- りんごの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。りんごの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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りんご1個の栄養価
りんごに多い栄養は、クロム、銅、カリウム、不溶性と水溶性の食物繊維、ビタミンC、B6など。
意外とビタミンは少なめですが食物繊維はたっぷり!特に1日に必要な量の50%ほどしか摂れていない水溶性の食物繊維がぎっしりと詰まっています。
りんごの効果として、中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、血圧を下げる、有害物質の排出、便秘解消、貧血予防、疲労回復などが期待できます。
では、
どの栄養がどれほど多くて、
その栄養はどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
そこで、
- りんごを1個食べると、
1日の栄養の何%が摂れる? - りんごにはどんな栄養が多い?
- どんなはたらきが期待できる?
といったかたちでお伝えします!
りんご1個=255g
りんご1個は約300g。皮と芯を除くと可食部は約255gになります。
りんごに多いビタミン
まずはビタミンから。
りんごを1個食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
りんごに多く含まれているビタミンは次の2つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンC | 10% |
ビタミンB6 | 9% |
ビタミンCはウイルスと戦うチカラを高めてくれます。B6はたんぱく質や脂肪をエネルギーに変えたり口内炎を防ぐはたらきがあります。
では次に、りんごにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
りんごに多いミネラル
りんご1個で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?
りんごに豊富なミネラルは次の3つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
クロム | 26% |
銅 | 18% |
カリウム | 15% |
カリウムは高血圧予防や心臓のはたらきを守る栄養。
クロムは疲労回復や血糖値をおさえるはたらきが。銅は免疫力を高めたり貧血を防ぐ栄養素です。
では、りんごに含まれる食物繊維をお伝えしてから、りんごの9つの効果を紹介します。
りんごに多い食物繊維
りんごを食べると、1日に必要な量に対してどのくらい摂ることができるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 21% |
水溶性食物繊維 | 17% |
りんごには不溶性と水溶性の2種類ともたっぷり!
特に1日に必要な量の半分程度しか摂れていない水溶性食物繊維がぎっしり。血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防に大きな効果が期待できます。
それでは、
りんごに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
りんごに多い栄養とその効果
りんご1個(255g)の栄養価のなかで、女性が1日に必要な量に対して豊富な栄養はこの6つ。
クロム | 26% |
不溶性食物繊維 | 21% |
銅 | 18% |
水溶性食物繊維 | 17% |
カリウム | 15% |
ビタミンC | 10% |
ではそれぞれの栄養について、
- 私たちはどのくらい摂れている?
- りんご1個でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
クロム
りんごのクロムの量は?
1日に必要なクロムは
女性も男性も10μg。
りんご1個に2.6μg。
1日に必要な量の26%です。
クロムは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただ一般的な食生活であれば不足や摂りすぎの心配はまずないようです。
【関連記事】クロムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
クロムの効果は?
りんごにもっとも多い栄養はクロム。おもなはたらきはこの3つです。
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助ける
- 血糖値を下げる(インスリンのはたらきを促進)
- 血液中のコレステロールや中性脂肪が増えないように調整する
食べた物をエネルギーに変える、生活習慣病を予防する、というのがおもなはたらきです。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「クロミウム」
不溶性食物繊維
りんごに2番目に多い栄養で、野菜やきのこなど繊維質の食べ物に豊富。便秘の解消やデトックスなどのはたらきがあります。
りんごの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
りんご1個に26g。
私たちに不足ぎみな栄養です。普段からどのくらい摂れていて、りんご1個でどこまで補えるでしょうか?
女性が摂れている量は、93%
りんご1個に、21%
合計で、114%
男性が摂れている量は、84%
りんご1個に、18%
合計で、102%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
りんごを1個食べると不足分を十分に補うことができます。
ちなみに、りんご以外で1食分あたりに多く含まれている食べ物は、干し柿、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、さといも、アボカドなどです。
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
腸のなかで水分を吸うと、数倍にも数十倍にもふくれあがります。これが腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消をサポートしてくれます。
銅
りんごに3番目に豊富な栄養は銅。貧血を予防したり免疫を高めるはたらきがあります。
りんごの銅は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
りんごに0.13mg。
では普段からどのくらい摂れていて、りんご1個でどう増えるかというと……
女性が摂れている銅は、149%
りんごに、18%
合計で、167%
男性が摂れている銅は、133%
りんごに、14%
合計で、147%
一般的には不足しにくい栄養ですが、ストレスの多い人や亜鉛のサプリを飲んでいる人は銅不足になりやすい傾向があります。
りんごのほか、レバー、いか、ナッツ類、さといも、枝豆、納豆、豆腐など、銅の多い食べ物を意識して摂りましょう。
銅の効果は?
