シャキシャキとした食感が楽しめるたけのこ。
食物繊維が多いイメージはありますが、ほかにどんな栄養が多いのか、どんな効果があるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- たけのこに多い栄養は何?
- 土佐煮など一皿食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- たけのこの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
などが手に取るようにわかります。たけのこの栄養を取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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たけのこ一皿の栄養価
たけのこに多い栄養素は、ビタミンE、葉酸、マンガン、クロム、銅、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維など。
繊維質なだけあって2種類の食物繊維が豊富。そのほかいろいろなミネラルも多く含まれています。
たけのこの効果として、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防、貧血予防、便秘解消、疲労回復、美肌・美髪などが期待できます。
そんなたけのこ。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養のはたらきは何なのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- たけのこを一皿食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - たけのこに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
たけのこの土佐煮:一皿67g
たけのこの水煮を使って作った場合の栄養価です。たけのこの水煮は1個が約200g。これを3人分として1食分を67gとしました。
たけのこに多いビタミン
たけのこの土佐煮を一皿食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
たけのこに多く含まれているビタミンは次の2つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンE | 11% |
葉酸 | 10% |
ビタミンのなかではこの2つだけが豊富。そのほかはそれほど多くは含まれていません。
次はたけのこにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
たけのこに多いミネラル
たけのこの土佐煮を一皿食べると、1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?
たけのこに豊富なミネラルは次の2つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
マンガン | 13% |
クロム | 7% |
エネルギーをつくるはたらきのマンガンが豊富。次に多いクロムもエネルギー代謝の栄養です。
そのほかのミネラルはやや少なめです。
では、たけのこ一皿あたりの食物繊維をお伝えしてから、たけのこの6つの効果効能を紹介します。
たけのこに多い食物繊維
たけのこの土佐煮一皿67gで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 10% |
水溶性食物繊維 | 6% |
繊維質である「不溶性食物繊維」が比較的多いのはイメージ通りではないでしょうか。
水溶性と不溶性は1:2のバランスがよいとされています。たけのこは2種類の食物繊維をバランスよく摂ることができる食べ物と言えそうです。
では、
たけのこに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
たけのこに多い栄養とその効果
たけのこ一皿に含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
マンガン | 13% |
ビタミンE | 11% |
不溶性食物繊維 | 10% |
葉酸 | 10% |
クロム | 7% |
水溶性食物繊維 | 6% |
ではこの6つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- たけのこでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
マンガン
たけのこにもっとも多い栄養はマンガン。食べ物をエネルギーに変える、強い骨をつくるなどのはたらきがあります。
たけのこのマンガンの量は?
1日に必要なマンガンは
女性が3.5mg、男性が4mg。
たけのこ一皿に0.46mg。
女性:1日に必要な量の13%
男性:1日に必要な量の11%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
マンガンは「足りているのか、足りていないのか」の調査がありませんが、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないと考えられています。
【関連記事】マンガンの多い食べ物ランキング30-摂取量や効果も紹介!
マンガンの効果は?
マンガンのおもなはたらきは次の7つ。
- エネルギーを作る:
脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化 - 強い骨をつくる
- 美肌:
ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける - インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
なじみのない栄養かもしれませんが、疲労を回復したり糖尿病を予防したりといったはたらきが期待される栄養です。
ビタミンE
2番目の栄養はビタミンE。血管の掃除役で流れをよくして悪玉コレステロールをおさえるはたらきがあります。
たけのこのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
たけのこ一皿に0.67mg。
さて私たちは普段からどのくらい摂れていて、たけのこ一皿でどう増えるのかというと……
女性が摂れている量は、108%
たけのこ一皿に、11%
合計で、119%
男性が摂れている量は、100%
たけのこ一皿に、10%
合計で、110%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
40代からの生活習慣病に気をつけたい年代には大切なビタミンですね。
たけのこのほか、ビタミンEが多い食べ物は、豆乳、トマトジュース、豚肉、かぼちゃ、さば缶、鮭、ゴールドキウイなど。
忙しくて食生活が乱れている、脂っこいものや甘いものが好き、お酒をよく飲む、といった方はビタミンEを積極的に摂りましょう。
不溶性食物繊維
たけのこに3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。玄米、大豆、野菜などに豊富でデトックスや便秘解消などのはたらきがあります。
たけのこの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
たけのこ一皿に1.2g。
では普段からどのくらい摂れていて、たけのこ一皿でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
たけのこに、10%
合計で、103%
男性が摂れている量は、84%
たけのこに、9%
合計で、93%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維が効果を発揮する便秘は、お通じの回数が少ない、便の量が少ない、といったタイプ。
体内で水分を吸って大きくふくらむので、便のカサが増えて腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしてくれます。
葉酸
4番目の栄養は葉酸。妊娠初期から授乳期まで特に必要なビタミンで、血液をつくって貧血を防ぐはたらきもあります。
たけのこの葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
たけのこ一皿には24μg。
1日の必要量の10%です。
たけのこを食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
たけのこに、10%
合計で、128%
男性が摂れている葉酸は、123%
たけのこに、10%
合計で、133%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
妊活中から授乳期にかけては葉酸を多めにとりたいもの。こちらの食べ物に多く含まれています↓
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの発育を守る
- ビタミンB12と一緒に赤血球を作って貧血を予防する
- 細胞をつくって肌・髪・筋肉を支える
- 肌や粘膜を守って整える
妊婦さんや授乳中のママにとっては多めに摂りたい葉酸。
たけのこの栄養のなかでは葉酸は多め。でも同じ1食分で、枝豆にはたけのこの約8倍、いちごなら7倍、ほうれん草やブロッコリーには約4倍の葉酸が含まれています。
クロム
たけのこに5番目に豊富なクロム。魚介類や豆腐などの大豆製品に豊富な栄養です。
たけのこのクロムは?
