パントテン酸の多い野菜にはどんなものがあるか、ご存じですか?
パントテン酸はビタミンB群のひとつで、レバーや納豆や鮭などに豊富。では野菜なら何に多く含まれているのでしょうか?
ここでは100gあたりではなく「1食分あたり」でパントテン酸の多い野菜を20位までランキングでお伝えします。
ヘルシーな野菜でパントテン酸をしっかり摂って気持ちのよい毎日を過ごしましょう!
【関連記事】ビタミンCの多い野菜20選【1食分で比較】摂取量や効果も!
【関連記事】亜鉛の多い野菜20選【1食分で比較】摂取量や効果も!
パントテン酸の効果とは?
パントテン酸の多い野菜を紹介する前に……
パントテン酸にはどんな効果がある?
足りないとどうなる?
摂りすぎるとどうなる?
についてお伝えします。
パントテン酸の5つの効果
パントテン酸の効果は、肥満の予防、疲労回復の促進、動脈硬化の予防、美肌・美髪など。くわしくはこちらの5つです。
- 肥満の予防・改善:
糖質や脂質を燃焼させて消費することで太らないようにする - 疲労回復を促進する:
食べ物に含まれる脂質・糖質・たんぱく質をエネルギーに変える - 生活習慣病の予防:
サラサラ効果を発揮して動脈硬化を予防する - 髪や肌を美しく整える:
ビタミンCのはたらきを助けてコラーゲンを作り、髪や肌を美しくする - ストレスから守る:
ストレスをやわらげる「副腎皮質ホルモン」のはたらきを助けて、ストレスへの抵抗力を高める
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸が足りないとどうなる?
パントテン酸が足りないと次のような影響をきたす場合があります。
- 肥満、やせにくい
- 疲れがとれない、体が重たい
- 食欲不振
- 髪のパサつき、髪が傷む、肌荒れ
- なかなか寝つけない、ぐっすり眠れない
- イライラや不安を感じやすくなる
パントテン酸を摂りすぎるとどうなる?
摂りすぎによる悪影響の心配はありません。パントテン酸は水溶性のビタミンなので、摂りすぎても尿として排出されます。
ではパントテン酸はどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
パントテン酸の必要量と摂取量
私たちに必要なパントテン酸の量はどのくらいでしょうか?
そして私たちが実際に摂れている量(摂取量)はどのくらいでしょうか?
1日に必要なパントテン酸
1日に必要なパントテン酸はこちら。
1日に必要なパントテン酸
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
私たちのパントテン酸の摂取量
私たちの実際のパントテン酸の摂取量はこちらです。
実際のパントテン酸の摂取量
18~49歳では……
女性の必要量:5.0mg
摂取量の平均:4.9mg
0.1mg(2%)不足
男性の必要量:5.0mg
摂取量の平均:5.8mg
0.8mg(16%)多く摂れています
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性の摂取量はわずかに足りませんが、ほぼ摂れています。
パントテン酸は腸内細菌によっても作られているので不足しにくい栄養なのですが、中には不足しがちな人もいます。どんな人かというと……
パントテン酸が足りない人
次のような方はパントテン酸の摂取量が足りていない傾向にあります。
- コーヒーなどカフェインの入った飲み物をよく飲む人
- お酒をよく飲む人
- いつもストレスを抱えている人
- 抗生剤を飲んでいる人
あてはまる方は不足しないようパントテン酸の多い食べ物を意識しましょう。
では身近な野菜の中から、1食分あたりでパントテン酸の多い野菜をランキングで20位までお伝えします。
パントテン酸の多い野菜ランキング
パントテン酸の多い野菜にはどんなものがあるのか、まずは20位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
パントテン酸の多い野菜は、いも類、ブロッコリー、かぼちゃ、トマト。トマトジュースや冷凍枝豆など手間なく取り入れられるものにも豊富に含まれています。
ではこの20位までの野菜の「1食分あたりのパントテン酸」をお伝えします。
1~10位の野菜
まずは1~10位の野菜です。
パントテン酸の必要量と摂取量
18~49歳なら……
女性の必要量:5.0mg
摂取量の平均:4.9mg
男性の必要量:5.0mg
摂取量の平均:5.8mg
男性は0.8mg多く摂れています。女性は0.1mgだけ不足、ということを頭に置いてみ進めてください。
1~10位の野菜には0.36~1.04mg。1日に必要なパントテン酸の7~21%を摂ることができます。
1位:さつまいも
さつまいもの焼き芋(1/2本:80g)に
1.04mg
1日に必要なパントテン酸の21%を摂ることができます。
さつまいもはビタミンC、E、B6、葉酸、カリウム、食物繊維が豊富な野菜。血圧・コレステロール・動脈硬化など生活習慣病の予防、疲労回復、便秘解消が期待できます。
さつまいもの栄養がすごい!1本あたりの栄養価と9つの効果は?
