初夏が旬のアスパラガス。その鮮やかな緑色は食卓を華やかにしてくれますね。
そんなアスパラガスにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- アスパラガスに多い栄養は?
- 温野菜などで3本食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- アスパラガスの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。アスパラガスの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】ブロッコリーの栄養がすごい!1食分の栄養と11の効果とは?
アスパラガス3本の栄養価
アスパラガスに多い栄養は、葉酸、ビタミンC、E、K、B1、銅、カリウム、不溶性食物繊維など。
葉酸や銅など血液をつくるはたらきの栄養や、ビタミンCやEなど抗酸化作用の高い栄養も豊富。
アスパラガスの効果としては、お腹の赤ちゃんの発育を守る、貧血の予防、免疫力を高める、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ、アンチエイジングなどが期待されています。
そんなアスパラガス。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養ではなく、一度に食べる量として……
- アスパラガスの温野菜を3本食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - アスパラガスに多い栄養は何?
- どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
一度に食べる量
=アスパラガスの温野菜3本:48g
1本が約20gで可食部は16g。温野菜やサラダなど一度に食べる量の目安を3本としました。
※生ではなく「茹でたアスパラガスの栄養」を紹介します。
アスパラガスに多いビタミン
まずはビタミン。
アスパラガスの温野菜を3本食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
アスパラガスの温野菜に多く含まれているビタミンは次の3つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
葉酸 | 36% |
ビタミンK | 15% |
ビタミンE | 13% |
妊婦さんや授乳中のママにうれしい葉酸がぎっしり。骨を強くするビタミンK、流れをサラサラにするビタミンEなど、わずか3本という量にもかかわらず、いろいろなビタミンが豊富です。
次はアスパラガスにはどんなミネラルが多く含まれているのかお伝えします。
アスパラガスに多いミネラル
アスパラガスの温野菜3本で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
アスパラガスはミネラルよりビタミンのほうが豊富。ミネラルのなかでは次の2つで、女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
銅 | 9% |
カリウム | 6% |
血液をつくって貧血を防ぐ銅、体内の余分な塩分を出すカリウムなどが比較的多く含まれています。
では、アスパラガス3本の食物繊維をお伝えしてから、アスパラガスの7つの効果効能を紹介します。
アスパラガスに多い食物繊維
アスパラガスの温野菜3本にはどのくらい食物繊維が含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 6% |
水溶性食物繊維 | 4% |
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類。アスパラガスの温野菜3本でどちらも5%ほど摂ることができます。
水溶性食物繊維は生活習慣病の予防効果の高さに注目が集まっていますが、私たちは必要な量のわずか半分ほどしか摂れていません。
血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪などが気になる年代はしっかり摂りたい水溶性食物繊維。こちらでくわしく紹介しています↓
では……
アスパラガスに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
アスパラガスに多い栄養とその効果
アスパラガスの温野菜3本に含まれている栄養の中で、女性の1日の必要量に対して多い順に、
葉酸 | 36% |
ビタミンK | 15% |
ビタミンE | 13% |
銅 | 9% |
ビタミンC | 8% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- アスパラガスでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
葉酸
アスパラガスにもっとも豊富な栄養は葉酸。お腹の赤ちゃんの発育だけでなく、血液を作って貧血を防ぐはたらきもあります。
アスパラガスの葉酸の量は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
アスパラガス3本には86μg。
1日の必要量の36%です。
私たちは普段から葉酸をどのくらい摂れていて、アスパラガスでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている葉酸は、118%
アスパラガス3本には、36%
合計で、154%
男性が摂れている葉酸は、123%
アスパラガス3本には、36%
合計で、159%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
子供を授かりたい方、妊婦さん、そして授乳中のママにもしっかり摂ってほしい栄養が葉酸。貧血を防ぐはたらきも女性にはうれしいですね。
ちなみに葉酸は枝豆、いちご、ほうれん草、豆乳、焼きのりなどにも豊富。くわしくはこちら↓
ビタミンK
2番目の栄養はビタミンK。骨を丈夫にしたり、止血をサポートするはたらきがあります。
アスパラガスのビタミンKは?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
アスパラガス3本には22μg。
1日の必要量の15%です。
では普段からどのくらい摂れていて、アスパラガスでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、157%
アスパラガスには、15%
合計で、172%
男性が摂れている量は、164%
アスパラガスには、15%
合計で、179%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもなはたらきは次の2つ。
- 丈夫な骨をつくる
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKはいろんな食べ物に含まれていて、腸のなかでも作られています。不足しにくい栄養ではあるのですが、
- 極端にかたよった食生活をしている
- 抗生物質を長期間飲み続けている
といった人は腸内環境の乱れからビタミンKが不足しがちになります。
ビタミンKが多い食べ物のなかでもダントツはひきわり納豆と春菊。このほか、粒納豆、小松菜、白菜、ブロッコリーなどにもたっぷりと含まれています。
ビタミンE
アスパラガスに3番目に豊富なビタミンE。血管の掃除役であり抗酸化作用も高い栄養です。
アスパラガスのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
アスパラガス3本には0.8mg。
アスパラガスを食べると……
女性が摂れている量は、108%
アスパラガスには、13%
合計で、121%
男性が摂れている量は、100%
アスパラガスには、11%
合計で、111%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化を防ぐ
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美しい肌や髪をつくる
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
高い抗酸化のはたらきと流れをサラサラにするビタミンE。生活習慣病予防の強い味方です。
ビタミンEのはたらきや多く含む食べ物についてはこちらで紹介しています↓
銅
4番目の栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきがあります。
アスパラガスの銅は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
アスパラガス3本には0.06mg。
女性が摂れている銅は、149%
アスパラガスには、9%
合計で、158%
男性が摂れている銅は、133%
アスパラガスには、7%
合計で、140%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果は?
