ビタミンAの多い果物にはどんなものがあるのか、ご存じですか?
ビタミンAは、うなぎ、にんじん・かぼちゃなどの緑黄色野菜、鶏・豚・牛のレバーに多い栄養素。免疫力を高めて感染症を予防したり目を健康にたもつはたらきを発揮します。
そんなビタミンA。果物で手軽に摂ることができればうれしいですよね。
そこで身近な果物の中から「100gあたり」ではなく「一度に食べる量」に換算してビタミンAの多い果物を20位までランキングでお伝えします。
このページを読めば、どの果物をどのくらい食べると、1日に必要なビタミンAの何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかりますよ!
【関連記事】ビタミンAが豊富な野菜20選【1食分あたり】摂取量や効果も紹介!
【関連記事】ビタミンCの豊富な食べ物ランキング【1食分で比較】摂取量や効果も!
ビタミンAの効果とは?
ビタミンAの多い果物を紹介する前に……
ビタミンAの効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンAの5つの効果
ビタミンAの効果は感染症予防、アンチエイジング、美肌、粘膜の保護など。おもに次の5つです。
- インフルエンザなどの感染症から守る:
粘膜を整えてウイルスが体内に侵入しないように防いで免疫力を高める - 病気の予防、アンチエイジング:
高い抗酸化作用で活性酸素を除去して、健康で若々しい体を維持する - 肌や髪を美しくする:
新陳代謝を促進して肌・爪・髪を健康に保つ - 夜盲症の予防:
夜や暗い場所で物が見えにくくならないように視力を守る - 子供の成長を促進する:
細胞の増殖をサポートして成長を促進する
※参考サイト:e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
免疫力を高めるだけでなく、さまざまな病気を予防し、目の健康を保ち、子供の成長をサポートするビタミンA。
不足するとどんな影響があるのでしょうか?
ビタミンAが足りないとどうなる?
ビタミンAが不足すると、風邪をひきやすくなったり肌荒れを起こすといった影響があります。
- 免疫力が低下してインフルエンザや風邪をひきやすくなる
- 病気や老化へのリスクが高まる(活性酸素の増加)
- 視力が下がったり、暗い所でまわりの物が見えにくくなる
- 肌荒れ、髪のパサつき、爪が弱くなる
- 子供の発育が妨げられる
一番の影響は免疫力の低下。ウイルスからくる感染症を予防するためにはビタミンAは欠かせない栄養素です。
果物は抗酸化作用の高いビタミンC、食物繊維、酵素などの栄養も多い健康食材。ぜひ毎日の食生活に取り入ましょう。
ビタミンAを摂りすぎるとどうなる?
ビタミンAは摂りすぎてもよくありません。摂りすぎると……
- 頭痛、めまい
- 腹痛、吐き気、嘔吐
- 脱毛
- 肌が乾燥する、肌がはげ落ちる
- 骨折しやすくなる
- 妊娠初期の場合、胎児の発育に悪影響を及ぼす(器官形成異常など)
不足するのも、摂りすぎるのも良くないビタミンA。
とはいえ一般的な食生活なら摂りすぎの悪影響はさほど心配ないでしょう。ビタミンAのサプリメントを飲んでいる人は飲む量を守るようにしましょう。
ではビタミンAは1日にどのくらい必要なのでしょうか?
ビタミンAの必要量と摂取量
1日に必要なビタミンAはどのくらいでしょうか?
私たちは普段の摂取量(摂れている量)はどうでしょうか?不足しているのでしょうか?
1日に必要なビタミンAは?
ビタミンAの1日に必要な量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なビタミンA
女性:650~700μgRAE
男性:800~900μgRAE
例)30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
私たちの実際の摂取量は?
ビタミンAの実際の摂取量(摂れている量)はどのくらいなのかというと……
実際に摂れているビタミンA
30~64歳では……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
178μgRAE(25%)不足
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
349μgRAE(39%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
「ビタミンAは肉や魚にも豊富に含まれている。欧米型な食事になってきた日本人には不足しにくい栄養素である。」
なんて書かれているものもありますが、実際の摂取量はかなり不足しています。1日に必要なビタミンAに対して、女性は約75%しか、男性は約60%しか摂れていないのです。
ビタミンAが不足しやすい人は?
ビタミンAの摂取量が特に不足しやすい人はこちら。
- 緑黄色野菜をあまり食べない
- たまごをあまり食べない
- 魚(ししゃも、わかさぎ、しらすなど)をあまり食べない
そして、風邪をひきやすい、肌が乾燥しがち、といった人はビタミンAが不足している傾向があります。ビタミンAの多い食べ物を意識して食べましょう!
