とろろ昆布はひとつまみの中に栄養がたっぷり!しかも私たち日本人に足りない栄養がぎっしりと詰まっているんです。
そんなとろろ昆布にはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- とろろ昆布に多い栄養は?
- ひとつまみ5gで1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- とろろ昆布の効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。とろろ昆布の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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とろろ昆布5gの栄養価
とろろ昆布に多い栄養は、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄分、ビタミンKなど。
なかでも私たちにかなり不足している水溶性食物繊維とマグネシウムが、わずかひとつまみのとろろ昆布にたっぷりと含まれています。
とろろ昆布の効果として、中性脂肪やコレステロールを減らす、高血圧の予防、血糖値をおさえる、強い骨をつくる、筋肉をスムーズに動かす、便秘解消などが期待できます。
では、
- とろろ昆布をひとつまみ5gで、
1日分の栄養の何%が摂れる? - とろろ昆布に多いのはどの栄養?
- どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
一度に食べる量=
とろろ昆布5g(お吸い物1杯分)
お味噌汁やお吸い物に入れるひとつまみのとろろ昆布の量が5gほど。これを一度に食べる量としてその栄養価を紹介します。
とろろ昆布に多いビタミン
とろろ昆布5gを食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?
とろろ昆布に多く含まれているビタミンはB1とK。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンK | 5% |
ビタミンB1 | 2% |
わずか5g中の栄養価ということもあってビタミンの量も少なめ。海藻類はどれもビタミンは少なめで、ミネラルや食物繊維のほうが多い傾向があります。
次はとろろ昆布にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
とろろ昆布に多いミネラル
とろろ昆布5gを食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
とろろ昆布に豊富なミネラルは次の5つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
カリウム | 12% |
マグネシウム | 9% |
カルシウム | 5% |
ナトリウム | 4% |
鉄 | 3% |
とろろ昆布ひとつまみのわずかな量に、カリウムをはじめ、私たちが1日に必要な量の70%しか摂れていないマグネシウムやカルシウムも豊富に含まれています。
では、とろろ昆布5gあたりの食物繊維をお伝えしてから、とろろ昆布の7つの効果効能を紹介します。
とろろ昆布に多い食物繊維
とろろ昆布5gにはどのくらい含まれているのでしょうか?
水溶性食物繊維 | 19% |
不溶性食物繊維 | 2% |
とろろ昆布には水溶性食物繊維がぎっしり!
私たちは必要量の半分ほどしか摂れていないのですが、わずか5gのとろろ昆布で19%も補うことができます。
では、
とろろ昆布に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
とろろ昆布に多い栄養とその効果
とろろ昆布5gの栄養価のなかで、女性が必要な量に対して豊富な栄養はこちら。
水溶性食物繊維 | 19% |
カリウム | 12% |
マグネシウム | 9% |
ビタミンK | 5% |
カルシウム | 5% |
ではこの5つの栄養は……
私たちは普段どのくらい摂れている?
とろろ昆布5gでどのくらい補える?
どんなはたらきがある?
水溶性食物繊維
とろろ昆布にもっとも多い栄養は水溶性食物繊維。特に海藻に豊富に含まれていて、中性脂肪、血糖値、血圧などに効果を発揮します。
とろろ昆布の水溶性食物繊維の量
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
とろろ昆布5gには1.1g。
私たちにはどのくらい足りなくて、ひとつまみのとろろ昆布でどう補えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、58%
とろろ昆布5gには、19%
合計で、77%
男性が摂れている量は、51%
とろろ昆布には、16%
合計で、67%
とろろ昆布ならお味噌汁やお吸い物にただ入れるだけ!朝と夜にひとつまみずつ食べれば、不足分をほぼ補うことができます。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性6g、男性7gとしています。
水溶性食物繊維の効果
水溶性食物繊維には40代を過ぎた世代にうれしい健康効果が満載です。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして出す - コレステロールを下げる
コレステロールを出すだけでなく、消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
体内でゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで消化スピードをゆっくりにする - 便秘解消
腸の中で固くなった便に水分をあたえて柔らかくし、また善玉菌のエサとなって腸内環境を改善していくる - 血圧を下げる
体のなかの余分な塩分(ナトリウム)を出す - ダイエット
中性脂肪やコレステロールを減らすだけでなく、満腹感が続くので食べる量が自然とおさえられる
生活習慣病の予防に便秘解消に。水溶性食物繊維を意識して摂りましょう。
カリウム
2番目の栄養はカリウム。血圧を下げたり心臓の動きを守るはたらきがあります。
とろろ昆布のカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
とろろ昆布5gには240mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、ひとつまみのとろろ昆布でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、111%
とろろ昆布5gには、12%
合計で、123%