1日に必要なクロムは
女性も男性も10μg。
たけのこ一皿に0.67μg。
クロムは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただ一般的な食生活であれば不足や摂りすぎの心配はまずないようです。
クロムの効果は?
おもなはたらきはこの3つ。
- 血糖値を下げる
- 血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
- 糖質・たんぱく質の代謝を助ける
疲労回復や生活習慣病を防ぐはたらきの必須ミネラルです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「クロム解説」、厚生労働省 eJIM「クロミウム」
水溶性食物繊維
6番目の栄養は水溶性食物繊維。海藻や果物に豊富な栄養で、生活習慣病を防ぐはたらきの高さに注目が高まっています。
たけのこの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
たけのこ一皿に0.34g。
たけのこを食べると……
女性が摂れている量は、58%
たけのこに、6%
合計で、64%
男性が摂れている量は、51%
たけのこに、5%
合計で、56%
たけのこで補えるのも5%前後。私たちにあまりに不足しているためまだ全然足りません。
寒天、とろろ昆布、わかめ、もち麦、豆腐、納豆、枝豆など、豊富に含まれる食べ物をしっかり食べましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
生活習慣病を防ぐはたらきが高い栄養素。具体的にはこちら。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 便秘を解消する
- ダイエット
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
便秘解消については、便が固い、いきまないと出ない、というタイプの便秘に効果的。
便秘のタイプによって、摂るべき食物繊維が異なります。どちらを摂るべきなのか、こちらで詳しくお伝えしています ↓
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たけのこに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- たけのこを食べると
どんな効果が得られる? - どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
たけのこの6つの効果効能
たけのこはいろんな栄養が豊富とは言えないものの、マンガン、ビタミンE、食物繊維、葉酸などが豊富。
これらの栄養のはたらきから、たけのこに期待される効果をまとめてみました。
- 動脈硬化を予防する
ビタミンEの強力な抗酸化作用でコレステロールや脂肪の酸化を防ぐとともに、血管の細胞膜のダメージも防いで血管をしなやかに保つ - 心筋梗塞や脳梗塞を予防する
水溶性食物繊維がコレステロールをキャッチして排出し、ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえる - 貧血を予防する
葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、ビタミンEが血行を良くして全身に酸素を届ける - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して数倍から数十倍にふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、水溶性食物繊維が固くなった便に水分をあたえて柔らかくしてお通じをスムーズにする。 - 疲労回復を促進する
マンガンやクロムが脂質、たんぱく質、糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 美しい肌や髪をつくる
マンガンはヒアルロン酸を作るはたらきを高め、ビタミンEや葉酸は肌の新陳代謝を高めてハリとうるおいを与える
ということで、たけのこをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそたけのこを食べて!
たけのこをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 血圧やコレステロールが気になる
- 疲れやすい
- 貧血ぎみ
- 便秘ぎみ
- 野菜不足
- 洋食が多い
40歳を過ぎた人、毎日忙しい人、和食ばなれ・野菜ばなれの人にぜひ食べてもらいたいのがたけのこなのですね。
たけのこに多い栄養:まとめ
たけのこに多い栄養と効果効能を紹介しました。
たけのこに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、マンガン、ビタミンE、不溶性食物繊維、葉酸、クロム、水溶性食物繊維
たけのこの効果:動脈硬化の予防、心筋梗塞の予防、貧血予防、便秘解消、疲労回復、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:高血圧、お腹まわりが気になる、疲れやすい、貧血ぎみ、便秘ぎみ、野菜不足、和食が少ない
煮物に混ぜごはんにと食感も楽しめるたけのこ。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。