2位:里芋
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
1.01mg
冷凍の里芋の場合は0.67mg。生の里芋の2/3の量になります。
3位:れんこん
れんこんのきんぴら
小鉢一皿(80g)に
0.71mg
1日分のパントテン酸の14%が含まれています。
4位:じゃがいも
じゃがバター1個(140g)に
0.66mg
生のじゃがいもではなく、皮ごとレンジで調理してから皮をむいて食べた場合の栄養価を紹介しています。
じゃがいもはビタミンC、カリウム、銅、モリブデン、食物繊維も豊富な野菜。感染症の予防、貧血予防、血圧を下げる、疲労回復、肌荒れ・口内炎の予防が期待できます。
じゃがいもの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
5位:ブロッコリー
ブロッコリーの温野菜(1/3株:100g)に
0.53mg
1日に必要なパントテン酸の11%を摂ることができます。
6位:かぼちゃ
かぼちゃの煮物2切れ(77g)に
0.48mg
1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量です。ビタミンA、C、E、カリウム、マグネシウムが多く、動脈硬化や心筋梗塞の予防、免疫力アップ、貧血予防に効果的です。
かぼちゃには栄養が凝縮!その高い栄養価と7つの効果とは?
7位:白菜
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
0.47mg
1日に必要なパントテン酸の9%ほど。生ではなく煮た白菜の栄養価です。
白菜はビタミンKが抜群に多く、ビタミンC、葉酸、食物繊維、カリウム、カルシウムもたっぷり!生活習慣病の予防、貧血予防、骨を強くする、便秘解消のはたらきがあります。
白菜の栄養がすごい!多い栄養素と8つの効果とは?
8位:トマト水煮缶詰
トマトの水煮200gに
0.44mg
8位タイ:なす
なす2本分の炒め物に
0.44mg
10位:トマトジュース
トマトジュース200mlに
0.36mg
1日に必要なパントテン酸の7%を摂ることができます。
トマトジュースはビタミンB6、C、E、葉酸、ビオチン、カリウム、モリブデン、銅が豊富。高血圧や動脈硬化の予防、疲労回復、美白、感染症の予防が期待できます。
トマトジュースの栄養がすごい!コップ1杯の栄養価と7つの効果とは
*-*-*-*-*
パントテン酸の多い野菜を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の野菜です。
11~20位の野菜
パントテン酸の多い野菜、11~20位です。
パントテン酸の必要量
18~49歳なら、
女性も男性も5.0mg
女性は0.1mgだけ不足。男性は0.8mg多く摂れています。
11~20位の野菜には0.19~0.33mg。1日分のパントテン酸の4~7%が含まれています。
11位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆
(冷凍枝豆1/3袋:65g)に
0.33mg
冷凍枝豆の1/3袋は約130gですが、さやを除いた豆の部分の重さはちょうど半分の65g。1日分のパントテン酸の7%が含まれています。
枝豆はビタミンB群、C、鉄分、銅、カリウム、食物繊維がぎっしり!アルコールを分解するほか、貧血予防、疲労回復、便秘解消、デトックスも期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
※枝豆は分類上「豆」ではなく「野菜」になります
12位:きゅうり
きゅうり1本(98g)に
0.32mg
13位:にんじん
にんじん1/2本分の炒め物に
0.30mg
にんじんはとにかくβ-カロテンがぎっしり!ビタミンE、K、カリウム、水溶性と不溶性の食物繊維も豊富な野菜です。免疫力アップ、粘膜を守る、アンチエイジング、デトックス、血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値の改善、便秘解消、美肌が期待できます。
にんじんの栄養がすごい!1/2本あたりの栄養価と8つの効果とは?
