里芋は野菜のなかではすこし身近ではないかもしれません。
でも里芋にはうれしい栄養がぎっしり詰まっていること、ご存じでしたか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 里芋はどの栄養が多い?
- 煮っころがしを一皿食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 里芋の健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。里芋を食べずにはいられなくなりますよ!
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里芋の煮っころがし一皿の栄養価
里芋に多い栄養は、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、ビタミンE、マグネシウム、カリウム、鉄分、銅、マンガン、食物繊維など。
いろんな栄養素がぎっしりと含まれていて、超優良食材と言えるでしょう。
里芋の効果としては、血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、便秘解消、むくみの解消、疲労回復、骨を強くする、美肌などが期待できます。
そんな里芋。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、
- 里芋の煮っころがしを一皿食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 里芋に多い栄養は何?
- どんな効能が期待できる?
ということで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
里芋の煮っころがし一皿
=里芋5個(210g)
手軽な冷凍のさといもを使用した場合の栄養価を紹介します。里芋は大きさのわりに重たいので、煮っころがし一皿として5個食べると210gほどになります。
里芋に多いビタミン
まずはビタミンから。
里芋の煮っころがしを一皿(5個)食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
里芋一皿に多く含まれているビタミンは次の7つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンB6 | 27% |
ナイアシン | 26% |
ビタミンE | 25% |
葉酸 | 19% |
パントテン酸 | 13% |
ビタミンB1 | 13% |
ビタミンC | 11% |
ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンEは1日に必要な量の25%ほども摂ることができます。
ちなみに、ビタミンC・E以外の5つの栄養はすべて「ビタミンB群」です。
次は里芋にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
里芋に多いミネラル
里芋の煮っころがし一皿(5個)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
里芋一皿に豊富なミネラルは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
銅 | 39% |
カリウム | 36% |
マンガン | 34% |
鉄 | 19% |
マグネシウム | 15% |
銅、カリウム、マンガンは1日に必要な量の1/3も摂れるほどの多さです。
では、里芋の煮っころがし一皿あたりの食物繊維をお伝えしてから、里芋の8つの効果効能を紹介します。
里芋に多い食物繊維
里芋の煮っころがし一皿(5個)で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
水溶性食物繊維 | 28% |
不溶性食物繊維 | 21% |
里芋には、私たちが1日に必要な量の半分程度しか摂れていない水溶性食物繊維がぎっしり!
煮っころがし一皿で28%も摂ることができて、血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値など生活習慣病の予防に大きな効果が期待できます。
ちなみに里芋以外で豊富に含まれている食べ物はこちらでくわしく紹介しています↓
では、
里芋に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
里芋に多い栄養とその効果
里芋はビタミン・ミネラル・食物繊維など、ありとあらゆる栄養がぎっしり詰まっている超健康食材。
なかでも、女性が1日に必要な量に対して多い栄養の5つがこちら。
銅 | 39% |
カリウム | 36% |
マンガン | 34% |
水溶性食物繊維 | 28% |
ビタミンB6 | 27% |
このほか、ナイアシン、ビタミンE、不溶性食物繊維、鉄分、葉酸など。どれも里芋一皿(5個)で1日に必要な量の20%以上も摂ることができる栄養です。
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 里芋でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
銅
里芋にもっとも多い栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきがあります。
里芋の銅の量は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
里芋一皿に0.27mg。
さて私たちは、普段から銅をどのくらい摂れていて、里芋の煮っころがし一皿食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている銅は、149%
里芋一皿に、39%
合計で、188%
男性が摂れている銅は、133%
里芋一皿に、30%
合計で、163%
ふだんから十分な量を摂れていますが、里芋でさらに摂ることができます。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
鉄分ではなく「銅」が足りないことが原因の貧血は珍しくありません。また、病気や老化を予防する抗酸化作用が高いのも銅の特徴。
銅が不足しやすい人は……
- ストレスを抱えている人:
銅が体から排出される量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人:
銅や鉄の吸収がさまたげられます
銅は食べ物から摂る分には摂りすぎによる悪影響はまずありません。里芋のほかナッツ類、納豆、豆腐など銅の多い食べ物を意識して摂るようにしましょう。
カリウム
2番目の栄養はカリウム。バナナよりもはるかに多いカリウムが里芋には含まれています。
里芋のカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
里芋一皿に714mg。
※バナナ1本(90g)には324mgです。
では、普段からどのくらい摂れていて、里芋の煮っころがし一皿でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、111%
里芋に、36%
合計で、147%
男性が摂れている量は、96%
里芋に、29%
合計で、135%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 余分なナトリウムを体から出す
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
やはり一番は余分な塩分(ナトリウム)を排出して血圧を下げるはたらきですね。
ちなみに、身近な食べ物1食分で1番カリウムが多いのは、冷凍ではなく生の里芋で作った煮っころがし。1日に必要な量の50%も摂ることができます。
2位は冷凍ものの里芋。手軽な冷凍ものでも1日に必要な量の約30%も摂ることができます。
【関連記事】カリウムの多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も紹介!
