カルシウムが多い食べ物といえば乳製品、と思っていませんか?
カルシウムは体内でもっとも多いミネラルなのに、日本人には不足しがちな栄養素。
骨密度のピークは思春期とも言われています。それまでにしっかりカルシウムを摂って骨密度を高めることと、思春期以降も骨密度を落とさないようにカルシウムを摂ることが大切です。
また、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要。カルシウムで骨を作るにはビタミンKが必要。どちらも積極的に摂りましょう。
では身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりでカルシウムの多い食べ物をランキングで35位まで紹介します。
このページを読めば、どの食べ物を、どのくらい食べると、1日に必要なカルシウムのうちのどのくらいを補えるのかがわかります。ぜひご参考に。
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カルシウムの効果とは?
カルシウムの多い食べ物をご紹介する前に、まずはカルシウムの効果効能、不足したら? 摂りすぎたら? についてお伝えします。
カルシウムの5つの効果
カルシウムにはおもに次のような効果があるとされています。
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的に維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
体内のカルシウムの99%は骨に存在しています。でも残りの1%も心臓や血液や筋肉など命を守る大切なはたらきをしています。
カルシウムが不足すると?
日本人はかなりのカルシウム不足。1日に必要な量に対して25%ほど不足しています。
カルシウムが不足すると……
- 骨粗しょう症
- 高血圧
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 尿路結石や腎臓結石
- 肥満
そのほか、くる病(乳幼児や成長期の子供)、認知障害、免疫異常、軟骨の変性と変形性関節症などのリスクも高まります。
カルシウムを摂りすぎると?
カルシウムは健康な人が通常の食生活で摂るかぎりでは摂りすぎによる悪影響はほぼありません。
ただサプリメントで摂りすぎてしまうと、泌尿器系結石、ミルクアルカリ症候群、ほかのミネラルの吸収をさまたげる、といった影響が考えられます。
※参考サイト:厚生労働省 、e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
とはいえ日本人はカルシウムがまったく足りていません。カルシウムの多い食べ物でしっかり補うように心がけたいですね。
ではカルシウムは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのかお伝えします。
カルシウムの1日の推奨量
カルシウムは1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
年齢別で1日に必要な量は?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が定めているカルシウムの1日の推奨量はこちらです。
カルシウムの1日の推奨量
30~74歳なら、
女性:650mg
男性:750mg
では、私たちはカルシウムをちゃんと摂れているのかというと……
カルシウムをちゃんと摂れている?
私たちが実際に摂れているカルシウムの量はこちらです!
カルシウムの必要量と摂取量
30~74歳なら……
女性の必要量:650mg
摂れている量:477mg
173mg(27%)不足
男性の必要量:750mg
摂れている量:475mg
275mg(37%)不足
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
25%も不足しています。すこしでも若いうちからカルシウムの多い食べ物を意識して食べることが大切ですね。
では身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりでカルシウムが多い食べ物を35位までお伝えします。
カルシウムの多い食べ物ランキング
カルシウムの含有量の多い食べ物を35位までランキングしました。
100gあたりの含有量ではなく1食分あたりに含まれるカルシウムの多い食べ物です。
1~10位の食べ物
1~10位の食べ物をお伝えする前に、カルシウムの含有量の多い順に35位までグラフにまとめました。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
カルシウムの含有量、1位がわかさぎとは意外。さば缶はいろんな栄養素で上位に入るスーパー食材ですね。
では、この35位までの食べ物それぞれの……
- 1食分ってどのくらいの量なの?
- 1食分に含まれるカルシウムの量は?
について紹介します。
まずは1~10位まで 。
カルシウムの1日の必要量
女性:650mg
男性:750mg
女性は173mg不足、男性は275mg不足、ということを頭に置きながら読み進めていってください。
1位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
315mg
1日に必要なカルシウムの48%(男性なら42%)。男女ともに不足分をまるまる補えます。
わかさぎはビタミンB群、D、セレン、銅、亜鉛なども豊富!心臓を守る、感染症の予防、高血圧の予防、感情をおだやかにするなどの効果も期待できます。
わかさぎの栄養がすごい!1食分7尾の栄養価と7つの効果とは?
