ラ・フランスで有名な洋梨。食感と香りが楽しめるちょっとおしゃれな果物ですね。
まだ少し身近ではないかもしれませんが、洋梨の栄養価やすごい効能を知ったら、食べずにはいられなくなること、間違いなしです。
これからお伝えする内容を読むと、
- 洋梨に多い栄養は?
- 1個食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 洋梨の健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことがはっきりとわかります。洋梨の栄養を取り入れて若々しい毎日を過ごしましょう。
【関連記事】梨の栄養がスゴい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
洋梨1個の栄養価
洋梨に多い栄養は、カリウム、銅、モリブデン、水溶性と不溶性の食物繊維、ビタミンC、Eなど。
ビタミンよりはミネラルや食物繊維が豊富。特に私たちにまったく足りていない水溶性食物繊維がぎっしり含まれているのが特徴です。
洋梨の効果としては、動脈硬化の予防、血圧や血糖値をおさえる、中性脂肪を減らす、便秘の解消、貧血予防、デトックスなどが期待できます。
では、
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養はどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
そこで、
- 洋梨を1個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 洋梨に多い栄養は何?
- どんなはたらきが期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
洋梨1個=212g
洋梨は1個が250gほど。皮と芯を除くと可食部は212gほどです。
洋梨に多いビタミン
まずはビタミンから。
洋梨を1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
洋梨に多く含まれているビタミンはEとCの2つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンE | 11% |
ビタミンC | 6% |
ぎっしりとまでは言えませんが、抗酸化作用の高いビタミンEとCが豊富に含まれています。
次は洋梨にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
洋梨に多いミネラル
洋梨を1個食べると、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
洋梨に多く含まれるミネラルは次の3つ。女性の1日の必要量の何%を摂れるのかというと……
銅 | 36% |
カリウム | 15% |
モリブデン | 11% |
銅は貧血を予防したり免疫力を高める栄養。カリウムは血圧ケアに、モリブデンも貧血の予防や疲労を回復するはたらきがある栄養です。
では、洋梨に含まれる食物繊維をお伝えしてから、洋梨の8つの効果効能を紹介します。
洋梨に多い食物繊維
洋梨を1個食べると女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
水溶性食物繊維 | 25% |
不溶性食物繊維 | 20% |
私たちに不足している栄養ですが、洋梨ならたっぷりと摂ることができます。
なかでも1日に必要な量の55%ほどしか摂れていない水溶性食物繊維を洋梨1個で25%も補うことができるのです。
その効果は血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値など生活習慣病の予防に幅広く活躍。ぜひ洋梨を取り入れたいですね。
では、
洋梨に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
洋梨に多い栄養とその効果
洋梨1個の栄養価のなかで、女性が1日に必要な量に対して豊富な栄養はこの6つ。
銅 | 36% |
水溶性食物繊維 | 25% |
不溶性食物繊維 | 21% |
カリウム | 15% |
モリブデン | 11% |
ビタミンE | 11% |
ではそれぞれの栄養について、
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 洋梨1個でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
銅
洋梨にもっとも多い栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきの必須ミネラルです。
洋梨の銅の量は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
洋梨1個に0.25mg。
私たちは普段から銅をどのくらい摂れていて、洋梨でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている銅は、149%
洋梨1個に、36%
合計で、185%
男性が摂れている銅は、133%
洋梨1個に、28%
合計で、161%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- いろんな病気や老化を防ぐ
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
鉄分ではなく銅の不足も貧血の原因になります。特に不足しやすい人はこちら。
- ストレスをいつも抱えている人
→ 体から排出される銅の量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられます
洋梨のほか、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳などにも銅は豊富。くわしくはこちらで紹介しています↓
水溶性食物繊維
洋梨に2番目に多い栄養で、生活習慣病を予防するはたらきの高さから注目が高まっています。
洋梨の水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
洋梨に1.5g。
洋梨には日本の梨の3倍も含まれています。
では、私たちにどのくらい不足していて、洋梨でどう補えるかというと……
女性が摂れている量は、58%
洋梨に、25%
合計で、83%
男性が摂れている量は、51%
洋梨に、21%
合計で、72%
私たちには大幅に不足している栄養ですが、洋梨ならしっかりと補うことができます。
ちなみに洋梨以外の果物なら、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーン、りんごなどに豊富です。
※1日の必要量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、女性は6g、男性は7gとしています。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
水溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病の予防効果がとても高い栄養です。海藻にもたっぷり含まれていますので、意識して摂るようにしましょう。
不溶性食物繊維
洋梨に3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。野菜、きのこ類、未精製の穀物に豊富な栄養で、便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。
洋梨の不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
洋梨に2.5g。
洋梨を食べると……
女性が摂れている量は、93%
洋梨に、21%
合計で、114%
男性が摂れている量は、84%
洋梨に、18%
合計で、102%
不溶性食物繊維の効果は?
