鉄分といえば貧血予防はもちろん、コラーゲンを作るはたらきで美肌にも効果を発揮する栄養素。
立ちくらみ、頭痛、疲れやすい、肌のシミやうるおいが気になりませんか?
果物なら手軽に食べられるうえに、鉄分だけでなくビタミンCや食物繊維や酵素もしっかり摂ることができます。
そこで身近な果物の「一度に食べる量」に含まれる鉄分の多い順に20位までランキングしました。
このページを読むと、どの果物をどのくらい食べると1日に必要な鉄分の何%を摂ることができるのか、はっきりとわかりますよ!
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鉄分の多い果物ランキング
鉄分が多い果物は、すいか、いちご、いちじく、アボカド、ラズベリー、パイナップル、柿、キウイ、バナナ、柑橘系の果物など。
それぞれの果物の「一度に食べる量」に鉄分がどのくらい含まれているか、ランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
1年を通して手に入りやすい果物なら、パイナップル、グリーンキウイ、バナナに多く含まれていますね。
鉄分の効果としては、貧血の予防・改善、美肌、脳のはたらきを高める、ウイルスや細菌から守るなどがあります。
ではこの20位までの果物について詳しくお伝えする前に……
私たちは普段からどのくらい鉄分を摂れているか、ご存じですか?
1日に摂るべき鉄分の量と私たちが普段摂れている量を比べてみると……
必要な量よりもやや多く摂れています。女性は月経の時期はより多く摂るように意識しましょう。
ではこの20位までの果物の「一度に食べる量に含まれる鉄分」をくわしくお伝えしていきます。
1~10位の果物
まずは1~10位の果物。
鉄分:18~64歳なら……
女性の必要量=6.5mg
平均の摂取量=7.2mg
男性の必要量=7.5mg
平均の摂取量=8.0mg
1~10位の果物には0.30~0.75mg。女性に必要な鉄分の5%~12%を摂ることができます。
1位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
0.75mg
1日に必要な鉄分のうち女性なら12%、男性なら10%の量が含まれています。
すいかはほとんどが水分のようにみえて実は、β-カロテン、ビタミンC、B6、パントテン酸、カリウム、マグネシウムが豊富。感染症の予防、アンチエイジング、疲労回復、中性脂肪・血圧など生活習慣病の予防が期待できます。
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※すいかは分類上「野菜」ですが果物の感覚で食べているのでこの果物ランキングに入れました
2位:干しいちじく
トルコ産干しいちじく2個(40g)に
0.68mg
干しいちじくは抜群に多い2種類の食物繊維をはじめ、カリウムやカルシウムもぎっしり。便秘解消、中性脂肪やコレステロールを減らす、心臓の規則的な動きを守る、高血圧予防に効果を発揮します。
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3位:いちご
いちご10粒(200g)に
0.60mg
いちごにはビタミンC、B群、E、食物繊維もぎっしり!生活習慣病の予防やストレスケア、アンチエイジングにもおすすめです。
※いちごもすいかと同じように分類上「野菜」ですが、果物の感覚で食べているのでこの果物ランキングに入れました
4位:いちじく
いちじく2個(153g)に
0.46mg
旬の短いいちじくですが、鉄分だけでなく私たちに足りない食物繊維がたっぷり詰まっています。
5位:アボカド
アボカド1/2個に
0.42mg
女性の1日分の鉄分の7%、男性の6%が含まれています。
アボカドは皮と種を取り除くと1個が120gほど。1/2個なら60gです。
5位タイ:ラズベリー
ラズベリー20粒(60g)に
0.42mg
ラズベリーはダイエット効果の高いラズベリーケトン、不溶性食物繊維、ビタミンC、Eが豊富な果物。便秘解消、感染症予防、アンチエイジングにも効果的です。
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7位:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
0.40mg
パイナップル1個1500gで、可食部は825g。1/4個分なら206gです。
8位:柿
柿1個(185g)に
0.37mg
柿はビタミンCの宝庫。
果物にかぎらず、いろんな食べ物のなかで1食分にもっともビタミンCが多いのがゴールドキウイ。2番目に多いのが柿です。
柿1個に1日に必要なビタミンCの1.3倍の量が含まれています。
柿はビタミンB群、マンガン、カリウム、クロム、不溶性食物繊維も豊富な果物。風邪を早く治す、ストレスから守る、血糖値を下げる、便秘解消のはたらきがあります。
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9位:干し柿
干し柿2個(50g)に
0.30mg
干し柿は1個が約30g。種とへたを取り除くと可食部は25gほどです。
9位タイ:グリーンキウイ
グリーンキウイ1つ(100g)に
0.30mg
女性の1日分の鉄分の4.6%、男性の4.0%が含まれています。
グリーンキウイは食物繊維も酵素もぎっしり。夜のキウイが腸内環境を整えてくれます。
ちなみにグリーンキウイは食べるタイミングと食べ方で効果は大きく変わります。効果的なタイミングと食べ方はこちら↓
キウイを食べる時間はいつ?食べ方、量、タイミング、9つの効果とは?
