日本人にとって発酵食品の代表ともいえる「納豆」。
体にいい食べ物として知られていますが、具体的にどんな栄養が多くてどう体にいいのか、ご存じですか?
ここでは「粒の納豆」について……
- 納豆に多い栄養は?
- 1パック食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- 粒納豆の健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。粒納豆にぎっしりつまった栄養を取り入れて健康な毎日を過ごしましょう。
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粒納豆1パックの栄養価
粒納豆に多い栄養は、モリブデン、銅、セレン、鉄分、ビタミンK、B群(B2、パントテン酸、葉酸、ナイアシン)、水溶性と不溶性の食物繊維など。
特に納豆に含まれるビタミンKは骨粗しょう症予防の効果の高さが期待されています。粒納豆1パックにぎっしりと含まれています。
粒納豆の効果としては、骨粗しょう症予防をはじめ、貧血を防ぐ、血圧や血糖値をおさえる、コレステロールを減らす、便秘解消などが期待できます。
そんな粒納豆には、
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは、
- 粒納豆を1パック(40g)食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 粒納豆に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
粒納豆に多いビタミン
粒納豆を1パック食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、粒納豆に多く含まれているのはこちら!
ビタミンK | 160% |
パントテン酸 | 29% |
葉酸 | 20% |
ビタミンB2 | 19% |
ナイアシン | 17% |
粒でもひきわりでも、納豆にダントツに多いのはビタミンK。カルシウムなどと一緒に骨を強くしてくれる栄養です。
食べ物に含まれるビタミンKには3種類ありますが、納豆に含まれるビタミンKが骨粗しょう症の予防にもっとも効果的と考えられています。
次は粒納豆にはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
粒納豆に多いミネラル
粒納豆1パックで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
粒納豆に多く含まれるミネラルは……
モリブデン | 580% |
銅 | 35% |
セレン | 26% |
鉄 | 20% |
マグネシウム | 14% |
粒納豆には私たちに不足しているマグネシウムが豊富。私たちは普段、1日に必要な量の7割ほどしか摂れていません。
マグネシウム不足になると、糖尿病やメタボのリスクがぐんとアップすると懸念されています。骨粗しょう症、不整脈、アトピー、疲労、気分の落ち込み、といったことにも。
そんなマグネシウムや女性にうれしい鉄分をしっかり補えることも納豆のメリットでしょう。
では粒納豆の食物繊維をお伝えしてから、粒納豆の8つの効果効能を紹介します。
粒納豆に多い食物繊維
粒納豆1パックには食物繊維がどのくらい含まれているのでしょうか?
水溶性食物繊維 | 15% |
不溶性食物繊維 | 15% |
粒納豆1パックには私たちが必要量の50%しか摂れていない水溶性食物繊維がたっぷり!
