カリウムの多い野菜はなにか、ご存じですか?
余分なナトリウム(塩分)を排出し、生活習慣病の予防にも効果を発揮するカリウム。40歳を過ぎた世代にはしっかり摂りたい栄養素の代表ですね。
「カリウムといえばバナナ」というイメージかもしれませんが、野菜にもたっぷり。
そこで身近な野菜の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりの含有量に換算して、カリウムの多い野菜を20位までランキングでお伝えします。
このページを読むと、どの野菜をどのくらい食べると1日分のカリウムの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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カリウムの必要量と摂取量
カリウムの多い野菜ランキングの前に、1日に必要な量はどのくらいなのでしょうか?
そして……
私たちはカリウムはちゃんと摂れているの?不足しているの?
1日に必要なカリウムは?
カリウムの1日に必要な量(=目安量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
カリウムの1日の目安量
女性:2,000mg
男性:2,500mg
あなたはカリウムを十分摂れているのか不足しているのか、わかりますか?
では、私たちは実際にどのくらいの量のカリウムを摂れているのかというと……
カリウムは不足している?
カリウムをどのくらい摂れているのかというと……
実際に摂れているカリウムの量
女性:2,220mg
※目安量より220mg多く摂れています
男性:2,387mg
※113mg不足しています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性は十分に足りているのですが、男性が95.5%とやや不足しています。
また、下痢ぎみな人、利尿剤を飲んでいる人などはカリウム不足になりやすいとか。意識して摂るようにしましょう。
カリウムが不足すると?
カリウム不足でおこる影響はこちら。
- 高血圧
- 不整脈
- むくみ
- 食欲不振
- 脱力感、筋力の低下
- 疲れが取れない
- 足などがよく「つる」
※参考サイト:厚生労働省 、e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムを摂るときの注意
カリウムは水に溶け出る栄養素です。
水洗いする、水にさらす、茹でる、といった調理で水に溶け出てしまって、野菜に含まれるカリウムの量が減ってしまいます。
カリウムが少しでも減らないような工夫が大切ですね。
- 水洗いはできるだけ手早くする
- 水にさらすのも短時間に
- 茹ですぎに注意
- 野菜スープなら具だけではなくスープもしっかりいただく
では身近な野菜の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりの含有量に換算して、カリウムの多い野菜を20位までランキングでお伝えします。
カリウムの多い野菜ランキング
カリウムの多い野菜を20位までランキングで紹介します。
ちなみに食べ物全般で比較したものはこちら↓
カリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
1~10位の野菜
10位までの野菜を紹介する前に、カリウム多い野菜を20位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
カリウムが多い野菜はダントツで里芋。そのほかのいも類、トマト、枝豆、緑黄色野菜にも多いですね。
では、この20位までの野菜それぞれの「1食分に含まれるカリウムの量」をお伝えします。
まずは1~10位まで。
カリウムの1日の目安量
女性:2,000mg(220mg多く摂れています)
男性:2,500mg(113mg不足です)
これから紹介する20位までの野菜すべて、男性の不足分をまるまる補うことができます。
1位:里芋(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
1,344mg
里芋は野菜にかぎらずカリウムの多い食べ物のなかでもダントツの含有量。1日に必要なカリウムのうち女性なら67%、男性なら54%もの量を摂ることができます。
食物繊維もバツグンに多い里芋。ふだんの食生活にぜひ取り入れたい野菜です。
ちなみに冷凍の里芋を使った場合は、カリウムの含有量は約半分の714mgになります。
2位:じゃがいも
じゃがバター1個(140g)に
602mg
野菜の第2位はじゃがいも。
さといもと比べると半分以下の含有量にはなりますが、1日に必要なカリウムのうち女性なら30%、男性なら24%を摂ることができます。
じゃがいもはビタミンC、B群、銅、食物繊維もたっぷり!感染症の予防、貧血予防、血圧を下げる、肌荒れ・口内炎の予防、ストレス緩和などが期待できます。
じゃがいもの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
3位:トマトジュース(食塩無添加)
トマトジュース200mlに
520mg
半分の100ml飲むだけでも260mgのカリウムが摂れるので、男性の不足分113mgを軽くおぎなうことができます。
4位:ミニトマト(サラダ)
ミニトマト10個(150g)に
435mg
普通のトマト1個の重さ(約150g)に合わせて、ミニトマト10個(150g)あたりのカリウムを紹介しています。
ミニトマトは普通のトマトよりいろんな栄養素が豊富。風邪の治りを早くする、動脈硬化や心筋梗塞や高血圧の予防、貧血予防、アンチエイジングなどの効果を発揮します。
ミニトマトの栄養がすごい!10個あたりの栄養価と9つの効果とは?
5位:さつまいも
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
432mg
6位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
423mg
1日に必要なカリウムのうち女性なら21%、男性なら17% 。
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどになります。
冷凍ものの枝豆を自然解凍するだけなのでとても手軽。ビタミンB1、B2、葉酸、食物繊維なども豊富でアルコールの分解も助けてくれます。
※さやが緑色で実(豆)も未成熟な枝豆は分類上「野菜」。大豆になると分類上は「穀物」になります。
7位:トマト水煮缶詰(ホール:食塩無添加)
トマトの水煮150gに
360mg
8位:れんこん(きんぴら)
れんこんのきんぴらの
小鉢1皿(80g)に
352mg
れんこんはビタミンC、B群、銅、不溶性食物繊維なども豊富な野菜。感染症から守る、アンチエイジング、ストレスに対抗する、血圧を下げる、デトックスなどが期待できます。
れんこんの栄養がすごい!1皿あたりの栄養価と7つの効果とは?