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
水溶性のものも不溶性のものも便秘を改善します。ただし、便秘のタイプによってどちらを摂るべきなのかが違います。くわしくはこちら↓
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、正しい摂りかたとは?
次は洋梨に4番目に多い栄養「カリウム」のはたらきについてお伝えします。
カリウム
4番目の栄養はカリウム。血圧をおさえたり心臓の動きを守るはたらきのある必須ミネラルです。
洋梨のカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
洋梨に297mg。
女性が摂れている量は、111%
洋梨に、15%
合計で、126%
男性が摂れている量は、96%
洋梨に、12%
合計で、108%
なお、カリウムが不足しやすいのはこんな人。
- 下痢することが多い
- 食生活がかたよっている
- 下剤や利尿剤を飲むことが多い
- 降圧剤を長く使用している
- 汗をよくかく
- 足がよくつる
- ストレスが多い
暑い夏もたくさん汗をかくことでカリウム不足になりやすい季節。
洋梨のほかにカリウムが豊富な食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豚肉、鮭、アジなど。こちらでくわしく紹介しています↓
カリウムの効果は?
カリウムのはたらきはおもに次の5つ。
- 体内の余分な塩分を出す
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
モリブデン
洋梨に5番目に豊富な栄養はモリブデン。代謝を促進したり血液をつくるはたらきのある必須ミネラルです。
洋梨のモリブデンは?
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
洋梨に2.1μg。
女性:1日の必要量の11%
男性:1日の必要量の7%
モリブデンは「私たちがどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないようです。
モリブデンの効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 貧血を予防する
- 疲労を回復する
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
食べた物を消化・代謝してエネルギーに変える、有害なものをデトックス、血液を作る、といったはたらきですね。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
ビタミンE
6番目の栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養です。
洋梨のビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
洋梨に0.64mg。
女性が摂れている量は、108%
洋梨に、11%
合計で、119%
男性が摂れている量は、100%
洋梨に、9%
合計で、109%
ビタミンEの効果は?
ビタミンEのおもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
ビタミンEは血管の掃除役。血液中のコレステロールを取り除いて、流れをよくします。
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洋梨に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
洋梨を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
洋梨の8つの効果効能
洋梨はミネラルや食物繊維を中心にいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、洋梨に期待される効能をまとめてみました。
- 動脈硬化の予防
銅が血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくり、ビタミンEの強力な抗酸化作用がコレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管の細胞膜のダメージも防いで血管を健康にしなやかに保つ - 血圧を下げる
水溶性食物繊維やカリウムが余分なナトリウム(塩分)を排出する - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になって腸のなかをゆっくり進むことで消化をゆっくりにする - 中性脂肪を減らす
食べ物に含まれる脂肪が中性脂肪となる前に水溶性食物繊維がキャッチして排出する - コレステロールを減らす
水溶性食物繊維がコレステロールをキャッチして排出するとともに、コレステロールを消費して減らす - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が、便のカサを増やして腸を刺激してぜんどう運動を活発にし、固くなった便に水分を与えて柔らかくして、お通じをスムーズにする - 貧血の予防
モリブデンが鉄分のはたらきを促進し、銅が鉄と一緒になって血液をつくる - 有害物質を排出する
モリブデンが体に有毒な物を分解し、不溶性食物繊維が有害物質を排出する
そして、洋梨をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ洋梨を食べて!
洋梨をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- ぽっちゃりが気になる
- 便秘がち
- 貧血ぎみ
- 脂っこい食べ物や洋食が好き
- お酒をよく飲む
- ストレスが多い
和食中心で玄米菜食、きのこや海藻もよく食べている人はこれらには当てはまらないでしょう。
洋食が多い、お米・パン・麺類が好き、お酒をよく飲む、外食が多い、といった生活の人は生活習慣病の心配も大きいでしょう。
そんな方にこそぜひ食べてもらいたいのが洋梨なのです。
洋梨に多い栄養:まとめ
洋梨に多い栄養と効果効能を紹介しました。
洋梨に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、銅、水溶性と不溶性の食物繊維、カリウム、モリブデン、ビタミンE
洋梨の効果:動脈硬化の予防、血圧を下げる、血糖値をおさえる、中性脂肪やコレステロールを下げる、便秘の解消、貧血の予防、有害物質の排出
こんな人に食べてほしい:血圧が高い、血糖値が気になる、ぽっちゃり、便秘がち、貧血ぎみ、洋食や脂っこい食べ物が好き、お酒が好き、ストレスが多い
たっぷり含まれた水溶性食物繊維で生活習慣病の予防効果が期待できる洋梨。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。