血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防や便秘解消に効果を発揮する栄養素で、粒納豆を1パック食べるだけで15%も補えます。
生活習慣病にならないためにもぜひ納豆を取り入れましょう。
では、
粒納豆に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
粒納豆に多い栄養とその効果
粒納豆1パックの栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して多く含まれているのはこちら。
モリブデン | 580% |
ビタミンK | 160% |
銅 | 35% |
パントテン酸 | 29% |
セレン | 26% |
鉄 | 20% |
このほか、ビタミンB群(B2、葉酸、ナイアシン、ビオチン)、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維、マグネシウムなども豊富。大豆たんぱくやナットウキナーゼという酵素まで。
ではこの6つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 粒納豆1パックでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
モリブデン
粒納豆にもっとも多い栄養はモリブデン。血のミネラルとも呼ばれ、貧血を予防したりデトックスするはらたきがあります。
粒納豆のモリブデンの量
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
粒納豆1パックに116μg。これは、
女性:1日に必要な量の580%
男性:1日に必要な量の387%
モリブデンは「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足することもまずないですし、摂りすぎた分はすぐ尿で排出されるので摂りすぎの心配もありません。
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モリブデンの効果
モリブデンにはおもに次のようなはたらきがあります。
- 貧血を予防する
鉄分のはたらきを高めて血液をつくる - 疲労回復、ダイエット
糖質、脂質の代謝を助けてエネルギーをつくる - 尿酸の代謝を助ける
食べ物に含まれるプリン体を分解して尿酸を作って排出する - 食べ物の消化を促進する
消化酵素のはたらきをサポート - 体に有毒な物を分解する
- 余分な銅を体から出す
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
ビタミンK
2番目の栄養はビタミンK。骨粗しょう症の予防や出血を止めるはたらきの栄養素です。
粒納豆のビタミンK
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
粒納豆には240μg。
1日の必要量の1.5倍です。
さて私たちは普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、粒納豆1パックでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、157%
粒納豆には、160%
合計で、317%
男性が摂れている量は、164%
粒納豆には、160%
合計で、324%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果
ビタミンKのおもなはたらきは次の2つ。
- 丈夫な骨をつくる
骨にカルシウムを取り込むはたらきを高めるとともに、カルシウムが骨から溶け出すのも防ぐ - 切り傷など出血した血を固める
血液を固めて血を止めるための物質を作る
ビタミンKは不足しにくい栄養。いろんな食べ物に含まれていますし、体内でも作られます。
ただ、食べ物に含まれるビタミンKは3種類ありますが、骨粗しょう症を防ぐはたらきが期待されているのは納豆に含まれているビタミンK。
骨を丈夫に保つためにも毎日の納豆を習慣にしたいですね。
銅
粒納豆に3番目に豊富な栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を予防したり、感染症から守るはたらきがあります。
粒納豆の銅
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
粒納豆には0.24mg。
では普段からどのくらい摂れていて、粒納豆1パックでどう増えるかというと……
女性が摂れている銅は、149%
粒納豆には、35%
合計で、184%
男性が摂れている銅は、133%
粒納豆には、27%
合計で、160%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- 若々しく元気な体を維持する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
貧血は鉄分不足だけでなく銅不足も原因のひとつ。銅は不足しにくい栄養ですが、こんな人は銅不足に注意が必要です。
- ストレスが多い
→ 銅が体からたくさん排出されてしまう - 亜鉛のサプリメントを飲んでいる
→ 銅が体に吸収されにくくなる
納豆のほか、レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、豆乳などに銅が多く含まれています↓
パントテン酸
4番目の栄養はパントテン酸。ビタミンB群のひとつで、感染症から守ったり美しい肌をつくるはたらきがあります。
粒納豆のパントテン酸
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
粒納豆には1.44mg。
粒納豆を食べると……
女性が摂れている量は、106%
粒納豆には、29%
合計で、135%
男性が摂れている量は、121%
