ブロッコリーは低カロリーなのに栄養豊富な緑黄色野菜。美容や健康のためにお米の代わりにブロッコリーを、という方もいらっしゃいますね。
そんなブロッコリー。どんな栄養素が多いのか、どんな効果効能があるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ブロッコリーに多い栄養素は?
- 1/3株食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- ブロッコリーの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。ブロッコリーの栄養を活かして元気な毎日を過ごしましょう。
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ブロッコリー1/3株の栄養価
ブロッコリーに多い栄養素は、ビタミンK、C、E、葉酸、モリブデン、不溶性と水溶性の食物繊維など。
いろんな栄養がたっぷり含まれていますが、特に私たちに不足しているビタミンC、E、食物繊維が豊富です。
ブロッコリーの効果としては、風邪を早く治す、血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、便秘解消、貧血予防、ストレスから守る、美肌・美髪、胎児の発育を守る、アンチエイジングなどが期待できます。
そんなブロッコリー。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは生のブロッコリー100gあたりの栄養価ではなく、
- ブロッコリー1/3株の温野菜で、
1日分の栄養素の何%が摂れる? - ブロッコリーに多い栄養素は何?
- どんな効果が期待できる?
について、くわしくお伝えします。
一度に食べる量
=ブロッコリー1/3株の温野菜72g
ブロッコリーは1株300gほど。茎や葉を取り除いて茹でると215gに。これを3人分としました。生ではなく「茹でたブロッコリーの栄養価」です。
ブロッコリーに多いビタミン
まずはビタミンから。
ブロッコリー1/3株の温野菜を食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ブロッコリーはあらゆるビタミンがぎっしり!女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 91% |
ビタミンC | 40% |
葉酸 | 36% |
ビタミンE | 32% |
骨を強くするビタミンK。ブロッコリーの温野菜1皿で1日に必要な量をほとんど摂ることができます。
ビタミンC、E、葉酸も、1日に必要な量の30%以上とたっぷりですね。
次はブロッコリーにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ブロッコリーに多いミネラル
ブロッコリー1/3株の温野菜(72g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ビタミンほどではありませんが、ブロッコリーはミネラルも豊富。女性にとって1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
モリブデン | 14% |
鉄 | 10% |
カリウム | 8% |
リン | 7% |
銅 | 6% |
食べた物をエネルギーに変えるモリブデンや貧血予防の鉄分などが多く含まれています。
では、ブロッコリー1/3株あたりの食物繊維をお伝えしてから、ブロッコリーの11の効果効能を紹介します。
ブロッコリーに多い食物繊維
ブロッコリー1/3株の温野菜にはどのくらい含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 20% |
水溶性食物繊維 | 12% |
ブロッコリーには、便秘解消やデトックスに効果的な不溶性食物繊維も、生活習慣病の予防に効果的な水溶性食物繊維も、しっかり摂ることができます。
ただ、水溶性のほうは1日に必要な量の半分程度しか摂れていません。
ブロッコリーのほかにも、里芋、ごぼう、オクラ、かぼちゃなど、豊富に含まれている野菜はこちらで紹介しています↓
では、
ブロッコリーに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
ブロッコリーに多い栄養素とその効果
ブロッコリー1/3株の温野菜の栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 91% |
ビタミンC | 40% |
葉酸 | 36% |
ビタミンE | 32% |
不溶性食物繊維 | 20% |
水溶性食物繊維 | 12% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、ブロッコリー1/3株でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
ビタミンK
ブロッコリーに一番多い栄養素はビタミンK。骨を強くし、止血を助ける効果があります。
ブロッコリーのビタミンKの量は?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
ブロッコリー1/3株には137μg。
1日の必要量の91%です。
さて私たちは、普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、ブロッコリーを1/3株食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
ブロッコリー1/3株に、91%
合計で、248%
男性が摂れている量は、164%
ブロッコリー1/3株に、91%
合計で、255%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKはいろんな食べ物に含まれていたり、腸のなかでも作られるので不足しにくい栄養素と言われています。
ただ、不足しやすいのは次のような人。
- 食生活が極端にかたよっている
- 抗生物質を長期間飲み続けている
- 胆道閉塞症、肝臓病などの病気をしている
- 新生児や乳幼児(腸のはたらきが未発達)
ブロッコリーは離乳食の初期から食べられますので、乳幼児のお子さんにもおすすめです。
ビタミンKの多い食べ物をこちらで紹介していますのでご参考に。
ビタミンKが多い食べ物ランキング【1食分あたり】摂取量や効果も!
ビタミンKの効果は?
おもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫にする
- 切り傷など出血した血を固める
食べ物に含まれているビタミンKは3種類に分けられます。そのなかで骨を強くするはたらきが特に高いビタミンKが多いのが「納豆」。
納豆が骨を強くするのに効果的な理由はこちらをご覧ください。
納豆はカルシウムが多い? 1パックの含有量とほかの食べ物との比較
ビタミンC
2番目の栄養素はビタミンC。抗酸化、感染症予防、ストレスから守るなどたくさんの効果があります。
ブロッコリーのビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
ブロッコリー1/3株には40mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、ブロッコリー1/3株でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、96%
ブロッコリー1/3株に、40%
合計で、136%
男性が摂れている量は、91%
ブロッコリー1/3株に、40%
合計で、131%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
風邪を予防する、ストレスから守る、美肌・美白など、ビタミンCのはたらきはご存じですね。
家庭で料理する時の加熱程度ならビタミンCはほとんど壊れないとか。ただし、長時間水にさらしたり茹でこぼしたりすると、ビタミンCが流れ出てしまいます。
ここで紹介したビタミンCの含有量は茹でた場合のもの。茹でるより「蒸す」方法で温野菜を作れば、もっと多くのビタミンCが摂れるでしょう。
葉酸
ブロッコリーに3番目に豊富な葉酸。葉物野菜に多く含まれ、貧血予防や粘膜を整える効果を発揮します。
ブロッコリーの葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
ブロッコリー1/3株には86μg。
1日の必要量の36%です。
ブロッコリーを食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
ブロッコリーに、36%
合計で、154%
男性が摂れている葉酸は、123%
ブロッコリーに、36%
合計で、159%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸不足は貧血の原因にも。お酒を飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足になりやすいので、ブロッコリーなど葉酸の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンE
4番目の栄養素はビタミンE。サラサラ効果で生活習慣病を予防してくれます。
ブロッコリーのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
ブロッコリー1/3株に1.9mg。
女性が摂れている量は、108%
ブロッコリーに、32%
合計で、140%
男性が摂れている量は、100%
ブロッコリーに、28%
合計で、128%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、
ビタミンEの効果は?
次のような効果があります。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
ビタミンEはサラサラ効果の高い栄養素。血管のお掃除をして、流れを良くしてくれます。
洋食が多い、揚げ物が好き、甘いものが好き、肩こり、冷え性、といった方にブロッコリーはおすすめです。
不溶性食物繊維
5番目に多い栄養素で、野菜やきのこ類など繊維質の食べ物に豊富に含まれています。
ブロッコリーの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
ブロッコリー1/3株に2.4g。
女性が摂れている量は、93%
ブロッコリーに、20%
合計で、113%
男性が摂れている量は、84%
ブロッコリーに、17%
合計で、101%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- ダイエット
一番のメリットは「有害物質の排出」ではないでしょうか。
私たちのまわりは化学物質であふれています。不溶性食物繊維の多い食べ物でしっかりと出してもらいましょう。
水溶性食物繊維
6番目は水溶性食物繊維。生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらしてくれるにもかかわらず、私たちにまったく足りていない栄養素です。
ブロッコリーの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
ブロッコリー1/3株に0.7g。
女性が摂れている量は、58%
ブロッコリーに、12%
合計で、70%
男性が摂れている量は、51%
ブロッコリーに、10%
合計で、61%
水溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
これだけの効果があるのに、私たちが摂れているのは1日に必要な量のわずか半分程度。
ひじき、寒天、さといも、お味噌汁にととろ昆布を加える、ごはんを炊くときにもち麦を混ぜる、おかずに豆腐を加えるなど。
水溶性食物繊維をしっかり摂れる食べ物はこちらで紹介しています↓
ブロッコリーに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- ブロッコリーを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ブロッコリーの11の効果効能
ブロッコリーにはビタミン、ミネラル、食物繊維と、いろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、ブロッコリーに期待される効果効能をまとめてみました。
- 風邪を早く治す
ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - 血圧を下げる
水溶性食物繊維が体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出し、ビタミンEがサラサラ効果を発揮する - 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前に水溶性食物繊維がキャッチして排出する - コレステロールを下げる
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえ、水溶性食物繊維がコレステロールを排出する - 血糖値をおさえる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで消化スピードを遅くする - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が腸のなかで固くなった便に水分をあたえてやわらかくしたり、水分を吸って大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 貧血予防
ビタミンCが鉄分の吸収を助け、葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、ビタミンEのサラサラ効果で全身に酸素を届ける - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 肌や髪を美しくする
肌や髪の新陳代謝を促進して、ハリとうるおいのある肌をつくり、黒く美しい髪にする - 胎児の発育を守る
先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らす - アンチエイジング
ビタミンCとEの強力な抗酸化作用が老化や病気の原因となる活性酸素を除去する
栄養素が凝縮されているだけあって、期待される効果効能もたっぷり。
ビタミンなどの栄養素だけでなく、スルフォラファンやイソチオシアネートといったフィトケミカルによるがん予防効果も期待できるブロッコリー。
そんなブロッコリーをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそブロッコリーを食べて!
ブロッコリーをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 40代からの生活習慣病が気になる世代
- お腹まわりが気になる人
- 風邪をひきやすい人
- 便秘ぎみ
- 貧血ぎみ
- ストレスが多い人
- 肌荒れ、髪のパサつきが気になる人
- 赤ちゃんを授かりたい女性
たんぱく質も豊富なブロッコリー。40代を過ぎた世代にはもちろんのこと、よく運動する人にもぜひ食べてもらいたい野菜です。
ブロッコリーに多い栄養素:まとめ
ブロッコリーに多い栄養素と効果効能をお伝えしました。
ブロッコリーに多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順に、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、ビタミンE、不溶性と水溶性の食物繊維、モリブデン、パントテン酸、ビオチン、鉄
ブロッコリーの効果:風邪を早く治す、血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、便秘解消、貧血予防、ストレスから守る、美肌・美髪、胎児の発育を守る、アンチエイジング
こんな人に食べてほしい:生活習慣病が気になる、お腹まわりが気になる、風邪をひきやすい、便秘ぎみ、貧血ぎみ、ストレスが多い、肌荒れ、髪がパサつく、赤ちゃんを授かりたい
ブロッコリーはいろんな効果がつまった健康野菜の代表。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。