銅のおもなはたらきは次の5つ。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- いろんな病気や老化を防ぐ
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
一般的な食生活なら不足しにくい栄養ですが、ストレスを抱えている人、亜鉛のサプリを飲んでいる人は銅が不足しがちな傾向も。
アスパラガスよりも銅の多い食べ物には、レバー、牡蠣、いか、カシューナッツ、天津甘栗、さといも、アーモンド、枝豆、豆乳、納豆、豆腐などがあります。
ビタミンC
アスパラガスに5番目に豊富な栄養はビタミンC。活性酸素を除去する、感染症から守る、ストレスから守るなどのはたらきがあります。
アスパラガスのビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
アスパラガス3本には7.7mg。
女性が摂れている量は、96%
アスパラガスには、8%
合計で、104%
男性が摂れている量は、91%
アスパラガスには、8%
合計で、99%
ビタミンCの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
水に流れ出やすい栄養なので、野菜などの水洗いや水にさらすのは短めに。スープなら汁もしっかりいただくのがビタミンCを無駄にしないポイントです。
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アスパラガスに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- アスパラガスを食べると
どんな効果が得られる? - どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
アスパラガスの7つの効果効能
アスパラガスにはいろいろな栄養がバランスよく含まれています。
これらの栄養のはたらきから、アスパラガスに期待される健康効果をまとめてみました。
- 貧血を予防する
葉酸や銅が血液を作り、ビタミンCが鉄分の吸収を促進する - お腹の赤ちゃんの成長を守る
先天性異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らす - 動脈硬化を予防する
血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - 骨を強くして骨粗鬆症を予防する
ビタミンKが骨にカルシウムを取り込む - 心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえて流れをサラサラにする - 風邪などの感染症から守る
銅が免疫細胞のはたらきを助けて、ビタミンCがウイルスへの抵抗力を高める - 老化や病気を予防する
ビタミンC、E、銅の抗酸化作用で活性酸素を除去する
ということで、アスパラガスをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそアスパラガスを食べて!
アスパラガスをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 妊婦さん
- 授乳中のママ
- 生活習慣病が気になる
- 風邪をひきやすい
- お酒をよく飲む
- アスピリンやピルを飲んでいる
- 抗生物質を長期間飲み続けている
- いつもストレスを抱えている
妊婦さんや授乳中のママさんはもちろんのこと、風邪をひきやすい、体調がいまひとつ、といった方の健康のために食べてほしいのがアスパラガスなのです。
アスパラガスに多い栄養:まとめ
アスパラガスに多い栄養と期待される効果についてお伝えしました。
アスパラガスに多い栄養:1日の必要量に対して多い順に、葉酸、ビタミンK、ビタミンE、銅、ビタミンC、不溶性食物繊維、カリウム、ビタミンB1
アスパラガスの効果:胎児の発育促進、貧血予防、動脈硬化や心筋梗塞の予防、免疫力アップ、抗酸化、美肌、美髪
こんな人に食べてほしい:妊婦さん、授乳中のママ、血圧が高い、血糖値が高い、風邪をひきやすい、お酒をよく飲む、アスピリンや抗生物質を飲んでいる、いつもストレスを抱えている
栄養も健康効果も豊富なアスパラガス。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。