粒納豆には、29%
合計で、150%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
パントテン酸の効果
パントテン酸にはおもに次の4つのはたらきがあります。
- 疲労を回復する
- 感染症から守る
- ストレスから体を守る
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病を予防する
パントテン酸はいろんな食べ物に含まれているので、不足しにくい栄養です。
ただ、疲れやすい、食欲がない、肌荒れしやすい、髪が痛みやすい、ストレスが多い、コーヒーが好き、お酒が好き、という人はパントテン酸不足かも。
パントテン酸の多い食べ物は、納豆をはじめ、レバー、エリンギ、えのきたけ、鮭、ぶり、豚肉、玄米、里芋、さつまいも、ゆでたまごなど。意識して食べてみてください。
セレン
粒納豆に5番目に豊富な栄養はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
粒納豆のセレン
1日に必要なセレンは
女性が25μg、男性が30μg。
粒納豆には6.4μg。
女性:1日に必要な量の26%
男性:1日に必要な量の21%
「私たちはセレンをどのくらい摂れているか」の調査はありません。ただ、通常の食生活なら不足しにくいと考えられています。
セレンは「不足」よりも「摂りすぎ」に注意が必要な栄養。
1日の上限は、女性は350μg、男性は450μg。納豆1パックは6μg。通常の食生活では摂りすぎの心配はありません。サプリメントに含まれている場合は摂りすぎに注意しましょう。
セレンの多い食べ物はこちらをチェックしてみてください↓
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「セレニウム」
セレンの効果
セレンには次のはたらきがあります。
- 体の酸化を防いで老化を防ぐ
- 免疫力を高める
- 体内に入った菌の毒性を消す
- 甲状腺ホルモンを活性化する
鉄分
6番目の栄養は鉄分。血液を作る、強い骨をつくる、感染症から守るなどのはたらきがあります。
粒納豆の鉄分
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
粒納豆には1.3mg。
女性が摂れている鉄分は、112%
粒納豆には、20%
合計で、132%
男性が摂れている鉄分は、107%
粒納豆には、18%
合計で、125%
鉄分の効果
鉄分には血液を作る以外にもいろいろなはたらきがあります。
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
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粒納豆に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
粒納豆を食べると
どんな効果が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
粒納豆の8つの効果効能
粒納豆はビタミンKをはじめ、ミネラルも食物繊維も、大豆たんぱくもナットウキナーゼも豊富。
これらの栄養のはたらきから、粒納豆に期待される健康効果をまとめてみました。
- 骨粗しょう症を防ぐ
ビタミンK、鉄分、マグネシウムが丈夫な骨をつくる - 貧血予防
モリブデン、銅、鉄分、葉酸が血液を作る - 疲労回復
ビタミンB群やモリブデンが脂質・糖質・たんぱく質をエネルギーに変える - 有害物質をデトックス
モリブデンや不溶性食物繊維が体のなかの有害物質を出す - 若々しく元気な体を維持する
銅やセレンの高い抗酸化作用が病気や老化の原因となる活性酸素を取り除く - コレステロールを下げる
パントテン酸や水溶性食物繊維がコレステロールを排出する - 便秘解消
食物繊維やナットウキナーゼが腸内環境を整えながら、便のカサを増やして腸の動きを活発にしたり、固くなった便を柔らかくしてお通じをうながす - 美しい肌に
ビタミンB群や鉄分や銅がコラーゲンをつくり新陳代謝を促進して美しい肌をつくる
ということで、粒納豆をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ粒納豆を食べて!
粒納豆をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 更年期を迎えた女性、同年代の男性
- 糖尿病を予防したい
- お腹の調子が良くない、便秘ぎみ
- お腹まわりが気になる
- ストレスが多く忙しい
- 海藻や豆類をあまり食べていない
- 外食が多い、お菓子や甘いものが好き
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
骨が弱くなっていき体内酵素も減っていく40代を過ぎたらぜひ食べてもらいたいのが粒納豆なのです。
粒納豆の栄養と効果:まとめ
粒納豆に多い栄養と期待される効果を紹介しました。
粒納豆に多い栄養:女性の1日の必要量の20%以上含まれているのは、モリブデン、ビタミンK、銅。パントテン酸、セレン、鉄、葉酸。
10% 以上なら、ビタミンB2、ナイアシン、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、ビオチン、マグネシウム、カリウム。
粒納豆の効果:骨粗しょう症予防、貧血予防、疲労回復、有害物質の排出、病気や老化の予防、コレステロールを下げる、便秘解消、美肌・美髪
こんな人こそ食べてほしい:糖尿病を予防したい、お腹まわりが気になる、便秘ぎみ、ストレスが多い、忙しい、海藻や豆類をあまり食べない、外食が多い、よく間食をする、肌荒れや髪のパサつきが気になる
栄養も効果効能もぎっしりと凝縮した納豆は、料理不要で手軽に食べられる点でも優秀な食べ物。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。