びわは初夏に旬をむかえるちょっと高級なイメージの果物。
そんなびわにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これから紹介する内容を読むと、
- びわはどの栄養が多い?
- びわ2個で1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。びわの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
びわ2個の栄養価
びわに多い栄養は、β-カロテン、ビタミンB6、C、カリウム、マンガン、銅、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維など。
ただその量はとびぬけて多いわけではなく、びわに最も多いβ-カロテンでも1日に必要な量の7%ほどになります。
びわの効果として、風邪など感染症の予防、便秘の解消、血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、疲労回復、アンチエイジングなどが期待できます。
そんなびわ。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養はどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは、
- びわを2個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - びわに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
びわ2個=70g
びわ1個は約50gで皮と種を除くと35gほど。びわを2個(70g)食べた時の栄養価をお伝えします。
びわに多いビタミン
まずはビタミンから。
びわを2つ食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
びわ2個に多く含まれているビタミンは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンA | 7% |
ビタミンB6 | 4% |
ビタミンC | 4% |
パントテン酸 | 3% |
びわに一番多いビタミンAでも7%。びわ2個(70g)あたりの栄養価ということもあって、たっぷり摂れるというほどではありません。
次は、びわにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
びわに多いミネラル
次の栄養はミネラル。びわ2つで女性が1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
びわに豊富なミネラルは次の4つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カリウム | 6% |
マンガン | 5% |
銅 | 4% |
マグネシウム | 3% |
栄養のなかでは、ビタミン類よりはミネラルのほうが多め。ただこちらも「びわを2つ食べればミネラルがしっかり摂れる」というほどでもないようです。
では、びわ2個あたりの食物繊維をお伝えしてから、びわの8つの効果効能を紹介します。
びわに多い食物繊維
びわを2つ食べると1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 7% |
水溶性食物繊維 | 5% |
びわの栄養のなかでもっとも多い栄養が不溶性食物繊維。デトックスや便秘を解消するはたらきがあります。
では、
びわに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
びわに多い栄養とその効果
びわ2個あたりの栄養の中で、女性の1日の必要量に対して多い順に、
不溶性食物繊維 | 7% |
ビタミンA | 7% |
カリウム | 6% |
マンガン | 5% |
水溶性食物繊維 | 5% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- びわを2つ食べるとどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
不溶性食物繊維
びわにもっとも多い栄養で、ごぼう、たけのこ、玄米などの繊維質の食べ物に豊富。デトックスなどのはたらきがあります。
びわの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
びわ2個に0.8g。
さて私たちは普段からどのくらい摂れていて、びわ2個でどう補えるのかというと……
女性が摂れている量は、93%
びわ2個に、7%
合計で、100%
男性が摂れている量は、84%
びわ2個に、6%
合計で、90%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
男女ともにやや不足ぎみ。びわ1つでは不足分を補うまではいきません。
びわのほかには、干し柿、柿、りんご、グリーンキウイ、おからパウダー、枝豆などにも豊富に含まれています。くわしくはこちら↓
不溶性食物繊維の効果
おもに次の3つのはたらきがあります。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といった便秘の方にぜひ摂ってほしい栄養。
腸のなかで水分を吸って大きくふくらむことで、腸を刺激して動きを活発にしてお通じをスムーズにしてくれます。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
ビタミンA
2番目の栄養はビタミンA。粘膜を健康にし、免疫を高め、目を守るはたらきの栄養です。
びわのビタミンA
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
びわ2個に48μgRAE。
では普段からどのくらい摂れていて、びわ2個でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、74%
びわに、7%
合計で、81%
男性が摂れている量は、61%
びわに、5%
合計で、66%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
私たちはビタミンAがかなり不足。特に男性のほうが大きく不足しています。
びわのほか、すいか、みかん、柿、グレープフルーツ、ドライプルーンなどビタミンAの多い果物を積極的に食べましょう。
ビタミンAの多い果物20選【1食分で比較】摂取量や効果も紹介!