では身近な果物の中から、100gあたりではなく「一度に食べる量」に換算して、ビタミンAの多い果物を20位までお伝えします。
ビタミンAの多い果物ランキング
ビタミンAの多い果物を紹介していきましょう。
ちなみに、果物を食べるタイミングは「食後」はNG!「食間などの空腹時」がおすすめです。
食後の果物が体によくない理由はこちら↓
果物を食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
1~10位の果物
1~10位の果物を紹介する前に、ビタミンAの多い順に20位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
※厳密にはビタミンAではなくレチノール活性当量(β-カロテンなどのカロテノイドが体内でビタミンAのはたらきをする時の換算量)のランキングです。
ビタミンAが群を抜いて多い果物はすいか。短い旬の時期にはぜひ食べてみてください。
次いで、みかん、柿、グレープフルーツ、オレンジ、キウイなどの果物にビタミンAは豊富ですね。
ではこの20位までの果物それぞれの「1食分に含まれるビタミンA」をお伝えします。
まずは1~10位まで。
ビタミンAの必要量と摂取量
30~64歳なら……
女性の必要量:700μgRAE
摂取量の平均:522μgRAE
男性の必要量:900μgRAE
摂取量の平均:551μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足、
と頭に置きながらそれぞれの果物の含有量をチェックしてみてください。
1~10位の果物には8~258μgRAE。女性にとって1日に必要なビタミンAの1~37%を摂ることができます。
1位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
259μgRAE
ビタミンAがもっとも多い果物はすいか。女性にとって1日に必要なビタミンAの37%(男性なら29%)も摂ることができます。女性の摂取量の不足分をまるまるカバーできる量ですね。
すいかのほとんどは水分というイメージですが、ビタミンC、B6、カリウム、マグネシウムも豊富!感染症予防、生活習慣病の予防が期待できます。
すいかの栄養価がすごい!どんな栄養素が多い?7つの効果とは?
※すいかは分類上「野菜」ですが、果物の感覚で食べているので果物のランキングに加えました。
2位:みかん
Mサイズのみかん1個(80g)に
67μgRAE
果物のなかでも手軽に食べられるみかんは、ビタミンCだけでなくビタミンAも豊富。
すいか1食分と比べるとわずか1/4ではありますが、これはみかん1個分のビタミンA。3個食べれば女性の不足分をまるまる補うことができます。
3位:柿
柿1個(184g)に
64μgRAE
柿はビタミンAも豊富ですが、なによりビタミンCがぎっしり!1食分あたりのビタミンCの多い食べ物ランキングでは、1位がゴールドキウイ、2位が柿なのです。
4位:干し柿
干し柿2個(50g)に
60μgRAE
干し柿はビタミンAだけでなく食物繊維の宝庫!1食分あたりの食物繊維の多い食べ物ランキングでも第1位。1日の目標量の約20gに対して、干し柿2個に7gも含まれています。
干し柿はぎっしり詰まった不溶性食物繊維をはじめ、カリウム、マンガンも豊富な果物。便秘解消、デトックス、血圧を下げる、コレステロールや中性脂肪を減らす、ダイエットに効果を発揮します。
干し柿の栄養がすごい!2個あたりの栄養価と7つの効果とは?
5位:マンゴー
マンゴー1/2個(91g)に
46μgRAE
女性の1日分のビタミンAの7%。摂取量の不足分(178μgRAE)の1/4を補うことができます。
南国の強い日差しで育ったマンゴーは栄養も抗酸化力も抜群に高い果物。流れをサラサラにしたり中性脂肪や血圧の改善が期待できます。
マンゴーの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と9つの効果とは?
6位:グレープフルーツ(ルビー)
グレープフルーツ1/2個(105g)に
36μgRAE
果物としてはビタミンAが6番目に多いグレープフルーツですが、ビタミンAの量は女性の1日分の5%です。
7位:干しプルーン
干しプルーン2粒(20g)に
22μgRAE
干しプルーンは糖質が多めなので、1日に食べる適量として2粒あたりのビタミンAを紹介しています。
鉄分よりも食物繊維、やカリウム、ビタミンEが豊富な果物。便秘解消、血圧や中性脂肪の改善、動脈硬化の予防が期待できます。
ドライプルーンの栄養がすごい!その栄養価と7つの効果とは?