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鉄分の多い果物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位の果物です。
11~20位の果物
鉄分の多い果物、11~20位です。
鉄分の必要量
18~64歳なら、
女性:6.5mg
男性:7.5mg
11~20位の果物には0.16~0.27mg。女性の1日分の鉄分の3%~4%とかなり少なくなります。
11位:アメリカンチェリー
アメリカンチェリー10粒(91g)に
0.27mg
1日分の鉄分の4.2%(男性なら3.6%)を摂ることができます。
11位タイ:バナナ
バナナ1本(90g)に
0.27mg
バナナは食べるタイミングによって効果が変わります。ダイエットなら?便秘解消なら?高血圧予防なら?寝つきなら?についてくわしくは↓
バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
13位:さくらんぼ(国産)
さくらんぼ15粒(81g)に
0.24mg
女性に必要な鉄分の4%を摂ることができます。
14位:ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジ1個(104g)に
0.21mg
15位:きんかん
きんかん4個(68g)に
0.20mg
きんかんはビタミンCも多いですが、果物には珍しくカルシウムが豊富!感染症予防、サラサラ効果、骨を強くする、生活習慣病の予防が期待できます。
きんかんの効能がすごい!どんな栄養素が多い?9つの効果は?
16位:干しプルーン
干しプルーン2粒(20g)に
0.20mg
1日分の鉄分の3.4%(男性なら2.9%)が含まれています。
干しプルーンは糖質が多めなので1回に1~2粒が適量。そこで1食分を2粒としました。
17位:ゴールドキウイ
ゴールドキウイ1つ(100g)に
0.20mg
ゴールドキウイは身近な食べ物の中でビタミンCの含有量がトップ!ひとつ食べると1日分のビタミンCをまるまる摂ることができます。
ビタミンE、B6、葉酸、カリウム、水溶性食物繊維も多く、肌を美しくする効果はもちろんのこと、ストレスから守る、若々しさを維持する、サラサラ効果、貧血予防も期待できます。
18位:夏みかん
夏みかん1/2個(96g)に
0.19mg
夏みかんはビタミンC、B群、E、カリウム、食物繊維が豊富な果物。免疫力アップ、貧血予防、血圧を下げる、骨や血管を強くする、疲労回復に効果的です。
夏みかんの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と7つの効果とは?
19位:マンゴー
マンゴー1/2個(91g)に
0.18mg
20位:みかん
Mサイズのみかん1個(80g)に
0.16mg
みかんはビタミンA、B1、C、葉酸、カリウム、不溶性食物繊維がたっぷり。風邪を早く治す、中性脂肪を減らす、血圧を下げる、ストレスへの抵抗力を高める、便秘解消のはたらきがあります。
みかんは栄養素の宝庫!みかん1個の栄養価と10の効果とは?
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鉄分の豊富な果物をランキングで20位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
では、
- 鉄分の7つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
そしてあらためて、
- 1日に摂るべき鉄分
- 私たちの普段の摂取量
- 鉄分が不足しやすい人
についてお伝えします。
鉄分の効果とは?
鉄分の効果、足りなくなるとどうなる?摂りすぎるとどうなる?についてです。
鉄分の7つの効果
鉄分の効果は、貧血の予防・改善、美肌、脳のはたらきを高める、感情を整えるなど。くわしくはこちらの7つの効果があります。
- 貧血を予防・改善する
鉄分は赤血球のなかのヘモグロビンの材料となって全身に酸素を届けて、貧血を予防・改善する - 美しい肌をつくる
鉄分がコラーゲンを作ったり、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進して、シミ・シワのない、ハリのある美しい肌をつくる - 肌や粘膜を健康的に維持する
鉄分がたんぱく質とビタミンCと一緒にコラーゲンを作って、肌や粘膜だけでなく関節や筋肉もしなやかに動かす - 丈夫な骨をつくる
骨の主成分はカルシウムとコラーゲン。鉄分は鉄筋の役割をするコラーゲンを作るので、しっかりとした丈夫な骨ができる。 - ウイルスや細菌から守る
ウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを支える - 脳のはたらきを高める
鉄分がヘモグロビンを作って脳にも酸素を届けることで、脳のはたらきが活性化して勉強の能率が高まる - 感情をおだやかに整える
感情を安定させるはたらきのある脳内神経伝達物質づくりをサポートする
貧血の影響は立ちくらみだけではありません。血液が十分になければ、酸素も栄養も体温も運ぶことができないのです。
立ちくらみの原因と改善策についてはこちらでくわしく紹介しています。
立ちくらみの原因は貧血じゃない!?本当の6つの原因と改善策とは?
鉄分が不足すると?
