もやしは1年を通して手頃な値段。いろんな料理に合う強い味方ですね。
もやし多い栄養は限られますが……どの栄養かご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- もやしに多い栄養は?
- 1/2袋分を炒め物で食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- もやしの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
などが手に取るようにわかります。もやしの栄養を上手に活かして元気な毎日を過ごしましょう。
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もやし1/2袋の栄養価
もやしに多い栄養は、モリブデン、銅、ビタミンE、C、葉酸、ナイアシン、不溶性食物繊維など。
血のミネラルと呼ばれるモリブデンなど血液をつくる栄養が豊富。流れをサラサラにするビタミンEもしっかり含まれています。
もやしの効果として、貧血の予防・改善、疲労回復、有害物質のデトックス、動脈硬化や心筋梗塞の予防、アンチエイジング、便秘解消などが期待できます。
では、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養はどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは「生のもやし100gの栄養価」ではなく、
- もやしの炒め物(1/2袋分)を食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - もやしに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでくわしくお伝えします。
緑豆もやし1/2袋:85g
1袋は200gでその半分の100gを1人分としました。炒めると約85gになります。生のもやしではなく「炒めたもやしの栄養価」を紹介します。
もやしに多いビタミン
まずはビタミンから。
もやしの炒め物(1/2袋分)を食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
もやしに多く含まれているビタミンは葉酸とビタミンE。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
葉酸 | 20% |
ビタミンE | 14% |
そのほか比較的多く含まれているのは、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンKなど。
次はもやしにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
もやしに多いミネラル
もやしの炒め物(1/2袋分)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
もやしに豊富なミネラルはモリブデンと銅。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
モリブデン | 200% |
銅 | 10% |
モリブデンは「血のミネラル」と呼ばれ貧血を予防するはたらきの必須ミネラル。銅は感染症から守ったり抗酸化作用を発揮する栄養です。
では、もやしの炒め物(1/2袋分)あたりの食物繊維をお伝えしてから、もやしの6つの効果を紹介します。
もやしに多い食物繊維
もやしの炒め物(1/2袋分)で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 9% |
水溶性食物繊維 | 3% |
もやしに豊富なのは不溶性食物繊維。きのこ類や未精製の穀物や野菜など繊維質の食べ物に多く含まれていて、便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。
ただ水溶性食物繊維は少なめ。血圧や中性脂肪など生活習慣病の予防効果の高い栄養なのですが、私たちは1日に必要な量の半分程度しか摂れていません。
では、
もやしに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
もやしに多い栄養とその効果
もやしの炒め物(1/2袋分)に含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
モリブデン | 200% |
葉酸 | 20% |
ビタミンE | 14% |
銅 | 10% |
不溶性食物繊維 | 9% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- もやしを食べるとどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
モリブデン
もやしにもっとも多い栄養はモリブデン。貧血予防、疲労回復、有害なもの排出するはたらきの必須ミネラルです。
もやしのモリブデンの量は?
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
もやし1/2袋に40μg。
女性:1日に必要な量の200%
男性:1日に必要な量の133%
モリブデンは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただ一般的な食生活なら不足することもないですし、摂りすぎても排出されるので心配ありません。
モリブデンの効果は?
- 貧血を予防する
- 疲労回復
- プリン体を分解して尿酸を作って排出する
- 食べ物の消化を促進してエネルギーを作る
- 体に有毒な物のデトックス
- 余分な銅を排出する
- ダイエット
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
血のミネラルとも呼ばれるモリブデン。鉄分のはたらきを高めて血液をつくったり、食べ物をエネルギーに変えて疲労回復するなどのはたらきがあります。
葉酸
2番目の栄養は葉酸。胎児の発育を守る、血液をつくるなどのはたらきがあります。
もやしの葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
もやし1/2袋には48μg。
1日の必要量の20%です。
では、普段からどのくらい摂れていて、もやしを食べるとどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
もやし1/2袋に、20%
合計で、138%
男性が摂れている葉酸は、123%
もやし1/2袋に、20%
合計で、143%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「葉酸解説」
葉酸は一般的な食生活なら不足しにくい栄養。
ただ、子供を授かりたい人、妊婦さん、授乳中のママ、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人などは、もやしなど葉酸の多い食べ物を意識して摂るようにしましょう。
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- ビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作る
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
ビタミンE
もやしに3番目に豊富なビタミンE。抗酸化作用が高く、血管を若々しくする栄養です。
もやしのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
もやし1/2袋に0.9mg。
もやしを食べると……
女性が摂れている量は、108%
もやしに、14%
合計で、122%
男性が摂れている量は、100%
もやしに、12%
合計で、112%
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などはサラサラ効果は大切。
もやしのほか、アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、サバ缶、ゴールドキウイなど、ビタミンEの豊富な食べ物をこちらで紹介しています↓
銅
4番目の栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきの必須ミネラルです。
もやしの銅は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
もやし1/2袋に0.07mg。
女性が摂れている銅は、149%
もやしに、10%
合計で、159%
男性が摂れている銅は、133%
もやしに、8%
合計で、141%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅も葉酸と同じように一般的な食生活なら不足しにくい栄養。
ただ、ストレスの多い人や亜鉛のサプリを飲んでいる人は銅不足になることも。銅の多い食べ物はこちらをご覧ください↓
銅の多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も!