マンガン
里芋に3番目に多く含まれるマンガン。アンチエイジングや強い骨をつくるはたらきを発揮する栄養です。
里芋のマンガンは?
1日に必要なマンガンは
女性が3.5mg、男性が4mg。
里芋一皿に1.2mg。
女性:1日に必要な量の34%
男性:1日に必要な量の30%
マンガンは「普段の食生活でどのくらい摂取できているか」の調査がないのですが、通常の食生活なら不足することも、摂りすぎることも、まずないようです。
【関連記事】マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- エネルギーをつくる:
脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化 - 強い骨をつくる
- 美しい肌をつくる:
ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける - インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
水溶性食物繊維
里芋に4番目に豊富な水溶性食物繊維。これが里芋を食べてほしい一番の理由です。
生活習慣病の予防に劇的な効果を発揮するにもかかわらず、私たちが必要量のわずか55%程度しか摂れていない栄養です。
里芋の水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
里芋一皿に1.68g。
里芋を食べると……
女性が摂れている量は、58%
里芋に、28%
合計で、86%
男性が摂れている量は、51%
里芋に、24%
合計で、75%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性6g、男性7gとしています。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
水溶性食物繊維の効果は?
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病が気になる世代にとってうれしいはたらきが満載な水溶性食物繊維。里芋でしっかりと補うことができます。
とはいえまだ必要量には足りません。身近な食べ物の1食分あたりで多く含まれるものはこちら↓
ビタミンB6
里芋に5番目に豊富なビタミンB6。脂肪の代謝を促進したり、月経前の悩みをやわらげるなどのはたらきがあります。
里芋のビタミンB6は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
里芋一皿に0.3mg。
女性が摂れている量は、99%
里芋に、27%
合計で、126%
男性が摂れている量は、90%
里芋に、21%
合計で、111%
ビタミンB6は体内でも作られるので不足しにくい栄養なのですが、次のような人は不足しやすい傾向にあります。
- プロテイン(タンパク質)をたくさん摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
通常の食生活で摂りすぎによる悪影響は心配ありません。あてはまる人はビタミンB6の多い食べ物を積極的に食べましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪を燃焼してエネルギーに変える
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
*-*-*-*-*
里芋に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- 里芋を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
里芋の8つの効果効能
里芋には、カリウム、水溶性食物繊維、ビタミンB群など、あらゆる栄養がぎっしり。
これらの栄養のはたらきから、里芋に期待される健康効果をまとめてみました。
- 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が余分なナトリウム(塩分)を排出する - 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前に水溶性食物繊維がキャッチして排出する - コレステロールを下げる
水溶性食物繊維がコレステロールをキャッチして排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 便秘を解消する
水溶性食物繊維が固くなった便に水分をあたえて柔らかくしてお通じをスムーズにする - 貧血を予防する
銅が鉄分と一緒になって血液をつくる - 疲労を回復する
ビタミンB6やマンガンが脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 強い骨をつくる
銅が骨を強くするコラーゲンやエラスチンをつくり、マンガンが骨にミネラルが沈着するのを助ける - 美肌
ヒアルロン酸づくりをサポートし、肌荒れから守って、弾力のある肌をつくる
ということで、里芋をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ里芋を食べて!
里芋をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 血圧が高い
- 血糖値が高い
- コレステロールが気になる
- 便秘がち
- 疲れがとれない
- むくみやすい
- 肌荒れや口内炎が気になる
- ストレスが多い
40代からの生活習慣病が気になる年代はもちろんのこと、洋食中心、便秘がち、体調がいまひとつ、といった方にぜひ食べてもらいたいのが、里芋なのです。
里芋に多い栄養:まとめ
里芋に多い栄養と効果効能をお伝えしました。
里芋に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、銅、カリウム、マンガン、水溶性食物繊維、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンE、不溶性食物繊維、鉄分、葉酸
里芋の効果:血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、便秘解消、むくみ解消、疲労回復、骨を強くする、美肌
こんな人こそ食べてほしい:血圧・血糖値・コレステロールなど生活習慣病が気になる人、便秘がち、疲れやすい、むくみやすい、肌荒れ、ストレスが多い
里芋には、私たちにまったく足りていない水溶性食物繊維をはじめ、ビタミンもミネラルもぎっしり。
ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。