キャベツはデザイナーフーズピラミッドでもトップランクに位置する健康野菜の代表。
胃腸薬「キャベジン」の名前の由来でもあり、食前キャベツなどでその健康効果を取り入れている人も多いですね。
そんなキャベツ、どの栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- キャベツに多い栄養は?
- キャベツを2枚食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな効果がある?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。キャベツに詰まった栄養で元気に過ごしましょう。
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キャベツの栄養価
キャベツに多い栄養は、ビタミンK、C、B6、葉酸、モリブデン、クロム、カリウム、不溶性食物繊維など。
野菜のなかでもビタミンCの含有量がトップランクで、食物繊維もたっぷり含まれています。
キャベツの効果としては、強い骨をつくる、貧血を予防する、風邪を早く治す、アンチエイジング、デトックス、疲労回復、ストレスから守る、便秘解消などが期待できます。
そんなキャベツ。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは1度に食べる量として、
- キャベツ2枚(100g)で、
1日の栄養の何%が摂れる? - キャベツにはどの栄養が多い?
- どんな効能が期待できる?
についてお伝えします。
キャベツ2枚=100g
野菜炒めなどキャベツを2枚使って作った料理のキャベツに含まれる栄養ということで参考になさってください。
キャベツに多いビタミン
まずはビタミン。
キャベツを2枚食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
キャベツに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 52% |
ビタミンC | 41% |
葉酸 | 33% |
ビタミンB6 | 10% |
パントテン酸 | 4% |
ビタミンK、ビタミンC、葉酸がたっぷり!ビタミンKとCは1日に必要な量のほぼ半分も含まれています。
次はキャベツにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
キャベツに多いミネラル
キャベツ2枚で女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
キャベツに豊富なミネラルは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
モリブデン | 20% |
クロム | 10% |
カリウム | 10% |
カルシウム | 7% |
マグネシウム | 5% |
代謝をサポートするモリブデンがミネラルのなかでは一番豊富。クロムは血糖値や中性脂肪をおさえ、カリウムは高血圧予防や心臓のはたらきを守る栄養です。
ではキャベツ2枚の食物繊維をお伝えしてから、キャベツの8つの効果効能を紹介します。
キャベツに食物繊維は多い?
キャベツ2枚で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 12% |
水溶性食物繊維 | 6% |
キャベツには不溶性食物繊維が豊富。私たちに足りない栄養ですが、その不足分をちょうど補うことができます。
では、
キャベツに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
キャベツに多い栄養とその効果効能
キャベツ2枚に含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 52% |
ビタミンC | 41% |
葉酸 | 33% |
モリブデン | 20% |
不溶性食物繊維 | 12% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- キャベツでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンK
キャベツにもっとも多い栄養はビタミンK。骨を丈夫にしたり、出血を止めるはたらきがあります。
キャベツのビタミンKは?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
キャベツ2枚に78μg。
さて私たちは普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、キャベツを2枚食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
キャベツ2枚に、52%
合計で、209%
男性が摂れている量は、164%
キャベツに、52%
合計で、216%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
ビタミンKのおもなはたらきはこちら。
- 骨を丈夫に
- 切り傷など出血した血を固める
食べ物に含まれるカルシウムを腸から骨まで運ぶのがビタミンD。そのカルシウムを骨にペタッとくっつけるのがビタミンK。強い骨をつくるために重要な栄養なのです。
魚介類や海藻をあまり食べない方、骨粗しょう症が心配な方は、ビタミンKの多い食べ物を意識して摂りましょう↓
ビタミンC
2番目の栄養はビタミンC。抗酸化作用、ストレスから守る、風邪を早く治すなどのはたらきがあります。
キャベツのビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
キャベツ2枚には41mg。
では普段からどのくらい摂れていて、キャベツ2枚でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、96%
キャベツに、41%
合計で、137%
男性が摂れている量は、91%
キャベツに、41%
合計で、132%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCにはおもに7つのはたらきがあります。
- 血管や皮膚や骨を丈夫にする
- 風邪を早く治す
- アンチエイジング
- ストレスへの抵抗力を強くする
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防いで白い肌へ
家庭料理での加熱であればビタミンCはほとんど壊れないとか。加熱よりは、水で洗いすぎたり水にさらしすぎたりして、ビタミンCが流れ出てしまうことのほうが注意が必要ですね。
また、体内にためておけない栄養なのでこまめに摂ることも大切。手軽に食べられる果物を活用するのもおすすめです↓
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
葉酸
キャベツに3番目に多く含まれる葉酸。葉物野菜に豊富な栄養で、血液をつくるはたらきなどがあります。
キャベツの葉酸の量は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
キャベツ2枚には78μg。
キャベツを食べると……
女性が摂れている量は、118%
キャベツに、33%
合計で、151%
男性が摂れている量は、123%
キャベツに、33%
合計で、156%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
普段から十分に摂れていますが、貧血ぎみな方、妊活中~授乳期のママはより多くの量が必要。こちらでチェックしてみてください↓
モリブデン
4番目の栄養はモリブデン。血のミネラルとも呼ばれ、貧血を予防するはたらきを発揮します。
キャベツのモリブデンは?
