ビタミンKが多い食べ物は?と言われても、パッと思いつきませんよね?
ビタミンKは脂溶性のビタミン。骨を強くする栄養素として知られ、骨粗しょう症の薬にも使われています。
ビタミンDは食べ物に含まれるカルシウムを腸から骨へと運ぶ係。そのカルシウムを骨にくっつけるのがビタミンKですね。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりでビタミンKの多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
このページを読めば、どの食べ物をどのくらい食べると1日分のビタミンKの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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ビタミンKの多い食べ物ランキング
ビタミンKが多い食べ物は、納豆、春菊や小松菜やサニーレタスといった葉物野菜、豚肉、昆布やわかめなどの海藻。
1食分あたりの含有量で30位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンKはひきわり納豆がダントツの多さ。春菊、白菜、小松菜にも1食分あたりに1日に必要な量を超えるビタミンKが含まれています。
ビタミンKの効果は、骨を丈夫にする、出血した血を固めて止血する、出血していない場所では血液の凝固をおさえてスムーズに流す、など。
ちなみに、私たちは普段からビタミンKを十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なビタミンKと私たちが摂れている量を比べてみると……
私たちが普段とれているビタミンKは女性が242μg、男性が250μg。必要量の1.6倍と十分に摂れています。
ではこの30位までの食べ物の「1食分に含まれるビタミンK」をくわしくお伝えしていきます。
1~10位の食べ物
まずは1~10位の食べ物です。
ビタミンK:18歳以上なら……
女性の必要量=150μg
平均の摂取量=242μg
男性の必要量=150μg
平均の摂取量=250μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
1~10位の食べ物には78~372μg。1日に必要なビタミンKの52%~248%を摂ることができます。
1位:納豆(ひきわり)
ひきわり納豆1パック(40g)に
372μg
食べ物に含まれるビタミンKを細かく分けると3種類。そのなかで納豆に含まれているのが、ビタミンKのなかでも骨粗しょう症予防に効果が高い「メナキノン-7」です。
ひきわり納豆1パックには1日に必要なビタミンKの2.5倍!もちろん骨粗しょう症に期待の「メナキノン-7」です。
さらに、銅、セレン、鉄分、食物繊維、ビタミンB群もたっぷり!貧血予防、血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防、便秘解消、疲労回復も期待できます。
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2位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿
(1/2袋分:64g)に
294μg
春菊1袋160gを茹でると128gに。その半分を1食分としました。1日に必要なビタミンKの2倍ほども含まれています。
春菊はビタミンKのほかにβ-カロテンも抜群に多く、ビタミンE、葉酸、食物繊維、カルシウム、鉄分も豊富。感染症から守る、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、貧血予防、美肌髪、アンチエイジングの効果を発揮します。
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3位:納豆(粒)
粒納豆1パック(40g)に
240μg
ひきわり納豆の372μgと比べると少ないですが、それでも1日分のビタミンKの1.6倍も摂ることができます。
4位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
164μg
白菜1/8玉(約250g)を煮ると188gほどに。生ではなく「煮た白菜の栄養価」です。
5位:小松菜(おひたし)
小松菜のおひたし一皿
(1/4袋分:50g)に
160μg
小松菜1袋を茹でて株元を取り除くと200gほどに。これを4人分としました。生ではなく「茹でた小松菜の栄養価」です。
1日分のビタミンKの107%。5位の小松菜までなら1食分で1日分のビタミンKを摂ることができます。
小松菜にはビタミンC、E、β-カロテン、葉酸、カルシウム、鉄分も豊富。風邪の予防、アンチエイジング、肌や粘膜を整える、ストレスから守る、貧血予防が期待できます。
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6位:ブロッコリー(温野菜)
ブロッコリーの温野菜(1/3株)に
137μg
ブロッコリーの茎や葉を除いて1/3株を茹でると72gほどに。生ではなく茹でたブロッコリーの栄養価です。
7位:大根の葉(炒め物)
大根の葉の炒め物
(大根1/3本分:50g)に
135μg
大根1本に葉っぱは約150g。その1/3の50g(小皿1皿ほど)の栄養価です。
8位:ほうれんそう(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿
(1/4袋分:45g)に
122μg
ほうれん草1袋は株元を除くと180gほど。これを4人分として1食分を45gとしました。
ちなみに、同じ量のほうれん草をおひたしにするとビタミンKは106μg。サラダで食べる時よりやや少なくなります。
9位:サニーレタス(サラダ)
サニーレタス1/4玉(70g)のサラダに
112μg
1日分のビタミンKが150μgなので、その約75%を摂ることができます。
サニーレタスは、β-カロテン、C、E、葉酸、鉄分、カリウム、食物繊維もたっぷり。胎児の発育を促進、アンチエイジング、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、高血圧や貧血予防に効果的です。
