にんじんに多い栄養素やその効果効能、ご存じですか?
にんじんの栄養といえばβカロテン。ビタミンAですね。でもほかにもいろんな栄養素が凝縮しています!
これからお伝えする内容を読むと、
- にんじんはどの栄養素が多い?
- 1/2本食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- にんじんの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。にんじんの栄養を上手に摂って元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】かぼちゃには栄養が凝縮!その高い栄養価と7つの効果効能とは?
にんじん1/2本の栄養素
にんじんに多い栄養素は、ビタミンA、B群、E、K、カリウム、銅、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維など。
特にビタミンA(β-カロテン)が抜群に豊富なのが特徴的です。
にんじんの効果として、感染症から守る、アンチエイジング、有害物質の排出、血圧を下げる、中性脂肪・コレステロールを減らす、血糖値をおさえる、便秘解消、美肌などが期待できます。
そんなにんじん。
どの栄養素がどのくらい含まれていて、
その栄養素のはたらきは何か、
ご存じですか?
ここでは一度に食べる量として……
- にんじんを1/2本食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる? - にんじんに多い栄養素は何?
- どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
一度に食べる量
=にんじん1/2本(80g)
1本が約150gでその半分を一度に食べる量としました。にんじん1/2本(80g)あたりの栄養価を紹介します。
にんじんに多いビタミン
まずはビタミンから。
にんじんを1/2本食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
にんじんに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンA | 82% |
ビタミンK | 9% |
ビタミンB6 | 7% |
葉酸 | 7% |
ナイアシン | 7% |
ビタミンAがダントツ。1日に必要な量をほぼ摂ることができます。
次いで強い骨をつくるビタミンK。代謝をサポートするビタミンB群(B6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、B1、B2)が多く含まれています。
次はにんじんにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
にんじんに多いミネラル
にんじん1/2本で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
にんじんに豊富なミネラルは次の3つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
カリウム | 12% |
銅 | 6% |
カルシウム | 3% |
ミネラルのなかではカリウムがダントツ。体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、心臓のはたらきを守る栄養素です。
では、にんじん1/2本あたりの食物繊維をお伝えしてから、にんじんの8つの効果効能を紹介します。
にんじんに多い食物繊維
にんじんにはどのくらい食物繊維が含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 14% |
水溶性食物繊維 | 9% |
どちらも私たちに足りていない栄養素。にんじんには2種類とも豊富に含まれています。
では、
にんじんに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
にんじんに多い栄養素とその効果
にんじん1/2本あたりの栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンA | 82% |
不溶性食物繊維 | 14% |
カリウム | 12% |
水溶性食物繊維 | 9% |
ビタミンK | 9% |
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- にんじんでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンA
にんじんにもっとも多い栄養素はビタミンA。感染症から守る、粘膜を守る、活性酸素を除去するなどのはたらきがあります。
にんじんのビタミンAの量は?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
にんじん1/2本に576μgRAE。
さて私たちは、普段からビタミンAをどのくらい摂れていて、にんじんを1/2本食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、74%
にんじん1/2本に、82%
合計で、156%
男性が摂れている量は、61%
にんじん1/2本に、64%
合計で、125%
ビタミンAはかなりの不足ですが、にんじんで十分に補えます。ふだん摂れているビタミンAの量よりも、にんじんのビタミンAのほうが多いですね。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンAの効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
免疫力を高めて感染症から守るビタミンA。にんじんのほかにも、春菊、大根の葉、かぼちゃなどに多く含まれています。
ビタミンAが多い野菜20選【1食分あたり】摂取量や効果も紹介!