1日に必要な量は、
女性が20μg、男性が30μg。
キャベツ2枚に4μg。
女性:1日に必要な量の20%
男性:1日に必要な量の13%
モリブデンは「ふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、不足しにくい栄養でもありますし、摂りすぎによる悪影響の心配もないようです。
モリブデンの効果は?
おもに次のはたらきがあります。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
食べ物の消化・吸収・代謝をサポートしたり、有害なものをデトックスするのがモリブデンのおもなはたらきです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
不溶性食物繊維
キャベツに5番目に豊富な不溶性食物繊維。精製していない穀物・野菜・きのこ類に多い栄養で、便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。
キャベツの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
キャベツ2枚に1.4g。
キャベツを食べると……
女性が摂れている量は、93%
キャベツに、12%
合計で、105%
男性が摂れている量は、84%
キャベツに、10%
合計で、94%
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきはこちら。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- ダイエット
不溶性食物繊維は「便の回数が少ない、便の量が少ない」タイプの便秘解消が得意。腸の中で数十倍にふくらんで便のカサを増やして、腸の動きを活発にしてくれます。
ちなみに、水溶性食物繊維は「便がかたい、いきまないと出ない」タイプの便秘解消が得意。かたい便に水分をあたえて柔らかくしてお通じをスムーズにします。
便秘のタイプによってどちらの食物繊維を摂るべきなのか、こちらをご覧ください↓
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キャベツに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- キャベツを食べると
どんな効果が得られる? - どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
キャベツの8つの効果効能
ビタミンK、ビタミンC、葉酸をはじめ、いろんな栄養が多い健康野菜、キャベツ。
これらの栄養のはたらきから、キャベツに期待される効果効能をまとめてみました。
- 骨を強くする
ビタミンKが骨にカルシウムを取り込むのを助けるとともに、骨からカルシウムが溶け出すのも防ぐ。 - 貧血を予防する
葉酸やモリブデンが血液をつくり、ビタミンCが鉄分の吸収を助ける - 風邪を早く治す
ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - アンチエイジング
老化や病気のもととなる活性酸素をビタミンCの高い抗酸化作用で除去する - 体に有毒な物を排出する
モリブデンは体に有毒な物を分解して、不溶性食物繊維が重金属や食品添加物などの有害物質を排出する - 疲労回復
糖質や脂質の代謝を促進するとともに、消化酵素のはたらきを助ける - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 便秘解消
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して数倍から数十倍にふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする
ということで、キャベツをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそキャベツを食べて!
キャベツをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 骨粗しょう症を予防したい(特に閉経後の女性)
- 生活習慣病が気になる
- 風邪をひきやすい
- 体調がいまひとつ
- 疲れやすい
- 胃腸の調子が良くない
- ストレスが多い
忙しい毎日を過ごす40代以降の方にぜひ食べてもらいたいのが、キャベツなのです。
キャベツに多い栄養:まとめ
キャベツに多い栄養や健康効果についてお伝えしました。
キャベツに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、モリブデン、不溶性食物繊維、クロム、カリウム、ビタミンB6、水溶性食物繊維、カルシウム
キャベツの効果:骨を強くする、貧血予防、風邪を早く治す、アンチエイジング、デトックス、疲労回復、ストレスから守る、便秘解消
こんな人こそ食べてほしい:骨粗しょう症を予防したい、生活習慣病が気になる、風邪をひきやすい、体調がいまひとつ、疲れやすい、ストレスが多い
キャベツにはがん予防に効果の高い「イソチオシアネート」や「ペルオキシダーゼ」という2つの酵素もたっぷり。
「キャベジン」とも呼ばれるビタミンUは胃腸をしっかりと守ってくれます。
効果効能にあふれたキャベツ。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。