鉄分が足りなくなると、立ちくらみや頭痛といった貧血症状のほか、肌トラブル、骨折しやすくなるなど、次のような不調があらわれることがあります。
- 立ちくらみ、頭痛、息切れ、疲労感
鉄欠乏性貧血によって、脳に酸素が不足するとめまいや頭痛があらわれ、全身に酸素が不足すると動悸や息切れがあらわれ、筋肉に酸素が不足すると疲労感や倦怠感があらわれます - シミ、シワ、肌荒れ、ニキビ
鉄分不足で肌の新陳代謝が低下したりコラーゲンが十分に作られないことで、シミ、シワ、乾燥など肌トラブルの原因となる - 抜け毛、髪にハリやツヤがなくなる、パサつく
毛根や髪に酸素が不足すると髪の代謝が悪くなってダメージがあらわれる - 骨粗しょう症のリスクが高まる
鉄分不足によって骨の主成分のひとつであるコラーゲンが十分に作られなくなるので、骨が弱くなって骨折しやすくなる - 感染症にかかりやすくなる
白血球のはたらきが低下するのでウイルスへの抵抗力も低下して、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる - 肩こり、首こり、背中や太もものハリ、体が重たい
ヘモグロビンが不足すると体のなかの二酸化炭素を十分に運ぶことができなくなって、肩や首のコリ、足のハリ、痛みを感じる - イライラ、やる気が出ない
幸せホルモン「セロトニン」などが不足して、感情が不安定になったり、イライラしやすい、落ち込みやすい、やる気が出ない状態になりやすい
鉄分を摂りすぎると?
一般的な食生活なら摂りすぎの心配はありません。
健康食品やサプリメントを飲む場合は摂りすぎないよう用量を守りましょう。
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」、「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
不足しないように食べ物からしっかり摂りたい鉄分。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
鉄分の1日の必要量と摂取量
あらためて、鉄分はどのくらい摂るべきなのか、私たちは普段から十分に摂れているのか、お伝えします。
1日に摂るべき鉄分
私たちが1日に摂るべき鉄分の量は次のように定められています。
鉄分の1日の必要量
18~49歳なら、
女性(月経なし):6.5mg
女性(月経あり):10.5mg
男性:7.5mg
※50~64歳なら女性(月経あり)のみ11.0mgに変わります
そして私たちが実際に摂れている量(摂取量)はどのくらいかというと……
私たちの鉄分の摂取量
私たちが実際に摂れている鉄分はこちら。
摂れている鉄分量
女性:7.3mg
→ 0.8mg多く摂れています
男性:8.0mg
→ 0.5mg多く摂れています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性も男性も足りています。
ただ、月経のあるタイミングでは必要量が6.5mg →10.5mgに増えるので、鉄分の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
鉄分が不足しがちな人
特に次のような人は鉄分が不足しやすい傾向にあります。
- 月経中の女性
- 妊娠している、授乳中である
- 紅茶やコーヒーをよく飲む
- 運動やサウナが好き
- 小食、食生活が偏っている
- 菓子パンやおにぎりで食事を済ますことが多い
小食な人、偏食な人、菓子パンやおにぎりで簡単に食事を済ますことが多い人は摂れている鉄分の量が少ないですし、紅茶のタンニンやコーヒーのカフェインは鉄分の吸収を邪魔してしまいます。
また大量の汗をかくと一緒に鉄分が排出されてしまったり、妊娠中は必要な鉄分の量が増えるのでより多く摂る必要が出てきます。
あてはまる方は不足しないよう鉄分の多い食べ物を積極的に食べましょう。
鉄分の多い果物:まとめ
鉄分の豊富な果物のランキング、私たちの摂取量と必要な量、鉄分の効果についてお伝えしました。
鉄分の多い果物:すいか、いちご、いちじく、ラズベリー、アボカド、パイナップル、柿、グリーンキウイ、アメリカンチェリー、バナナ
鉄分の効果:貧血の予防・改善、美肌、脳のはたらきを高める、感情をおだやかに整える、ウイルスや細菌から守る
不足すると?:めまい、頭痛、息切れ、シミ、シワ、髪のハリやツヤがなくなる、骨粗しょう症、感染症にかかりやすい、肩や首のコリ、太もものハリ、イライラ、やる気が出ない
摂りすぎると?:一般的な食生活なら摂りすぎの心配はありません。
1日の必要量:18~64歳の場合、女性は6.5mg、男性は7.5mg。女性は0.7mg多く、男性は0.5mg多く摂れています。
不足しやすい人:月経中の女性、妊娠さん、授乳期のママ、紅茶やコーヒーをよく飲む、運動やサウナが好き、小食、食生活が偏っている、菓子パンやおにぎりで食事を済ますことが多い
果物の1位のすいかが0.75mg。でも野菜なら枝豆に1.63mg。肉類なら豚レバーに13mg。大豆加工品なら豆乳に2.5mg。
果物は鉄分だけを見れば少ないものの、食物繊維や酵素や鉄分の吸収を高めるビタミンCが豊富に含まれています。
毎日の食生活に果物を取り入れてみてはいかがでしょうか。