しめじは値段も手頃で一年を通して手に入りやすい食べ物。生活習慣病の予防やダイエットの強い味方でもあるのです。
そんなしめじにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
ここで紹介する内容を読むと、
- しめじにはどんな栄養が多い?
- 1パック食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- しめじの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことがよくわかります。
しめじの栄養を上手に取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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しめじ1パックの栄養価
しめじに多い栄養は、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビタミンE、不溶性食物繊維、カリウムなど。
なかでも私たちに不足している不溶性食物繊維が豊富。エネルギーをつくるビタミンB1やB2も不足分を補ってくれます。
しめじの効果として、便秘の解消、高血圧の予防、疲労回復、ダイエット、二日酔いを防ぐ、感情を穏やかにする、集中力アップなどが期待できます。
では、
- しめじ1パック分の油炒めを食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - しめじに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてくわしくお伝えします。
しめじ1パック分の油炒め=75g
しめじ1パックは約100gで、いしづきを除いて油で炒めると75gに。生のしめじではなく「油で炒めた1パック分のしめじの栄養価」を紹介します。
しめじに多いビタミン
まずはビタミンから。
しめじ1パック分の油炒めを食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
しめじに多く含まれているビタミンは次の4つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ナイアシン | 43% |
ビタミンB2 | 12% |
ビタミンB1 | 12% |
パントテン酸 | 11% |
これらはすべてビタミンB群。食べ物をエネルギーに変えて、疲労回復や元気をサポートします。感情の安定や集中力を高めるはたらきもあります。
では次にしめじにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
しめじに多いミネラル
次の栄養はミネラル。しめじ1パック分の油炒めで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
しめじに豊富なミネラルはカリウムとリン。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カリウム | 16% |
リン | 10% |
カリウムは余分な塩分を排出したり、心臓や筋肉の動きを守る栄養。リンには骨や歯を強くするはたらきがあります。
では、しめじ1パックに含まれる食物繊維をお伝えしてから、しめじの8つの効果効能を紹介します。
しめじに多い食物繊維
しめじ1パックで1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 21% |
水溶性食物繊維 | 4% |
しめじには不溶性食物繊維がぎっしり!1日に必要な量の21%も摂ることができます。
その反面、水溶性食物繊維は少なめ。血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防効果の高い栄養なのですが、私たちは必要量の半分程度しか摂れていません。
多く含まれる食べ物のなかには、寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要のものもたくさん。積極的に食べましょう。
では、
しめじに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
しめじに多い栄養とその効果
しめじ1パックの栄養価のなかで、女性の必要量に対して豊富な栄養はこの5つ。
ナイアシン | 43% |
不溶性食物繊維 | 21% |
カリウム | 16% |
ビタミンB2 | 12% |
ビタミンB1 | 12% |
この5つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- しめじ1パックでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ナイアシン
しめじにもっとも多い栄養はナイアシン。肉や魚に多く含まれています。
しめじのナイアシンの量
1日に必要なナイアシンは
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
しめじ1パックに5.1mgNE。
私たちは普段からナイアシンをどのくらい摂れていて、しめじ1パックでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、233%
しめじ1パックに、43%
合計で、276%
男性が摂れている量は、224%
しめじ1パックに、34%
合計で、258%
ナイアシンは体内でも作られるので不足しにくい栄養。ふだんから十分に摂れています。
ナイアシンの効果
ナイアシンのおもなはたらきは次の4つ。
- 疲労を回復する:
糖質と脂質をエネルギーに変える - 二日酔いや悪酔いを防ぐ:
アルコールをすばやく分解する - シミやソバカスを改善する:
コラーゲンを作ってシワを防ぎ、メラニンができないようにしてシミも防ぐ - 気持ちをおだやかに安定させる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ナイアシン解説」
不溶性食物繊維
しめじに2番目に豊富な栄養。きのこ類・野菜・玄米などに豊富で、便秘の解消や有害物質を排出するはたらきが期待できます。
しめじの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
しめじ1パックに2.6g。
では普段からどのくらい摂れていて、しめじ1パックでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
しめじに、21%
合計で、114%
男性が摂れている量は、84%
しめじに、18%
合計で、102%
不足しがちな不溶性食物繊維ですが、しめじ1パックで十分補うことができます。
しめじのほかには、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などに豊富です。
