大根の葉は栄養がぎっしりつまった超優秀な緑黄色野菜であること、ご存じですか?
スーパーでは大根は葉っぱを切り落とされた状態で売られていますが、捨てるなんてとんでもないほど栄養が凝縮されているんです!
これからお伝えする内容を読むと、
- 大根の葉に多い栄養は?
- 炒め物など1皿食べると
1日の栄養の何%が摂れる? - 大根の葉の効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。今日から大根の葉を食べずにはいられなくなりますよ!
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大根の葉の栄養価
大根の葉に多い栄養は、ビタミンC、E、K、βカロテン、葉酸、鉄分、カルシウム、カリウムなど。
大根の根の部分(白いところ)にはβカロテンもビタミンEもビタミンKもゼロ。大根のほとんどの栄養は根よりも葉っぱの方に多く含まれています。
大根の葉の効果としては、強い骨や歯をつくる、貧血の予防・改善、免疫力を高める、心筋梗塞や動脈硬化を防ぐ、アンチエイジング、高血圧の予防などが期待できます。
そんな大根の葉。どの栄養がどのくらい多いのでしょうか。
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- 大根の葉の炒め物を1皿食べると、
1日の栄養の何%が摂れる? - どの栄養がどのくらい含まれている?
- 大根の葉に多い栄養には
どんな効果が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてお伝えします。
一度に食べる量
=大根の葉の炒め物1皿50g
大根の葉は1本に150gほど。これを3人分として1人分を50gとしました。
大根の葉に多いビタミン
まずはビタミン。
大根の葉の炒め物を1皿食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
大根の葉に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 90% |
ビタミンE | 32% |
葉酸 | 29% |
ビタミンC | 27% |
ビタミンA | 24% |
抜群に多いのはビタミンK。1皿50gで女性の1日分のビタミンKをほぼ摂ることができるんです!
そのほか、ビタミンA、C、E、葉酸なども豊富。わずか50gでも栄養たっぷりの緑黄色野菜であることがわかりますね。
次は大根の葉にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
大根の葉に多いミネラル
大根の葉の炒め物1皿で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
大根の葉に多く含まれているミネラルは次の3つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
鉄分 | 24% |
カルシウム | 20% |
カリウム | 10% |
このなかでも私たちは、カルシウムが必要な量の70%しか摂れていません。大根の葉なら1皿でしっかり補うことができます。
では大根の葉に含まれる食物繊維をお伝えしてから、大根の葉の7つの効果効能を紹介します。
大根の葉に多い食物繊維
大根の葉には食物繊維がどのくらい含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 13% |
水溶性食物繊維 | 7% |
大根の葉に多いのは不溶性食物繊維。ポソポソした繊維質のもので、有害物質の排出、便秘解消、ダイエットなどのはたらきがあります。
水溶性食物繊維はやや少なめ。生活習慣病を防ぐはたらきが高い栄養ですが、私たちは必要な量の半分程度しか摂れていません。こんな食べ物に多く含まれています↓
では、
大根の葉に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
大根の葉に多い栄養とその効果
大根の葉1皿(50g)の栄養の中で、女性が必要な量に対して特に多い栄養はこの7つ。
ビタミンK | 90% |
ビタミンE | 32% |
葉酸 | 29% |
ビタミンC | 27% |
鉄分 | 24% |
ビタミンA | 24% |
カルシウム | 20% |
この7つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- 大根の葉でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンK
もっとも多い栄養はビタミンK。骨を丈夫にしたり、出血を止めるはたらきがあります。
大根の葉のビタミンK
1日に必要な量は
女性も男性も150μg。
大根の葉1皿には135μg。
1日に必要な量の90%もの多さです。
さて私たちは普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、大根の葉を食べるとどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
大根の葉1皿に、90%
合計で、247%
男性が摂れている量は、164%
大根の葉に、90%
合計で、254%
すでに十分摂れているように思うかもしれませんが、ビタミンKは強い骨づくりに重要な栄養。
また次のような人はビタミンK不足になりやすい傾向が。意識して摂るようにしましょう。
- 極端にかたよった食生活をしている
- 抗生物質を長期間飲み続けている
- 胆道閉塞症、肝臓病などの病気をしている
※参考サイト: 文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果
ビタミンKはおもに次の2つのはたらきがあります。
- 強い骨をつくる
- 切り傷などで出血した血を止める
強い骨をつくるのはカルシウムやマグネシウムだけではありません。
食べ物から摂ったカルシウムを腸から骨の場所へ運ぶのがビタミンD。運ばれたカルシウムを骨にペタッとくっつけるのがビタミンKです。
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ビタミンE
2番目の栄養はビタミンE。抗酸化作用が高く、流れをサラサラにして血管を若々しくする栄養です。
大根の葉のビタミンEは?