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10位:キャベツ(炒め物)
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
78μg
1日に必要なビタミンK(150μg)の約半分を摂ることができます。
*-*-*-*-*
ビタミンKの多い食べ物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の食べ物です。
11~20位の食べ物
ビタミンKの多い食べ物、11~20位です。
ビタミンKの必要量
女性も男性も150μg
男女ともに普段から必要量の1.6倍ほど摂れています。
11~20位の食べ物には24~53μg。1日分のビタミンKの16%~35%が含まれています。
11位:ニラ
ニラ1/4束分
(レバニラ炒め1皿分)に
53μg
1日に必要なビタミンKの35%を摂ることができます。
ニラはビタミンA、E、葉酸、カリウム、水溶性食物繊維も豊富。動脈硬化や心筋梗塞の予防、血圧を下げる、貧血の改善、若々しさを維持するはたらきが期待できます。
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12位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
52μg
13位:豆苗(サラダ)
豆苗のサラダ1皿
(1/4パック:20g)に
42μg
根元のスポンジ部分を除くと1パックの可食部は約85g。その1/4を1食分として算出しました。
必要なビタミンKの28%を摂ることができます。
14位:かいわれ大根
かいわれ大根のサラダ1皿
(1/2パック:20g)に
40μg
かいわれ大根にはビタミンC、E、葉酸、モリブデンもたっぷり。風邪を早く治す、貧血の予防、胎児の発育を守る、美肌に効果を発揮します。
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15位:きゅうり(サラダ)
きゅうり1本(98g)に
33μg
16位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
32μg
17位:昆布(佃煮)
昆布の佃煮小皿一皿(10g)に
31μg
昆布の佃煮10gは大さじ一杯弱の量ですね。1日分のビタミンKの21%になります。
ちなみに塩昆布はビタミンKが少なめ。同じ10g中に7.4μgです。
18位:オクラ(ごまあえ)
オクラ5本(43g)に
31μg
オクラには葉酸、ビタミンE、食物繊維も多く、心筋梗塞や動脈硬化の予防、血糖値をおさえる、便秘解消、疲労回復も期待できます。
オクラの栄養がすごい!5本あたりの栄養価と7つの効果とは?
19位:わかめ(乾燥のカットわかめ)
味噌汁1杯分のわかめ
(乾燥カットわかめ1.5g)に
24μg
20位:ゴーヤ
ゴーヤチャンプルー1皿
(1/4本:53g使用)に
24μg
1日分のビタミンKの16%が含まれています。
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ビタミンKの多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後は21~30位です。
21~30位の食べ物
ビタミンKの多い食べ物。
最後は21~30位です。
ビタミンKの必要量
女性も男性も150μg
21~30位の食べ物には14~23μg。1日分のビタミンKの9%~15%が含まれています。
21位:あじ(あじフライ)
アジフライ2枚(100g)に
23μg
1日に必要なビタミンKは150μgなので、その約15%を摂ることができます。
22位:鶏すなぎも
すなぎもの焼き鳥2串(80g)に
22μg
23位:アスパラガス(温野菜)
アスパラガスの温野菜(3本:48g)に
22μg
アスパラガスは葉酸が抜群に多く、ビタミンC、E、銅、カリウムもたっぷり。お腹の赤ちゃんの発育を守る、貧血の予防、免疫力アップ、動脈硬化や心筋梗塞の予防が期待できます。
アスパラガスの栄養価がすごい!多い栄養素と7つの効果とは?
24位:レタス(サラダ)
レタス1/4玉分(74g)のサラダに
22μg
ほぼ同じ量のサニーレタスには112μg。普通のレタスの5倍も含まれています。
ビタミンKに限らずほとんどの栄養素がレタスよりサニーレタスに多く含まれています。
25位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
19μg
ちなみにヒレカツの方が含有量は多く、1食分(100g)に32μgのビタミンKが含まれています。
26位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
19μg
正方形の厚揚げが2枚入っているものがあります。その厚揚げ1枚の半分(75g)を1食分として、その栄養価を紹介しました。
厚揚げには鉄分、カルシウム、銅、マグネシウム、ビタミンEも豊富。高血圧や糖尿病の予防、疲労回復、免疫力アップに効果的です。
厚揚げの栄養がすごい!1枚あたりの栄養価と8つの効果とは?
27位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
18μg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)のさやを除いた豆の部分(65gほど)の栄養価です。
28位:ひじき(煮物)
ひじきの煮物小鉢一皿(40g)に
17μg
29位:西洋かぼちゃ(煮物)
かぼちゃの煮物2切れ(77g)に
17μg
煮物サイズにカットしたかぼちゃ2切れの栄養価です。1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量ですね。
30位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
14μg
1日に必要なビタミンKの9%を摂ることができます。
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ビタミンKの豊富な食べ物をランキングで30位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
ビタミンKと言えばやはり骨粗しょう症予防。ひきわり納豆が一番です!
