カリウムは余分な塩分を排出して高血圧やむくみを予防してくれる栄養素。
血圧、コレステロール、そしてお腹まわりが気になっていませんか?
野菜にはカリウムだけでなくいろんなビタミンや食物繊維も豊富!生活習慣病予防の強い味方になってくれます。
そこで100gあたりではなく「1食分あたり」でカリウムの多い野菜を20位までランキングでお伝えします。
ヘルシーな野菜でカリウムをしっかり摂って気持ちのよい毎日を過ごしましょう!
【関連記事】バナナ1本のカリウムの量は?ほかの食べ物と比べると?
【関連記事】カリウムが多い果物ランキング20【1食分あたり】摂取量や効果も!
カリウムの多い野菜ランキング
カリウムが多い野菜は、里芋、じゃがいも、トマト、枝豆、かぼちゃ、なす、ほうれん草などの葉物野菜。
1食分あたりの含有量で20位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
いも類、トマト、そして枝豆にもたっぷりと含まれています。
カリウムの効果としては、高血圧の予防、むくみの解消、筋肉をスムーズに動かす、心臓の正常な動きを守るなどがあります。
ちなみに、私たちは実際にカリウムを十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なカリウムと私たちが摂れている量を比べてみると……
女性は十分摂れているものの、男性はやや不足気味。カリウムの多い食べ物を意識して摂りたいですね。
ではこの20位までの野菜の「1食分に含まれるカリウム」をくわしくお伝えしていきます。
1~10位の野菜
まずは1~10位の野菜です。
カリウム:18歳以上なら……
女性の必要量=2,000mg
平均の摂取量=2,164mg
男性の必要量=2,500mg
平均の摂取量=2,324mg
1~10位の野菜には350~1,344mg。女性にとって必要なカリウムの18%~67%を摂ることができます。
女性は十分摂れていますが男性は176mg不足。ただこれから紹介する20位までの野菜すべて、男性の不足分をまるまる補うことができます。
1位:里芋(煮っころがし)
里芋の煮っころがし一皿
(里芋5個:210g)に
1,344mg
里芋は野菜にかぎらずカリウムの多い食べ物のなかでもダントツの含有量。1日に必要なカリウムのうち女性なら67%、男性なら54%もの量を摂ることができます。
里芋にはビタミンB群、E、鉄分、銅、水溶性と不溶性の食物繊維ほかあらゆる栄養が凝縮!血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、便秘解消、疲労回復に効果的です。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
2位:里芋(冷凍ものを使用)
里芋の煮っころがし一皿
(里芋5個:210g)に
714mg
里芋でも冷凍ものを使うとカリウムの量は半分程度になります。それでも女性に必要なカリウムの36%も含まれています。
3位:じゃがいも
じゃがバター1個(140g)に
602mg
野菜の第3位はじゃがいも。
さといもと比べると半分以下の含有量にはなりますが、1日に必要なカリウムのうち女性なら30%、男性なら24%を摂ることができます。
じゃがいもは意外にもビタミンCがたっぷり!ビタミンB群、銅、食物繊維も多く、感染症の予防、貧血・肌荒れ・口内炎の予防にも効果的です。
4位:トマトジュース(食塩無添加)
トマトジュース200mlに
520mg
半分の100ml飲むだけでも260mgのカリウムが摂れるので、男性の不足分113mgを軽く補うことができます。
トマトジュースはビタミンB6、C、E、葉酸、ビオチン、モリブデン、銅も豊富。動脈硬化の予防、疲労回復、月経前の悩みや妊娠中のつわりをやわらげる、美白も期待できます。
トマトジュースの栄養がすごい!コップ1杯の栄養価と7つの効果とは
5位:トマト水煮缶詰
トマトの水煮200gに
480mg
6位:ミニトマト(サラダ)
ミニトマト10個(150g)に
435mg
普通のトマト1個の重さ(約150g)に合わせて、ミニトマト10個(150g)あたりのカリウムを紹介しています。
ミニトマトは普通のトマトよりいろんな栄養素が豊富。風邪の治りを早くする、動脈硬化や心筋梗塞や高血圧の予防、貧血予防、アンチエイジングに効果を発揮します。
ミニトマトの栄養がすごい!10個あたりの栄養価と9つの効果とは?