おもに次の5つのはたらきが期待されています。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
水溶性食物繊維
りんごに4番目に多い栄養で、生活習慣病の予防効果の高さが注目されています。
りんごの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
りんご1個に1g。
りんごを食べると……
女性が摂れている量は、58%
りんごに、17%
合計で、75%
男性が摂れている量は、51%
りんごに、15%
合計で、66%
りんごでしっかりと摂ることができますが、ふだん摂れている量があまりに少ないのでまだまだ足りません。
水溶性食物繊維の多い果物は、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーンなど。
果物以外なら、ひじき、寒天、とろろ昆布、さといも、もち麦、大豆、豆腐などに豊富。意識して摂りましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
このように生活習慣病の予防に大きな効果を発揮してくれる栄養です。
なお、水溶性と不溶性の両方とも便秘を改善してくれますが「便秘のタイプによってどちらを摂るべきなのか」が違います。くわしくはこちら↓
食物繊維のとりすぎが便秘や下痢の原因?正しい摂り方とは?
カリウム
りんごに5番目に多く含まれる栄養はカリウム。血圧をおさえたり心臓の動きを守るはたらきがあります。
りんごのカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
りんごに306mg。
女性が摂れている量は、111%
りんごに、15%
合計で、126%
男性が摂れている量は、96%
りんごに、12%
合計で、108%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
男女ともほぼ必要な量を摂れていますが、下痢することが多い人、食生活がかたよっている人、汗をよくかく人、ストレスが多い人はカリウム不足になることも。
さといも、じゃがいも、枝豆、トマトジュース、玉露、豚肉、アボカド、エリンギなど、カリウムの多い食べ物がおすすめです。
カリウムの効果は?
- 体内の余分な塩分(ナトリウム)を出す
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
ビタミンC
6番目の栄養はビタミンC。幅広いはたらきで私たちを支えています。
りんごのビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
りんごには10mg。
女性が摂れている量は、96%
りんごに、10%
合計で、106%
男性が摂れている量は、91%
りんごに、10%
合計で、101%
ビタミンCの効果は?
おもに7つのはたらきがあります。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を防ぐ
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
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りんごに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
りんごを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
りんごの9つの効果効能
りんごは2種類の食物繊維をはじめ、クロム、カリウム、ビタミンCなど、いろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、りんごに期待される効果効能をまとめてみました。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして排出するとともに、クロムが脂質の代謝を活発にして中性脂肪をおさえる - コレステロールを下げる
水溶性食物繊維がコレステロールを排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内でゼリー状になって食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで消化スピードを遅くし、クロムがインスリンのはたらきを助ける - 血圧を下げる
りんごのカリウムなどが体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する - 有害物質を排出する
不溶性食物繊維が重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - 便秘を解消する
腸のなかで固くなった便に水分をあたえて柔らかくしたり、水分を吸収して大きくふくらんで腸の動きを活発にして、お通じをスムーズにする - 貧血を予防する
ビタミンCが鉄分の吸収を高めて、銅が鉄分と一緒になって血液(ヘモグロビン)をつくる - 風邪などの感染症から守る
銅がT細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを高め、ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - 疲労を回復する
クロムが糖質やたんぱく質の代謝を高め、クエン酸やリンゴ酸が疲労物質の乳酸を分解して疲労回復を促進する
「りんごが赤くなると医者が青くなる」と言われるほどに、りんごには効能がたくさん。
特に、私たちが全然摂れていない水溶性食物繊維をりんごがしっかり補ってくれる、という点で、そのはたらきが十分に発揮されるのでしょう。
そして、りんごをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそりんごを食べて!
りんごをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- お腹まわりが気になる
- 便秘がち
- 貧血ぎみ
- 疲れがとれない
- 風邪をひきやすい
- ストレスが多い
お腹にもやさしいりんごはまさに薬のような存在。
体調がいまひとつ、といった時だけでなく、いつも元気でいられるためにも食べたい果物です。
りんごに多い栄養:まとめ
りんごに多い栄養と効果効能を紹介しました。
りんごに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、クロム、不溶性と不溶性の食物繊維、銅、カリウム、ビタミンC、ビタミンB6など
りんごの効果:中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、血圧を下げる、有害物質の排出、便秘解消、貧血予防、感染症から守る、疲労回復
どんな人に食べてほしい?:血圧が高い、血糖値が気になる、ぽっちゃりしている、便秘がち、貧血ぎみ、疲れがとれない、風邪をひきやすい、ストレスが多い
低カロリーで栄養価の高いりんご。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。