葉酸といえばおなかの赤ちゃんの成長に大切な栄養。ほうれん草から発見された栄養素で、貧血予防にも効果を発揮してくれます。
緑色の野菜に豊富な葉酸ですが、具体的にはどんな食べ物に多いのでしょうか?
そこで身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりで葉酸の多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
このページを読めば、どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要な葉酸の何%を摂れるのか、手に取るようにわかります。
葉酸が豊富な食べ物で美しく元気な毎日を過ごしましょう!
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葉酸の効果とは?
葉酸の多い食べ物を紹介する前にまずは……
葉酸の効果は?
不足するとどうなる?
摂りすぎるとどうなる?
についてお伝えします。
葉酸の4つの効果
葉酸の効果は、おなかの赤ちゃんの発育を守る、貧血を予防する、肌や粘膜を守るなど。くわしくは次のような効果があるとされています。
- おなかの赤ちゃんの正しい発育を守る:
先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らす - 子供の成長を支える:
たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝を助けることで、細胞分裂を促進して成長を支える - 貧血を予防する:
ビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作ることで、赤血球に含まれるヘモグロビンが全身に酸素を運べるように支える - 肌や粘膜を守って整える:
たんぱく質を合成することで、肌や口の中の粘膜を健康的に維持する
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
妊娠初期はおなかの赤ちゃんの細胞分裂がさかん。葉酸は細胞分裂のサポートをするので、おなかの赤ちゃんの成長に欠かせない栄養なのです。
また葉酸は貧血予防にも大切な栄養。鉄分不足だけが貧血の原因ではありません。
葉酸やビタミンB12が血液中の赤血球づくりをサポートして、貧血・疲労・体力低下を予防してくれます。
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葉酸が不足すると?
葉酸が不足すると……
- おなかの赤ちゃんの発育不全:
十分に発育することができなくなって神経管閉鎖障害のリスクが高まる - 口内炎や肌荒れ:
たんぱく質の合成が不十分になって肌荒れや粘膜の炎症が起きやすくなる - 悪性貧血(巨赤芽球性貧血):
赤血球が十分に作られないことで酸素が全身にいきわたらず、動悸、息切れ、めまい、疲れやすいなどの貧血症状があらわれる - 子供の成長が妨げられる:
全身のすべての種類の細胞分裂が正常に進まないことで、子供の成長が妨げられる
葉酸を摂りすぎると?
通常の食生活をしているうえでは、葉酸の摂りすぎによる悪影響の心配はまずありません。
ただサプリメントで葉酸を摂りすぎてしまうと、亜鉛不足になったり、ビタミンB12不足を隠してしまうことでビタミンB12欠乏症に気づけないケースもあります。上限(30~64歳なら1,000μg)に気をつけましょう。
妊娠を考えた時からしっかりと摂りたい栄養でもある葉酸。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
葉酸の必要量と摂取量
葉酸はどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
私たちの葉酸の摂取量は十分なのでしょうか?
年齢別で1日に必要な葉酸は?
私たちに必要な葉酸の量(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要な葉酸
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
妊活中から産後の授乳期までは葉酸を多めに摂ることが大切。
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
※妊活中から妊娠3ヶ月のプラス400μgは食べ物から摂るのは難しいので健康補助食品の活用が推奨されています
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
では、私たちは葉酸をちゃんと摂れているのかというと……
私たちの実際の摂取量は?
私たちの実際の摂取量(摂れている量)はこちら。
葉酸の実際の摂取量
12歳以上では……
女性の必要量:240μg
平均の摂取量:274μg
34μg(14%)多く摂れています
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
49μg(20%)多く摂れています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女とも摂取量は十分。1日に必要な量の1.2倍ほど摂れています。妊活中の女性や産後の授乳期のママさんはさらに多く摂るように心がけましょう。
葉酸が足りない人は?
葉酸は腸のなかでも作られるので一般的な食生活なら不足することはまずありません。
ただ……
- お酒をたくさん飲む
- アスピリンやピルを飲んでいる
- あまり野菜を食べない
- 少食
といった人は不足しやすい傾向があります。葉酸の多い食べ物を意識して摂りたいですね。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりで葉酸の多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
葉酸の多い食べ物ランキング
葉酸の多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは30位までまとめたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
葉酸の多い食べ物のなかではレバーがダントツ。そのほかは「葉酸」という名前だけあって、ほうれんそう、アスパラガス、ブロッコリー、レタスなど、緑色の葉物野菜に多く含まれています。
ではこの30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれる葉酸」をお伝えしていきます。
1~10位の食べ物
まずは1~10位まで。
葉酸、12歳以上なら……
女性の必要量:240μg
※妊活~妊娠3ヶ月:640μg
※妊娠4ヶ月~出産:480μg
※授乳期:340μg
平均の摂取量:274μg
男性の必要量:240μg
平均の摂取量:289μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
1~10位の食べ物には86~1,300μg。1日に必要な葉酸の36~542%も摂ることができます。
1位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
1,300μg
1日に必要な葉酸の約5倍。1日の上限の1000μgを超えています。たまに食べるのは問題ないですが、頻繁に食べないように気をつけましょう。
またレバーにはビタミンAがかなり多いですが、妊娠中のビタミンAの摂りすぎには注意!妊活中から妊娠中にかけてはレバー以外の食べ物で葉酸を摂るのがいいですね。
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2位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
1000μg
1日に必要な量の約4倍もの葉酸が含まれています。
3位:豚レバー
豚レバー100g(レバニラ炒め1皿分)に
810μg
1日分の葉酸(240μg)の3.4倍も含まれています。
豚レバーはビタミンA、B群、鉄分、銅、亜鉛、モリブデン、セレンも豊富。免疫力アップ、貧血予防、疲労回復、アンチエイジング、デトックスに効果的です。
豚レバーの栄養がすごい!レバニラ1皿分の栄養価と6つの効果とは?
