うなぎといえばスタミナ満点の食材。土用の丑など夏バテ防止に召し上がる方も多いでしょう。
その通りうなぎには栄養が凝縮。でもどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- うなぎはどんな栄養が多い?
- 蒲焼き1人前で1日に必要な栄養の何%を摂れる?
- うなぎの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。栄養価も健康効果も満載のうなぎで元気な毎日を過ごしましょう。
うなぎの蒲焼き1人前の栄養価
私たちに不足しがちな栄養のなかでうなぎに多い栄養は、ビタミンA、B1、B2、D、E、カルシウムなど。
さまざまなビタミンやミネラルがぎっしり!ビタミンAもDも1日に必要な量の2倍以上も含まれています。
うなぎの効果として、骨を強くする、感染症から守る、心臓の動きを守る、高血圧の予防、抗酸化作用、疲労回復、動脈硬化や心筋梗塞の予防などが期待できます。
そんなうなぎ。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養はどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは生のうなぎの栄養価ではなく、
- うなぎの蒲焼き1人前で、
1日分の栄養の何%が摂れる? - うなぎに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでくわしくお伝えします。
うなぎの蒲焼き1人前:うなぎ100g
一般的にうな重1人前にうなぎは100gほど。ちなみにスーパーなどの蒲焼は1尾150gが一般的です。ここでは生のうなぎではなく「うなぎの蒲焼き1人前(100g)」の栄養価を紹介します。
うなぎに多いビタミン
まずはビタミン。
うなぎの蒲焼きを1人前食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
うなぎに多く含まれているビタミンは次の7つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンD | 224% |
ビタミンA | 214% |
ビタミンB12 | 92% |
ビタミンE | 82% |
ビタミンB1 | 68% |
ビタミンB2 | 62% |
ナイアシン | 59% |
うなぎといえばビタミンAというイメージかもしれませんが、ビタミンB群やDもぎっしり詰まっています。
特に、ビタミンA、B1、Dは私たちに足りない栄養。少しの量のうなぎでもしっかりと補えます。
では次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
うなぎに多いミネラル
うなぎの蒲焼き1人前で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
うなぎに豊富なミネラルは次の5つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
セレン | 168% |
ヨウ素 | 59% |
リン | 38% |
亜鉛 | 34% |
カルシウム | 23% |
セレンの抗酸化作用はビタミンEの100倍とも言われています。ヨウ素は代謝の促進と強い殺菌効果を発揮します。
免疫を高める亜鉛や、私たちに不足しているカルシウムもうなぎには豊富に含まれています。
では、うなぎ1人前に含まれる食物繊維をお伝えしてから、うなぎの8つの効果効能を紹介します。
うなぎに多い食物繊維
うなぎの蒲焼き1人前の食物繊維の量はというと……
うなぎには含まれていません。食物繊維は炭水化物の一部なので魚介類全般にはほとんど含まれていないのです。
では、
不足しがちな栄養のなかで、
うなぎに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
うなぎで不足分を補える栄養とその効果
うなぎに多く含まれる栄養は、ビタミンD、A、セレン、ビタミンB1、B2、B12、ビタミンE、などですが……
セレン:
一般的な食生活ではまず不足しません。
ビタミンB12:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
うなぎがなぜ体にいいのか、というと、
私たちに足りない栄養を補えるから。
うなぎで私たちの不足分をしっかり補える栄養は、ビタミンA、D、E、B1、B2、カルシウムの6つ。
ではこれらの栄養素は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- うなぎでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンD
うなぎで不足分が補える栄養。1つめはビタミンD。感染症から守ったり強い骨をつくるはたらきのある栄養です。
うなぎのビタミンDの量
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
うなぎ1人前には19μg。
1日の必要量の2倍以上です。
私たちは普段からビタミンDをどのくらい摂れていて、うなぎ1人前でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、75%
うなぎには、224%
合計で、299%
男性が摂れている量は、87%
うなぎには、224%
合計で、311%
不足がちなビタミンDがうなぎには凝縮。すこしの量でも不足分を十分に補うことができます。
ビタミンDの効果
おもなはたらきはこちらの3つ。
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
- 丈夫な骨をつく(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉をスムーズに動かす
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンD不足では骨や筋肉が弱くなります。特に閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるので、意識して日光を浴びたり、うなぎのほかビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を食べましょう。
ビタミンA
2つめの栄養はビタミンA。免疫力を高めたり活性酸素を取り除くはたらきがあります。
うなぎのビタミンA
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
うなぎ1人前には1500μgRAE。
では普段からどのくらい摂れていて、うなぎ1人前でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、74%
うなぎには、214%
合計で、288%
男性が摂れている量は、61%