2位:チェダーチーズ
チェダーチーズ40gに
296mg
1日に必要なカルシウムの46%(男性なら39%)。こちらも不足分をまるまる補えます。
プロセスチーズもゴーダチーズもカルシウムの含有量は同じです。
3位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
247mg
女性の1日分のカルシウムの38%(男性なら33%)。女性の不足分をまるまる補えます。
4位:厚揚げ(生揚げ)
厚揚げ1/2枚(75g)に
232.5mg
1日に必要なカルシウムの 36%(男性なら31%)。この4位の厚揚げまでなら女性の不足分を十分補えます。
厚揚げはマグネシウム、鉄分、ナイアシン、ビタミンKなども豊富。高血圧や糖尿病の予防、疲労回復、免疫力を高めるなどの効果を発揮します。
厚揚げに多い栄養素はコレ!1枚の栄養価と8つの効果効能とは?
5位:牛乳
200ml入り1パックに
226.6mg
6位:さば(みそ煮缶詰)
さばのみそ煮缶詰1/2缶(95g)に
199.5mg
1日に必要なカルシウムの31%(男性なら27%)を摂ることができます。
さばの缶詰1/2缶分では、水煮が247mg、みそ煮が199.5mg。水煮のほうがカルシウムはやや多めですね。
7位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
171mg
8位:高野豆腐(含め煮)
高野豆腐の煮物1鉢(100g)に
150mg
1日に必要なカルシウムは女性で650mg、男性で750mg。高野豆腐ならその23%(男性なら20%)を摂ることができます。
ミネラル豊富な高野豆腐にはカルシウムのほかに鉄分、セレン、亜鉛などもたっぷり。不整脈・狭心症の予防、糖尿病を防ぐ、血圧を下げる、感情を安定させるなどが期待できます。
高野豆腐はミネラルの宝庫!1皿分の栄養価と7つの効果効能とは?
9位:大根の葉(炒め物)
大根の葉の炒め物(1/3本分:50g)に
130mg
大根の葉はビタミンA、C、E、K、葉酸、鉄分なども豊富。貧血予防、免疫力を高める、心筋梗塞や動脈硬化や高血圧を防ぐ、アンチエイジングなども期待できます。
大根の葉の栄養がすごい!炒め物1皿分の栄養価と7つの効果とは?
10位:ししゃも(生干しを焼いたもの)
からふとししゃも2尾(32g)に
121.6mg
1日に必要なカルシウムの19%(男性なら16%)。女性の不足分の80%を補えます。男性の不足分は50%を補えます。
一般的に出回っているししゃもはからふとししゃもです。
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1食分あたりでカルシウムの多い食べ物を1~10位まで紹介しました。
次は11~20位を紹介します。
11~20位の食べ物
カルシウムの多い食べ物。
続いて11~20位です。
11~20位の食べ物では1日に必要なカルシウムの9~17%を摂ることができます。
カルシウムの1日の必要量
女性:650mg
男性:750mg
女性は173mg不足、男性は275mg不足、ということを頭に置きながら読み進めていってください。
11位:ヨーグルト(無糖:プレーン)
プレーンヨーグルト100gに
120mg
1日に必要なカルシウムの18%(男性なら16%)を摂ることができます。
12位:あじ(あじフライ)
アジフライ2枚(100g)に
100mg
13位:春菊(おひたし)
春菊のおひたし一皿(1/2袋分:64g)に
96mg
春菊はβ-カロテンとビタミンKが抜群に多く、ビタミンE、葉酸、食物繊維、鉄分もたっぷり!感染症から守る、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、貧血予防、美肌などが期待できます。
春菊には栄養が凝縮!おひたし1皿の栄養価と8つの効果とは?
14位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
90.3mg
15位:しらす干し
しらす丼1杯分(しらす30g)に
84mg
しらす30gは大さじで5~6杯分。女性の1日分のカルシウムの13%。不足分の半分を補うことができます。
16位:白菜(含め煮)
白菜の炒め煮1皿分
(1/8玉:188g)に
80.8mg
17位:小松菜(おひたし)
小松菜のおひたし一皿(1/4袋分:50g)に
75mg
1日に必要なカルシウムの12%(男性なら10%)。女性の不足分の43%を補うことができます。
小松菜はビタミンKが抜群に多く、ビタミンC、E、β-カロテン、葉酸、鉄分も豊富。感染症から守る、アンチエイジング、ストレスから守る、貧血や高血圧予防などが期待できます。
小松菜の栄養がすごい!おひたし1皿の栄養価と7つの効果とは?