7位:さつまいも
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
432mg
8位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
423mg
1日に必要なカリウムのうち女性なら21%、男性なら17% 。
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどになります。
冷凍ものの枝豆を自然解凍するだけなのでとても手軽。ビタミンB1、B2、葉酸、食物繊維も豊富でアルコールの分解も助けてくれます。
※さやが緑色で実(豆)も未成熟な枝豆は分類上「野菜」。大豆になると分類上は「穀物」になります。
9位:れんこん(きんぴら)
れんこんのきんぴらの
小鉢1皿(80g)に
352mg
一般的なサイズのれんこんは1節が200gほど。その半分弱の量ですね。
れんこんはビタミンC、B群、銅、不溶性食物繊維も豊富な野菜。感染症から守る、アンチエイジング、ストレスに対抗する、血圧を下げる、デトックスが期待できます。
れんこんの栄養がすごい!1皿あたりの栄養価と7つの効果とは?
10位:切り干し大根(煮物)
切り干し大根の煮物の
小鉢1皿(33g)に
350mg
乾燥の切り干し大根10gを使用。水で戻すと重さは3.3倍の33gになります。
切り干し大根は水溶性と不溶性の両方の食物繊維のバランスがよく、しかもたっぷり。生活習慣病の予防やスムーズなお通じのためにもぜひ食べてほしい健康野菜です。
*-*-*-*-*
カリウムの多い野菜を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の野菜です。
11~20位の野菜
カリウムの多い野菜、11~20位です。
カリウムの必要量
18歳以上なら、
女性:2,000mg
男性:2,500mg
11~20位の野菜には206~331mg。女性の1日分のカリウムの10%~17%が含まれています。
女性は必要量を摂れていますが男性は176mg不足。ただ20位までの野菜ならすべて1食分で男性の不足分をすべて補えます。
11位:かぼちゃ
かぼちゃの煮物2切れ(77g)に
331mg
煮物サイズにカットしたかぼちゃ2切れに含まれるカリウムです。1/4玉のかぼちゃを4人分とした場合の量ですね。
1日に必要なカリウムのうち女性なら17%、男性なら13%。わずか2切れで男性の不足分(176mg)をかるく補うことができます。
かぼちゃはビタミンA、C、E、マグネシウム、不溶性食物繊維が豊富な野菜。動脈硬化や心筋梗塞の予防、免疫力アップ、アンチエイジング、貧血予防、便秘解消に効果を発揮します。
かぼちゃには栄養が凝縮!その高い栄養価と7つの効果とは?
12位:なす
なす2本分の炒め物に
319mg
なすのヘタを取り除くと1本が72gほど。生ではなく「油で炒めたなす2本分の栄養価」です。
13位:トマト(サラダ)
トマト中サイズ1個(150g)に
315mg
1日分のカリウムのうち女性なら16%、男性なら13%を摂ることができます。
14位:ほうれん草(サラダ)
ほうれん草のサラダ一皿(1/4袋分:45g)に
311mg
おひたしの場合は、同じ量のほうれん草を使って作ると約半分の162mg。カリウムは水に溶け出てしまうので、おひたしにすると少なくなってしまいます。
ほうれん草はビタミンA、C、E、K、葉酸、マグネシウム、鉄分もたっぷり!子供の成長促進、感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化や高血圧の予防、肌や粘膜を整える、貧血予防が期待できます。
ほうれん草の栄養がすごい!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
15位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
301mg
16位:サニーレタス
サニーレタスのサラダ1皿
(1/4玉分:70g)に
287mg
普通のレタスなら同じ量でもカリウムはサニーレタスの半分の148mg。それでも男性の不足分はすべて補えます。
17位:大根(煮物)
大根の煮物1皿(130g)に
273mg
大根を3センチ幅で輪切りにして茹でると130gほどになります。
ちなみに、大根をおろすことで作られる「イソチオシアネート」というすごい健康成分も注目されています。酵素も凝縮された大根は生で食べるのもおすすめです。
大根はビタミンC、B群、モリブデン、食物繊維が豊富な野菜。生活習慣病の予防、便秘解消、デトックス、貧血の予防効果が期待できます。
大根の栄養がすごい!大根サラダ1皿の栄養価と8つの効果とは?
18位:セロリ(サラダ)
セロリ1本(65g)に
267mg
19位:にんじん
にんじん1/2本分の炒め物に
240mg
にんじんはビタミンAがトップクラスの野菜。この1食分で1日に必要なビタミンAの50%以上も摂ることができます。
ほかにもビタミンEや水溶性と不溶性の食物繊維が多く、免疫力アップ、アンチエイジング、デトックス、血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値の改善、美肌が期待できます。
にんじんの栄養がすごい!1/2本あたりの栄養価と8つの効果とは?
20位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
206mg
女性の1日分のカリウムの10%。男性の不足分(176mg)も十分に補うことができます。
*-*-*-*-*
カリウムの多い野菜を20位までお伝えしました。ではもう一度グラフで見てみましょう。
20位までの野菜はすべて、1食分で男性の不足分176mgをおぎなうことができます。
さて、カリウムには具体的にどんな効果があるのか、不足するとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- カリウムの4つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に必要なカリウム
- 私たちが実際に摂れている量
- カリウムが足りない人
についてお伝えします。
カリウムの効果とは?
