たんぱく質が豊富な大豆をまるごと焙煎して粉にしたきなこ。大豆イソフラボン、大豆サポニンと、女性にうれしい成分も豊富です。
そんなきなこ、具体的にどんな栄養が多いのかご存じですか?
これから紹介する内容を読むと……
- きなこに多い栄養は?
- 大さじ1杯で1日分の栄養の何%が摂れる?
- きなこの効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
などがはっきりとわかります。
今日からきなこの栄養を簡単に活用して元気に過ごしましょう。
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きなこ大さじ1杯の栄養価
きなこに多い栄養は、不溶性食物繊維、鉄分、銅、カリウム、マグネシウム、モリブデン、クロム、葉酸、ナイアシンなど。
大豆の栄養がまるごと含まれているきなこ。たんぱく質はもちろん豊富ですが、食物繊維やいろんなミネラルをしっかり摂ることができます。
きなこの効果として、感染症から守る、貧血の予防、強い骨をつくる、有害物質をデトックス、便秘の解消、美肌などが期待できます。
そんなきなこ。
どの栄養がどのくらい含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのでしょうか。
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- きなこを大さじ1杯食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - きなこに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてくわしくお伝えします。
一度に食べる量
=きなこ大さじ1杯(7g)
コーヒースプーンなら2杯ほど。この栄養価を紹介します。
きなこに多いビタミン
きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?
きなこに多く含まれているビタミンは次の3つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
葉酸 | 6% |
ナイアシン | 6% |
ビオチン | 4% |
どれもビタミンB群。大豆加工品は共通してビタミンB群が豊富です。逆に、ビタミンA、C、Dはほとんど含まれていません。
次は、きなこにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
きなこに多いミネラル
きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?
きなこに豊富なミネラルは次の6つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
モリブデン | 133% |
銅 | 11% |
鉄 | 9% |
クロム | 8% |
カリウム | 7% |
マグネシウム | 6% |
きなこはビタミンよりもミネラルのほうがバランスよく豊富。
血液をつくるモリブデンは1日に必要な量よりも多く含まれています。これも大豆加工品の共通点。摂りすぎた分は尿として出るので心配はいりません。
では、きなこ大さじ1杯でどのくらい食物繊維が摂れるのかをお伝えして、きなこの6つの効果効能を紹介します。
きなこに多い食物繊維
きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 9% |
水溶性食物繊維 | 3% |
便秘解消、デトックス、ダイエットをサポートする不溶性食物繊維。私たちには不足しがちな栄養ですが、きなこなら大さじ1杯でその不足分を補ってくれます。
では、
きなこに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
きなこに多い栄養とその効果
きなこ大さじ1杯の栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
モリブデン | 133% |
銅 | 11% |
不溶性食物繊維 | 9% |
鉄 | 9% |
クロム | 8% |
カリウム | 7% |
ではこの6つの栄養は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- きなこ大さじ1杯でどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
モリブデン
きなこにもっとも多い栄養はモリブデン。血液をつくり、有害物質をデトックスするはたらきがあります。
きなこのモリブデンの量
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
きなこ大さじ1杯に27μg。
女性:1日に必要な量の133%
男性:1日に必要な量の89%
モリブデンは「私たちがどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足することもなく、摂りすぎによる悪影響もないようです。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果
モリブデンのおもなはたらきは次の6つ。
- 貧血の予防・改善
鉄分のはたらきをサポートして血液をつくる - 疲労回復
食べ物の糖質・脂質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 尿酸の代謝を助ける
食べ物に含まれるプリン体を尿酸に分解して体から出す - 食べ物の消化促進
消化酵素のはたらきを活発にする - 体に有毒な物を分解して無毒化
- 余分な銅を出す
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銅
2番目に豊富な銅も血液をつくるはたらきのある栄養。感染症から守ってくれます。
きなこに含まれる銅
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
きなこ大さじ1杯には0.08mg。
私たちは普段から銅をどのくらい摂れていて、きなこ大さじ1杯でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、149%
きなこ大さじ1杯には、11%
合計で、160%
男性が摂れている量は、133%
きなこ大さじ1杯には、9%
合計で、142%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効果
銅にはおもに次のようなはたらきがあります。
- 風邪など感染症から守る
T細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを助ける - 貧血の予防
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防