14位:アスパラガス
アスパラガスの温野菜(3本:48g)に
0.26mg
生ではなく茹でたアスパラガスに含まれるパントテン酸を紹介しています。
15位:トマト
トマト中サイズ1個(150g)に
0.26mg
1日分のパントテン酸の5%が含まれています。
16位:ミニトマト
ミニトマト10個(150g)に
0.26mg
普通のトマト1個(150g)にもミニトマト10個(150g)にも、同じ量のパントテン酸が含まれています。
そのほかの栄養素のほとんどは、トマトよりミニトマトのほうが多く含まれています。
17位:キャベツ
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
0.22mg
1日分のパントテン酸の4%です。
キャベツはビタミンKがぎっしり!ビタミンC、B6、葉酸、カリウム、不溶性食物繊維も豊富な野菜。貧血を予防する、風邪を早く治す、デトックス、疲労回復、ストレスから守る、便秘解消が期待できます。
キャベツの栄養がすごい!多い栄養素と8つの効果とは?
18位:ゴーヤ
ゴーヤチャンプル1皿(1/4本:53g)に
0.22mg
暑い日差しを浴びて育つゴーヤには抗酸化作用の高いビタミンCが凝縮!葉酸、ビタミンE、モリブデン、不溶性食物繊維も多く、風邪を早く治す、アンチエイジング、貧血予防、ストレスから守る、疲労回復に効果を発揮します。
ゴーヤの栄養がすごい!1食分の栄養価と8つの効果は?
19位:水菜
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
0.22mg
20位:ピーマン
ピーマン2個分の炒め物に
0.19mg
ピーマンはヘタや種を取り除くと30gほど。2つで60g。油炒めしたピーマンの栄養価を紹介しています。1日分のパントテン酸の4%を摂ることができます。
ピーマンは意外にもビタミンCが抜群!ビタミンE、B6、葉酸、鉄、カリウム、不溶性食物繊維も豊富です。風邪を早く治す、アンチエイジング、血液サラサラ、ストレスから守る、デトックス、貧血予防に効果的です。
ピーマンの栄養がすごい!多い栄養素と7つの効果とは?
*-*-*-*-*
パントテン酸の豊富な野菜を20位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
パントテン酸はいろんな食べ物に含まれている栄養ですが、野菜全般にもしっかりと含まれています。
女性の不足分はわずかな量なので、野菜を少しプラスするだけで十分に補うことができますね。
パントテン酸の多い野菜:まとめ
野菜のパントテン酸の含有量、私たちに必要な量と実際の摂取量、健康効果をお伝えしました。
パントテン酸の多い野菜:いも類、れんこん、ブロッコリー、かぼちゃ、白菜、トマト、枝豆
パントテン酸の効果:肥満の予防、ダイエット、疲労回復、血液サラサラ、髪や肌を美しくする、ストレスから守る
不足すると?:肥満、やせにくい、疲れがとれない、食欲不振、髪のパサつき、肌荒れ、なかなか寝つけない、ぐっすり眠れない、イライラ、不安
摂りすぎると?:心配はありません。摂りすぎても尿として排出されます。
1日の必要量と摂取量:18~49歳の場合、必要量は女性も男性も5.0mg。摂取量は女性が4.9mg、男性は5.8mg。
不足しやすい人:カフェイン入りの飲み物をよく飲む人、お酒をよく飲む人、いつもストレスを抱えている人、抗生剤を飲んでいる人
パントテン酸に限らず、お酒をよく飲む人はビタミンB群が不足しがちになります。摂りすぎの心配のない栄養なので意識して多めに摂るようにしましょう!