1日に必要な量は
女性が6mg、男性が7mg。
大根の葉の炒め物1皿に1.9mg。
では普段からどのくらい摂れていて、大根の葉50gでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、108%
大根の葉に、32%
合計で、140%
男性が摂れている量は、100%
大根の葉に、27%
合計で、127%
1日に必要な量をなんとかクリアしている程度。大根の葉で十分に補うことができます。
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つです。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
葉酸
大根の葉に3番目に多く含まれる葉酸。ビタミンB12と一緒になって血液を作って貧血を改善するはたらきがあります。
大根の葉の葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
大根の葉1皿には70μg。
大根の葉を食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
大根の葉に、29%
合計で、147%
男性が摂れている葉酸は、123%
大根の葉に、29%
合計で、152%
葉酸の効果は?
おもなはたらきはこちら。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作る
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸不足は貧血の原因にもなります。また、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人も葉酸が不足しがち。
意識して葉酸の多い食べ物を食べるようにしましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
ビタミンC
4番目の栄養はビタミンC。抗酸化作用が高くストレスや感染症から守るなどいろんなはたらきがあります。
大根の葉のビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
大根の葉1皿には27mg。
大根の葉を食べると……
女性が摂れている量は、96%
大根の葉に、27%
合計で、123%
男性が摂れている量は、91%
大根の葉に、27%
合計で、118%
やや不足ぎみのビタミンも大根の葉でしっかりと補うことができます。
ビタミンCの効果は?
様々なはたらきのあるビタミンC。おもに次の7つです。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める(ウイルスへの抵抗力アップ)
- 老化や病気を防ぐ(抗酸化作用)
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ストレスの多い人、疲れやすい人、体調を崩しやすい人などはビタミンCの消費量が多くなります。しっかりと補給しましょう。
鉄分
大根の葉に5番目に多く含まれる鉄分。体に吸収されにくいのでしっかり摂りたい栄養です。
大根の葉の鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
大根の葉1皿に1.6mg。
大根の葉を食べると……
女性が摂れている量は、112%
大根の葉に、24%
合計で、136%
男性が摂れている量は、107%
大根の葉に、21%
合計で、128%
鉄分の効果は?
鉄分のはたらきは次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくる
- コラーゲンをつくる
- 骨をつくる
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
鉄分不足は貧血だけでなく、免疫の低下、疲労、骨粗しょう症、肌荒れ、抜け毛、集中力の低下などにも影響があります。
思い当たるようなら、大根の葉など鉄分の多い食べ物を意識して食べましょう。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「鉄」
ビタミンA
6番目の栄養はビタミンA。免疫力を高めたりアンチエイジングに効果を発揮します。
大根の葉のビタミンAは?
1日に必要な量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
大根の葉1皿に165μgRAE。
女性が摂れている量は、74%
大根の葉には、24%
男性が摂れている量は、61%
大根の葉には、18%
私たちはビタミンAがかなりの不足。大根の葉でたっぷり補えるものの、まだまだ足りません。
免疫を高めて感染症から守るビタミンA。意識して摂りましょう↓
ビタミンAの効果は?
