ビタミンDの多い食べ物にはなにがあるか、ご存じですか?
ビタミンDは骨を強くするために大切なビタミン。食べ物から摂るだけでなく、日光を浴びることでも体内で作ることができるビタミンですね。
年齢を重ねるにつれて不足しがちになりますし、冬や梅雨の時期など太陽の出る時間が短い時期も不足しがちになるのがビタミンD。
そこで身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく【1食分あたり】の含有量に換算して、ビタミンDの多い食べ物を30位までランキングで紹介します。
このページを読めば、どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なビタミンDの何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかりますよ!
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ビタミンDの効果とは?
ビタミンDの多い食べ物を紹介する前に、まずはビタミンDの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてお伝えします。
ビタミンDの3つの効果
ビタミンDにはおもに次のような効果があるとされています。
- 骨を丈夫に
カルシウムの吸収を助ける - 筋肉の動きをスムーズに
血液中のカルシウム濃度を調整する - 風邪やインフルエンザから守る
免疫を高める
ちなみに、ビタミンDの役割は食べ物に含まれていたカルシウムを腸から骨へと運ぶこと。運ばれたカルシウムを骨にくっつけるのがビタミンKです。
ビタミンDが不足すると?
ビタミンDが不足すると……
- くる病(乳幼児が骨の変形や発育不全になるもの)
- 骨が弱くなる、骨粗しょう症
- 筋肉が弱くなる
ビタミンDが不足しがちになる人は、更年期を過ぎた女性、肥満ぎみの人、高齢者の方。
ビタミンDが不足しがちになる時期は、日が短い冬の時期、雨が多い梅雨、秋の長雨の時。
ビタミンDの多い食べ物を積極的に摂るように心がけましょう。
ビタミンDを摂りすぎると?
ビタミンDは脂溶性のビタミン。摂りすぎるのも良くありません。摂りすぎによる悪影響はこちら。
- 食欲不振、吐き気、嘔吐
- 脱力感
- 神経過敏(神経が興奮しやすい)
- 腎機能障害、腎不全
ただし、摂りすぎのほとんどはサプリメントの飲みすぎによるもの。
ビタミンDの摂取量の上限は大人で100μg。
鮭の塩焼きを毎日3切れ食べ続ける、サバの水煮缶を毎日5缶食べ続ける、といったことでもしないと摂れない量なので……
通常の食生活でビタミンDの摂りすぎを心配する必要はなさそうです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省eJIM「ビタミンD」
では、ビタミンDは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのか、お伝えします。
ビタミンDの必要量と摂取量
ビタミンDは1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
年齢別で1日に必要なビタミンDは?
ビタミンDの1日に必要な量(=目安量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
ビタミンDの1日の必要量
18歳以上なら、
女性も男性も8.5μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
「目安量」は1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量のこと。
あなたの体重が平均的ならこのくらいのビタミンDを摂れば大丈夫よ、という量ですね。
では、私たちはビタミンDをちゃんと摂れているのかというと……
ビタミンDの摂取量は?
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンDの実際の摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:8.5μg
平均の摂取量:5.7μg
2.8μg(32%)不足
男性の必要量:8.5μg
平均の摂取量:6.8μg
1.7μg(20%)不足
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
この必要量は「日光を浴びるとビタミンDが作られるので、あとは食べ物でこのくらい摂ってくださいね」という量。
食べ物から摂るべきビタミンDはかなり不足しています。日光にあまり当たっていない人はさらに不足しているので、ビタミンDの多い食べ物を意識して食べることが大切です。
では身近な食べ物の中から1食分あたりでビタミンDの多い食べ物をランキングにて紹介します。
ビタミンDの多い食べ物ランキング
ビタミンDの多い食べ物を30位まで紹介します。
100gあたりではなく1食分あたりに含まれるビタミンDの多い食べ物です。
1~10位の食べ物
1~10位の食べ物を紹介する前に、ビタミンDの含有量の多い順にグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンDの多い食べ物の15位まではすべて魚。特に鮭や青魚に多いですね。
では、これらの食べ物それぞれの「1食分に含まれるビタミンDの量」を紹介します。
まずは1~10位まで 。
ビタミンDの1日の必要量
女性も男性も8.5μg
1~10位の食べ物には5~30μg。1日に必要なビタミンDの58%~349%も摂ることができます。
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れに
30μg
1日に必要なビタミンDの3.5倍も摂ることができます。
紅鮭1切れは約100gで塩焼きにすると78gほどに。生ではなく「焼いた紅鮭の栄養価」を紹介しています。ロシアやアラスカ産のものが一般的です。
2位:白鮭(塩焼き)
しろさけ(白鮭)の塩焼き1切れに
29μg
しろさけは1日に必要な量の3.4倍も摂ることができます。
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色。
秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭」と呼びます。
3位:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前(うなぎ100g)に
19μg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが多いようです。
4位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れに
16μg
銀鮭なら1切れで1日に必要なビタミンDの約2倍 。
紅鮭なら3.5倍、白鮭なら3.4倍と、鮭はビタミンDを摂るうえではかなり優秀な食べ物ですね。
銀鮭はビタミンB群、E、セレンもたっぷり!疲労回復、ダイエット、サラサラ効果、貧血予防、アンチエイジングが期待できます。
銀鮭は栄養がぎっしり!1切れの栄養価と7つの効果とは?
