白菜に多い栄養素や効果効能をご存じですか?
白菜は鍋料理に欠かせない冬の代表野菜。水分が多いように見えて、実は栄養素がたっぷりの優秀野菜なんです!
これからお伝えする内容を読むと、
- 白菜はどの栄養素が多い?
- 1食分(1/8玉)食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- 白菜の健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
などが手に取るようにわかります。白菜の栄養を上手に摂って健康な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】キャベツの栄養価がすごい!多い栄養素と8つの効果効能とは?
白菜1/8玉の栄養価
白菜に多い栄養素は、ビタミンK、C、葉酸、パントテン酸、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、カリウム、カルシウムなど。
なかでも私たちに不足しがちな食物繊維がしっかりと含まれています。
白菜の効果としては、コレステロールや中性脂肪を減らす、血圧を下げる、血糖値をおさえる、貧血の予防・改善、便秘解消、骨を強くする、胎児の発育を守るなどが期待できます。
そんな白菜。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは「生の白菜100gあたりの栄養価」ではなく、
- 白菜の炒め煮を1皿食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる? - 白菜に多い栄養素は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
白菜1食分
=炒め煮一皿(1/8玉分)
白菜の1玉は約2,000gで1/8玉なら250g。煮ると188gほどになります。半玉の白菜を4人で食べるイメージですね。生ではなく「煮た白菜の栄養価」を紹介します。
白菜に多いビタミン
まずはビタミン。
白菜の炒め煮など1/8玉分を食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
白菜1/8玉に多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 109% |
葉酸 | 33% |
ビタミンC | 19% |
パントテン酸 | 9% |
ナイアシン | 8% |
ビタミンKがダントツで1日に必要な量をまるまる摂ることができます。葉酸やビタミンCもしっかりと摂れますね。
次は白菜にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
白菜に多いミネラル
白菜の炒め煮1皿(1/8玉)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ビタミンKや葉酸ほど多くはありませんが、白菜に豊富なミネラルは次の5つ。
女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
カリウム | 15% |
カルシウム | 12% |
鉄 | 9% |
銅 | 8% |
リン | 8% |
骨の材料となるカルシウムが豊富。骨を強くするビタミンKもぎっしりなので相乗効果が期待できます。
では、白菜1/8玉あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、白菜の8つの効果効能を紹介します。
白菜に多い食物繊維
白菜1/8玉で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 27% |
水溶性食物繊維 | 22% |
白菜には食物繊維が2種類ともたっぷり。不足しがちな私たちにとって積極的に食べたい食材のひとつです。
特に、生活習慣病の予防に高い効果を発揮する水溶性食物繊維をしっかり補えるのが白菜のいいところです。
では、
白菜に多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
白菜に多い栄養素とその効果
白菜の炒め煮1皿(1/8玉)の栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 109% |
葉酸 | 33% |
不溶性食物繊維 | 27% |
水溶性食物繊維 | 22% |
ビタミンC | 19% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、白菜1/8玉でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
ビタミンK
白菜にもっとも多い栄養素はビタミンK。骨を強くし、止血をサポートする効果があります。
白菜のビタミンKの量は?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
白菜1/8玉には167μg。
さて私たちは、普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、白菜を1/8玉食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
白菜1/8玉に、109%
合計で、266%
男性が摂れている量は、164%
白菜1/8玉に、109%
合計で、273%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫にする
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKはいろんな食べ物に含まれていて、体内(腸)でも作られる栄養素。不足しにくいですが、食生活がかたよっていたり、抗生物質を長期間飲み続けている人は不足しがちになります。
白菜のほかビタミンKの多い食べ物はこちらで紹介しています。
ビタミンKが多い食べ物ランキング【1食分あたり】摂取量や効果も!
葉酸
2番目の栄養素は葉酸。妊婦さんに大切な栄養素で知られていますが、貧血の予防改善にも効果を発揮します。
白菜の葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
白菜1/8玉には79μg。
では、普段からどのくらい摂れていて、白菜1/8玉でどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
白菜1/8玉に、33%
合計で、151%
男性が摂れている葉酸は、123%
白菜1/8玉に、33%
合計で、156%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸が不足しやすいのは、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人。またお腹に赤ちゃんがいる人も白菜などの葉酸が多い食べ物を意識して摂りたい栄養です。
不溶性食物繊維
白菜に3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。きのこ類、野菜、玄米などに豊富で、便秘解消やデトックス効果のある栄養素です。
白菜の不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
白菜1/8玉に3.2g。
白菜を食べると……
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
女性が摂れている量は、93%
白菜に、27%
合計で、120%
男性が摂れている量は、84%
白菜に、23%
合計で、107%
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
食物繊維は体に吸収されることなく出ていきます。その出ていくときに有害物質をからめとって一緒に出て行ってくれるのが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維の効果についてはこちらでくわしく紹介しています。
不溶性食物繊維のすごい3つの効果と多い食べ物とは?