カリウムの効果、足りないとどうなる?摂りすぎるとどうなる?についてです。
カリウムの4つの効果
カリウムの効果は高血圧の予防やむくみの解消など。くわしくはこちらの4つの効果があります。
- 高血圧の予防
体内の余分な塩分を汗や尿で体から排出する - むくみの解消
体内にナトリウムが多いと塩分濃度を薄めるために水分をためこんでむくみの原因となるが、カリウムはその余分なナトリウムを排出する - 筋肉の動きを正常に維持する
筋肉を収縮させたり弛緩させることでスムーズに動かす - 心臓の動きを正常にする
心臓を動かす筋肉の動きを規則的に保つ
カリウムの効果といえばやはり、余分な塩分を排出することによる高血圧予防。そのほか心臓や筋肉の動きを正常に整えてくれる栄養素なのです。
カリウムが足りないとどうなる?
カリウムが足りないと次のような影響をきたす場合があります。
- 高血圧
- 手足がむくむ
- 脱力感、筋力の低下、けいれん、足がつる
- 疲労感、疲れがとれない
- 食欲不振
- 不整脈
カリウムを摂りすぎるとどうなる?
通常の食生活ならカリウムを摂りすぎることはまずありません。余分なカリウムは尿として排出されます。
カリウム制限されている方は注意が必要ですので、医師のアドバイスに従いましょう。
※参考サイト:厚生労働省 、e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムを摂るときの注意
カリウムは水に溶け出る栄養素です。
水洗いする、水にさらす、茹でる、といった調理で水に溶け出てしまって、野菜に含まれるカリウムの量が減ってしまいます。
- 水洗いはできるだけ手早くする
- 水にさらすのも短時間に
- 茹ですぎに注意
- 野菜スープなら具だけではなくスープもしっかりいただく
カリウムが少しでも減らないような工夫が大切ですね。
不足しないようにしっかり摂りたいカリウム。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
カリウムの必要量と摂取量
あらためて、カリウムはどのくらい摂るのがよいのか、私たちは普段からどのくらい摂れているのか、お伝えします。
1日に必要なカリウム
カリウムの必要な量は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」で定められています。
カリウムの必要量
18歳以上なら、
女性:2,000mg
男性:2,500mg
さて私たちが実際に摂れている量(摂取量)はどのくらいでしょうか?
私たちのカリウムの摂取量
私たちが実際に摂れているカリウムの量はこちら。
カリウムの実際の摂取量
18歳では……
女性の必要量:2,000mg
平均の摂取量:2,164mg
164mg(8%)多く摂れています
男性の必要量:2,500mg
平均の摂取量:2,324mg
176mg(7%)不足
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性は十分に足りているのですが、男性は必要量の93%とやや不足しています。
なかでも足りない傾向になる人は……
カリウムが不足しやすい人
次のような方はカリウムの摂取量が足りない傾向にあります。
- 嘔吐や下痢することが多い
- 下剤や利尿剤を飲むことが多い
- かたよった食生活をしている
- 降圧剤を長く使用している
- 汗をよくかく
- ストレスが多い
- 足がよくつる
カリウムは汗からも排出されるので、よく運動する人、サウナが好きな人は不足しやすくなります。
あてはまる方は不足しないようカリウムの多い食べ物を食べるようにしましょう。
カリウムの多い野菜:まとめ
カリウムの多い野菜、効果、1日に必要な量と私たちが実際に摂れている量についてお伝えしました。
カリウムの多い野菜:さといも、じゃがいも、トマト、さつまいも、枝豆、れんこん、切り干し大根、かぼちゃ、ほうれん草
カリウムの効果:高血圧の予防、むくみの解消、筋肉の動きを正常に維持する、心臓の動きを正常にする
足りないと?:高血圧、むくみ、脱力感、筋力の低下、足がつる、疲労感、食欲不振、不整脈
摂りすぎると?:通常の食生活では悪影響が出るほどにカリウムを摂りすぎるということはまずありません
1日の必要量:18歳以上の場合、女性は2,000mg、男性は2,500mg。女性は164mg多く摂れていますが、男性は176mg不足です。
不足しやすい人:嘔吐や下痢が多い、下剤や利尿剤をよく飲む、食生活がかたよっている、降圧剤を長い間飲んでいる、よく汗をかく、ストレスが多い、よく足がつる
カリウムは比較的不足しにくい栄養素。でもナトリウムの摂りすぎをカバーするにはしっかりと摂りたいもの。
カリウムの多い野菜をふだんの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。