不溶性食物繊維
2番目に多く含まれる栄養素は不溶性食物繊維。野菜、きのこ、玄米などに豊富で、便秘解消やデトックスなどの効果を発揮します。
にんじんの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
にんじん1/2本に1.7g。
では、普段からどのくらい摂れていて、にんじんでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
にんじんに、14%
合計で、107%
男性が摂れている量は、84%
にんじんに、12%
合計で、96%
不足しがちな栄養素ですが、にんじんでほぼ補うことができます。
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
食品添加物や洗剤・シャンプー類の化学物質など知らず知らずに体内に入ってきます。
デトックスには貴重な体内酵素が大量に浪費されてしまいます。不溶性食物繊維のチカラで効率よくデトックスしましょう。
また便秘の解消については……
不溶性食物繊維は、便の回数が少ない、便の量が少ない、といったタイプの便秘に効果的。体内で水分を吸って大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。
水溶性食物繊維は、便が固い、いきまないと出ない、といったタイプの便秘に効果的。固い便に水分を与えて柔らかくしてお通じをスムーズにします。
便秘解消に効果的な摂り方についてはこちらを参考になさってください↓
カリウム
にんじんに3番目に豊富なカリウム。血圧ケアだけでなく心臓の動きを守るはたらきもある栄養素です。
にんじんにカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
にんじん1/2本に240mg。
にんじんを食べると……
女性が摂れている量は、111%
にんじんに、12%
合計で、123%
男性が摂れている量は、96%
にんじんに、10%
合計で、106%
カリウムの効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
日本人は塩分を摂りすぎている傾向があります。1日に必要な量の1.5倍も摂っているとか。
にんじんなどカリウムの多い食べ物で体の余分な塩分を排出しましょう。
水溶性食物繊維
4番目の栄養素は水溶性食物繊維。昆布のヌルッとしている部分など海藻や果物に豊富で、生活習慣病の予防効果の高さが注目されています。
にんじんの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
にんじん1/2本に0.6g。
女性が摂れている量は、58%
にんじんに、9%
合計で、67%
男性が摂れている量は、51%
にんじんに、8%
合計で、59%
私たちは1日に必要な量の半分程度しか摂れていません。しかしすごい効果を発揮する栄養素なのです。
それは……
水溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病の予防効果がハツグンに高いと期待されているのが水溶性食物繊維。
そんなすごい効果にもかかわらず、私たちが摂れているのは必要な量の半分程度と大幅に不足しています。
摂るのがちょっと難しい栄養素ですが、身近な食べ物にも豊富に含まれているものはたくさん!こちらで紹介しています↓
ビタミンK
5番目に豊富なビタミンK。骨を強くし、出血時の止血を助ける効果があります。
にんじんのビタミンKは?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
にんじん1/2本には14μg。
女性が摂れている量は、157%
にんじんに、9%
合計で、166%
男性が摂れている量は、164%
にんじんに、9%
合計で、173%
ビタミンKは十分摂れている栄養素ですが、食生活がかたよっていたり、抗生物質を長い期間飲んでいる人は不足しやすくなります。意識して摂りましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫にする
- 切り傷など出血した血を固める
食べ物から摂ったカルシウムを腸から骨へと運ぶのがビタミンD。カルシウムを骨にペタッとくっつけて強くするのがビタミンKなのです。
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にんじんに多く含まれる栄養素とそのはたらきをお伝えしました。最後にまとめて、
- にんじんを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
にんじんの8つの効果効能
にんじんにはビタミンA、食物繊維、カリウムなどいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、にんじんに期待される健康効果をまとめてみました。
- 免疫力を高めて感染症を予防する
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高める - 若々しく元気な体に
ビタミンA、E、銅の抗酸化作用が老化やさまざまな病気の原因となる活性酸素を除去する - 有害物質を排出する
不溶性食物繊維が重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する - 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維が食べ物にふくまれる脂肪やコレステロールをキャッチして体から出す - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進んで、消化スピードを遅くする - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が固くなった便に水分をあたえて柔らかくしたり、腸のなかで水分を吸って大きく膨らんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、お通じを改善する - 美しい肌と髪に
ビタミンAやB群が新陳代謝を促進して美しい肌・髪・爪をつくる
ということで、にんじんをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそにんじんを食べて!
にんじんをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 血圧が高い
- お腹まわりが気になる
- 便秘ぎみ
- 肌荒れ、髪のパサつきが気になる
- 免疫力を高めたい
生活習慣病が気になる40代以降の人はもちろんのこと、免疫力を高めて感染症を予防したい、腸内環境を整えたい、といった方にぜひ食べてもらいたいのがにんじんなのです。
にんじんに多い栄養素:まとめ
にんじんに多い栄養素についてお伝えしました。
にんじんに多い栄養素:1日に必要な量に対して多い栄養素は、ビタミンA、B群、E、ビタミンK、不溶性と水溶性の食物繊維、カリウム、銅など
にんじんの効果:感染症予防、若々しく元気な体に、有害物質の排出、血圧を下げる、中性脂肪・コレステロールを減らす、血糖値をおさえる、便秘解消、肌と髪を美しくする
こんな人に食べてほしい:風邪など体調を崩しやすい、血圧が高い、血糖値が気になる、ぽっちゃり、便秘がち、肌荒れしやすい、感染症を予防したい
にんじんの栄養素はやはり免疫力アップで感染症予防のビタミンA。そして生活習慣病予防とデトックスの食物繊維。
どちらも私たちに不足している栄養素です。にんじんを意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。