うなぎには、167%
合計で、228%
ビタミンAの効果
おもに次の5つのはたらきが期待できます。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
ウイルスから守って感染症を予防したり、抗酸化作用で病気や老化から守るビタミンA。特に男性は大幅に不足しています。
うなぎのほか、レバー、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、サニーレタス、たまごなど、ビタミンAの豊富な食べ物をこちらで紹介しています↓
ビタミンE
うなぎで不足分が補える3つめの栄養はビタミンE。サラサラ効果で動脈硬化や心筋梗塞から守ってくれます。
うなぎのビタミンE
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
うなぎ1人前には4.9mg。
うなぎを食べると……
女性が摂れている量は、108%
うなぎには、82%
合計で、190%
男性が摂れている量は、100%
うなぎには、70%
合計で、170%
ビタミンEの効果
おもなはたらきはこちらの7つ。
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
ビタミンEは血管の掃除役。血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などには必須の栄養です。
ビタミンB1
4つめの栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエットなどの効果があります。
うなぎのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
うなぎ1人前には0.75mg。
女性が摂れている量は、79%
うなぎには、68%
合計で、147%
男性が摂れている量は、74%
うなぎには、54%
合計で、128%
ビタミンB1の効果
- 疲労を回復する
- 中枢神経や末梢神経を正常にはたらかせる
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1不足になりやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、白いご飯や白いパンを食べる(玄米などを食べない)人など。
うなぎなどビタミンB1の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンB2
5つめの栄養はビタミンB2。疲労回復や生活習慣病の予防効果を発揮します。
うなぎのビタミンB2
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
うなぎ1人前には0.7mg。
女性が摂れている量は、93%
うなぎには、62%
合計で、155%
男性が摂れている量は、76%
うなぎには、46%
合計で、122%
ビタミンB2の効果
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘解消
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変えるビタミンB2。特に男性にはまったく足りていません。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
カルシウム
うなぎで不足分が補える6つめの栄養はカルシウム。高血圧の予防や心臓の動きを守るはたらきもあります。
うなぎのカルシウム
1日に必要なカルシウムは
女性が650mg、男性が750mg。
うなぎ1人前には150mg。
女性が摂れている量は、76%
うなぎには、23%
合計で、99%
男性が摂れている量は、69%
うなぎには、20%
合計で、89%
カルシウムの効果
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓の規則的な動きをたもつ
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかに整える
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
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うなぎで不足分を補える栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
うなぎを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
うなぎの8つの効果効能
うなぎにはビタミンもミネラルもぎっしり!これらの栄養のはたらきから、うなぎに期待される効果をまとめてみました。
- 骨を丈夫にする
カルシウムの吸収を助ける - 風邪やインフルエンザから守る
粘膜を守ってウイルスをブロックして免疫を高める - 筋肉をしなやかに動かす
- 心臓の動きを守る
筋肉をスムーズに動かして心臓のリズムを正常に維持する - 高血圧を予防する
カルシウムが不足すると骨の中のカルシウムを溶かして血液中へ過剰に補給するので、カルシウム濃度が高まって高血圧になる - さまざまな病気や老化を予防する
ビタミンA、E、セレンの高い抗酸化作用で活性酸素を除去する - 疲労回復
- サラサラ効果で動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ
ということで、うなぎをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそうなぎを食べて!
うなぎをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 風邪をひきやすい
- 血圧が気になる
- 生活習慣病が気になる
- 骨を強くしたい
- 揚げ物や脂っこい物が好き
- お酒をよく飲む
- お菓子や甘い物が好き
玄米や全粒粉パンを食べない、疲れやすい、お腹まわりが気になる、といった方にもぜひ食べてもらいたいのがうなぎなのです。
うなぎに多い栄養:まとめ
うなぎに多い栄養や健康効果についてお伝えしました。
うなぎで不足を補える栄養:ビタミンA、B1、B2、D、E、カルシウム
うなぎの効果:骨を強くする、感染症を予防する、筋肉をしなやかに動かす、心臓の動きを守る、高血圧の予防、抗酸化作用、疲労回復、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防
こんな人こそ食べてほしい:風邪をひきやすい、血圧が高い、生活習慣病が気になる、骨粗しょう症を予防したい、揚げ物が好き、お酒が好き、甘い物が好き
うなぎはちょっと高価な食べ物。手軽には食べられないかもしれませんが、その分栄養価はぎっしり詰まっています。
ご自身へのごほうびも兼ねて、ぜひ召し上がってみてください。