ビタミンAのはたらきは次の5つ。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化を防ぐ
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
カルシウム
7番目の栄養はカルシウム。骨を丈夫にしたり高血圧を予防するミネラルです。
大根の葉のカルシウムは?
1日に必要なカルシウムは
女性が650mg、男性が750mg。
大根の葉1皿に130mg。
女性が摂れている量は、76%
大根の葉に、20%
男性が摂れている量は、69%
大根の葉に、17%
カルシウムもかなり不足しがちな栄養ですが、大根の葉なら少しの量でもしっかり補うことができます。頼もしいカルシウム源ですね。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「カルシウム」
カルシウムの効果は?
おもなはたらきはこちらの6つ。
- 丈夫な骨や歯をつくる
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的にたもつ
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかに整える
*-*-*-*-*
大根の葉に多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- 大根の葉を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
大根の葉の7つの効果効能
大根の葉にはさまざまなビタミンやミネラルがぎっしり!
これらの栄養のはたらきから、期待される効果効能をまとめてみました。
- 丈夫な骨や歯をつくる
カルシウムが多いだけでなくビタミンKが骨への沈着を助け、鉄分が骨のもう1つの主成分であるコラーゲンを作る - 貧血を予防・改善する
鉄分やビタミンB12が血液(ヘモグロビンや赤血球)を作って全身に酸素を届ける - 感染症から守る
ウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを鉄分が助け、ビタミンAやCが粘膜を強くしてウイルスをブロックする - 心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化を防ぐ
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえてサラサラ効果を発揮する - アンチエイジング
ビタミンA・C・Eの抗酸化トリオが老化や病気の原因となる活性酸素を除去する - 体をしなやかに動かす
ビタミンCや鉄分が骨、関節、肌、粘膜などをしなやかに健康的に保ち、カルシウムが筋肉をスムーズに動かす - 高血圧を予防する
カルシウムが血圧の上昇をおさえて、ビタミンEがサラサラ効果で流れをよくする
これらの栄養の効果効能から、大根の葉を食べてほしいのはどんな人なのかというと……
こんな人こそ大根の葉を食べて!
大根の葉をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 骨を強くしたい(骨粗しょう症予防)
- 血圧・中性脂肪・コレステロールが気になる
- 貧血ぎみ
- 疲れやすい
- 風邪をひきやすい
- 肌や髪を美しくしたい
さらに生活環境などから考えると……
- ストレスが多い
- アスピリンやピルを飲んでいる
- こってり味が好き、洋食中心
- お酒を良く飲む
- 子供を授かりたい
大根の葉には、強い骨をつくる、生活習慣病を予防する、免疫を高める(ウイルスへの抵抗力を高める)、抗酸化作用、美肌・美髪、心臓や筋肉の動きを守る、といったはたらきの栄養が多く含まれています。
あてはまるようでしたら、ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。
大根の葉に多い栄養:まとめ
大根の葉に多い栄養と7つの効果効能についてお伝えしました。
大根の葉に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、ビタミンK、ビタミンE、葉酸、ビタミンC、鉄分、カルシウム、ビタミンA、カリウム
大根の葉の効果:強い骨や歯をつくる、貧血の予防・改善、感染症から守る、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化を防ぐ、アンチエイジング、体をしなやかに動かす、高血圧の予防
こんな人こそ食べてほしい:骨を強くしたい、血圧・中性脂肪・コレステロールが気になる、貧血、疲労、風邪をよく引く、ストレス、薬をよく飲む、洋食中心、お酒が好き、子供を授かりたい
一般的なスーパーでは大根の葉はすでに切られていることも多いでしょう。
産直野菜、農家さんの直売所、八百屋さんなど、葉っぱつきで買える場所を見つけて、この栄養と健康効果が凝縮された緑黄色野菜を活用してみてください。