そのほか、葉物野菜、豚肉、海藻、枝豆や厚揚げなどの豆類を積極的に摂りたいですね。
さて、ビタミンKには具体的にどんな効果があるのか、不足するとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- ビタミンKの2つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に必要なビタミンK
- 私たちの普段の摂取量
- ビタミンKが不足しやすい人
についてお伝えします。
ビタミンKの効果とは?
ビタミンKの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてです。
ビタミンKの2つの効果
ビタミンKにはおもに次の2つの効果があるとされています。
- 骨を丈夫にする
コラーゲンとカルシウムを結びつけて骨にカルシウムを沈着させるだけでなく、骨からカルシウムが溶け出すのを防いで強い骨を維持する - 切り傷など出血した血を固める
血液を固めて血を止めるための物質を作って止血を助ける
骨はカルシウムのほか、マグネシウム、コラーゲン、リンなどが集まってできています。カルシウムを腸から骨へと運ぶのがビタミンD。運ばれたカルシウムを骨にくっつけるのがビタミンKです。
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ビタミンKが不足すると?
ビタミンKが不足すると次のような影響をきたすことがあります。
- 骨粗しょう症
- 血が止まりにくい
- 鼻血や胃腸内壁からの出血
- 月経による出血の増加
ただ、ビタミンKはいろんな食べ物に含まれていますし、腸のなかでも作られる栄養素。
通常の食生活をしていればビタミンKが不足することはまずありません。
ビタミンKを摂りすぎると?
ビタミンKは摂りすぎによる悪影響の報告はありません。
※ ワーファリンを服用している方は医師の指示に従ってください。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」、厚生労働省 、e-ヘルスネット「カルシウム」
ビタミンKの種類
ビタミンKにはいくつかの種類に分かれています。そのなかで食べ物に多く含まれているのは次の3つ。
- フィロキノン(緑黄色野菜・海藻)
- メナキノン-4(動物性食品)
- メナキノン-7(納豆)
この3つをまとめて「ビタミンK」と呼んでいます。
ちなみに骨粗しょう症への効果が期待されているのは納豆だけに含まれる「メナキノン-7」です。
納豆が骨を強くするのに効果的な理由についてはこちらでくわしく紹介しています。
納豆はカルシウムが多い? 1パックの含有量と骨を強くする理由とは?
ではビタミンKは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンKの必要量と摂取量
あらためて、ビタミンKはどのくらい摂るのがよいのか、私たちは普段からどのくらい摂れているのか、お伝えします。
年齢別で1日に必要なビタミンK
ビタミンKの1日の必要量(目安量と呼びます)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」で次のように定められています。
ビタミンKの1日の必要量
女性も男性も150μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
さて、私たちは実際にビタミンKをどのくらい摂れているのかというと……
私たちの実際の摂取量
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンKの実際の摂取量
18歳以上では、
女性:242μg(目標の161%)
男性:250μg(目標の167%)
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
1日に必要な量の1.6倍ほどのビタミンKを摂れています。ただなかには不足しやすい人も。どんな人かというと……
ビタミンKが不足しやすい人
次のような方はビタミンKが不足しやすい傾向があります。
- 極端にかたよった食生活をしている
- 抗生物質を長期間飲み続けている(腸内環境が乱れます)
- 胆道閉塞症、肝臓病などの病気をしている
- 新生児や乳幼児(腸のはたらきが未発達)
あてはまるようでしたら、ビタミンKの多い食べ物を意識して食べるよう心がけましょう。
ビタミンKの多い食べ物:まとめ
ビタミンKの多い食べ物、効果、1日に必要な量と私たちの実際の摂取量をお伝えしました。
ビタミンKの多い食べ物:納豆、春菊、白菜、小松菜、ブロッコリー、レタス、ほうれんそう、キャベツ、豚ヒレカツ、昆布、わかめ、枝豆
ビタミンKの効果:骨を強く丈夫にする、出血した血液を止める
不足すると?:骨粗しょう症、出血が止まりにくい、鼻血、胃腸内壁からの出血、月経による出血の増加
摂りすぎると?:摂りすぎによる悪影響は報告されていません。
1日の必要量:18歳以上なら、女性も男性も150μg。男女とも普段から必要量の1.6倍も摂れています。
不足しやすい人:食生活がとてもかたよっている、抗生物質を長期間飲み続けている、胆道閉塞症や肝臓の病気をしている、新生児や乳幼児、高齢者
ビタミンKは不足しにくい栄養素ではありますが、摂りすぎによる悪影響もまずありません。ビタミンKの多い食べ物を意識して取り入ましょう。