水溶性食物繊維
4番目の栄養素は水溶性食物繊維。海藻や果物に豊富で、生活習慣病の予防効果の高さに注目が集まっています。
白菜の水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
白菜1/8玉に1.3g。
女性が摂れている量は、58%
白菜に、22%
合計で、80%
男性が摂れている量は、51%
白菜に、19%
合計で、70%
このとおり、必要な量のわずか半分程度しか摂れていません。
しかし水溶性食物繊維にはすごい効果が満載なのです。その効果というのが……
水溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病をしっかりと予防してくれる効果が満載なのが、水溶性食物繊維。白菜1食分で20%ほど補えますが、そのほか水溶性食物繊維の多い食べ物でしっかり摂るようにしましょう。
また食物繊維はどちらにも便秘を解消する効果がありますが、便秘のタイプによってどちらを摂るのが効果的なのかが違います。詳しくはこちらでお伝えしています↓
ビタミンC
白菜に5番目に豊富なビタミンC。ストレスから守る、風邪を早く治す、アンチエイジングなどの効果があります。
白菜のビタミンCは?
1日に必要な量は
女性も男性も100mg。
白菜1/8玉には19mg。
女性が摂れている量は、96%
白菜に、19%
合計で、115%
男性が摂れている量は、91%
白菜に、19%
合計で、110%
不足ぎみな栄養素ですが白菜を食べることで不足分をしっかり補えます。
ビタミンCの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
家庭での料理の加熱ではビタミンCはさほど壊れないとか。それよりも水に流れ出ないよう気をつけることが大切。
水洗いや水にさらすのを短い時間にしたり、スープなどはちゃんと汁ごといただくようにしましょう。
また果物なら手軽にビタミンCを補給できます。ビタミンCの多い果物はこちらをご覧ください↓
白菜に多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- 白菜を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
白菜の8つの効果効能
白菜には抜群に豊富なビタミンKをはじめ、食物繊維やミネラルもたっぷり。
これらの栄養素のはたらきから、白菜に期待される効果効能をまとめてみました。
- コレステロールを下げる
水溶性食物繊維がコレステロールを排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 中性脂肪を減らす
食べ物に含まれる脂肪が中性脂肪となる前に水溶性食物繊維がキャッチして排出する - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物も一緒に腸をゆっくりと進むことで消化スピードを遅くする - 貧血を予防する
葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、ビタミンCが鉄分の吸収を助ける - 便秘を解消する
水溶性食物繊維が便に水分をあたえて柔らかくして、不溶性食物繊維が腸のなかで大きくふくらんで蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 骨を強くする
ビタミンKが骨にカルシウムを取り込むはたらきを高めるとともに、カルシウムが骨から溶け出すのも防ぐ - お腹の赤ちゃんの発育を守る
胎児の先天性異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを葉酸が減らす
こんな人こそ白菜を食べて!
白菜をぜひ食べてほしいのはこちら!
- 血圧が気になる
- メタボが気になる
- 血糖値が気になる
- 風邪をひきやすい
- 貧血ぎみ
- 便秘ぎみ
40代からの生活習慣病気になる年代、風邪やインフルエンザにかかりやすい人、便秘ぎみな人に食べてほしいのが白菜なのです。
白菜に多い栄養素:まとめ
白菜に多い栄養素と健康効果をお伝えしました。
白菜に多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンK、葉酸、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、ビタミンC、カリウム、カルシウム、パントテン酸、鉄、銅
白菜の効果:コレステロールや中性脂肪を減らす、血圧を下げる、血糖値の上昇をおさえる、貧血を予防する、便秘を解消する、骨を強くする、胎児の発育を守る
こんな人に食べてほしい:血圧が高い、ぽっちゃりさん、血糖値が気になる、風邪をひきやすい、貧血ぎみ、便秘ぎみ
ビタミン、食物繊維などいろんな栄養素をたっぷり摂れる白菜。
お漬物に炒め物に鍋料理にと、ぜひふだんの食生活に取り入れてみてくださいね。