ビタミンAの効果
ビタミンAのおもなはたらきは次の5つ。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
粘膜を健康的に保つことでウイルスをブロックして感染症から守り、抗酸化作用でいろんな病気や老化を防いでくれる栄養です。
カリウム
びわに3番目に多い栄養はカリウム。心臓の動きを守ったり筋肉をスムーズに動かすためにも大切な栄養です。
びわのカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
びわ2個に112mg。
びわを食べると……
女性が摂れている量は、111%
びわ2個に、6%
合計で、117%
男性が摂れている量は、96%
びわ2個に、5%
合計で、101%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果
カリウムにはおもに次の5つのはたらきがあります。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足が原因のひとつかもしれません。
カリウムが豊富な里芋、じゃがいも、トマトジュース、枝豆、ぶり、鮭、豚肉など、ふだんから食べているかチェックしてみましょう↓
マンガン
4番目の栄養はマンガン。食べ物の代謝を高めたり、糖尿病から守るはたらきが期待されています。
びわのマンガン
1日に必要なマンガンは
女性が3.5mg、男性が4mg。
びわ2個に0.2mg。
女性:1日の必要量の5%
男性:1日の必要量の5%
マンガンは、私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。ただ、いろんな食べ物に含まれているので不足したり摂りすぎることはまずないようです。
ちなみにマンガンの多い食べ物はこちら。
マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果
おもなはたらきは次の7つ。
- エネルギーを作る:脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化
- 骨を強くする
- 美肌:ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける
- インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
疲労回復、糖尿病や骨粗しょう症の予防、肌や髪を美しくする、といったはたらきが期待される栄養です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
水溶性食物繊維
びわに5番目に多い栄養で海藻や果物に豊富。生活習慣病を予防するはたらきの高さが注目されています。
びわの水溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
びわ2個に0.3g。
女性が摂れている量は、58%
びわに、5%
合計で、62%
男性が摂れている量は、51%
びわに、4%
合計で、55%
私たちは1日の必要量の半分ほどしか摂れていません。びわで補えるのもわずか。
グリーンキウイ、りんご、アボカド、いちごなど豊富。くわしくはこちら↓
水溶性食物繊維の多い果物ランキング15【1食分】で比較!
食べ物全般なら、寒天、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要なものもたくさんあります↓
水溶性食物繊維の効果
生活習慣病が気になる世代にうれしいはたらきが満載。おもに次の6つです。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- ダイエット
ちなみに食物繊維は水溶性でも不溶性でも便秘の解消に効果的ですが、便秘のタイプによって「どちらを摂るべきなのか」が変わってきます。くわしくはこちら↓
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びわに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
びわを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
びわの8つの効果効能
びわにはぎっしりとは言わないまでも、いろんな栄養が含まれています。
これらの栄養のはたらきから、びわに期待される効果をまとめてみました。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症予防
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫力を高める - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が、腸のなかで水分を吸って大きくふくらんで腸を刺激したり、腸のなかで固くなった便をやわらかくしてお通じを促進する - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が余分なナトリウムを体から出す - 疲労回復
マンガンが脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維がキャッチして便として出す - アンチエイジング
ビタミンAやマンガンの高い抗酸化作用で老化のもとである活性酸素を除去する - ダイエット
マンガンが代謝を高め、2種類の食物繊維が中性脂肪を減らしたり腸内環境を整える - 肌や髪を美しくする
ビタミンAが肌の新陳代謝を促進し、マンガンがヒアルロン酸づくりを助ける
ということで、びわをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそびわを食べて!
びわに豊富な栄養とその効果から、ぜひ食べてほしい人はこちら!
- 野菜や海藻やきのこ類をあまり食べない
ビタミンや2種類の食物繊維が不足しがちです - 揚げ物や味付けの濃い食べ物が好き
中性脂肪やコレステロールがたまりやすくなります - 風邪をひきやすい
免疫が低下しています - 疲れやすい
エネルギー代謝が落ちています - 便秘ぎみ
2種類の食物繊維がお通じをスムーズにします - 子供
代謝を高めて体の成長発育を促進する - 若々しく美しくありたい
高い抗酸化作用でアンチエイジング効果を発揮します
びわは健康効果はもちろん、美容効果も高く、元気で美しくありたい人の味方です。
びわに多い栄養:まとめ
びわに多い栄養と効果効能を紹介しました。
びわに多い栄養:1日の必要量に対して多い栄養は、不溶性と水溶性の食物繊維、ビタミンA、B6、C、カリウム、マンガン、銅など
びわの効果:感染症予防、便秘解消、血圧を下げる、疲労回復、中性脂肪やコレステロールを下げる、アンチエイジング、ダイエット、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:野菜・海藻・きのこ類をあまり食べない、揚げ物や味付けの濃い食べ物が好き、風邪をひきやすい、疲れやすい、便秘ぎみ、子供
5月~6月頃しかあまり見かけないびわですが、旬の時期にはぜひ召し上がってみてください。