男性が摂れている量は、96%
とろろ昆布には、10%
合計で、106%
カリウムはふだんから摂れています。ただ私たちは塩分の摂りすぎ。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 余分なナトリウムを出す
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、疲れやすい、チカラが入らない、食欲がない、足がつりやすい、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
マグネシウム
とろろ昆布に3番目に豊富なマグネシウム。糖尿病の予防や血圧を整える効果のある栄養です。
とろろ昆布のマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
とろろ昆布5gには26mg。
とろろ昆布を食べると……
女性が摂れている量は、81%
とろろ昆布には、9%
合計で、90%
男性が摂れている量は、71%
とろろ昆布には、7%
合計で、78%
私たちはマグネシウムもかなりの不足。
豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの多い食べ物を意識して食べましょう。
ちなみに木綿豆腐なら1丁の半分(150g)にマグネシウムは85mg。不足分をまるまる補うことができます。
マグネシウムの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 丈夫な骨をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を防ぐ
- 気持ちをおだやかに整える
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。
日本人に不足しているマグネシウム。意識して摂るようにしたいですね。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
ビタミンK
4番目の栄養はビタミンK。強い骨をつくるなどの効果があります。
とろろ昆布のビタミンK
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
とろろ昆布5gには7.5μg。
女性が摂れている量は、157%
とろろ昆布には、5%
合計で、162%
男性が摂れている量は、164%
とろろ昆布には、5%
合計で、169%
ビタミンKは一般的な食生活なら不足することはまずありません。抗生物質を長期間飲み続けている人はビタミンK不足に注意が必要です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果
おもなはたらきは次の2つ。
- 骨にカルシウムを取りこむはたらきを高めて強い骨をつくる
- 切り傷など出血した血を固めて止血する
カルシウム
とろろ昆布に5番目に多い栄養はカルシウム。
とろろ昆布のカルシウムは?
1日に必要なカルシウムは
女性が650mg、男性が750mg。
とろろ昆布5gには33mg。
女性が摂れている量は、76%
とろろ昆布には、5%
合計で、81%
男性が摂れている量は、69%
とろろ昆布には、4%
合計で、73%
必要な量の70%前後しか摂れていません。カルシウムもマグネシウムも不足しているので、骨粗しょう症のリスクも高くなります。
カルシウムの多い食べ物には、さば缶(水煮・味噌煮)、あじ、しらす、厚揚げ、高野豆腐、豆腐、大根の葉、小松菜、豆乳など。
厚揚げ、木綿豆腐、絹ごし豆腐などはカルシウムもマグネシウムも豊富。ぜひ取り入れてください。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
カルシウムの効果
カルシウムのはたらきはよくご存じでしょう。おもに次の6つ。
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧の予防
- 心臓のはたらきを規則的にたもつ
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかに整える
*-*-*-*-*
とろろ昆布に多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
とろろ昆布を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
とろろ昆布の7つの効果効能
とろろ昆布には水溶性食物繊維やミネラルが豊富。この栄養のはたらきから、とろろ昆布に期待される効果をまとめてみました。
- 中性脂肪やコレステロールを減らす
食べ物の脂肪やコレステロールを水溶性食物繊維がキャッチして体から出す - 高血圧の予防
カリウムや水溶性食物繊維が余分な塩分を排出し、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が消化スピードをゆっくりにして血糖値をおさえる - 強い骨をつくる
カルシウムやマグネシウムやビタミンKが丈夫な骨を作る - 筋肉をスムーズに動かす
体をスムーズに動かし、心臓の鼓動を正常にたもち、筋肉がつったりけいれんするのも防ぐ - 便秘の解消
腸の中で固くなった便を柔らかくしてお通じをスムーズにする - 気持ちをおだやかに整える
生活習慣病の予防、便秘の解消、そしてダイエットにも効果が期待できる食べ物なのです。
そこで、とろろ昆布をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそとろろ昆布を食べて!
とろろ昆布をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 血圧が高い
- なんにでも醤油や塩をかける
- 魚や海藻をあまり食べない
- 炭水化物が好き
- お腹まわりが気になる
- 足がつりやすい
- 便秘(便がかたい、いきまないと出ない)
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とろろ昆布に多い栄養:まとめ
とろろ昆布に多い栄養とその健康効果についてお伝えしました。
とろろ昆布に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、ビタミンK、カルシウム
とろろ昆布の効能:中性脂肪やコレステロールを減らす、高血圧を予防する、血糖値の上昇をおさえる、骨を強くする、筋肉をスムーズに動かす、便秘を解消する、気持ちをおだやかにする
ほんのひとつまみのとろろ昆布には栄養も効能もたっぷり。手軽に食べられるとろろ昆布。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。