18位:豆乳(調整豆乳)
調整豆乳200mlに
65.1mg
19位:まいわし(蒲焼き)
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
62.7mg
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレなどを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
20位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
60mg
1日に必要なカルシウムの9%(男性なら8%)。女性の不足分の半分が補える量ですね。
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カルシウムの多い食べ物を11~20位まで紹介しました。
最後に21~35位を紹介します。
21~35位の食べ物
カルシウムの多い食べ物。
最後は21~35位です。
21~35位の食べ物には1日に必要なカルシウムの5~7%が含まれています。
カルシウムの1日の必要量
女性:650mg
男性:750mg
女性は173mg不足、男性は275mg不足です。
21位:牡蠣(生ガキ)
生ガキ3個(60g)に
50.4mg
1日に必要なカルシウムの8%(男性なら7%)を摂ることができます。
22位:切り干し大根(煮物)
切り干し大根の煮物の
小鉢一皿(33g)に
50.0mg
乾燥の切り干し大根10gを水で戻すと、3.3倍の重さの33gになります。
切り干し大根には食物繊維、マグネシウム、カリウム、葉酸、食物繊維なども豊富。生活習慣病の予防、貧血予防、疲労回復、デトックス、便秘解消が期待できます。
切り干し大根の栄養がすごい!1皿分の栄養価と12の効果とは?
23位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
49.4mg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
24位:サニーレタス(サラダ)
サニーレタス1/4玉(70g)のサラダに
46.2mg
25位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
45mg
1日に必要なカルシウムの7%(男性なら6%)を摂ることができます。
絹ごし豆腐は鉄分、銅、マグネシウム、食物繊維もたっぷり!血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防、感染症の予防、イライラをおさえる、美肌効果なども期待できます。
絹ごし豆腐は栄養が凝縮!1丁の栄養価と8つの効果とは?
26位:ひじき(煮物)
ひじきの煮物小鉢一皿(40g)に
44mg
27位:ココア
ココア1杯(140ml)に
43.2mg
ミルクココア(調整ココア)の粉末24gを使って作った、飲む状態のココア1杯の栄養価です。
27位タイ:しじみ(味噌汁)
しじみの味噌汁1杯
(しじみ17.5g)に
43.2mg
味噌汁1杯分のしじみを25粒程度としました。殻付きの状態で70g、身の部分は17.5gほどになります。
29位:キャベツ(炒め物)
キャベツ2枚(100g)の炒め物に
43mg
30位:さといも(煮っころがし:冷凍ものを使用)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
42mg
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、銅、食物繊維ほかあらゆる栄養が凝縮!血圧・中性脂肪・コレステロールを改善する、便秘解消、疲労回復、美肌などが期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
31位:オクラ(ごまあえ)
オクラ5本(43g)に
39.6mg
32位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の小鉢一皿(50g)に
39.5mg
33位:納豆(粒)
粒納豆1パック(40g)に
36mg
ひきわり納豆なら1パックに23.6mgのカルシウム。粒納豆の2/3ほどの含有量ですね。
納豆はさほどカルシウムが多くないと思われがちですが、実は骨を強くするのに最適な食べ物。
納豆が骨を強くする理由についてはこちらでくわしく紹介しています。
納豆はカルシウムが多い? 1パックの含有量とほかの食べ物との比較
34位:いちご
いちご10粒(200g)に
34mg
35位:キウイフルーツ(グリーン)
グリーンキウイ1個(100g)に
33mg
ゴールドキウイのカルシウムはこの半分。17.0mgです。
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カルシウムの多い食べ物を「1食分あたり」で35位までご紹介しました。もう1度グラフで見てみましょう。
カルシウムの推奨量(摂取量の目標)に25~30%も足りていない私たち日本人。
チーズ、さば缶、サケ缶、しらす、枝豆、豆乳、納豆など、手軽なものから取り入れるのもおすすめです。
カルシウムの多い食べ物:まとめ
カルシウムの多い食べ物を1食分あたりに換算して、35位まで紹介しました。
カルシウムの多い食べ物:魚類(わかさぎ、さば、鮭、ししゃも、あじ、しらす、いわし、牡蠣)、乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルト)、豆(厚揚げ、豆腐、豆乳、枝豆、納豆)、野菜(大根の葉、春菊、水菜、白菜、小松菜、レタス、キャベツ)など
カルシウムの効果効能:骨や歯を強くする、筋肉をスムーズに動かす、高血圧を予防、心臓のはたらきや血液の状態を正常にたもつ、など
不足すると?:骨粗しょう症、高血圧、動脈硬化、糖尿病、結石、肥満、小児のくる病など
摂りすぎると?:通常の食生活では摂りすぎの悪影響はほぼありません
1日の必要量:30~74歳なら、女性で650mg(173mg不足)、男性で750mg(275mgほど不足)
思春期までに骨密度を高めれば、将来の骨粗しょう症のリスクが大幅に下がります。
ご自身の骨密度を落とさないようにカルシウムを補給しながら、お子さん、お孫さんもしっかりと摂れるように気をつけてあげたいですね。