骨や血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - いろんな病気や老化の予防
原因となる活性酸素を除去する - 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
銅不足になると免疫も低下。注意が必要なのは「ストレスの多い人」や「亜鉛のサプリメントを飲んでいる人」。
銅の多い食べ物には、きなこだけでなく、ナッツ類、枝豆、豆腐、納豆、豆乳、おからパウダーなどの手間なく食べられるものもたくさん。意識して食べてみてください。
不溶性食物繊維
きなこに3番目に豊富な栄養でデトックスや便秘を解消するはたらきがあります。未精製の穀物や野菜など繊維質の食べ物に豊富な栄養ですね。
きなこの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
きなこ大さじ1杯には1.1g。
では普段からどのくらい摂れていて、きなこを食べるとどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
きなこには、9%
合計で、102%
男性が摂れている量は、84%
きなこには、8%
合計で、92%
やや不足ぎみな栄養ですがきなこがしっかり補います。男性でもきなこ大さじ2杯(14g)食べれば不足分を補えます。
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の3つです。
- 便秘解消(便のカサを増やして腸の運動を活発に)
- 有害物質の排出(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(満腹感が得やすい)
不溶性食物繊維は、便の量や回数が少ない、といった便秘の人にぜひ摂ってほしい栄養素。
ただし便秘のタイプによっては、摂りすぎるとかえって便秘がひどくなることも。くわしくはこちら ↓
鉄分
4番目の栄養は鉄分。血液を作り、免疫を高め、強い骨をつくる栄養素です。
きなこに含まれる鉄分
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
きなこ大さじ1杯には0.56mg。
女性が摂れている鉄分は、112%
きなこには、9%
合計で、121%
男性が摂れている鉄分は、107%
きなこには、8%
合計で、115%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
鉄分の効果
鉄分にはおもに次の5つのはたらきがあります。
- 血液(ヘモグロビン)を作って貧血を予防・改善
- 骨のもう1つの主成分「コラーゲン」をつくる
- ウイルスや細菌と戦う白血球のはたらきを高める
- 関節や筋肉をしなやかにたもつ
- 美しい肌をつくる
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クロム
きなこに5番目に多く含まれるクロム。血糖値や中性脂肪をおさえるはたらきのある栄養です。
きなこのクロム
1日に必要なクロムは
女性も男性も10μg。
きなこ大さじ1杯に0.84μg。
クロムは「私たちがどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないようです。
クロムの効果
クロムのおもなはたらきはこちら。
- 血糖値を下げる
- 血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
- 糖質・たんぱく質の代謝を助ける
カリウム
6番目の栄養はカリウム。心臓の動きを守ったり筋肉をスムーズに動かすはたらきがあります。
きなこのカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
きなこ大さじ1杯には140mg。
女性が摂れている量は、111%
きなこには、7%
合計で、118%
男性が摂れている量は、96%
きなこには、6%
合計で、102%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみの解消
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人もカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
*-*-*-*-*
きなこに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
きなこを食べると
どんな効果が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
きなこの6つの効果効能
きなこはわずかな量にもモリブデン、銅、鉄分、不溶性食物繊維などが豊富。
きなこから得られる6つの効果効能はこちらです。
- 風邪などの感染症から守る
銅が免疫細胞のはたらきを助け、鉄分がウイルスや細菌と戦う白血球を支える。 - 貧血の予防・改善
鉄分や銅やモリブデンが血液をつくる - 強い骨をつくる
鉄分や銅がコラーゲンをつくって、カルシウムと一緒に骨を強くする - 有害物質をデトックス
不溶性食物繊維やモリブデンが体内の重金属や食品添加物などを出す - 便秘解消
不溶性食物繊維が体内で大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発に - 肌を美しく
鉄分や銅がコラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進
そこで、きなこをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそきなこを食べて!
きなこをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 貧血になることが多い
- 便秘(便の量や回数が少ない)
- 骨粗しょう症を予防したい
- 生活習慣病を予防したい
- 美しい肌でいたい
- ストレスが多い
大豆たんぱくやイソフラボンも豊富なきなこ。女性だけでなく男性の方にも広く食べてもらいたいのがきなこなのです。
きなこに多い栄養:まとめ
きなこに多い栄養と期待される効果をお伝えしました。
きなこに多い栄養:1日の必要量に対して多い順番に、モリブデン、銅、不溶性食物繊維、鉄、クロム、カリウム、葉酸、ナイアシン、マグネシウム
きなこの効果:感染症の予防、貧血の予防、強い骨をつくる、有害物質をデトックス、便秘の解消、美しい肌をつくる
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、立ちくらみや頭痛がよく起きる、便秘がち、骨粗しょう症や生活習慣病を予防したい、美しい肌でいたい、ストレスが多い
コーヒーに入れたり料理に入れたり。きなこならサッと手軽に使えて低カロリーなのに栄養はたっぷり。
ぜひこまめに活用してみてはいかがでしょうか。