納豆をいつ食べるかによって、健康効果は大きく変わってきます。
朝のイメージが強い納豆ですが、おすすめのタイミングは「夜(夕ごはんの時)」。
では、納豆を夜に食べるとどんな効果が期待できるのでしょうか?
あわせて、やりがちなNGな食べ方、朝の納豆がもたらす効果についてもお伝えします。
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納豆を食べるなら夜が効果的
納豆は「いつ食べるか」によって得られる効果が変わってきます。
朝の納豆も体にとてもいいのですが「夜(夕食)」に納豆を食べるほうがさらに健康効果が高いのです。
ナットウキナーゼで血液サラサラ
納豆の粘り気に含まれているのが「ナットウキナーゼ」。タンパク質を分解してくれる酵素ですね。
ナットウキナーゼには、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる「血栓(血のかたまり)」を溶かすはたらきがあります。
睡眠中の血栓から守る
夜眠っている間は水分を摂らないので、血液がドロドロになりやすい時間。脳梗塞や心筋梗塞の原因となる「血栓」ができやすい時間帯でもあります。
そこでナットウキナーゼが血栓を溶かすはたらきで活躍!
納豆を食べて4時間ほどたつとナットウキナーゼが効果を発揮しはじめ、8時間ほど持続します。
夜7時頃に夕食で納豆を食べたら、夜11時~朝の7時までナットウキナーゼのはたらきが続くということ。
血栓ができやすい「夜寝てから朝起きるまで」の時間帯を血液サラサラにして、守ってくれるのです。
ビタミンB群で美肌効果
夜の納豆は美肌づくりにも最適です。
わたしたちは夜の睡眠中に成長ホルモンが分泌されています。そのゴールデンタイムは夜の10時~夜中の2時。
この成長ホルモンは肌のダメージを修復してコンディションを整えてくれます。
納豆に豊富に含まれるビタミンB群は、成長ホルモンにはたらきかけて、新陳代謝を促進して、肌の修復力を高めると言われています。
また、納豆に含まれるアルギニンも成長ホルモンの分泌を助けるといわれています。
そのほか納豆には、ビオチン、レシチン、ビタミンE、大豆イソフラボンなど、美肌をサポートする成分がたくさん。
美肌づくりには夜の納豆がおすすめですね。
ジピコリン酸がウイルスをおさえる
ご存じですか?
風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染するには、口の中にいる細菌の手助けが必要なのです。
逆に言えば、口の中の細菌をおさえることは風邪やインフルエンザなどの予防に効果的、ということですね。
そんな口の中の細菌がもっとも増殖するのが「夜の睡眠中」。
睡眠中は天然の抗菌成分である唾液の分泌が少なくなるので、細菌がぐんぐん増殖。
朝起きた時にはもっとも細菌が多い状態になっています。
でも夜に納豆を食べておくと、納豆に含まれる抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用を持つ「ジピコリン酸」が活躍。
細菌やウイルスの増殖をおさえてくれて、風邪やインフルエンザ予防にも役立ちます。
粒?ひきわり?夜の納豆はどっちがいい?
夜食べるなら「ひきわり納豆」がおすすめ。なぜなら、粒の納豆よりもひきわり納豆のほうがナットウキナーゼが多く含まれているから。
※ ナットウキナーゼ……納豆菌が発酵するときに作り出す酵素のこと。
納豆は、大豆を煮て、納豆菌をまわしかけて発酵させて作ります。
ひきわり納豆は、大豆を細かく砕いてから納豆菌をまわしかけるので、納豆菌が繁殖する表面積も広くなります。
ですので、ナットウキナーゼが多いのも粒の納豆ではなくひきわり納豆のほう。夜食べるのにはおすすめです。
ひきわり納豆には粒納豆をはるかに超えるビタミンK、そしてビタミンB群、鉄分、銅、食物繊維などが豊富。ひきわり納豆の栄養価と効能はこちらをご覧ください。
ひきわり納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果効能
4つのNGな食べ方
お伝えしたように、血液サラサラ、美肌づくり、ウイルスをおさえる、といった効果が期待できる「夜の納豆」ですが……
NGな食べ方があります。
悪影響をおよぼすわけではなく、せっかくの栄養がもったいない、ということではありますが、4つのNGな食べ方を紹介します。
ちなみに夜に限らずいつ食べるにしろ「おすすめしない食べ方」ですよ。
冷蔵庫から出してすぐ食べてはダメ
納豆が冷たい状態ではナットウキナーゼがはたらきません。
常温に戻すとナットウキナーゼがはたらき出すうえにさらに発酵も進みます。
冷蔵庫から出して20分ほど常温においてから食べましょう。