銅の効果は?
おもなはたらきは次の5つ。
- 免疫を高めて感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
銅不足が原因で起こる貧血もあります。亜鉛のサプリメントを毎日飲んでいる人はその量に気をつけてください。
不溶性食物繊維
もやしに5番目に多く含まれる栄養で、有害物質のデトックスや便秘解消などのはたらきがあります。
もやしの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
もやし1/2袋に1.1g。
女性が摂れている量は、93%
もやしに、9%
合計で、102%
男性が摂れている量は、84%
もやしに、8%
合計で、92%
※不溶性と水溶性の合計の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といった便秘に効果的。体内で大きく膨らんで便のカサを増やして腸の動きを活発にしてくれます。
水溶性食物繊維は、便が固い、いきまないと出ない、ストレスが多い、便秘や下痢をくりかえす、お腹が張る、といった便秘に効果的。
便秘のタイプによる正しい摂り方はこちら ↓
もやしに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
もやしを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
もやしの6つの効果効能
もやしには血液をつくるモリブデンや葉酸、サラサラ効果のビタミンEなどいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、もやしに期待される効果をまとめてみました。
- 貧血を予防する
モリブデンや銅が鉄分のはたらきを促進して血液をつくり、葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)をつくり、ビタミンEが血流をよくして全身に酸素を届ける - 疲労を回復する
モリブデンが消化酵素のはたらきを高めるとともに、糖質や脂質の代謝を促進する - 有害物質を排出する
モリブデンが体に有毒な物を分解し、不溶性食物繊維が重金属や食品添加物などの有害物質を排出する - 動脈硬化や心筋梗塞を予防する
ビタミンEや銅の強力な抗酸化作用でコレステロールや脂肪の酸化を防いでサラサラ効果を発揮して、血管を健康にしなやかに維持する - アンチエイジング
ビタミンEや銅の抗酸化作用が老化や病気の原因となる活性酸素を除去する - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して大きくふくらんで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする
ということで、もやしをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそもやしを食べて!
もやしをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 便秘ぎみ
※便の量が少ない、または、便の回数が少ないタイプの便秘 - 立ちくらみ・息切れ・頭痛・だるいことが多い
- 毎日忙しい、疲れがとれない
- 洗剤・ハミガキ粉などの化学物質や食品添加物をあまり気にしてこなかった
- 薬を飲むことが多い(多かった)
- お腹まわりが気になる
- 揚げ物や脂っこいものや味の濃いものが好き
不溶性食物繊維が持つ効果を得たい人にぜひ食べてもらいたいのがもやしなのです。
もやしに多い栄養:まとめ
もやしに多い栄養と効果効能を紹介しました。
もやしに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、モリブデン、葉酸、ビタミンE、銅、不溶性食物繊維、ビタミンC、ナイアシン
もやしの効果:貧血の予防・改善、疲労回復、有害物質のデトックス、動脈硬化や心筋梗塞の予防、アンチエイジング、便秘解消
こんな人に食べてほしい:便秘ぎみ、立ちくらみや頭痛が多い、疲れやすい、毎日忙しい、化学物質や食品添加物を気にしていない、薬を飲む、お腹まわりが気になる
1年を通して安く買えて、食感もよく、どんな味付けにも合うもやし。毎日の食生活にぜひ取り入れてください。