9位:切り干し大根(煮物)
切り干し大根の煮物の
小鉢1皿(33g)に
350mg
乾燥の切り干し大根10gを使用。水で戻すと重さは3.3倍の33gになります。
切り干し大根は水溶性と不溶性の両方の食物繊維のバランスがよく、しかもたっぷり。生活習慣病の予防やスムーズなお通じのためにもぜひ食べてほしい健康野菜です。
10位:かぼちゃ
かぼちゃの煮物2切れ(77g)に
331mg
煮物サイズにカットしたかぼちゃ2切れに含まれるカリウムです。1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量ですね。
1日に必要なカリウムのうち女性なら17%、男性なら13%。わずか2切れで男性の不足分(176mg)をかるく補うことができます。
かぼちゃにはビタミンA、C、E、マグネシウム、不溶性食物繊維なども豊富。動脈硬化や心筋梗塞の予防、免疫力アップ、アンチエイジング、貧血予防、便秘解消などに効果を発揮します。
かぼちゃには栄養が凝縮!その高い栄養価と7つの効果とは?
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カリウムの多い野菜を10位まで紹介しました。次は11~20位までの野菜です。
11~20位の野菜
カリウムの多い野菜。
続いて11~20位です。
11~20位の野菜にはカリウムが206~315mg含まれています。
カリウムの1日の目安量
女性:2,000mg(220mg多く摂れています)
男性:2,500mg(113mg不足です)
11位:トマト(サラダ)
トマト中サイズ1個(150g)に
315mg
1日分のカリウムのうち女性なら16%、男性なら13%を摂ることができます。
12位:ほうれん草(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿(1/4袋分:45g)に
311mg
おひたしの場合は、同じ量のほうれん草を使って作ると約半分の162mg。カリウムは水に溶け出てしまうので、おひたしにすると少なくなってしまいます。
ほうれん草はビタミンA、C、E、K、葉酸、マグネシウム、鉄分などがたっぷり!子供の成長促進、感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化や高血圧の予防、肌や粘膜を整える、貧血予防などが期待できます。
ほうれん草の栄養がすごい!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
13位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
301mg
14位:サニーレタス
サニーレタスのサラダ1皿
(1/4玉分:70g)に
287mg
普通のレタスなら同じ量でもカリウムはサニーレタスの半分の148mg。それでも男性の不足分はすべて補えます。
15位:大根(煮物)
大根の煮物1皿(130g)に
273mg
大根を3センチ幅で輪切りにして茹でると130gほどになります。
ちなみに、大根をおろすことで作られる「イソチオシアネート」というすごい健康成分も注目されています。酵素も凝縮された大根は生で食べるのもおすすめです。
大根にはビタミンC、葉酸、食物繊維が豊富。大根の栄養価と効果はこちら↓
大根に多い栄養素はなに?8つの効果も紹介します!
大根はビタミンC、B群、モリブデン、食物繊維などが豊富な野菜。生活習慣病の予防、便秘解消、デトックス、貧血の予防などの効果が期待できます。
大根の栄養がすごい!大根サラダ1皿の栄養価と8つの効果とは?
16位:セロリ(サラダ)
セロリ1本(65g)に
267mg
17位:にんじん
にんじん1/2本分の炒め物に
240mg
にんじんはビタミンAがトップクラスの野菜。この1食分で1日に必要なビタミンAの50%以上も摂ることができます。
ほかにもビタミンEや水溶性と不溶性の食物繊維などが多く、免疫力アップ、アンチエイジング、デトックス、血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値の改善、美肌などが期待できます。
にんじんの栄養がすごい!1/2本あたりの栄養価と8つの効果とは?
18位:なす
なす1本半分の炒め物に
238mg
19位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿(1/2袋分:64g)に
216mg
春菊1/2束(80gほど)を茹でると約64gに。生ではなく茹でた春菊の栄養価です。
春菊はβ-カロテンとビタミンKが抜群に多く、ビタミンE、カルシウム、鉄分、食物繊維も豊富。サラサラ効果、免疫力アップ、貧血予防、子供の成長促進、骨を強くするなどの効果があります。
春菊には栄養が凝縮!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
20位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
206mg
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カリウムの多い野菜を20位までお伝えしました。ではもう一度グラフで見てみましょう。
20位までの野菜はすべて、1食分で男性の不足分113mgをおぎなうことができます。
ではカリウムの効果について簡単にお伝えします。
カリウムの4つの効果
カリウムが持つおもな4つの効果はこちら。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
カリウムの効果といえばやはり、余分な塩分を排出することによる高血圧予防。そのほか心臓や筋肉の動きを正常に整えてくれる栄養素なのです。
カリウムの多い野菜:まとめ
カリウムの多い野菜を20位までランキングで紹介しました。
カリウムの多い野菜:さといも、じゃがいも、トマト、さつまいも、枝豆、れんこん、切り干し大根、かぼちゃ、ほうれんそうなど
1日の目安量:女性で2,000mg、男性で2,500mg
カリウムは不足しがち?:女性は足りていて、220mgも多く摂れています。男性は113mgが不足しています。
不足すると?:血圧が高くなる、不整脈、むくみ、食欲がない、脱力感、疲労など
カリウムの効果:ナトリウムの排出、高血圧の予防、心臓のはたらきを正常に、筋肉の動きをサポート。
カリウムは比較的不足しにくい栄養素。でもナトリウムの摂りすぎをカバーするにはしっかりと摂りたいもの。
カリウムの多い野菜をふだんの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。