4位:玉露(茶葉ではなく飲む状態のお茶)
玉露1杯(140ml)に
210μg
玉露1杯で1日分の葉酸の約90%を摂ることができます。
ちなみにいろんなお茶の湯のみ1杯あたりの葉酸で比べてみると……
お茶 | 葉酸(μg) |
---|---|
玉露 | 210 |
煎茶 | 22 |
ほうじ茶 | 18 |
番茶 | 10 |
玄米茶 | 4 |
紅茶 | 4 |
お茶のなかではダントツで玉露に多く含まれています。
5位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛り(65g)に
202μg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
枝豆はビタミンB群、C、鉄分、銅、カリウム、食物繊維が豊富。貧血予防、疲労回復、便秘を解消する効果が期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
6位:いちご
いちご10粒(200g)に
180μg
7位:とうもろこし
とうもろこし1本に
129μg
とうもろこし1本の可食部(粒の部分)は約150g。茹でると165gほどになります。生ではなく茹でたとうもろこしの栄養価です。
8位:ほうれん草(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿
(ほうれん草1/4袋分)に
95μg
1日分の葉酸の約40%。おひたしにすると葉酸は36μgと1/3に。水溶性のビタミンなので茹でたり水にさらしている間に流れ出てしまいます。
ほうれん草はビタミンA、C、E、K、カリウム、マグネシウム、鉄分も豊富。感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化や高血圧の予防に効果を発揮します。
ほうれん草の栄養がすごい!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
9位:アスパラガス
アスパラガスの温野菜
(3本:48g)に
86μg
9位タイ:ブロッコリー
ブロッコリー1/3株分の温野菜に
86μg
ブロッコリーの茎や葉を除いて1/3株分を茹でると72gほどに。生ではなく茹でたブロッコリーの栄養価です。
ブロッコリーはビタミンC、E、K、食物繊維などあらゆる栄養素がぎっしり!特に生活習慣病が気になる世代にはぜひ食べていただきたい食べ物です。
*-*-*-*-*
葉酸の多い食べ物を10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
葉酸の多い食べ物、11~20位です。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
※必要量について補足
妊活~妊娠3ヶ月:640μg
妊娠4ヶ月~出産:480μg
授乳期:340μg
11~20位の食べ物には63~84μg。1日分の葉酸の26~35%を摂ることができます。
11位:サニーレタス
サニーレタス1/4玉(70g)のサラダに
84μg
サラダ1皿に1日分の葉酸の35%が含まれています。
サニーレタスは普通のレタスよりもはるかに栄養豊富!ビタミンKが抜群に多く、β-カロテン、C、E、鉄分、食物繊維もたっぷりで、骨を強くする、胎児の発育を促進、感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化や高血圧の予防が期待できます。
サニーレタスは栄養の宝庫!サラダ1皿の栄養価と8つの効果は?
12位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
79μg
白菜1/8玉(約250g)を煮ると188gほどに。生ではなく煮た白菜の栄養価です。
13位:キャベツ(炒め物)
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
78μg
14位:マンゴー
マンゴー1/2個(91g)に
76μg
マンゴーは葉酸のほか、ビタミンE、C、銅、カリウム、食物繊維が豊富。感染症から守る、中性脂肪をおさえる、血圧を下げる、ストレス緩和、美肌効果があります。
マンゴーの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と9つの効果とは?
15位:天津甘栗
天津甘栗14粒(71g)に
71μg
天津甘栗の殻をむくと1粒は5.1gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので14粒が1日に食べる量の目安となります。
甘栗には葉酸などのビタミンB群のほかにも、銅、不溶性食物繊維、カリウム、マグネシウムが豊富。便秘解消、デトックス、強い骨をつくる、美肌、貧血や高血圧の予防が期待できます。
甘栗には栄養が凝縮!1日分14粒の栄養価と7つの効果とは?