5位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
10μg
6位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
10μg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨を取り除くと76gほどです。
7位:まいわし(焼いたもの)
焼いたいわし2尾(64g)に
9μg
7位の「まいわし」までなら、1食分で1日に必要なビタミンDをまるまる摂ることができます。
いわしはビタミンB群、E、鉄分、銅、亜鉛が豊富。貧血予防、免疫力アップ、ダイエットにも効果を発揮します。
イワシには栄養がぎっしり!その栄養価と6つの効果とは?
8位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
7μg
9位:あじ(あじフライ)
アジフライ2枚(100g)に
7μg
10位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
5μg
1日に必要なビタミンDの58%を摂ることができます。
びんながまぐろは抗酸化力が抜群のセレン、ビタミンB6、B12、ナイアシンも豊富な魚。疲労回復、動脈硬化や心筋梗塞の予防、肝機能を高める、集中力アップが期待できます。
びんながまぐろの栄養がすごい!刺身5切れの栄養価と7つの効果とは?
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ビタミンDの多い食べ物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
ビタミンDの多い食べ物、11~20位です。
ビタミンDの1日の必要量
18歳以上なら、
女性も男性も8.5μg
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足です。
11~20位の食べ物には1.5~4.8μg。1日分のビタミンDの18%~56%も摂ることができます。
11位:さば(みそ煮缶詰)
さば味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
4.8μg
骨ごと食べられるさばの味噌煮缶にはカルシウムはもちろん、ビタミンB群、E、鉄分がぎっしり!骨を強くする、心臓を守る、動脈硬化や高血圧の予防、疲労回復が期待できます。
さば味噌煮缶の栄養がすごい!1缶あたりの栄養価と8つの効果とは?
12位:ぶりの照り焼き
照り焼き1切れ(82g)に
4.4μg
ブリ1切れで1日に必要なビタミンDのほぼ半分を摂ることができます。
13位:きはだまぐろ
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
4.2μg
びんながまぐろは5切れで5μg。
大きな違いはありません。
14位:かつお(たたき:春獲り)
鰹のたたき6切れ(100g)に
4.0μg
秋に獲れるかつおの方がビタミンDは豊富。同じ6切れに9μgも含まれていて、1日に必要なビタミンDが全部摂れますね。
15位:しらす干し
しらす丼1杯分(しらす30g)に
3.6μg
しらす30gは大さじで5~6杯分で、私たちに必要なビタミンDの42%。女性の不足分(2.8μg)をまるまる補うことができます。
しらすにはカルシウムもたっぷりで、1食分(30g)あたりに84mg含まれていて、女性に足りないカルシウム(=173mg)の約半分をカバーできます。
ビタミンDとカルシウムが一緒に摂れるしらすをぜひふだんの食生活に摂り入れましょう。
★くわしくは → カルシウムの多い食べ物ランキング35【1食分】で比較!
16位:エリンギ(バター炒め)
エリンギのバター炒め(1パック分)に
2.6μg
エリンギ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると84gほどになります。
魚以外でランクインした最初の食べ物がエリンギ。1日に必要なビタミンDの31%です。
ビタミンDの多いキノコ類といえば「しいたけ」をイメージするかもしれませんが……
1食分をエリンギと同じ量(84g:生しいたけ7個半)としても、しいたけには0.4μg。エリンギの1/6しか含まれていません。
エリンギにはビタミンDのほかにビタミンB群、カリウム、不溶性食物繊維も豊富。骨粗しょう症の予防、感染症の予防、血圧を下げる、便秘の解消が期待できます!