熱々のごはんにのせてはダメ
熱々のごはんに納豆をのせると、ナットウキナーゼのはたらきがグンと弱くなります。
ナットウキナーゼは50度以上になるとはたらきが弱くなり、70度以上になると死んでしまいます。
なので……
- 納豆と熱々のごはんとは器を別にして食べる
- ごはんにのせたいのなら、少し冷ましたごはんにのせる
これがナットウキナーゼのはたらきをしっかり得るための食べ方です。
生卵と一緒に食べてはダメ
納豆と生卵を一緒に食べると、美肌・美髪効果が低くなってしまいます。
納豆には「ビオチン(ビタミンB群の1種)」が含まれていて、肌を美しく、髪を美しくするはたらきがあります。
しかし、納豆と生卵を一緒に食べてしまうと……
たまごの白身が美肌づくりをジャマする
生卵の「白身」に含まれる「アビジン」というたんぱく質の一種が、美肌をサポートする「ビオチン」の吸収をおさえてしまうのです。
なので、生卵と一緒に食べるのはもったいない、ということですね。
ただ……
黄身だけならOK
美肌づくりをジャマする「アビジン」は白身だけに含まれています。「黄身」と「納豆」とを一緒に食べるのは問題ありません。
納豆と卵の組み合わせがお好きなら、白身をのぞいて黄身だけを一緒に食べましょう。
食べ過ぎてはダメ
体にいいとはいえ、食べ過ぎは良くありません。朝と夜に1パックずつなど、1日2パックほどにしましょう。
納豆には、尿酸値を高めるプリン体や、摂りすぎで下痢・嘔吐・頭痛などが起きるセレンが含まれています。
3パック、4パック食べたからといって症状が出るというものではありませんが、1日2パック食べれば体への健康効果は十分に発揮されます。
食べ過ぎには気をつけてくださいね。
- 冷蔵庫から出してすぐ食べない
- 熱々のごはんに乗せない
- たまごの白身と一緒に食べない
- 食べ過ぎない
この4つは「ダメ」ではなく「納豆の栄養が十分に発揮できない」ということです。
夜の納豆の効果的な食べ方
納豆を夜食べる時の効果的な食べ方をまとめると……
- 夕ごはんと一緒に食べる
- 食べる20分前には冷蔵庫から出しておく
- 熱々のごはんにはのせない
- 生卵の白身と一緒に食べない
- 食べ過ぎない(1日に2パックほど)
では最後に「朝の納豆」にはどんなはたらきが期待できるのか、簡単にお伝えします。
朝の納豆の2つの効果
朝ごはんで食べる納豆にも、おもに2つの効果があると言われています。
ダイエット
朝ごはんでの納豆はダイエットに効果的。納豆の良質なタンパク質が代謝を高めてくれます。
また、納豆には水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富で、そのバランスもとても優れている食べ物。
食物繊維には、
- 腸内環境を整える
- 脂肪やコレステロールを排出する
- 血糖値の上昇をおさえる(ゆっくり消化)
- 便秘を解消する
といったはたらきがあって、ダイエットをしっかりサポートします。
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ダイエットには粒納豆がおすすめ
1パック(40g)あたりの食物繊維の量で比べてみると、粒の納豆は2.68g、ひきわり納豆は2.36g。
少しではありますが粒の納豆のほうが食物繊維が多く含まれています。
その理由は製造工程のちがい。
粒の納豆は皮ごと発酵させますが、ひきわり納豆は皮をむいて細かく砕いてから発酵させます。
粒の納豆には、食物繊維の多い「皮」の部分が残っているので、ひきわり納豆よりもダイエットに効果的なのですね。
冷え性予防
納豆のタンパク質が体内で熱を作ってくれるので、冷え性の予防効果も期待できます。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、文部科学省「食品成分データベース」、日本ナットウキナーゼ協会「ナットウキナーゼ」、全国納豆協同組合連合会「納豆の健康効果」、「21世紀の美容食・納豆」
納豆を食べるなら夜:まとめ
夜に食べる納豆の効果、NGな食べ方とよい食べ方、いつ食べるかによる効果の違い、などについてお伝えしました。
夜の納豆:血液サラサラで血栓予防、美肌、風邪やインフルエンザの予防
粒?ひきわり?:夜はナットウキナーゼが多いひきわり納豆がおすすめ。
効果的な食べ方:冷蔵庫から出して20分おいてから。熱々のごはんにのせない。生卵の白身と一緒に食べない。食べ過ぎに注意(1日2パックほどに)。
朝の納豆:ダイエット、冷え性予防
健康効果の多い納豆ですが、特に、生活習慣病が気になる年代にとっては夜食べるのがおすすめ。
料理の手間もいらない手軽な納豆で、健康的な毎日を過ごしましょう。