16位:大根の葉(炒め物)
大根の葉っぱの炒め物の
小皿1皿(大根の葉50g)に
70μg
大根1本に葉っぱは約150g。その1/3の50g(小皿1皿ほど)の栄養価です。
17位:豆乳(調整豆乳)
調整豆乳200mlに
65μg
1日分の葉酸の27%を摂ることができます。
18位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿(1/2袋分:64g)に
64μg
春菊1/2束(80gほど)を茹でると約64gに。生ではなく茹でた春菊の栄養価です。
春菊はβ-カロテンとビタミンKが抜群に多く、ビタミンE、食物繊維、カルシウム、鉄分も豊富。感染症予防、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、子供の成長促進、貧血予防、アンチエイジングが期待できます。
春菊には栄養が凝縮!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
19位:全粒粉パン
6枚切りの全粒粉食パン2枚(130g)に
64μg
20位:さといも(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
63μg
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、銅、食物繊維ほかあらゆる栄養が凝縮!血圧や中性脂肪やコレステロールをおさえる、便秘解消、疲労回復、骨を強くする効果が期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
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葉酸の多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後は21~30位です。
21~30位の食べ物
葉酸の多い食べ物、最後は21~30位です。
葉酸の必要量
12歳以上なら、
女性も男性も240μg
女性は34μg多く、男性は49μg多く摂れています。
21~30位の食べ物には47~61μg。1日分の葉酸の20~25%が含まれています。
21位:ほたてがい(貝柱の刺身)
ホタテの貝柱の刺身5個(100g)に
61μg
1日分の葉酸の25%を摂ることができます。
ホタテはビタミンB12、ナイアシン、セレン、クロム、カリウム、亜鉛もたっぷり!貧血予防、疲労回復、脳血栓・心筋梗塞の予防、肝機能を高めるはたらきがあります。
ホタテの栄養がすごい!5個あたりの栄養価と6つの効果とは?
22位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
60μg
23位:豆乳(調整豆乳ではないもの)
豆乳200ml入りに
59μg
24位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚(3切×3枚で3g)に
57μg
おにぎり3個分の焼きのりで1日分の葉酸の24%を摂ることができます。
25位:レタス(サラダ)
レタス1/4玉(74g)のサラダに
54μg
ほぼ同量のサニーレタスには葉酸が84μg。サニーレタスのほうが1.5倍以上の葉酸が含まれています。
26位:ミニトマト
ミニトマト10個(150g)に
53μg
普通のトマト1個の重さ(約150g)に合わせるとミニトマトなら10個。この栄養価を紹介しています。
ちなみに普通のトマト1個に葉酸は33μg。ミニトマトの2/3です。
ミニトマトは抜群に多いビタミンCをはじめ、β-カロテン、ビタミンE、カリウム、銅、食物繊維がたっぷり!風邪を早く治す、動脈硬化や心筋梗塞や高血圧の予防、疲労回復、美肌・美髪効果を発揮します。
ミニトマトの栄養がすごい!10個あたりの栄養価と9つの効果とは?
27位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
50μg
1日に必要な葉酸の21%を摂ることができます。
28位:もやし
緑豆もやしの炒め物(1/2袋:100g)に
49μg
もやし1/2袋100gを1人分として、炒めると85gほどになります。
29位:納豆(粒)
粒納豆1パック(40g)に
48μg
粒納豆1パックで1日に必要な葉酸の20%を摂ることができます。ひきわり納豆1パックには44μgと、ほぼ同じです。
納豆は食べ合わせによって健康効果が台無しになることも!?納豆の効果的な食べ合わせはこちらでくわしく紹介しています。
納豆と生卵の食べ合わせはダメ?その理由と効果的な食べ方を紹介!
30位:オクラ(ごまあえ)
オクラ5本(43g)に
47.3μg
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葉酸の豊富な食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
葉酸はレバーにダントツに豊富!そのほか、玉露、葉物野菜、天津甘栗、豆乳、納豆、のり、ミニトマトに多く含まれていますね。
葉酸の多い食べ物:まとめ
葉酸の多い食べ物、1日に必要な葉酸、私たちの摂取量、健康効果をお伝えしました。
葉酸の多い食べ物:レバー、玉露、枝豆、いちご、葉物野菜、天津甘栗、豆乳、海苔、さといも、ミニトマト、納豆
葉酸の効果:お腹の赤ちゃんの発育を守る、子供の成長を支える、貧血の予防、肌や粘膜を守る
不足すると?:お腹の赤ちゃんの発育不全、口内炎、肌荒れ、巨赤芽球性貧血、子供の十分な成長が妨げられる
摂りすぎると?:通常の食生活では摂りすぎの心配はまずありません。サプリでの摂りすぎは亜鉛不足になったり、ビタミンB12欠乏症に気づけないなど。
1日の必要量:12歳以上の場合、女性は240μg(摂取量は274μg)、男性も240μg(摂取量は289μg)
赤ちゃんを授かりたい人、妊娠している人、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は、葉酸の多い食べ物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。