エリンギの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
17位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
2.5μg
18位:生たまご(全卵)
Lサイズの生たまご1個(60g)に
2.3μg
ゆでたまごの場合は、同じLサイズ1個に1.5μgです。
19位:ツナ缶
ツナ缶1缶(ツナ50g)に
1.5μg
ツナ缶1缶が70gで正味量を50gとして栄養価を紹介しています。
20位:ゆでたまご
Lサイズのゆでたまご1個(60g)に
1.5μg
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ビタミンDの多い食べ物を11~20位まで紹介しました。次は21~30位を紹介します。
21~30位の食べ物
ビタミンDの多い食べ物。
最後は21~30位です。
ビタミンDの1日の必要量
女性も男性も8.5μg
女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足です。
21~30位の食べ物には0.1~1.4μg。1日分のビタミンDの1%~17%が含まれています。
21位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
1.4μg
わかさぎは1食分あたりのカルシウム含有量が第1位!1日に必要なカルシウムの約半分をおぎなえます。
ビタミンDとカルシウムがたっぷり摂れるわかさぎは骨を強くする最適な食べ物!心臓を守る、感情をおだやかにする、高血圧の予防にも効果を発揮します。
わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
22位:豚レバー
豚レバー100g
(レバニラ炒め1皿分)に
1.3μg
1日に必要なビタミンDの15%を摂ることができます。
23位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
0.8μg
ヒレカツはビタミンDが0.3μg。ロースかつのほうがビタミンDは豊富で、ロースかつ1枚で1日に必要なビタミンDの10%を摂ることができます。
豚肉といえば疲労回復の食べ物というイメージですが、食べ方によってかえって疲労の原因になることもあるんです。疲労を回復する食べ方はこちら↓
豚肉だけでは疲労回復に逆効果!豚肉の栄養・効果・食べ方とは?
24位:牛乳
牛乳200mlに
0.6μg
25位:えのきたけ(炒め物)
えのきたけの炒め物一皿
(えのきたけ1パック使用)に
0.6μg
えのきたけ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると77gほどになります。
エリンギもえのきたけも1食分の量はほぼ同じですが、エリンギにはビタミンDが2.6μg。えのきたけの4倍も含まれています。
えのきたけはビタミンB群、カリウム、鉄分、銅、不溶性食物繊維が多く、ストレスへの抵抗力アップ、便秘解消、貧血予防が期待できます。
えのきたけの栄養がすごい!1パックの栄養価と9つの効果とは?
26位:ししゃも
からふとししゃも5尾(81g)に
0.4μg
ししゃもとからふとししゃもとありますが、一般的に出回っているのは「からふとししゃも」です。
27位:ぶなしめじ
ぶなしめじのバター炒め(1パック分)に
0.4μg
ぶなしめじ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると75gほどになります。
しめじにはビタミンB群、不溶性食物繊維、カリウムが豊富。便秘解消、高血圧予防、疲労回復、集中力アップの効果があります。
しめじの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
28位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
0.3μg
生のヒレ肉ではなく、油で揚げたヒレカツの栄養価です。
29位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
0.2μg
30位:しいたけ(油炒め)
しいたけの油炒め2個分に
0.1μg
しいたけ1個はいしづきを取り除くと約12g。油で炒めると11gほどになります。
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ビタミンDの豊富な食べ物をランキングで30位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
ビタミンDが多い食べ物はやはり魚。鮭、青魚、まぐろ、さば缶、ツナ缶など、身近な魚にもビタミンDがしっかりと含まれています。
ビタミンDの多い食べ物:まとめ
ビタミンDの多い食べ物、効果、必要な量と私たちの摂取量についてお伝えしました。
ビタミンDの多い食べ物:鮭、青魚、さば、まぐろ、エリンギ、たまご、豚肉、えのきたけ、しめじ、クリームチーズ
ビタミンDの効果:骨を丈夫にする、筋肉の動きをスムーズにする、免疫を高めてウイルスから守る
不足すると?:くる病(乳幼児の骨の変形や発育不全)、骨粗しょう症、筋力が弱くなる
摂りすぎると?:食欲不振、吐き気、嘔吐、脱力感、神経過敏、腎機能障害
1日の必要量:女性も男性も8.5μg
1日の必要量:18歳以上なら、女性も男性も8.5μg。女性は2.8μg不足、男性は1.7μg不足です。
ビタミンDは「サンシャインビタミン」とも呼ばれる栄養素。
多く含む食べ物を摂るだけでなく、日光を浴びて、ビタミンD不足にならないよう気をつけましょう。