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果
おもに次の3つのはたらきがあります。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘の方にしっかり摂ってほしい栄養素。
腸のなかで水分を吸って、数倍にも数十倍にもふくらんで腸を刺激します。これが腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消につながるのです。
なお便秘のタイプによっては、摂りすぎるとかえって便秘がひどくなることも。くわしくはこちら↓
カリウム
しめじに3番目に豊富なカリウム。高血圧予防の栄養というイメージですね。心臓の動きを守るはたらきも発揮します。
しめじのカリウム
1日に必要なカリウムは、
女性が2000mg、男性が2500mg。
しめじ1パックには315mg。
しめじを食べると……
女性が摂れている量は、111%
しめじには、16%
合計で、127%
男性が摂れている量は、96%
しめじには、13%
合計で、109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
私たち日本人は塩分の摂りすぎ。基準の1.5倍も摂っているとか。
塩分(ナトリウム)を摂りすぎていないか、こちらでチェックしてみてください。
ナトリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果
カリウムにはおもに次の5つのはたらきがあります。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
しめじをはじめ、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、鮭など、カリウムの多い食べ物を意識して摂りましょう。
ビタミンB2
4番目の栄養はビタミンB2。疲労を回復、脂肪を分解して生活習慣病を予防するはたらきも期待できます。
しめじのビタミンB2
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
しめじ1パックには0.14mg。
女性が摂れている量は、93%
しめじには、12%
合計で、105%
男性が摂れている量は、76%
しめじには、9%
合計で、85%
男性はビタミンB2がかなり不足。しめじを1パック食べても合計で85%なのでまだ足りません。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れましょう。
ビタミンB2の効果
おもなはたらきは次の7つ。
- 疲労回復
- 生活習慣病の予防
- 体にたまった有害物質を排出する
- 便秘の予防
- ダイエット(脂肪を燃焼)
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変えるはたらきが、疲労回復、ダイエット、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB1
しめじに5番目に多く含まれるビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を支える栄養です。
しめじのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
しめじ1パックには0.13mg。
では、しめじを1パック食べると……
女性が摂れている量は、79%
しめじには、12%
合計で、91%
男性が摂れている量は、74%
しめじには、9%
合計で、83%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
それでもまだ足りません。ビタミンB1の多い食べ物は、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど。意識して食べたいですね。
ビタミンB1の効果
ビタミンB1のおもなはたらきは次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
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しめじに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
しめじを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
しめじの8つの効果効能
しめじは不溶性食物繊維をはじめ、ビタミンB群やカリウムなどの栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、しめじに期待される効能をまとめてみました。
- 便秘を解消する
腸の中で膨らんで便のカサを増やすので、便の回数や量が少ない人に効果的 - 血圧を下げる
余分な塩分の排出を促進する - 疲労回復、いつも元気に
糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える - ダイエット
脂肪を燃焼する - 二日酔いや悪酔いを防ぐ
アルコールをすばやく分解する - 体にたまった有害物質を排出する
- イライラを解消して感情をおだやかに
- 集中力を高める
ということで、しめじをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそしめじを食べて!
しめじをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 疲れやすい
- 便秘ぎみ(便の量や回数が少ない)
- 血圧が高い
- イライラしやすい
- 仕事や勉強の集中力が続かない
ほかにも、
- ストレスが多い
→ ビタミンB2やカリウムが不足しがち - お菓子が好き
→ ビタミンB群全般が不足しがち - お酒をよく飲む
→ ビタミンB群全般が不足しがち。しめじは二日酔いや悪酔いを防いでくれます。 - よく運動する
→ ビタミンB1やB2が不足しがち - 揚げ物など脂っこい食べ物をよく食べる
→ ビタミンB2が不足しがち。高血圧や脂肪がたまる原因にもなります。
このような人にぜひ食べてもらいたいのがしめじなのです。
しめじに多い栄養:まとめ
しめじに多い栄養と健康効果についてお伝えしました。
しめじに多い栄養:必要な量に対して多い順に、ナイアシン、不溶性食物繊維、カリウム、ビタミンB2、ビタミンB1、パントテン酸、リン、葉酸、ビタミンEなど
しめじの効果:便秘解消、血圧を下げる、疲労回復、ダイエット、二日酔いを防ぐ、感情を穏やかに、集中力を高める
こんな人に食べてほしい:疲れやすい、便秘ぎみ、血圧が高い、イライラしやすい、集中力が続かない、ストレスが多い、お酒やお菓子や脂っこい食べ物が好き、よく運動する
しめじは体だけでなく、心にも脳にも栄養と効能を届けてくれる優秀な食材。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。