8位:ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジ1個(104g)に
11μgRAE
9位:はっさく
はっさく1/2個(97g)に
9μgRAE
はっさくはビタミンC、B群、カリウム、食物繊維もたっぷりな果物。風邪を早く治す、ストレスから守る、貧血予防、便秘を解消するはたらきがあります。
はっさくの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
10位:さくらんぼ(国産)
さくらんぼ15粒(81g)に
8μgRAE
果物のなかでは10位ですが、1日に必要なビタミンAの1%しか含まれていません。
*-*-*-*-*
ビタミンAの多い果物を1~10位まで紹介しました。
11位以降はビタミンAがさらに少なくなりますが、ご参考までに紹介します。
11~20位の果物
ビタミンAの多い果物、11~20位です。
ビタミンAの必要量
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
女性は178μgRAE不足、
男性は349μgRAE不足。
11~20位の果物には女性にとって1日に必要なビタミンAの0.3~1.1%と、かなり少なくなります。
11位:きんかん
きんかん4個(68g)に
7.5μgRAE
きんかんに含まれているビタミンAは女性の1日分の1.1%。摂取量の不足分の4%を補える量です。
きんかんのビタミンAは1日に必要な量の1%ほどですが、ビタミンC、E、水溶性食物繊維はぎっしり!その高い栄養価はこちら↓
きんかんの効能がすごい!どんな栄養が多い?9つの効果は?
12位:なつみかん
なつみかん1/2個(96g)に
6.7μgRAE
13位:グリーンキウイ
グリーンキウイ1個(100g)に
6μgRAE
グリーンキウイはビタミンAを摂るためよりも「食物繊維を摂る」ために最適な果物!
グリーンキウイ1個に2.5gの食物繊維。腸内環境をしっかり整えてくれます。
寝る1時間前に、常温の水と一緒に、常温のグリーンキウイを食べる。これが腸内環境を整えてくれます。
グリーンキウイは食べるタイミングによって効果が大きく変わります。食べ方についてはこちらをご覧ください。
キウイを食べる時間はいつ?食べ方、量、タイミング、9つの効果とは?
13位タイ:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
6μgRAE
パイナップルはビタミンC、B群、マンガン、カリウム、食物繊維など栄養豊富な果物。疲労回復、貧血予防、便秘解消をサポートします。
パイナップルの栄養がすごい!その栄養価と9つの効果とは?
15位:バナナ
バナナ1本(90g)に
5μgRAE
バナナはビタミンAよりは、B6、C、葉酸、カリウム、マグネシウムが豊富な果物。疲労回復、新陳代謝の促進、月経前のつらさをやわらげる、美肌に効果的です。
バナナの栄養がすごい!1本あたりの栄養価と7つの効果とは?
【関連記事】バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
16位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
4μgRAE
17位:ゴールドキウイ
ゴールドキウイ1個(100g)に
3μgRAE
ゴールドキウイの栄養素といえばビタミンC。1食分あたりでビタミンCの多い食べ物ランキングでは第1位です!
ゴールドキウイ1個に140mgのビタミンC。1日に必要な量の1.4倍も含まれています。
18位:ブルーベリー
ブルーベリー50粒(50g)に
3μgRAE
冷凍のブルーベリーなら手軽に食べることができますね。
19位:いちご
いちご10粒(200g)に
2μgRAE
※いちごは分類上「野菜」ですが果物のように食べているものなので、このランキングに加えています。
20位:アメリカンチェリー(米国産)
アメリカンチェリー10粒(91g)に
2μgRAE
*-*-*-*-*
ビタミンAの豊富な果物を20位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
いかがでしたでしょうか。
ちなみに緑黄色野菜なら、
にんじん1/2本に576μgRAE、
かぼちゃの煮物2切れに254μgRAE。
比べて果物は、
2位のみかんで67μgRAE、
6位のグレープフルーツで36μgRAE。
果物でビタミンAをしっかり摂るのはちょっと難しいかもしれませんね。
緑黄色野菜やたまごやチーズを取り入れながら、酵素やビタミンCの豊富さという点で果物を意識して摂るのがおすすめです。
ビタミンAの多い果物:まとめ
ビタミンAの豊富な果物やその効果をお伝えしました。
ビタミンAの多い果物:すいか、みかん、柿、マンゴー、グレープフルーツ、干しプルーン、ネーブルオレンジ
ビタミンAの効果:感染症から守る、アンチエイジング、病気の予防、肌や髪を美しくする、夜盲症の予防、子供の成長を促進する
不足すると?:風邪をひきやすい、さまざまな病気へのリスクが高まる、暗い所でまわりが見えにくくなる、肌トラブル、子供の発育が妨げられる
摂りすぎると?:頭痛、めまい、腹痛、吐き気、脱毛、肌の乾燥、骨折のリスクが高まる、妊娠初期の場合に胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性
1日の必要量:30~64歳の場合、女性は700μgRAE(摂取量は522μgRAE)、男性は900μgRAE(摂取量は551μgRAE)
果物には、ビタミンC、カリウム、食物繊維、酵素も豊富。特に酵素は果物と発酵食品にしか含まれていません。
毎日の食生活に果物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。